シン・エヴァンゲリオンXX   作:ハーメルンのopen

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08赤き彗星

「エヴァ44A多数!四時方向、艦底部から接近中!」

 

「主機点火とともに出力最大!何とか振り切って!弐号機と八号機は?」

 

「パイロットは搭乗済みです!」

 

ヴンダーのブリッジは突然の襲撃に混乱を極めていた。だが、ミサトは浮き足立つクルー達に次々と指示を与えていく。

 

「アスカ、マリ、貴方たちには繰演による44Aの迎撃を命じます。良いわね」

 

『合点承知!』

 

『わかったわ』

 

ヴンダーにピアノ線でつるされた弐号機と八号機が飛び立ち、編隊を組む、44Aの群れへと突撃した。弐号機と八号機は装備されているアンチATフィールド弾の込められたガトリング砲を連射し、次々と十字架の爆炎を量産していく。

 

「44A、エヴァ2機に釘付けです!本艦へ向けてくる機体はありません!」

 

「対空迎撃!エヴァに当てないように注意して!」

 

ヴンダーの艦底にある迎撃砲が火を噴き、44Aを次々と葬っていく。順調に44Aを撃破していくヴィレだったが、突如として索敵システムから警報が鳴り響いた。オペレーターが慌てて状況を報告する。

 

「本艦上空にエヴァMark10出現!本艦に取り憑かれます!」

 

「本命はこっちか!」

 

ミサトは舌打ちをする。

 

「Mark10移動を開始!これは……隔離室のあるエリアに向かっています!」

 

「狙いはあの二人ね!アヤナミタイプと碇シンジの確保急いで!隔離室にいる鈴原少尉にも伝えて!」

 

「駄目です!Mark10隔離室の外装を破壊!通信不能です!」

 

「急いで人員を向かわせて!それと弐号機を呼び戻して!」

 

ミサトの命令がブリッジに響き渡った。

 

・・・

 

「あれ…うち…?」

 

Mark10によって隔離室の壁を天井ごと破壊された衝撃で数分の間気を失っていたサクラは目を覚ました。まず目に飛び込んできたのは破壊された天井から見える青い空。

 

「……え?」

 

そして、自分の身の丈の数倍もある巨人の手を、切り飛ばすシンジの姿だった。

 

「い、碇さん……」

 

サクラに気がついたのか、シンジは急いでサクラに駆け寄りこう言った。

 

「よかった、気がついたんだね!ここは僕が食い止めるから早く逃げて!」

 

「で、でも……」

 

「大丈夫、もう僕は逃げたりなんかしないよ」

 

シンジはそう言って立ち上がると、ひしゃげて開かなくなった扉をミラアンセスフォリアで切り飛ばした。

 

「さあ、早く!」

 

シンジに言われるがまま、サクラは隔離室から飛び出し、ブリッジへと向かう。

サクラが隔離室から脱出するのを見届けたシンジは大きく穴の開いた天井からヴンダーの甲板に出た。

 

目の前には右手を切り飛ばされ、おびただしい血を流すMark10の姿が。シンジへと手を伸ばすMark10。シンジはミラアンセスフォリアを構えた。

 

・・・

 

「これは……艦長!これを見てください!」

 

「どうしたの?!」

 

「甲板映像出します!」

 

オペレーターによってブリッジの正面モニターに出された映像には右手を失いおびただしい出血をしているMark10と闘うシンジの姿が映し出されていた。

 

「どういうこと……」

 

「やはりあのアヤナミタイプが言ったことは事実だったのね……」

 

モニターに映し出されている80mもある巨人と碇シンジが対等に、いや、それ以上に渡り歩いている神話のゴリアテのような光景を見るミサトとリツコ。ほかのクルー達も同じように言葉を失っていた。その時、ブリッジに肩を上下させたサクラが入ってきた。すかさずミサトはサクラに声をかける。

 

「鈴原少尉!一体何があったの?」

 

「い、碇さんが…エヴァから私を逃がすために……早く助けを……」

 

「その必要は無いわね。見なさい」

 

サクラの言葉を遮るように言うリツコ。彼女の視線の先にはMark10のコアを手に持っていた白い武器で貫くシンジの姿があった。

 

Mark10は糸の切れた人形のように動かなくなり、甲板上に立っていたのは碇シンジのみだった。ミサト達がほっとするのも束の間、新たな警報がヴンダーに鳴り響き、オペレーターが悲鳴のような報告をあげる

 

「今度は何?!」

 

「本艦直上に新たな反応あり!パターンはオレンジ!音速を超える速度で接近中!モニターに出します!」

 

ブリッジのメインモニターには尾を引く赤い彗星が映し出されていた。

 

「これは一体……」

 

戸惑うミサトに、さらにとんでもない報告があげられる。

 

「検体BM-03、甲板から飛び降りました!」

 

「何ですって?!」

 

 

 

 

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