双月の少年達のサマーバケーション   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
前回の続きになります。

それではどうぞ。


第3話 小さな小さな水族館

「お! 千聖ちゃん、来たね! 悠里くんに運ばれながらだけど♪」

「日菜ちゃん、それは言わないで……」

 

無事に合流した一同。

先程の事を日菜に指摘され、顔を赤くする千聖。

 

「まあまあ、千聖さん、ここから海の中を覗いてみてください」

「海の中を……? わあ……!」

「私も見たい見たい!」

 

麻弥に宥められつつ、海の中を千聖と彩が覗いてみる。

 

「小さい魚がたくさん泳いでるわ」

「ほんとだ~!」

「ふふ、可愛いわね♪」

「千聖ちゃん、水族館に行かなくてもお魚見られたね♪」

 

日菜の言う通り、これは水族館に行かなくて正解だったかもしれない。

 

寧ろ、ここでしか見れない光景だったかもと思いながら。

 

「お魚、ちゃんと写真に写るかな?」

「彩さん、乗り出し過ぎてスマホを海に落とさないように気をつけてくださいね」

「うん! もうちょっと寄って~……撮れた!」

 

見て!綺麗に撮れたよ~! と言いながら、写真を見せる彩。

 

「……おー、綺麗に撮れてる。流石は彩ちゃん」

「そうね。魚の写真って難しいものね」

 

悠里とティアも彩の撮った写真を絶賛。

 

「あっ! 見てください! 小さなカニがいますよ」

 

今度はイヴがカニを発見した。

波に流されては、めげずに一生懸命に進んでいた。

 

「なんだか彩ちゃんみたいね」

「え? 私カニなの?」

 

千聖がそんな事を呟き、それを聞いて首を傾げる彩。

 

「流されても流されてもめげないところが、よ」

「そういう事か~。今の、褒めてもらえたって事だよね?」

「うん。褒めてると思うよ」

 

多分ねと付け足す悠里。

千聖の事だから、今のは彼女なりに彩を褒めてるんだろうなと思った。

 

「彩ちゃん、一緒に撮ってあげようか? カニと彩ちゃん! 同じポーズしてみて!」

「はい♪ れっつごー♪」

 

唐突な事を言い出した日菜。汐里も何気に乗り気である……

 

「カニさんピース♪ こんな感じ?」

「いいねいいね~。はい、チーズ♪」

「……」

 

日菜がスマホを構えるが、何故かシャッター音が鳴らない。

 

「……撮った?」

「ぷっ……! あはは! これ、動画だよ~!」

 

彩にネタバレしつつ、大笑いする日菜。

 

「えっ!? もぉ~! なんで言ってくれないの~!」

「日菜ちゃん、写真を撮るとは言ってなかったわよ」

「千聖ちゃんまでー!」

 

確かに千聖の言う通り、日菜は『撮ってあげる』とは言ったが、写真を撮るとは言ってなかった。

 

「千聖さん、よければ足元だけ海に浸かってみませんか?」

「けっこう良かったわよ?」

「チサトさん、そうしましょうっ!」

 

麻弥、ティア、イヴが勧めてきた。

それじゃあと言い、千聖は足元だけ海に浸かってみた。

 

「本当だわ。冷たくて気持ちいい」

「足元だけ浸かるだけでもだいぶ違いますよね」

 

麻弥の言葉に確かにと他のみんなが頷いていた。

 

「チサトさん、海はいつぶりですか?」

「そうね……多分、この業界に入る前に来たきりじゃないかしら。仕事では何度か来たけれど」

 

イヴの疑問に千聖は思い出しながら答える。

そういえば、小さい頃に悠里とも来た事があったっけと同時に思い出していた。

 

「やっぱり、お仕事への影響を気にしてですか?」

「それもあるけれど……」

 

麻弥がそう訊いた時、それもあるけれどと千聖が言った時……

 

「千聖ちゃん、見て! なまこー!」

 

日菜がなまこを手に持って見せてきた。

 

「日菜ちゃん、よく持てるね……わ、わあ~! こっちに持って来ないで~!」

「ひ、日菜ちゃん……こっちにも来ないでね」

「……(この2人、なまことか確かに苦手そう)」

 

悠里の後ろに隠れる彩と千聖。

それにしても日菜はよくなまことか持てるなと悠里は思った。

 

「えー、見てよ~。ほらほら~」

「や、やめて~!!」

「ひ、日菜ちゃん、それを海に帰しなさい」

「彩ちゃんも千聖ちゃんもなまこ苦手?」

「苦手じゃない人の方が珍しいわよ」

 

悠里の後ろに隠れながら答える千聖。

 

「じ、ジブンも流石にちょっと……怖いです」

「麻弥ちゃんも苦手なんすか。てか、日菜ちゃん、そのなまこどこに居たんすか?」

「えっとねー、あの辺に居たよー。汐里くんが教えてくれたんだー♪」

「了解っす。ちょっとジブンも汐里のところに行ってくるっすよ」

 

そう言うと月灯は、未だになまこを探してるであろう汐里を探しに行った。

 

「なまこはフィンランドの言葉で『メリマッカラ』と言うんです。響きが全然違っておもしろいですね」

「ちなみにフランスだと『コオンブロ・デ・マール』って言うのよ」

「……(最近、ティアちゃんがフランス出身だって事を忘れそうになるんだよね)」

 

イヴとティアが言う。

幼馴染みが昔ちょっと住んでただけとはいえ、フランス出身だったという事を危うく忘れていた悠里。

 

「めりまっから! こおんぶろ・で・まーる! あはは、メリマッカラとかコオンブロ・デ・マールって言ったら、ちょっと可愛い感じしない?」

「しないわよ!」

「ちぇー。じゃ、メリマッカラ・デ・マールちゃんを帰してこよっと」

「…なんか色々と名前が混ざってるけど?」

 

最早、なまこが人名に変化している事をつっこむ悠里。

 

「はあ~……」

「や、やっぱり海は苦手かもしれないわ……」

 

なまこを海に帰しに行った日菜に安心しつつ、溜息を吐く彩と千聖であった。

 

「おにーちゃん、見て! なまこー!」

「…うん。随分と獲って来たね……」

「……あー、そうっすよね……」

「シオリ、流石に獲り過ぎ」

 

すると今度は汐里がなまこを大量に持って来た。

その数を見て、苦笑いする悠里と月灯とティア。

 

「おにーちゃん、これだけあれば、たっくさん唐揚げ作れるよね?」

「まぁ、作れるけど……」

「な、なまこって、た、食べれるんですか……?」

「麻弥ちゃん、これが食べれるすよ。なまこはウニと同じ棘皮門系っすから……」

 

悠里と汐里のやり取りを見ながら、麻弥達に説明する月灯。

そしてちょうど日菜が戻って来た。

 

「あ、汐里くんもなまこ獲ったんだ?」

「うん♪ あとね? こんなの捕まえたんだ♪ じゃーん、海の掃除屋、フナムシー!」

「「きゃあああ~!?」」

 

フナムシを見せた汐里。

それを直視した彩と千聖は、涙目になり叫び声を上げながら悠里に抱き付くのであった。




読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
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