━━陽牙宅━━
[陽牙]
「……はい。……それじゃあ明日から行きます。」
ピッ
[ルシア]
「何だって?」
[陽牙]
「一様少し夏休みズレてたから、明日から3日だけなら来てもいいって。」
[ルシア]
「明日からか。楽しみだな〜IS学園。」
そう。陽牙達は明日から3日間IS学園に行く(遊びに)。IS学園は他の学校とは少し夏休みの期間がズレている為、3日だけとなった。
謎そうなったかと言うと、陽牙が中学生(29歳)の時に織斑姉弟と篠ノ乃箒に会い、今年に依頼で向こうに行った時に約束したからである。
[ルナ]
「でも私達って普通に飛べちゃうから、怪しまれるんじゃない?」
[陽牙]
「あれだ、模擬戦とかする時になったら自分の腕とか脚をパニグレと同じようにしとけばバレねえよ。」
[リー]
「無理やりだな。」
[カムイ]
「まあ他に方法がねえしな。それよりも士道は行くのか?」
[士道]
「俺は明後日にしようかな。一様十香達に事情を説明したりしなきゃ行けないからな。」
[陽牙]
「士道は明後日っと。んじゃそん時迎えに行くわ。」
[士道]
「サンキュー。」
[陽牙]
「んじゃ、荷物とか纏めるか。」
その場にいた(士道以外)が頷き、それぞれが自分の荷物を纏めていた。
━━当日 6時30分━━
[陽牙]
「みんなー行くぞー。」
[全員]
「了解。」
時間は6時30分。ここからIS学園まで大体2時間くらいなので準備する。移動手段は車。この世界だと年齢はアウトだが、免許が前世の物で使えた為車で行く。ドライバーは陽牙とリーとカムイ。少し前に店で車を購入した。
陽牙 AE86
リー S2000
カムイ ランエボⅨ
それぞれが愛車に乗り、エンジンを掛ける。
そしてエンジン始動から1分近く経った後、スタートして、IS学園に向かった。メンバーは陽牙、ルシア、
リー、カムイ、ビアンカ、ルナ、瀬里奈、リーフの8人、丁度満員だ。
━━IS学園グラウンド 8時25分━━
[???]
「今日はお前達に対人の練習をして貰う。つまり模擬戦だ。」
生徒達に指示を出している女性の名は織斑千冬。初代ブリュンヒルデであり、IS学園の先生だ。そして、陽牙達をIS学園に誘った張本人でもある。
[千冬]
「まあ急に言われても流石に無理だろう。そこでだ、今日助っ人を呼んである。時間的にはもう少ししたら来るだろう。」
その言葉に生徒達はソワソワし始める。織斑千冬はブリュンヒルデという称号、別の言い方をすれば世界最強の称号を持っている人だ。そんな大物が助っ人という、いわば認めている人物がいることに驚く。
数分もしたら、それっぽい音が聞こえてくる。
ブオォンブオォン!! パンパンッ!!
明らかに人が出すような音じゃない。何かが爆発する音、おそらく車か何かだろう。生徒達は耳を塞いだり、オドオドしたりしていた。これには千冬も同感だった。何故なら千冬の知っている人物はまだ17だからだ。
音が聞こえてから数十秒後、学園の前に3台の車が止まる。ドアが開き、中から出てきたのは……
[陽牙]
「遊びに来たぜ千冬さん。」
千冬が呼んでいた助っ人だった神領陽牙だったからだ。
[千冬]
「陽牙お前……まさか……。」
[陽牙]
「ああ免許は持ってるから大丈夫。ほら。」
そう言って免許証を見せる。千冬はそれを見て、1つ疑問を抱いた。
『何故17の奴が車を持っているのかと。』
免許は誕生日の3ヶ月前から取れる。だが車に乗れるのは18になってからだ。ここで千冬は1つの確信を持った、否無意識に思っていた事を言った。
[千冬]
「やっぱり陽牙さんは年上じゃないか。」
[陽牙]
「いやーすまんね。訳あって年齢誤魔化してたんだよ。あと普通でいいよ普通で。」
そう、神領陽牙達は千冬達より歳上である。これを間違えちゃいけない。
[千冬]
「おっと本題を忘れる所だった。お前達、この人達が今日の助っ人だ。陽牙、自己紹介頼む。」
[陽牙]
「みんな初めまして。今日から3日間お世話になる神領陽牙だ。まず君達が思っていることを話そう。俺は男だ。見た目は生まれつきだから気にしないでくれ。」
そう言い、それぞれの自己紹介をしていく。全員無事に終えたのだが、1部危なかった。
例えばルシアの自己紹介の……
[ルシア]
『鴉羽ルシアです。初めに言っておきますが、私は神領陽牙君と婚約しております。』
そう爆弾発言をしながら指輪を見せた。その行為に陽牙も指輪を見せた。他にも沢山あったが、ありすぎてキリがないので省略!!
[千冬]
「よし。それじゃあ全員相手を見つけて、各自開始しろ。」
[生徒達]
『はい!!』
生徒全員がバラバラになり、早い所は模擬戦が始まる。
[千冬]
「今日はありがとう陽牙。でもすまんな3日間だけで。」
[陽牙]
「まあ仕方ないさ。にしても、ISって間近で見るとやっぱデカイな。」
[千冬]
「そりゃそうさ機械だからな。」
[生徒1]
「乱数先生、銃ってどういう風に使えばいいですか?」
[リー]
「銃っていうのは全部当てるって思わない方がいい。当てるのもいいが、誘導っていう面で使用してみようか。」
[生徒1]
「誘導ですか?」
[リー]
「そう。自分が今不利な位置にいて、相手を動かせたらいいと思った時に使えるぞ。試しにやってみな。」
[生徒1]
「はい!ありがとうございます!!」
[千冬]
「……お前達のメンバーは凄いな。強い上に的確なアドバイスまで出来るなんて。」
[陽牙]
「伊達に30年以上生きてないからな。にしても、みんな銃ばっかだな。主にARか。」
[千冬]
「今のISはラファールって言って、主に銃がメインなんだよ。刀を使うやつはほとんど居ないな。」
[陽牙]
「そうか。まあ人の好みだからとやかく言うつもりはないけどな。」
[瀬里奈]
「陽牙。」
振り向くと後ろに瀬里奈がいた。
[陽牙]
「どうした?」
[瀬里奈]
「兎拾ったんだけどどうすればいい?」
瀬里奈の右腕にうさ耳の生えた人が担がれていた。隣にいた千冬が声を荒げる。
[千冬]
「束?!」
[束]
「あ、あはは。ちーちゃん久しぶり!!」
[千冬]
「まったく……どうしてこんな所にいるんだ?」
[束]
「ちょっと気になっちゃってね。ちーちゃんが最初から勝てないって思う人の事。」
[千冬]
「はあ……瀬里奈さんすみませんうちのバカが。」
[束]
「そろそろ降ろして欲しいかな〜力強い。」
[瀬里奈]
「襲わない?」
[束]
「襲わない襲わない。」
[瀬里奈]
「ならよし。」
そう言って束を降ろす。
[束]
「おお〜我が娘達が戦っている。」
[千冬]
「陽牙、この後の休み少し手合わせしてもらってもいいか?」
[陽牙]
「いいぞ全然。世界最強と戦えるなんて滅多にない。あ、でも俺瀬里奈に1度も勝ててないわ。」
[千冬]
「いやいや今回は私が挑戦者だ。それより瀬里奈さんに一度も勝ててないって本当か?」
[陽牙]
「ああ。30年近くやって来てるけど、まだ勝ててないんだよな。」
[千冬]
「これは……新たな目標が出来たな。」
少し汗を垂らす千冬だった。その後もリーやアンが戦い方や戦術を教えていた。
キーンコーンカーンコーン
[千冬]
「よーしお前ら!!今から10分間の休憩だ。水分補給はしっかりしておけ。それじゃあ始めようか。んじゃお前、審判宜しく。」
[生徒2]
「え?!は、はい!!」
[陽牙]
「いいだろう。」
グラウンドの真ん中に両者が立つ。生徒達は端の方にズレ、窓や観客席の方にも生徒や先生達が見ていた。そこには副担任の山田真那や学園長の轡木十蔵もいた。
[生徒2]
「始め!!」
[陽牙]
「何時でも来な。」
[千冬]
「そうさせてもらおうか。はあ!!」
キンッ!!
[陽牙]
「早いな。それにパワーもある。」
[千冬]
「流石に見切られるか。ならっ!!」
キンッ!!キキキキンッ!!
[陽牙]
「ほう。なかなかいい技だ。」
[千冬]
「陽牙に会ってから必死だったからな!!」
キンッキンッキンッキンッ!! カンカンカンカン!!
[千冬]
(これも防がれるか……。ならっ!!)
カチャン
[陽牙]
(その構えは抜刀か?なら……。)
シャキィィィィィンッ!!
[千冬]
(やったか?!)
煙が晴れ、陽牙の立っていた場所を見ると
[千冬]
「居ない?!」
[陽牙]
「こっちだよ。」
振り返る。それが意味する事は、陽牙は千冬の後ろにいるという事だ。僅かだが刀を抜いている。
[千冬]
「……私の負けだ。」
[生徒2]
「しょ、勝者!!神領陽牙!!」
[観客]
『わああああああああああああ!!!!』
[千冬]
「1発も当てられなかった。」
[陽牙]
「いい線行ってたけど、抜刀の速さとタイミングが遅いかな。」
[千冬]
「速さとタイミングか。なるほど。」
[束]
「ねえちょっといいかな?」
[陽牙]
「何?」
[束]
「私も1つお願いしてもいいかな?」
[陽牙]
「いいですよ。えーと、束さん。」
[束]
「束でいいよ。私もシーくんって呼ぶから。」
[陽牙]
「はあ。それで、お願いって?」
[束]
「今から無人機のISを一機出すから、それと戦って欲しいの。」
[陽牙]
「無人機か。それは壊さない方がいいやつ?」
[束]
「まだ試作品だから壊しちゃっていいよ〜。それじゃあポチッと。」
ヒューーーーードゴォォォォォン!!
上から落ちれきたのは、生徒達が乗っていたISとは形が違うものだった。
[陽牙]
「んじゃ遠慮なく。ちょっと試してみたいことがあるしね。」
少し弾んだような声をしていた。その声に千冬だけでなく、無人機を呼んだ束も不安になる。
ISというのは人を簡単に殺す事が出来る。それを目の前にしても、楽しんでいる事に不安を抱いていた。
陽牙の目の前に無人のISが立ち塞がる。その瞬間、剣による攻撃をしてきた。速さは千冬程ではないがかなり速い。
[陽牙]
「……。」
キンッ!!
その攻撃を弾く。受け止めるのでは無く弾く。そのお陰で無人機は少し体勢を崩す。その隙を陽牙は逃さない。
[陽牙]
「っ!!」
シュキキキキキキキキキキキキキンッ!! キンッ!!
すると陽牙の斬撃ラッシュが始まった。太刀筋は目で追える速さではなかった。そして最後の一撃で、無人機を後ろに飛ばす。
サッ!! キンッ!!
それを凄まじい速さで追い、通りすがりに一撃入れる。無人機が体勢を立て直した時は既に陽牙は後ろに回っていた。無人機は気付いた。
だが気付くのが遅かった。そして……
[陽牙]
「っ!!」
シュキィィィィィィィンッ!!
抜刀。1度の抜刀で、何回斬ったか分からない程の斬撃だった。
スーーーーーカチャン。
鞘に納める音と同時に無人機は活動を停止し、至る所が砕けたり切れたりした。
[陽牙]
「ふう、これで終わりっと。」
パチパチパチパチパチパチ
[陽牙]
「え?」
ふと周りから拍手が出る。陽牙はその事に疑問を抱く。
[陽牙]
「え?え?」
[束]
「凄いよシー君!!生身でISを倒しちゃうし、それも破壊しちゃうし!!いいデータが取れたよ!!」
[千冬]
「良いものを見させてもらった。私も強くならなくては。」
[陽牙]
「こちらこそ技の試しが出来て良かったよ。」
[千冬]
「それにしても、相変わらず凄まじい剣裁きだ。」
[束]
「そうそう!!全然太刀筋が見えなかったよ!!」
[陽牙]
「ただ極めただけなんだけどな。ここまで極めると……」
ヒュンッ!!
[陽牙]
「こういう風に斬撃を飛ばすことも出来る。」
[千冬/束]
「「極めても出来ないと思う。」」
[陽牙]
「ええ……。」
言った事を真っ向から2人に否定された陽牙だった。
[轡木]
「いやあ良いものを見させてもらった頂きました。」
[千冬]
「学園長!?見てたんですか?!」
[陽牙]
「学園長?」
[轡木]
「初めましてですね。私の名前は轡木十蔵と申します。表向きは私の妻が学園長を務めてるんですが、重要事の時は私が学園長としているんですよ。」
[陽牙]
「初めまして。神領陽牙32歳だ。てか重要事って、そんなにか?」
[轡木]
「ええ。織斑先生が負けると言う程の人物と聞いたのでね。」
[陽牙]
「はあ……。てか、授業どうする?」
[千冬]
「少しオーバーしてるな。早めに切り上げる様に言っとくか。」
陽牙と無人機の模擬戦が終わった後は、そのまま授業を始めた。束はその時に帰り、『次はもっと強くするからね〜!!』と言っていた。
[陽牙]
「あ、寝るとこどうしよう。」
[千冬]
「私が用意しよう。と言っても職員用だがな。いいですよね学園長?」
[轡木]
「ええ勿論です。それにしても、刀を2本持っているのですね。」
[陽牙]
「ああ。見るか?」
[轡木]
「では遠慮なく。」
轡木は陽牙から2本の刀を貰う。そして黒い方を引き抜く。
[轡木]
「この刀は?」
[陽牙]
「名前は紅蓮狂刃。オールラウンダーな刀だと思ってくれ。」
[千冬]
「刀にも向き不向きがあるのか?」
[陽牙]
「本当にあるかは分からないが、俺はあると思う。」
[轡木]
「それでこっちは……」
[陽牙]
「その刀の名前は紅桜。俺がメインで使ってる刀だ。」
[千冬]
「綺麗……。」
[轡木]
「珍しいですね紅い刀って。どうぞ。」
[陽牙]
「まあ刀って大体見た目同じだからな。」
千冬と学園長に2本の刀を見せ終わり、授業も進んでいった。終わった後は昼食だったので、職員室で食べた。その時に、職員全員に自己紹介したり、談笑したりした。先生の中には、3年前生徒だった奴(一夏とか箒とかその先輩方)もいた。
昼食を食べ終わった後、今度は座学となっていた。基本的に座学は担当教師が教鞭を振り、イレギュラー組は見てるだけだった。
時間は午後7時。夕食を食べた後である。教師達は書類の整理などが終わり、部屋でゆっくりしていた。だが陽牙はまだやる事が残っており、外に出ていた。
[陽牙]
「んじゃ、士道迎えに行ってくるわ。」
そう。陽牙はこの後、士道を迎えに一旦天宮市に戻るのだ。
[千冬]
「何時頃に戻る?」
[陽牙]
「11時位だと思う。」
[千冬]
「分かった。それまで開けておこう。」
[陽牙]
「助かる。んじゃ。」
ブォォン!! ブオオオォォォォォ……
[カムイ]
「士道多分死ぬべ。」
[リー]
「何となく想像出来る。」
[全員]
(無事でいろよ。士道。)
内心士道の心配をしているみんなだった。
━━午後9時━━
[陽牙]
「お待たせ。行くぞー。」
[士道]
「はいよ〜。んじゃ十香達の事宜しくな。」
[凜祢]
「うん。行ってらっしゃい。」
[琴里]
「行ってらっしゃいお兄ちゃん!!」
ブォォン!! ブオオオォォォォォ……
━━とある峠━━
ブォォォ……
[???]
「ん?」
ブォォォォォ……
[???]
「反対からだ……。」
ブォォォォオオオオ!! ブオォン!!
[???]
(このエンジン音は……)
ブオォォォォォ!! ブオォン!ブオォォン!!
[???]
「道を開けろーー!!」
ギャアアアアア!!
[???]
「86?!」
ブゥゥゥゥゥウン……
[???]
「先輩、知ってますか?」
[???]
「いや知らないな。」
[???]
(恐ろしい車だ……。)
━━車内━━
[士道]
「なあ……もっとまともな運転出来ないのか?」
[陽牙]
「無理。」
キンコン。キンコン。
[士道]
「何だこの音?」
[陽牙]
「スピード警告音だ。100キロ超えると鳴るんだよ。」
[士道]
「死ぬーーーーーーー!!」
ブオォン!! ブオォォン!!
[士道]
「イヤアアアアア!! 降ろしてくれえええええええええ!!」
ギャアアアアア!!!!
[士道]
「ガードレール近い近い!!」
ギャアアアアア!! ブオォォォォ……
[士道]
「俺死にたくないんだけど……。」
[陽牙]
「安心しろ。死なねえから。」
[士道]
「この運転で良く言えるな!!」
[陽牙]
「さ~て、本気で行くか。」
ガコガコッ
[士道]
「やめてくれえええええええ!!」
その後の士道の様子はお任せします。
━━11時━━
[陽牙]
「はい、到着っと。」
[士道]
「こいつの隣乗りたくない……。」
[ルナ]
「ドンマイ士道……。」
[ルシア]
「私は楽しいけど?」
[アン]
「それはルシアちゃんだけですよ……。」
[千冬]
「一体どんな運転したんだ……。」
[士道]
「知らないほうがいいっす……。」
[千冬]
「そ、そうか。とりあえず士道を部屋に案内してやれ。陽牙と同じ部屋だから。」
[陽牙]
「あ~い。」
こうして、士道にとって地獄のドライブが終了し、一日目の幕を閉じた。
━━2日目━━
[???]
「……ここが食堂。」
[陽牙]
「でけえな。」
[士道]
「種類とか多そう。」
2日目は、IS学園を回っていた。ルシア達は先生達に頼まれ授業に助っ人として出ている。なので今いるのは陽牙と士道と1人の女性だ。
彼女の名前は更識簪。生徒会更識楯無の妹で、日本代表候補生である。彼女に会ったのは昨日の昼食後、廊下を歩いてたら話しかけられた。
回想Start
[簪]
「あの……。」
[陽牙]
「ん?え〜と簪ちゃん何?」
[簪]
「……陽牙ってパニシンググレイレイヴンってゲーム知ってる?」
[陽牙]
「知ってるも何もやってるぞ?簪もか?」
[簪]
「うん。お姉ちゃんとか幼馴染もやってる。」
[陽牙]
「マジか。フレンドにならん?」
[簪]
「いいよ。私中国版だけどいい?」
[陽牙]
「俺両方やってるから大丈夫。」
[簪]
「それじゃあ先に私の部屋に来て。お姉ちゃんとか呼んでくるから。」
そう言われ、部屋へ向かう。数分待ってると、簪に連れてこられた人が入ってきた。更識楯無、布仏本音、布仏虚の3人だった。
[簪]
「それじゃあ陽牙、プロフィール見せて。」
[陽牙]
「ほい。」
簪達にプロフィールを見せる。
[楯無]
「レベル112?!」
[本音]
「わ〜お。」
[虚]
「やり過ぎでは?」
[簪]
「凄い……。」
[陽牙]
「やってたら誰だって行くよ。この中で1番高いのは簪ちゃんか。」
[本音]
「かんちゃんはゲーマーなのだ〜。」
[陽牙]
「他の2人もそこそこだな。」
レベルは簪が83、楯無が69、本音が70、虚が78だった。
[楯無]
「虚ちゃんがそこまで高いとは思わなかった……。」
[陽牙]
「今日は……何するか。」
[本音]
「しんり〜、これどっち選べばいいの〜?」
[陽牙]
「ガチャか。今は氷ルシアと紅ルシアか。意識は何持ってる?」
[本音]
「ハンナが4枚のフリードリヒ2枚だよ〜。」
[陽牙]
「んじゃあ氷ルシアだな。」
[簪]
「え、紅ルシアじゃないの?」
[陽牙]
「紅ルシアは正直ハンナ必要ない。氷ルシアは3チェインでのチャージが楽に出来るから必要だな。」
[簪]
「知らなかった。」
[虚]
「あの、紅ルシアのオススメ意識ってなんですか?」
[陽牙]
「あ〜それは人それぞれだな。まあバートンが主だな。俺は違うけど。」
[楯無]
「バートンって会心率とか上がるヤツ?」
[陽牙]
「そう。だけど正直あれあっても対して変わらねえから別の付けてるんだよな。」
[簪]
「例えば?」
[陽牙]
「フリードリヒ4枚のダーウィン2枚。」
[楯無]
「あ、私と同じだ。」
[簪]
「どうしてその構成なの?」
[陽牙]
「フリードリヒは攻撃を回避すると威力が上がって行くから長期戦とか楽なんだよ。特に紅ルシアとか火力のある奴は。」
[簪]
「へ〜。私も後で変えとこ。」
回想End
てなことがあり、みんなと仲良くなった。みんなでゲームをし終わった時に、校舎の案内を頼んだら受けてくれた。
[簪]
「ここはラーメンとかも売ってるよ。」
[陽牙]
「学校でラーメン売ってんのか。もはや店じゃねえか。」
[簪]
「私はいつも日替わり定食を頼んでる。」
[士道]
「俺自炊派だがらな。もし入学したとしてもここに来ないと思う。」
[陽牙]
「同じく。」
[簪]
「あとは……整備室だけだ。それじゃあついてきて。」
簪の後を付いていき、最後の整備室に向かう。
━━整備室━━
[簪]
「ここが整備室。国営だから最新機器が沢山そろってる。」
[陽牙]
「てか近場にIS借りれる場所があるのか。」
[士道]
「流石国営。整備機器俺も欲しいな。刀の為に。」
[簪]
「刀持ってるの?」
[士道]
「おう。まあ陽牙からもらったやつだけどな。」
[簪]
「凄い。陽牙何本持ってるの?」
[陽牙]
「今の所あと一本かな。一様あげる人物は決めてるんだけどな。」
[士道]
「誰に渡すんだ?」
[陽牙]
「ヒ・ミ・ツ☆」
[簪/士道]
「「グハアァ!!」」
[陽牙]
「ど、どうしたお前ら?!」
[簪]
「み、見た目がそれだから……。」
[士道]
「いかんいかん……お、俺には凜祢がいる……。」
[陽牙]
「簪はともかく、士道がそっちの方に行くとホモになるじゃねえか。」
[簪/士道]
「「その見た目で言われても説得力無い。」」
[陽牙]
「嘘だぁ!!」
[士道]
「ま、まあいいや。それよりもこのなんか予定あるか?」
[簪]
「私は午後からだからない。」
[陽牙]
「まず学園の人間じゃないからない。」
[士道]
「んじゃ暫く暇なんか。それじゃあ……」
[陽牙]
「サッ」
[簪]
「サッ」
[士道]
「サッ」
三人は同時にスマホを取り出し、こう言う。
[陽牙/簪/士道]
「「「宴(パ二グレ)の時間だ。」」」
案の定ゲームだった。この後、昼食の時間まで整備室でパニグレをやっていた。途中布仏姉妹がやって来て、その2人も混ざった。
━━午後━━
[ルシア]
「疲れた~。」
[陽牙]
「お疲れルシア。ほら、膝枕。」
[ルシア]
「ん、ありがと。」
[士道]
「授業どうだった?」
[アン]
「私は特に疲れてないわ。」
[リー]
「俺は疲れたぜ……思ったより生徒達が来たからな。」
[カムイ]
「確かにな!!もはやリーが先生してたな!!」
[陽牙]
「はっはっは!!いいじゃねえかリー先生!!」
[リー]
「やめろ恥ずかしい……///」
[アン]
「珍しく赤くなってますよ!!記念写真をっ!!」パシャパシャ!!
[リー]
「やめて!!本当に恥ずかしい!!」
[瀬里奈]
「いいじゃないの、リー先・生?」
[リー]
「瀬里奈さんまで……。」
[士道]
「やべえ……ねみい……。」
[陽牙]
「お前今日パ二グレしかやってないじゃん。」
[士道]
「こちとら今日眠れてねえんだよお前の運転で……。」
[陽牙]
「知らんな☆」
[リーフ]
「吐かなかっただけマシです。」
[???]
「五河さ~ん、ちょっといいですか~?」
彼女の名前は山田真那。一年担当の先生で、一組の副担任をしている。
[士道]
「はい、何でしょうか?」
[真那]
「実はですね、朝練の内容を考えてるんですけど中々思い浮かばないんですよ。なので五河さんから何かアドバイスをもらおうと思いまして……。」
[士道]
「朝練ですか……俺陽牙から教えてもらった事やってただけですよ。」
[真那]
「どんなのですか?」
[士道]
「この学校だと……まずグラウンド最低10周、腕立て100回、プランク最低1分以上、腹筋100回、その後に組み手ですかね。」
[真那]
「それでよく生きてますね……。」
[士道]
「毎日ってわけじゃないんで、週に1,2回休みいれてますよ。」
[真那]
「成程。参考になります!!」
[士道]
「はいよ~。」
[陽牙]
「そういやさ、みんな明日のいつごろ帰る?」
[士道/ルナ/カムイ/リー]
「「「夜は絶対嫌。」」」
[陽牙]
「……夜は嫌と。それじゃあ明日の朝出るか。ちょっとちーちゃんのとこ行ってくる。」
[ルシア]
「行ってらっしゃい。」
━━第3アリーナ━━
[千冬]
「いいかお前ら、近接格闘に置いて重要なのは相手の重心を見ることだ。まあだからといって直ぐに出来るわけではない。その為今から━━」
[陽牙]
「おーーーーい、ちーーーーちゃーーーーーん!!」
[千冬]
「その名前で私を呼ぶなあああああああ!!!///」
[陽牙]
「あっぶね?!」
[千冬]
「生徒の前でその名前を呼ぶな!!恥ずかしいだろ!!」
[陽牙]
「OK分かった。プライベートだったら呼ぶわ。」
[千冬]
「出来ればプライベートでも言わないで欲しいのだがな……それで何だ?」
[陽牙]
「どうやらウチの連れが、夜に戻りたくないらしいから、明日の朝に学校出るわ。」
[千冬]
「む、そうか。だったら私の方から学園長の方に言っておく。」
[陽牙]
「助かる。」
[千冬]
「ついでに授業手伝ってくれ。」
[陽牙]
「ああまあ構わんけど、今何やってるんだ?」
[千冬]
「今は近接格闘だ。この中に銃メインの奴が多いわけではないからな。」
[陽牙]
「近接格闘か。んじゃお前ら、自分の間合いって分かるか?」
[千冬]
(ほおう。間合いか。)
[生徒全員]
「……。」
[陽牙]
「まだわかってるわけでは無いようだな。いいか、自分の得意な攻撃方法があるとする。例えばオリムー先生とかは近距離だ。んで山ちゃん先生はどっちかって言うと中遠距離だ。俺も近距離だが、その気になれば遠距離もできる。これは文字通り得意な攻撃が距離だ。んじゃこの中で近距離攻撃出来るやつ。」
[生徒1]
「はい。」
[陽牙]
「んじゃお前前に出ろ。んで少し離れて俺に攻撃して来い。」
[生徒1]
「分かりました。……はあっ!!」
キンッ!!
[陽牙]
「いい攻撃だ。だが攻撃する際に重心がズレてる。いいかここからが本題だ。間合いってのは攻撃が届くってのもあるが、メインはどれだけデカイダメージを与えられるかだと俺は思う。今の攻撃だってそう。んじゃここで問題。どうして重心がズレたと思う?」
[生徒2]
「踏み込みが甘かったから?」
[陽牙]
「残念今の踏み込みは良かったよ。他にいるかな?」
[生徒1]
「先生が寸前で後ろに下がったから?」
[陽牙]
「正解。俺が彼女の攻撃が来る瞬間に下がったの。じゃあどうして下がったと思う?」
[生徒全員]
「……。」
[千冬]
「そいつの間合いがわかったから。」
[陽牙]
「Yes。ここまで言えばさっき言った事がわかるはずだよ。」
[生徒全員]
「……あっ!!」
[千冬]
「成程な。そういう事か。」
[陽牙]
「どうやらわかったらしいね。俺が彼女の威力を下げたってことさ。間合いから外れ、相手が詰めてきたらそいつの攻撃の威力は弱くなるのさ。だけど気をつけて欲しいのは、銃相手だとそうは行かないと思った方がいい。俺とかオリムー先生とか他の連中は除いて。」
[千冬]
「ご苦労。それじゃあ諸君、まずは2人組を作り、ペアとなって確認してみろ。」
そう言われ、生徒達は次々とペアを作っていく。
[千冬]
「よし。それじゃあ━━」
この後、距離を取りそれぞれの攻撃が届く範囲まで離れ、生徒達に考えさせた。教師が教えるのもありだが、生徒自身が試行錯誤した方が効率がいいからだ。
直ぐに出来るやつもいれば、まだ出来ない奴もいる。だが彼等は生徒だ。ゆっくりと時間をかけて土台をしっかりと作っていくべきである。
授業は終わりを迎えた。途中ちーちゃんに協力を得て実践を見せたりもした。
[千冬]
「なかなか良い説明だったぞ。」
[陽牙]
「あんなん普通だ普通。基礎だ基礎。」
[千冬]
「お前の言う基礎は意外と難しい事が多いんだがな……。」
[陽牙]
「今回は中々楽しめたぜちーちゃん。」
[千冬]
「そうか。こっちも楽しかったぞ。」
こうしてIS学園への訪問は幕を閉じた。帰る時に学園長に『ここの教師になりませんか?』と言われたが断っておいた。
はい。ISストーリー書きました。なので本編戻るので、次は美九編です。