双月の少年達のサマーバケーション   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
前回の続きになります。

それではどうぞ。


第4話 少しだけしょっぱいラーメン

「お腹空いちゃったね~! 何か食べない?」

「僕もお腹空いた~」

 

日菜と汐里の一言で時間もお昼時なので、海の家で休憩する事なった一同。

 

「あたし焼きそばにしよーっと」

「私はかき氷にします!」

「ジブンは……イカ焼きで!」

 

日菜、イヴ、麻弥が決まったようだ。

メニューを見ながら、彩が千聖ちゃんは何にする?と訊く。

 

「私はそうね……(こういうところのご飯、食べた事がないから何にすればいいのか分からないわ……)」

 

メニューを見ながら、考える千聖。

どれも食べたらお腹が出てしまいそう……けど、お腹は空いたわね……と思いながら。

 

「私は……ラーメンにするわ。お店の一押しって書いてあるし」

「じゃあ私も同じのにしよっと! ティアちゃんは?」

「そうね……私は……焼きとうもろこしにするわ」

 

ティアがポツリと言った。

それを聞いたパスパレの5人は、意外な物を頼むんだなーと思ったと同時に渋いなと思った。

 

「ティアの焼きとうもろこし好きは相変わらずっすね……」

「いいじゃない。好きなんだから……」

「本音はなんすか?」

「強いて言うなら、ユーリが作った焼きとうもろこしが好き」

 

月灯の問いかけに、真顔で答えるティア。

 

「あれ? そういえば悠里くんは?」

「汐里くんもいないよー?」

 

彩と日菜がキョロキョロと辺りを見渡すが、件の悠里と汐里の姿がなかった。

 

さっきまで居たのに、どこに行ってしまったのだろうか?

 

「悠里と汐里なら、みんなの飲み物を買いに行ったっすよー」

 

月灯がみんなにそう言った。

 

「とりあえずジブンはみんなの分を注文してくるっすね?」

 

行ってくるっすーと言いながら、月灯は店員に注文をしに行くのだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「皆さん揃いましたね? それじゃあ、いただきましょうか!」

 

みんなが頼んだ品が届いたので、麻弥の合図で食べる事に。

 

「このラーメン、具だくさんで美味しそうね。チャーシューに卵、のり……なるとに……めんまも入ってるわ」

「うんっ、けっこう美味しい! 千聖ちゃんも早く食べてみなよ!」

「いただきます。……うん?」

 

彩に勧められ、早速ラーメンを口にする千聖だが……

 

「(思ったよりしょっぱい……!)」

 

想像してた味と違ってしょっぱかった。

そういえば前、彩に付き合ってティアと一緒に学食でラーメンを食べたが、それよりもしょっぱかった……

 

「どう? 美味しい?」

「ええ、美味しいわ。スープは澄んでいて綺麗だけど、飲んでみるとしっかりした味ね。麺もコシがあって美味しいし。チャーシューも柔らかい」

 

お店の一押しメニューなだけあるわねと千聖は彩に言った。

 

「……チサト、食レポみたいになってるわよ」

「あ……! つ、ついいつもの癖で……」

 

ティアに食レポみたいだと指摘され、つい仕事の時の癖で言ってしまった事に気づく千聖。

 

「ご飯の感想がお仕事の癖になってるって、改めて考えると千聖ちゃん、凄いよね」

「で、でもラーメンの美味しさは伝わってきたよ!」

 

日菜と彩がそう言った。

 

「ごめんなさい、せっかくのオフなのに、ついつい仕事モードになってしまって……」

「千聖ちゃ~ん、今の食レポだけじゃなくって、今日1日ずーっとお仕事モードじゃん」

「そんな事は……あるわね」

 

日菜の言葉を聞いて、ご尤もだと思った千聖。

 

「それじゃあチサトさん、レポ風じゃない感想は、いかがですか? 美味しいですか?」

「レポ風じゃない……そうね……」

 

イヴにそう言われ、レポ風じゃない感想はどうか?と訊かれた千聖。

 

「えっと……少し、しょっぱいわ」

「……フッ」

 

千聖がそう言うと、彼女の表情を見て悠里が笑った……気がした。

 

「まあ、こういう場所の料理は、味付けが少し濃いめっすからね……(さっきの千聖ちゃんの表情を見て、悠里……嬉しそうっすね♪)」

「こういうところのは、あまり食べた事がなくて……美味しいは美味しいのだけど」

「そこは人それぞれっすからね~」

 

そう言いながら月灯は、悠里が確実に笑っていたのを見逃していなかった。

 

「じゃあ彩ちゃん! 逆にレポしてみよー!」

「えー!? えっと……」

 

日菜にレポしてみてと言われ戸惑う彩。

 

「美味しいです! けっこうしょっぱい……じゃなくて味が濃い? えーと……しっかりした味なので、疲れた体に染みます!」

 

あと、なるとが可愛いですね~と言いながら、自分なりに食レポをする彩。

 

「確かに、ピンクと白で可愛いですね♪ アヤさんらしいです!」

「あははっ、けど千聖ちゃんと逆! お仕事モードの方がぎくしゃくしちゃってる!」

「うう~、言わないでよー!」

 

イヴはともかく、笑いながら言う日菜に対して、じゃあ逆に日菜ちゃんもやってみてよと言う彩。

 

「えっとー……焼きそば! 具はー、お肉と人参とー……玉葱はるんっ♪ としないから除けてまーす!」

「お味はいかがですか?」

「んー、普通! 美味しーよ」

「あはは……その正直さが、日菜さんらしいです」

 

苦笑いしながら、日菜らしいと答える麻弥。他の皆も確かにと頷いていた……

 

そして千聖がオフの日だし、レポはやめてお昼ご飯を食べましょうと言った。

 

「うん、そうしよう! 日菜ちゃん、玉葱も食べないとだよ?」

「え~。オフだから食べな~い」

「も~!」

 

そんな彩を見かねた悠里は……

 

「あのさ、汐里」

「んー? なあにー? おにーちゃん」

「日菜ちゃん、玉葱が食べれないんだって。汐里に食べさせてもらえれば、食べれるかもだってさ」

「ちょっ!?」

 

日菜の弱点である汐里に何食わぬ顔でそう言った。そして日菜は驚愕な表情。

 

「あ、あたしやっぱ食べ……」

「はい♪ 日菜ちゃん、あーん♪」

 

みんなの前での公開処刑だけは避けようとした日菜だが、時すでに遅し。汐里が玉葱をこっちに向けていた。

 

しかも笑顔で。

 

「……」

「ひ、日菜ちゃん、固まっちゃった……(や、やっぱり、こういうところ、悠里くんにそっくりだ……)」

「究極の選択をされてる時の人の表情ね……(こ、こういうところも悠里にそっくりね……)」

 

彩と千聖が日菜を見ながら、そう呟いた。

そして同時に、もし日菜と同じ立場だったら、自分達もあんな表情をしてるんじゃないかと思った。

 

今も自分の隣で澄まし顔をしながら、美味しそうにかき氷を食べてる悠里を見ながら。




読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
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