転生したら殺人鬼ポジだった件 作:クリーニング黒兎
あぁ…6部楽しみだァ…(切腹覚悟)……やった!露伴がまた動かないぜ!(語弊)
鈴美と図書室で出会ってから、数ヶ月経った。
ジメジメとした季節が過ぎ、迎えたサマーシーズン。彼女と再会して早々訪れる受験勉強に、嫌気がさす。
他の奴らと比べ、わたしには前の記憶(恐らく己の身体もろとも過去にタイムスリップしたと思われる)があるし、地の頭が悪いわけではない。
殆どの教科は問題ないのだが、しかし唯一、専攻した日本史にダメージを削られていた。
他の教科とは違い、とにかく覚えることが重要な科目。一度やったことはあるのだから、他人よりも覚えやすいと思うことなかれ。
過去の三十数年の記憶と今の十数年の記憶を足すと、それなりにいい歳になる。
精神年齢…というより
身体は若いというのに、奇妙な話である。また、精神状態も過去の脆弱さを引きずっていた。
しかし本当に巻き戻った直後は驚いた。赤ん坊の頃の鮮明な記憶など、最初の一回で十分だった。
そして同時に、乳児の頃の記憶があるという共通点から考えたのは、遡る前が
まぁ遡ったのか、はたまた「前世」なんて笑止千万なものがあったのかはわからない。知る術がないから殊更である。
わたしはわたし、「吉良吉影」だ。
依然変わりなく、その事実が自分の生き方を導いている。
「何か上の空だね?」
「……ちょっと過去に、想いを馳せていただけだよ」
「過去って、吉影くんの中学生時代?それとも………
「さぁね。それより勉強を進めたらどうだ」
高校の夏休み、今わたしと彼女がいるのは図書館である。
学校の図書室よりこちらの方が長い時間利用できる。
カップルで勉強する状況は一見人目につきそうだが、上手く受験生に紛れていた。
心配しそうな親──特に母親は、前の時より束縛が減った。まず“時が巻き戻った”と自覚した上で、初めに行動に移したのが母に関してだ。
とにかく親の言うことをよく聞き、反抗期などなかったわたしは「No」と言える人間を演じた。絶賛反抗期扱いである。
だがその結果、苦労の甲斐あり多少の自由がある。
それでも母の執着があるのは仕方あるまい。わたしが拒絶反応を起こす視線ではなくなっただけマシだ。
ちなみに鈴美には、わたしが「
実際は前世ではなく、「時間が遡る前の世界」だ。
しかしうろ覚えではあるが、彼女は姿形のわからぬ相手(=わたし)を探していた──という記憶を有しており、そこからその不思議な感覚が自分の「前世」の記憶である…と解釈していたので、それで話を合わせた。
「あぁ、ほんとイヤだわ。夏休みだからせっかくパァーっと二人で遊べると思ってたのに、何で高校ってこんなに課題多いのよ…」
「ぼくが受験生ってこと覚えてるかい、鈴美」
「えぇー、でも今の段階で第一志望のD学院は【A】判定でしょ?日本史だけ他と比べたら微妙な点数だったけど」
「そうだよ。だから一夏の思い出を、共に勉強にしようじゃあないか。旅は道連れだ」
「嫌よッ!!しかも「世は情け」の部分が消えてるじゃない!?水着を買った意味がなくなっちゃうなぁ…」
「水着?」
前の話から察して、わたしと行くつもりだったのだろう。
彼女はこちらが性的な意味で食いついたと思ったのか、シャーペンを持った手でニヤける口元を隠す。
「やだなぁ。私でやらしいこと考えたでしょ?」
「いや、女子力のなかった君が、ここ数ヶ月でよく成長できたと思ってね」
「なっ──私は麗しき乙女じゃない!どこからどう見ても!」
「まぁ…君の水着姿は確かに、興味があるよ」
「ほら、やっぱり」
貧相な胸に合う水着が売ってた事実は、純粋に感心す────、
「痛ッッ!!!」
「じゃあ誰かさんのお望み通り、勉強の続きしよっか」
人の手にシャーペンの先を突き刺した彼女は、それは綺麗に笑っていた。何故女は人の心を読むのが上手いのだろう。
「どうしたの、急に笑って?」
小首を傾げる鈴美に、何でもない、と返す。
彼女と過ごす些細な時間の中にも「幸福」があり、ぼくの心をとかす。
今この一瞬が夢ではないのだと、手の痛みが主張していた。
⚪︎⚪︎⚪︎
ザザァと響く、波の音。
一面に広がるのは青白い闇世の世界。その天上には無数の煌めきが点在し、それそれが輝きを誇示し合っている。
その中でも我が物顔で中央を陣取るのは十三夜月。左が二割ほど欠けている月だ。
あと二日もすれば満月を拝めただろう。風景に心を奪われるほど、わたしの心はお安くないが。
「うわぁ〜夜の海って綺麗だね!」
だがあくまでわたしに限った話で、あと一時間もすれば明日になる時間に連れてきた鈴美は、夜景に感嘆している。
月明かりに照らされる彼女の横顔の方が、よっぽど目を奪われるだろうに。
「遊びに行かないとか言いながら、何だかんだで連れて来てくれるんだから」
「まぁ、この時間帯は人がいないからね」
サマーシーズンとは言っても、夜の海を楽しむ人間は中々いない。陽が出ている時間はともかく、夜は不気味さが増すのだ。
それは
水難事故の数も全国平均の五倍以上だ。夜にハメを外して、そのまま沖へ攫われた連中もいたらしい。
そのため、夜に浜辺へ侵入するのは禁止されている。
つまりわたしたちがこの場にいるということは、設置された柵と看板を無視してきたということに他ならない。
鈴美は優等生のわたしがルールを破るとは思わず驚いていた。それを言ったら彼女も同じ括りだ。
「結構ドキドキしちゃうね、こういうのって」
「とんだデンジャラスガールだな」
「そういう吉影くんが乗ってたバイクは、盗んだものでしょ?」
「そんなわけないだろ。ネタは尾崎豊か」
「そうそう、パパが好きでね。カセットテープでよく聞いてるの」
体感で二度目の人生ともなれば、既に経験したことを繰り返す状態になる。リアルコナンくんだぞ、彼はよく小一の苦行を耐えたと思う。
他の子供がひらがなを覚えている中で、わたしは一人字体を崩すのに苦労した。
集団の中で別のものと戦っていた自分に拍手を送りたい。本当に、色々大変だった。
これまで「絶対に大人ってことバレるだろ?」と冷ややかな目で見てきたコナンくんには、今や敬意しかない。
ちなみにバイクについては暇な時間を使って取得した。
狭い行動範囲を広げるには、有用な手段であると判断したからだ。
「お昼はショッピングに付き合ってもらったし、一日中デートって楽しいね」
「…ん?今日が初めてだったか?今まで何度も……」
「初めてだよ。ずっと、ってのはね」
「……あぁ、そうだった、そうだったね」
大学時代にしょっちゅう付き合わされていたが、アレは
時折誤作動を起こす脳は、きっと血中の酸素が足りていないのだ。それもこれも、肺が真面目に働かないせいである。恥を知れ。
「でもパパから奪っ……もらったお小遣い、ほぼ使っちゃったよ」
「フフ…ぼくが稼いだら、好きなもの何でも買ってあげるよ」
「わーい、貢がれる風俗嬢になった気分!」
「言葉に反して嬉しそうじゃないな」
「そう?だってさ」
浜辺に隣り合わせで座っていた彼女の手が、わたしの手を握る。白く、たおやかな
胃が勝手にムカムカし出し、溜飲が上ってきた。しかし実際に胃酸は上がっていない。
無理やり唾を飲み込んで、激流のようなその感情を押し込む。
ガチッ、と鳴った音は彼女に聞こえこそすれ、こちらが俯き気味だったことから表情を見られることはなかった。
君の彼氏はどうしようもなく、イかれているヤツだ。
「私の欲しい
わたしの肩に小さな顔を乗せて、鈴美は瞳を閉じた。垂れた横髪に、その表情はすぐに隠されてしまう。
先程まで荒ぶっていた鼓動が嘘のように緩やかになる。
「…夜は少し、寒いね」
「うん。でももう少し、ここにいよう?私の………誕生日になるまで」
「……あぁ」
一度目は保健医の事件に巻き込まれ、波乱の時を過ごした。
しかし二度目の今は、わたしの前に嘘つきの女が現れることはなかった。それが何故かはわからない。
もしかしたら彼女はわたしと同じようにすべての記憶があり、意図的にこちらと接触を避けたのかもしれない。もしくは単純に、別の職に就いているだけなのかもしれない。
ただ恐らくは、わたしと鈴美の出会う時期が大幅にズレたように、前回と
願わくば海で腐乱死体にならず、平穏に過ごせていることを望んでやろう。
だがそれでも、鈴美の誕生日に起こった佐藤の一件や、片桐安十郎の『S一家殺人事件』。あまつさえ自分の“死”を体感したこちらとしては、警戒せざるを得ない。
杉本鈴美が歳を重ねる日である明日、わたしたちの「運命」に禍をもたらす出来事が起こるかもしれない。
だからこそ、誕生日である前後を含めて彼女の側にいる。この後はホテルに泊まる予定だ。
もちろん手は出さない。流石に前回の分を踏まえた年齢差がある。子供のようにはしゃいでいる彼女にも、恐らくその気はない。
「どこにも、行くなよ」
「ん?うん、一緒にいるよ?」
「……ずっと、ずっとだ」
「うん、いいよ。ずっとね」
「……ぜったいだぞ」
ゆったりと流れる彼女の心音が、耳に届く。それに合わせてさざなみが聞こえ。瞼が重くなる。
そのまま睡魔に手を引かれ、意識が段々と落ちていく。
「起こしてあげるから、ちょっと寝てもいいよ」
「…ダメだ」
「じゃあ、眠くなくなるようにしてあげます」
直後、頬に柔らかいものが押しつけられた。
いつものあどけなさや、愛らしさが何処へやら。あの女のように、
「ハァー………煽ったのは君だからな。この後どうなっても知らないぞ」
「…うん」
横目で見た彼女の耳は、真っ赤になっていた。
それにこちらまで、何故か顔に熱が上る気がする。
彼女に誘われたら、わたしだって断れない。
偶にじゃれつく姿は子猫のようで、しかしよく噛みつかれる。
ワガママな一面のある彼女に、わたしは魅了されているのだ。
そんな彼女はぼくの、キラークイーンだ。
【は?】
吉良が「鈴美=キラークイーン」と思った瞬間、相棒が現れた。彼の二回目の人生の最初からいる、この巻き戻った世界を作った張本
『ニャー』
「………」
『ニャー』
「………」
後ろから彼の顔を覗いて、「ハ?お前の
せっかくの雰囲気が、秒で台無しにされた瞬間である。鈴美はこの間、首を傾げていた。
ーこっから後書きー
プッチ戦についてですが、正直詳しくは考えてません(正直)
ただ、プッチは予定調和でDIOに会うとは思います。そんでD様からもらった矢で自分を射ますが、「うわっ…私のスタンド、目覚めなさすぎ…?」案件が発生。死にはしません。だって自分のスタンドはあるしね。この世界でバラバラになってるけど(ただし人間の
その後、プッチは「人類が幸福になる」方法を求め、暗躍しながら事を進めていくと思われ。DIOを殺した承太郎がいるので殊更慎重に動く。
本来ならプッチが緑の赤ちゃんとフュージョンすることで、その中に流れるDIOの存在の「引力」を受けて神父と出会うことになるDIOズソンたちは、世界の修正力たる「運命」により、無事にプッチと出会ってスタンド使いにさせられます。さすがディズニ…じゃなくてディスティニーだ!最高に正義側をディスってくれるぜ!
で、プッチ戦。
承太郎が殺されかけ、「
とりあえずオラ親子生存√を望むがゆえに見出した話なので、軽く流してください。
ー質問コーナー?ー
Q.本編のその後、重ちーと同じく「運命」によって辻綾先生死んでしまったの?
<生きてる。辻綾先生は吉良が殺人鬼じゃなかったので死ななかった。対し重ちーは仗助たちがラスボス(この場合「影犬」)に立ち向かうキーとなる存在だったので、死亡しました。スマンネ…。これもまた運命の修正力が働いた結果です。