前回の続きになります。
それではどうぞ。
「とうちゃーく!! ん~、ほんとにここ、穴場だね!」
「はい! 人がいないので、チサトさんとティアさんも気にせず楽しめます!」
「「そ、そうね……」」
海に着いた一同。
ほんとに穴場だ。人が全くいない事に内心驚かざるを得ない千聖とティア。
「それじゃあ早速、海へれっつごー!!」
「あ、待って日菜ちゃん! 日焼け止めは塗った?」
千聖の問いかけに、家で塗ってきたよと答える日菜。
「海辺は特に日差しが強いし、海に入るんでしょ? 髪の毛用の日焼け止めスプレーを買ったから、使って」
「これ、最近出たやつだよね? 気になってたんだ~」
髪の毛用の日焼け止めスプレーを渡す千聖。
それを見た彩も実物を見たのは初めてなのか、興味深々である。
「へー、そんなのあるんだ? 千聖ちゃん、あたしにスプレーかけて~♪」
「ジブンも次、お借りしていいですか?」
「ふふっ、いいわよ。みんなそこに一列に並んで。順番にかけるわね」
みんなで順番にかけてもらう事になった。
ちなみにティアも。
「ん~♪ バラのいい香りがします♪」
「ホントだね。千聖ちゃん、ありがとう!」
彩が千聖にお礼を言う。
自分も髪の毛用の日焼け止めスプレーは持ってこなかったから、凄く助かるよと言いながら。
「よっし! 準備できたし海に……」
「あ、待って!」
「も~、次は何~?」
海に入ろうとした矢先、彩に止められ、頬を膨らませる日菜。
「あそこで
「「「「「猫?」」」」」
首を傾げる5人。
ほら、あそこと彩が言いながら、ティア達がその方向を見ると、確かに1匹の猫が居た。
ややくせのある茶色の毛並みに、ゴールドの瞳が特徴の猫が、木の枝を器用に使いながら、砂の城を作っていた……
「ほ、ほんとね……」
「でもなんでこんなところに猫がいるんですかね?」
「……」
千聖と麻弥の疑問に、ティアだけは心当たりがあった。
そこでスマホを取り出し、ある人物に電話をかける……
『もしもし。なんすかティア?』
「こんにちは、ツキヒ。貴方、今何してるの?」
そう。月灯に電話をかけたのだ。
『出かけた先で、物作りっすよ。ただ気温が暑くて暑くて……』
「物作りねぇ……」
「「「「「……」」」」」
パスパレの5人はそのやり取りを見て、唖然としていた。
その理由は、
「もしかして海で砂のお城でも作ってたりするのかしら?」
『そーっすけど……なんでジブンが海に来てるなんて分かるんすか? ジブン、ティアに海に行くなんて言ってないっすよね?』
「ツキヒが後ろを見れば、その答えが分かると思うわ」
『後ろっすか……? って、何してんすかティア……』
猫がティア達の方を振り向くと、唖然とした表情をしながら、こっちにやって来た。
「それはこっちのセリフ。その前に元の姿に戻ってくれないかしら? 周りから見てシュールだから」
それもそうっすね、と猫が言うと、瞬く間に猫から人の姿に変わった。
ややくせのある茶色いショートヘアー、瞳の色はゴールド、そして遠目から見たら女性に見えなくもない人物、ティアの幼馴染みの
「つつつ、月灯さん!?」
「あ、麻弥ちゃん、久しぶりっす。パスパレのみんなで遊びに来たんすか?」
「は、はい。みなさん揃ってのお休みは中々なかったんで……」
「そうなんすか? あ、それと水着、似合ってるっすね? 可愛いっすよ」
「え!? あ、ああ……ありがとうございます……」
月灯に似合うと褒められて顔が赤くなる麻弥。
「てか……ティアが水着とか珍しいっすね……」
「……なんでドン引きしてるのよ。悪い?」
「悪くはないっすけど、こういう場所でも私服なティアが珍しいと思っただけっす」
ティアが水着を着てる事に顔が引きつる月灯。
単純にパスパレのみんながプライベートで海に行く事になったから、それに合わせただけだからと彼女は言った。
「本題に戻るけど、ツキヒはなんでここにいるの?」
「大した理由じゃないっすよ? 海の幸を取りに来ただけっす。あとかき氷を食べに」
「あら、珍しいわね? 1人?」
「いや。悠里と
「えっ!?」
「ヒナ?」
今度は日菜が変な声を上げた。
それを見たティア達はどうしたのかと彼女に声をかけるが……
「あ、あああ、あたし……かき氷、買ってくるけど、みんな何がいい?」
目を逸らしながら、そんな事を言う日菜。
明らかに挙動不審である。
「まーまー、日菜さん♪ まだ買いに行かなくてもジブンはいいと思いますよ?」
「なんか麻弥ちゃんが意地悪だ!? 月灯くん助けてよ!?」
「麻弥ちゃん、そのまま抑えとくっす」
「了解です。イヴさん、日菜さんが逃げないように押さえといてください」
「はい! ヒナさん? 大人しくしましょうね?」
「えー!? イヴちゃんまでー!?」
麻弥とイヴに押さえられながら、薄情者ーとジタバタしながら言う日菜。
「ツキヒ、ヒナのこの反応は何?」
「それはっすねー……「月灯くん、何してるのー?」おっ。噂をすれば影っすね……」
声がした方を一同が見ると、そこには日菜と同じ156cmで遠目から見たら、少女にも見えなくもない中性的な少年がこちらに来た。
「あ! ティアちゃんだ。久しぶりー♪」
「久しぶりね、シオリ。ユーリは?」
「おにーちゃんなら、かき氷買ってくるって言ってたよ」
「……(雰囲気が悠里くんそっくりだ!)」
「……(初めて見たけど、確かに悠里にそっくりね)」
彩と千聖の感想はそれだった。
まず髪色は悠里と同じミントグリーン色のショートヘア。瞳も薄い青紫色……
ただ唯一違うのは、前髪は彩と千聖から見て、若干短めで右に流しており、悠里と違ってややツリ目ではなく、クリっとした感じの目だった……
「……(待って!? 今の話からすると悠里も来るって事じゃない!? あ~……もう~~っ!!)」
同時に千聖はかなり焦っていた。
幼馴染みが今の自分の格好を見たら、何て言われるか想像がつかなかった。
そう考えたら、かなり余計に恥ずかしくなった。
「あ! 日菜ちゃんだ♪ 久しぶりー♪」
「あ、う、うん……」
汐里に見つかり、逃げ場を失った日菜。
「日菜ちゃんも海水浴に来たのー?」
「う、うん……その、パスパレのみんなと一緒にだけど……」
「そうなんだー?」
目を輝かせながら興味深々に日菜をじーっと見る汐里。
「日菜ちゃん、水着似合ってるね♪ 凄く可愛いと思うよ♪ るるるんっ♪ って感じ♪」
「~~~~っ!? あ、ありが……とう……」
汐里に笑顔で似合ってる、しかも可愛いと言われ真っ赤になる日菜。
「……あんなに照れてる日菜ちゃん、初めて見た」
「そ、そうね。いつもと態度が違い過ぎるっていうか……」
「ツキヒ、つまりヒナのあれってそういう事?」
「そうっす。なんでも悠里曰く、去年の七夕祭りの時に、日菜ちゃんが汐里に一目惚れしたって言ってたっす」
「ジブンも去年スキーに行った時に、悠里さんからそう聞きました」
「「「一目惚れ!? 日菜ちゃん(ヒナ)が!!?」」」
ティアと彩と千聖が驚きの表情をしながら、何度も日菜と汐里を見た。
日菜には色々と振り回されるイメージしか3人にはない為、
麻弥はもう慣れたらしいが。
「学校でも昼休みに時々、汐里さんがクッキーを届けに来るんですが、日菜さん、その度に毎回あんな感じになるんです」
「ヒナさん、可愛いです♪」
「「「……(((全然想像がつかない……)))」」」
麻弥の言葉にイヴはそう言うが、他の3人は全く想像がつかなかった。
「具体的に例えるなら、日菜ちゃんは汐里の前だと、借りてきた猫のように大人しいんだよ」
「あら。ユーリ」
「…やほー、ティアちゃん。彩ちゃん達も」
「「び、びっくりした……」」
3人に声をかけてたのは、遠目から見たら、少女にも見えなくもない中性的な少年で汐里の双子の兄、
突然の事に驚く彩と千聖。
「悠里、かき氷、買えたんすか?」
「…それが聞いてよ、
「マジっすか……」
「……ユーリ。だからって、カシスオレンジ味を頼むのもどうかと思うけど……」
「「つ、つっきー……?」」
悠里と月灯の会話にティアがそれは流石にないでしょと答える。彩と千聖は悠里が月灯の渾名を聞いて、驚いているが……
「そういうわけで僕は、ここでかき氷を食べる事にするよ」
「ユーリならそう言うと思ったわ。私もかき氷買ってくるから、荷物番お願いしてもいいかしら?」
「うん。構わないよ? 今日は非番で来ただけだし……」
こうして成り行きで、悠里達3人も加わる事になった。
「……」
「……」
荷物番をする事に悠里と千聖。
なんで千聖も一緒に荷物番をやる事になったかと言うと、悠里だけじゃ負担がかかるのが建前で、本音は悠里と一緒に居たかったのである。
「……それにしてもいいの? 千聖ちゃんも彩ちゃん達と遊べばいいのに」
「それだと悠里が大変でしょ? それに私はここでみんなを見てるだけで十分楽しいから」
だから、気にしないでと言う千聖。
「ティアちゃんから聞いたけど、月灯くんと2人で直談判しに行ったって本当なの?」
「うん。本当」
直談判の件を千聖が訊くと、かき氷を食べながら、本当だと答える悠里。
「だってスケジュールの組み方が雑なんだよ? しかも会長が言わない事を良い事に、アイツら好き放題やってるから、余計に頭にくるよ……」
「だからって直談判しなくても……」
「……このくらいやんなきゃ、あの事務所に未来はないよ。かと言って、まともな人がいるのが少ないのが現状だけど」
「……」
その言葉を聞いた千聖には心配事があった。
それは悠里に対して、仕返しがこないかである。事務所の中には彼の事が気に入らないと思う人が一部いるのだ。
偶にそれを見かけるたびに千聖は腹立たしい気分になる。
「向こうが好き放題するなら、僕も好きにさせてもらう。ただそれだけ」
「……ゆーちゃんのバカ。そんなんだから……」
悠里に寄りかかりながら、千聖はボソッと呟く。
「そう言われてもなぁ……あ、言い忘れたけど、ちーちゃん、水着似合ってるよ」
「っ!? あ、ありがとう……それとちーちゃんって呼ぶのやめて。みんなに聞こえてないからいいけど……」
「……さっき僕を昔の呼び方で呼んでたんだし、おあいこだよ、ちーちゃん」
「……っ!!! ゆーちゃんのイジワル……」
昔の渾名で褒められ、顔を真っ赤にする千聖の姿がそこにあった。
読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
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容姿イメージ:『美鳥の日々』の春日野美鳥
誕生日:12月12日、いて座
血液型:A型
一人称:僕