転生した男がイレギュラーとして過ごすお話し。   作:神領千鶴

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皆さんこんにちは作者です。凜祢編3話目です。

[陽牙]
「オリジナルルート入りかけてるな。」

[士道]
「だな。」

[作者]
「我、頑張るぞい!!」


第10話

[???]

「何故……?関わった筈の無い記憶がある?凶禍楽園は通常に動いている筈なのに……。」

 

謎の空間、そこには女性が何か呟いていた。

 

[???]

「着実に何かを思い出そうとしている……?それとも何らかの原因が起きているの?このままでは、彼を守る事が出来無い……。」

 

その女性は、何か恐れており、何かを失ってしまうかもしれないという不安を感じている。

 

[???]

「それだけは……なんとしてでも守らねば……。」

 

だが彼女は知らなかった。それ以外に別の事が起きていたことを。

 

 

 

 

 

 

 

士道は夢を見ていた。

 

だがそこには陽牙やルシア達、そして使い魔兼パートナーの真穂達が存在しておらず、普段通りの精霊達と凜祢がいた夢。肝心の士道は何だか性格が違ってちょっと頼りが無いみたいな感じだった。

 

そんな風に何時も通り過ぎていく、その筈だった。真実を知り、その真実を向き合った結果………

 

夢は儚く、自ら途絶える様に無くなった。それは彼女自身が望んだ結末。

 

そして、何も変わらない日常が続いて行くだけだった。だが、士道はそれでももう一度逢いたいと思っていた。心の何処かでそう思いながら。

 

[士道]

「なんで……こんなに悲しいんだ……?どうしてこんな光景を見てるんだ……?」

 

夢の中で士道はこの光景を見ていた。まるでこれから起きる事を示しているかの様な感じで。

 

[士道]

「もしかして……俺が今まで見て来た光景と同時に頭痛がしたのはコレが原因なのか……?だとしたら、一体俺に何を伝えたいんだ……?」

 

今見ている光景には裏があるのではないかと思いながら、意識は現実の方へ行く。

 

 

 

━━6月27日 火曜日━━

 

[凜祢]

「士道……大丈夫?」

 

[士道]

「凜…祢……?」

 

目が覚めると、すでに朝になっていた。

 

[士道]

「……夢か。」

 

[凜祢]

「大丈夫?結構うなされてたけど。」

 

[士道]

「大丈夫だ。心配かけたな。」

 

ここで凜祢が異変に気付く。

 

[凜祢]

「士道……どうして泣いてるの?」

 

[士道]

「え……?」

 

頬を触ってみると、確かに涙が流れていた。欠伸で出たものではなく、本当に涙を流していた。

 

[士道]

「……悪夢とかでも見たのかな……さっぱりわかんねぇ…。」

 

[凜祢]

「まだ休んでた方がいいんじゃないの?」

 

[士道]

「大丈夫だ。別に体が悪いわけじゃないからな。」

 

[凜祢]

「そう……?無理しちゃだめだよ……?」

 

[士道]

「ああ。とりあえず着替えるから出てもらっていいか?」

 

[凜祢]

「わかった。」

 

凜祢が部屋を出て、士道は何時も通りに着替え始めた。

 

[士道]

「あの夢……あれがもし本当だったら……。」

 

疑問を持っていた士道。夢の中で伝えたかったのはこの事ではないのだろうかと思っていた。

 

そう疑問に思いながら下に行くと、いつものメンツがそろっていた。

 

[陽牙]

「おーす。」

 

[ルシア]

「おじゃましてまーす!」

 

[真穂]

「おはようなのじゃ主様。」

 

[士道]

「みんないおはよう。」

 

[天照]

「マスターおはようございます。今日は球技大会ですね。」

 

[蚶貝]

「主は何に出るのですか?」

 

[士道]

「俺はバスケだよ。まあ補欠だけどね。凜祢は何に出るんだ?」

 

[凜祢]

「私はラクロス部に入ってたからそこだよ。」

 

[ルシア]

「ラクロス部まであるんだ……あんまり部活の事聞いてなかったけど、結構種類あるんだね。」

 

[真穂]

「主様、妾たちは見に行けないのか?」

 

[士道]

「球技大会だから多分無理かな。」

 

[陽牙]

「でも真穂たちなら姿消せるんじゃない?」

 

[真穂/天照/蚶貝]

「「「それだ!!!」」」

 

[士道(引き気味)]

「お、おう……バレなければ来てもいいぞ。」

 

[真穂]

「わかったのじゃ!」

 

使い魔たちは、どうやら来る気満々らしい。朝食を終え、学校へ向かった。

 

 

 

━━学校━━

 

[珠恵]

「はいはーい、それではホームルームを始めまぁす。今日は皆さんお待ちかねの球技祭ですよぉ。テスト前の最後の息抜きに、思う存分、青春の汗を流して下さいねぇ。」

 

[士道]

「青春ねぇ……。」

 

常に日頃から青春とは思えない展開ばかりだったので、どう反応したら良いのか分からずだった。

 

更に陽牙やルシアからしたら青春は終えてるのではないかと思う。

 

[珠恵]

「それじゃあクラス代表の陽牙君、一言どうぞ。」

 

[陽牙]

「球技大会は運動会の為にあると思います。なので勝ちましょうてか俺たちが勝たせます。以上っ!」

 

[士道]

「ま、勝てるべ。」

 

[全員(引き気味)]

(この人達ならやりそう……。)

 

このクラスに世界記録狙えるやつが2人もいる。その結果、滅茶苦茶な試合をする事に。

 

[珠恵]

「それじゃあみなさん、この間くじで決めた自分の出る競技と集合場所をもう一度確認してくださぁい。」

 

[士道]

「俺と陽牙は……午前か。」

 

[陽牙]

「凜祢達も午前か。士道は決勝だけで、それまではみんなの見学のでも行ってきな。」

 

[士道]

「有難いけど点差が酷いことになりそうだな……。」

 

陽牙が勝つのは確実。勝つのは嬉しいんだが他のクラスに申し訳ない気もする。そんな予感を感じながらもバスケの時間が始まってしまった。

 

士道は当然、凜祢や十香、折紙のプレーを見ていた。

 

[士道]

「……暇じゃ。」

 

[亜衣]

「あれ?そこにいるの五河君じゃない?」

 

突然声が聞こえた。振り返ると何時もの3人がいた。

 

[士道]

「およ?何時ぞやの3人組じゃないか。」

 

[麻衣]

「何で五河くんがここにいるの?まさか、サボりって訳じゃないでしょうね?」

 

[士道]

「半分正解かな。決勝までは陽牙がやるって言ってたからそれまではみんなの見学をすることにしたんだ。俺補欠だし。」

 

[美衣]

「確かにあの人ならやりそうだね……。」

 

ピロン♪

 

携帯から音が鳴りメールが届いていた。差出人は陽牙からでこう書いてあった。

 

[陽牙]

『1回戦かったぞい。99―0だぞい。』

 

[4人]

「「「「うっわひでぇ………」」」」

 

正直陽牙ならやりそうだから怖い。体育館に行くと本当に99―0と書かれていた。

 

[陽牙]

「ん?士道に何時ぞやの3人組ではないですか。」

 

[士道(引き気味)]

「この点差は絶望だろ。」

 

[陽牙]

「なーに気にするな。普通にやったらこうなっただけだ。」

 

[4人]

「「「「いやならないから!!!!」」」」

 

その後も滅茶苦茶な試合が始まった。ボールが渡ると即シュートのオンパレード。これには嘆く人も続出した。

 

そして決勝戦。既に士道と陽牙はスタンバイしていた。この時には十香や凜祢、ルシア達も見に来ていた。

 

[士道(引き気味)]

「なんか相手に同情するな……。」

 

[陽牙]

「やるからには全力で応えないとな。」

 

[士道(ガビーン)]

「お前は出しすぎだ!!プライドとか考えようぜ?!」

 

[陽牙]

「プライドは砕くために存在する。」

 

[士道(引き気味)]

「ひでえ……」

 

そうこうしてると試合が始まった。最初は相手がオフェンスだった。向こうが攻めてくると、士道が立ちはだかった。

 

[士道]

「こっから先は行かせねぇからな。」

 

[生徒1]

「くっそ…、威圧感がすげぇ…。」

 

士道の驚異的な瞬発力で相手を攻めさせない。そうこうしてると……

 

[陽牙]

「ボールあざーす!!」

 

[生徒1]

「あっ!しまった!!」

 

横から陽牙がボールを奪取した。

 

[陽牙]

「いくぞ士道っ!!」

 

[士道]

「おう!!」

 

そういうと士道はダンクモーションに入り、そこに陽牙がボールをパスする。

 

ドゴォ゛オ゛オ゛

 

[生徒]

「アリウープだとオオオオオオォォォォォ????!!!!」

 

[士道]

「はい気持ちいい。いやーナイスパスだった。」

 

[陽牙]

「おう。てかよく気づいたな俺がパスするって。」

 

[士道]

「まあな。」

 

いきなりリードされ、焦り始める人もいたが、中には絶望してるヤツもいた。

 

だがそれで終わらないのがこの人達である。

 

[陽牙]

「見てろお前らぁ!!これが本当のバスケだぁ!!」

 

ダンッ!!

 

[生徒]

「フリースローラインから飛んだ?!」

 

[先生]

「しかもこれは?!」

 

[陽牙]

「うらあぁ!!」

 

ドゴォ゛オ゛オ゛

 

[生徒]

「ボースハンドのウィンドミルダンクっ!!」

 

[先生]

「レーンアップからのウィンドミル……あんな離れ技、初めて見たよ……。」

 

[士道]

「お前まじで容赦ないな。」

 

[陽牙]

「レーンアップならお前も出来るだろ。」

 

[士道]

「んまあ多分出来るだろ。」

 

その後も陽牙と士道による蹂躙が続いた。流星のダンクを決めたり、加速するパス改、最終的に破壊の鉄槌でゴールを壊した。

 

結果的にもうカンスト+ゴール破壊という結果になり騒然。必然的に4組バスケで優勝という結果を残した。

 

 

 

今は陽牙達の試合が終わり、休み時間となっている。昼食をみんなで取っている。

 

[真穂]

「主様、お疲れ様なのじゃ。」

 

[士道]

「ありがとう真穂。」

 

[ルシア]

「にしても凄い試合だったね…。」

 

[陽牙]

「いやー誰だって出来るだろ。」

 

[カムイ/リー]

「「それは無い(即答)」」

 

[アン(引き気味)]

「あ…あはは……。」

 

[ルナ]

「午後は……私達か。まあ陽牙程酷くはならないかな?」

 

[士道]

「どうしてそこ疑問形なんだ?」

 

因みに十香と凜祢は勝ったらしい。折紙は中々の成績を残したそうだ。

 

[士道]

「そういえば十香はテニス初めてじゃなかったか?どうやって勝ったんだ?」

 

[十香]

「カムイに教えてもらったぞ!!」

 

[陽牙]

「そういえばお前テニス得意だったな。どんなの教えたんだ?」

 

[カムイ]

「打ち方と零式ドロップと手〇ゾーンとかかな。」

 

[リー(引き気味)]

「もうテニヌじゃねーか……。」

 

[カムイ]

「でも正直教える必要なかったぞ。」

 

[士道]

「へ?なんでだ?」

 

[カムイ]

「十香身体能力とかが高いから、基本的に波動球みたいなのばっかだったんだよ。」

 

[リー]

「確かにそうだな。」

 

昼食を取り終え午後の部。ルナとアンはバドミントン、カムイとリーはサッカーだった。

 

結果を言うと両者とも優勝だった。ルナとアンの決勝の相手は男子だった。

 

[アン]

「よろしくお願いします。」

 

[ルナ]

「よろしくね。」

 

[生徒1]

「女子だからって容赦しないぜ。」

 

[ルナ]

「どうぞどうぞ。」

 

そして試合が始まった。最初は苦戦すると思ったが……

 

パシンッ!!

 

[ルナ]

「そーい。」

 

パシンッ!!

 

[ルナ]

「それ。」

 

[生徒2]

「くっそ…全部返される……。」

 

どれだけ早く打とうが、ルナが全て返してしまう。それも容易に。

 

その結果、相手だけが体力を消耗する形となってしまった。

 

[生徒1]

「だったら!!」

 

パシンッ!!

 

スマッシュをコート端に打つ。

 

[アン]

「甘いです!!」

 

カンッ!!

 

逆にコート端に打ち返されてしまった。

 

ポ〜ン

 

[生徒1/2]

「「しまった!!」」

 

焦って返してしまった為、ルナ達にチャンスボールを与えてしまった。それを逃す筈もなく

 

[ルナ]

「懲罰が此処に降臨する。」

 

ペシンッ!! シュ~〜〜……

 

シャトルが地面にめり込んでしまった。

 

[ルナ]

「あ、やっちゃった。まあいいや勝ったし。」

 

[アン]

「ナイススマッシュですね、ルナ。」

 

[生徒1/2]

「「((((;゚;Д;゚;))))カタカタカタカタカタカタカタカタカタ」」

 

こうして優勝が決まった。

 

一方カムイとリーは多少は苦労していた。相手の殆どがサッカー部員だったらしい。

 

[リー]

「こいつら……邪魔だな。」

 

[生徒]

「優勝は俺たちの物だ!」

 

[生徒]

「バスケでの屈辱!俺達が晴らさせてやる!!」

 

[カムイ(引き気味)]

「なんか俺達とばっちりくらってないか……?」

 

[リー]

「八つ当たりだと?ふざけるな!!」

 

リーは完全にゾーンに入り、相手のカットを素早く避け、ゴールへ走っていく。

 

[キーパー]

「くそ!!何やってんだ!!早く━━━」

 

[リー]

「遅い!!」

 

ズバンッ!バシュゥゥゥゥゥッ!!

 

キックして放たれたシュートはそのままゴールネットへと入った。そこからリーの反撃が始まった。カムイ? 実はリーチームのキーパー役やってるんですよ。

 

[リー]

「それ!!」

 

バシュゥゥゥゥゥッ!!

 

[リー]

「オラッ!!」

 

バシュゥゥゥゥゥッ!!

 

[カムイ]

「いや〜楽ですな〜アハハハ。」

 

この調子が続き、サッカーでも優勝した。その結果4組は入賞して、総合成績を収めることが出来た。

 

[珠恵]

「皆さぁん。球技祭、大変お疲れ様でしたぁ。皆さんの頑張りでうちのクラスはかなりの好成績を収め、更には優勝した4人が補ってくれたので、なんと総合成績を収めましたぁ。」

 

それを聞いて喜ぶクラスの人達。1部の人は『当然だろ。』と言っていた。

 

[珠恵]

「特に神領君と五河君の試合は凄かったですねぇ……。なんせゴール壊しましたしねぇ……。」

 

その言葉で一瞬この場が凍ったが、直ぐに元通りになった。『ま、まあやりそうだな。』とか『仕方ないうん仕方ない。』といった声が聞こえた。

 

[陽牙/士道]

((あんまり黒歴史は作りたくないな。))

 

[珠恵]

「はいはぁい。身体を動かした後は、いよいよテストが近づいて来ますよぉ?気持ちを切り替えて、テスト勉強に臨んで下さいねぇ。」

 

それを聞いて『えー。』とか『うわー!』とか言う声が聞こえる。

 

[珠恵]

「はいはーい!イヤイヤって言っても、テストは必ずやって来ますから、各自で準備を進めておくようにぃ。」

 

[陽牙]

「んじゃ今度勉強会でも開くか。なんせ我らには素晴らしい頭脳を持つアンさんが居るからな!!」

 

[ルナ]

「なんでアンタが胸張ってるのよ。」

 

[アン]

「別にそれほどいいわけではありませんよ。」

 

ホームルームが終わり、帰りの支度をする。この後の予定としてはみんなで新天宮タワーに調査しに行く。

 

場所は学校からそれほど遠くなかったからすぐに着いた。

 

[陽牙]

「流石にまだ開いてないか。」

 

[ルシア]

「それにしても大きいね。デザインはアレだけど。」

 

[士道]

「それは言っちゃいけないよルシアちゃん。」

 

[ルナ]

「まあわからなくもないけど。ってどうしたのアン。」

 

振り向くとアンが考え事をしていた。

 

[アン]

「いえ、少しこのタワーに気になることがあって。」

 

[カムイ]

「気になること?」

 

[アン]

「はい。このタワーの年数に関してですけど、皆さんは東京タワーが完成までに至るのは何年掛かったと思いますか?」

 

[士道]

「5年とか?」

 

[アン]

「正解は1年なんですよ。」

 

[リー]

「成程な。タワー自体は鉄骨だからわざわざ内装までする必要が無いんだ。内装はある程度の一部しか無かったし、元々は電波塔だったからな。」

 

[アン]

「そうなんです。それに、東京タワーはおよそ333メートルという長さです。塔と言えば、東京スカイツリーも有名ですよね。あれは4年掛かって634メートルという長さを出しています。」

 

[陽牙]

「成程。ん?ちょっと待てよ。」

 

[アン]

「ここまで聞いたらわかりましたか。」

 

[陽牙]

「何となく言いたいことが分かったぞ。みんなよく考えてみろ。仮にあのタワーが1年以内や4年以内に完成する物だったら、みんな覚えてるはずだろ?それにあれだけの高さを出すならかなりの量の資材を必要とするはずだろ?だけど俺達が見た感じだと、3日かそこらで完成してるだろ?ここまで聞いたらおかしいと思わないか?」

 

[ルシア]

「確かにね……てことはこのタワーは精霊が作ったものなのかな?」

 

[アン]

「証拠はないけど多分そうだと思うんですよ。だけどもう一つ疑問があるんですよ。」

 

[カムイ]

「疑問?」

 

[アン]

「凜祢さんの事です。今十香ちゃんは凜祢さんと親しんでいますけど、『十香ちゃんが何年前にこの世界に来たか』っていうのが問題になります。例えば士道さんが……4~5歳くらいと時に凜祢さんとあったとしましょう。そうすると前提条件として十香ちゃんも同じ年齢でいるか、小さいころに士道さんと凜祢さん会ってないとおかしいんですよ。」

 

[士道]

「……確かにそうだな。」

 

[アン]

「それと、もし士道さんが凜祢さんと本当に幼馴染でお隣だった場合、思い出としてアルバムみたいなのがあると思うんですよ。」

 

[カムイ]

「成程な……でも親が撮り忘れたとかは?」

 

[アン]

「そうだといいんですけど、凜祢さんは言わばギャルゲーのヒロイン的立場です。士道さんや琴里ちゃんの誕生日とかには必ず出ていると思うんですよ。」

 

[士道]

「てことは凜祢が嘘をついてる可能性があるのか?」

 

[陽牙]

「恐らくな……それにお前前に言ってただろ?記憶がどうのこうのって。」

 

[アン]

「多分上書きみたいな事をされたと思います。」

 

[士道]

「……薄々勘づいていたんだよな。それにそれだけで終わるとは思えないんだ。」

 

[ルシア]

「……。」

 

[士道]

「多分……俺が原因で凜祢が消えるかもしれない……。そう思うと怖いんだ……。」

 

パサッ

 

陽牙が士道の頭に手を置いていた。

 

[陽牙]

「最初からあきらめたような言い方するな。それにな、ここにはイレギュラーが6人もいるんだぞ?いくらでも協力してやるから安心しろ。」

 

[士道]

「陽牙……。」

 

[ルシア]

「そういう事よ。それにしても、今回の騒動の黒幕が凜祢だとしても、何のためにしたんだろう?」

 

[ルナ]

「士道、なんか覚えとかある?」

 

[士道]

「今まで会ったことなかったから無いと思うけど……。」

 

[カムイ]

「願いとかは?」

 

[士道]

「願い?」

 

[カムイ]

「そうだ。例えば、士道が願ったからとかは?」

 

[士道]

「願った……か。覚えはないけど、多分無意識に思ってたりするかもな。」

 

[陽牙]

「とりあえず今日はここまでにするか。」

 

[士道]

「そうだな。次調べる時はここの周辺にしてみようぜ。」

 

[陽牙]

「わかった。」

 

そう言って、全員自宅へ帰る。夕食を終え、眠りにつく時に陽牙はあることを考えていた。

 

[陽牙]

「園神凜祢か。……前世で聞いたことがある気がする。だけど思い出せないな。」

 

陽牙は前世で彼女の名前を聞いたことがあると思っている。

 

[陽牙]

「ま、いつか思い出すだろ。」

 

そう言い終えて眠りにつく。

 

 

 

 

そのころ士道は、夢の中にいた。そこでは数々の思い出が流れていた。

 

何回目か過ごしたであろう彼女達の夢。様々な光景が欠片となって映っている。

 

デートして、何処かへ行ったり、食べたりと。それは楽しい筈でもあった。

 

[士道]

「これは……俺が過ごした出来事なのか? ……楽しい筈……なんだよな。」

 

時が過ぎれば忘れてしまうもの。偽りだとわかっていても、いつかは忘れてしまう。永遠なんてものは無い。

 

[士道]

「それでも……俺は凜祢やみんなと過ごしたい。精霊とかそんなものは関係ない。決めるのは俺自身だ。」

 

決心はついた。同時にこんな声が聞こえた。

 

『彼女を……凜祢を……助けてやってくれ。』

 

[士道]

「……何だったんだ今のは……。」

 

何処かで聞いたことある声だった。だがすぐに途切れ、別の夢になる。

 

 

 

 

[???]

「……。」

 

そこはあの司祭の様な精霊がいたであろう夢の世界だった。そこで士道はその精霊らしき人物を見かける。

 

[士道]

「あ、いつぞやの起こしたやつだ。」

 

[???]

「今日は眠くならないのか?」

 

[士道]

「まあな。所でさ、君の目的はなんだ?」

 

[???]

「……私はただ見守り続けるだけ……悲しみが広がらない様に……全ては楽園のみが許される……貴方は……私を信じていれば良い。」

 

[士道]

「……1つ言っていいか?」

 

[???]

「……?」

 

[士道]

「君はここに居て寂しくないのか?」

 

質問してきたと思えば、何言ってんだこいつレベルの事を言っていた。

 

[???]

「何を言っている……?」

 

[士道]

「言わせてもらうけど、今の君は何か焦ってるようにしか見えないんだよな。見てると悲しくなってくるんだよな。」

 

[???]

「……!」

 

[士道]

「この際だからハッキリ言う。困っていたら俺や陽牙を頼れ。それとさ、俺とデートしないか?」

 

[???]

「で、デート……?!」

 

士道の言葉に相手は顔を少し赤くした。それに構わず士道は続けて言う。

 

[士道]

「君はこの空間で今まで一人ぼっちだった。だからこそ俺は、一生忘れることのないデートをしたいと君を誘った。」

 

その言葉にまだドキドキしながら慌てている。少し落ち着いて、こう呟く。

 

[???]

「わ、私なんかでいいのか……?」

 

[士道]

「じゃなかったらデートなんて誘わないぞ?それにお互い、人生短いんじゃないのか?」

 

[???]

「…いずれ来る。本当のあるべき姿が……。」

 

[士道]

「それはこの天宮市か?それとも君か?」

 

[???]

「……どうだろうね。それと1ついいかな……?」

 

[士道]

「ん?どうした?」

 

[???]

「……いや、なんでもない。今は休んでいたまえ……。」

 

[士道]

「そうか?まあなんかあったら聞いてくれ。それじゃあ……。」

 

その瞬間、士道の意識は飛び、残されたのは彼女だけになった。

 

[???]

「凶禍楽園の管理が覚束ない……結界も一部破壊されてる……本来なら焦る程ではあるのに……何故かこのままで良いと思う感情が溢れる……私は…本当に良かったのだろうか……?」

 

彼女は悩み続けていた。今この瞬間も、システムが変わり始めてるのを、彼女は知る余地もなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




みなさんこんにちは作者です。凜祢編後半に近づいてきました。

[士道]
「……我ながら恥ずかしい……。」

[???]
「……デートしてくれないのか?」

[士道]
「……どうしてここに居るんだ?」

[???]
「……作者に頼んだら出してくれた。」

[士道]
「Oh……。」

[陽牙]
「よかったな士道。」

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