文化祭初日が終了。と言っても、まだ結果発表が残っている。1部の人物を除いて一同緊張していた。
[放送]
「ステージ部門第3位!!仙城大付属高校!!」
[士道]
「もう結果発表か。なんか早いな〜。」
[凜祢]
「お願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いします。」
[十香]
「お、落ち着くのだ凜祢……。」
[美九]
「ふふーん。絶対に私が1位に決まってますよぉー。」
士道は何やらワクワクしており、凜祢は必死で祈っていた。それに比べて美九はドヤ顔だった。明らかに表情に差ができていた。陽牙と数人は今別件があり席を外している。今この場にいるのはカムイとルシアだけだった。
[放送]
「第2位!!な、なんと?!まさかの竜胆寺女学院だ!!完全に予想外ですッ!!」
[カムイ]
「あらら。」
[ルシア]
「もしかして?」
[美九]
「う、嘘ッ?!」
第2位が竜胆寺女学院という事もあり、生徒達のざわめきが強くなる。女学院の生徒たちには困惑するものや驚く者もおり、美九は有り得ないという表情をしていた。
[放送]
「そして第1位の栄光を手にしたのは……なんと初優勝!!来禅高校です!!」
[凜祢]
「やったぁ!!やったよぉ十香ちゃん!!」
[十香]
「やったな凜祢!!」
[士道]
「いや、まだ総合の発表がされてないからわからないぞ。」
[放送]
「という訳で!天央祭一日目の総合1位は来禅高校に決定しましたぁぁぁぁぁッ!」
[士道]
「まじか。」
[カムイ]
「おお、初めてやったけど取れたな。」
[ルシア]
「わーーーい!!」
[放送]
「特にメイド喫茶の投票数が多いです!!それ以外にも最初のダンスなどがよかったとの報告も入っています!!」
[カムイ]
「何となく想像してたのと一緒だな。……まああれだけ派手にやったらそうなるか。」
[美九]
「おかしいでしょう……?私が負けるはずないじゃないですか……。」
[士道]
「確かに経験だけで考えるなら君の方が上かもしれない。だけど君はいくつか間違えてるんだ。」
[美九]
「間違い……?私に何が間違っていたって言うんですかー……?私は何も間違ってはいませんよぉ……?」
美九は反論しながら士道を睨む。だがそれでも平然としていた士道は言い返す。
[士道]
「1つ。君はアイドルという立場を使って優勝しようとした。仕事柄的には有利な立場になるかもしれないが、今この場ではただのアイドル歌手だ。文化祭には関係ないぞ。」
[ルシア]
「2つ。美九さんは一人で勝とうとした。文化祭は一人でやる物ではなく、みんなでやる物です。どうせ大抵の事は全部人に押し付けていたのでしょう?」
よくよく思い出してみれば美九は基本的に一人でステージに上がっていた。演奏する人もおらず、ただ歌うだけだった。
[カムイ]
「最後は……十分なネタがあったからだからだな。」
[美九]
「……?」
予想外の答えに美九はポカーンとなりかけていた。
[カムイ]
「まああいつが決めたことなんだが、俺たちの目標はお客達を満足させことだ。それにあいつの無茶振りでも、客を満足させるには素材が必要だ。歌もその一つだ。だが詳しく煮詰めていけば歌以外にもたくさんある。お前もそうだ。自分の歌だけじゃなく、別の曲でも良かったんじゃないか?」
カムイ達はそう話していたが、美九本人はプルプル震えていた。
[美九]
「仲間……?あははは……もっとふざけていますねぇ……教えてあげます。そんなもの、私の前では無意味だって……ッ!」
[美九]
「【破軍歌姫(ガブリエル)】!」
美九会場全域に響き渡るような絶叫を上げたかと思うと、次の瞬間、美九の足下の空間に放射線の波紋が広がっていった。
[士道]
「やべっ!!」
[ルシア]
「みんなッ耳を塞いで!!」
精霊と対面したことがある奴は見たことがある動作に似ている。同時に美九の服装が霊装に変わり、楽器が現れる。それに気づいたルシアは大声でみんなに呼びかける。
[美九]
「歌え!詠え!謳え!ガブリエェェェェェル【破軍歌姫】!!」
ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ―――ッ!!!!
凄まじい轟音が鳴り響き、少しだけだが、身体が痺れる様な感覚が走る。美九のお願いを倍加させたかの様な感覚で、一般人は無表情のままで立ち尽くしている。
[美九]
「ふ……ふふ……ふ、仲間……でしたよねぇ?美しいですねぇ、素晴らしいですねぇ。こんなに壊れ易いなんて。ふふ、うふふ、これで貴女のお仲間さんは、ぜぇーんぶ私のものですよぉ?貴女の言う仲間とかそういうのは私の指先一つでどうにもなってしまうんですねぇ。」
[ルシア]
「なんて事をッ!!」
[美九]
「もう勝敗なんて関係ないです。約束なんて関係―――」
[???/???]
「「うるさああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!」」
[全員]
「?!」
突然さっきの演奏と同じくらいうるさい声が聞こえる。全員が声がする方へ振り向くと、そこには瀬里奈と陽牙がいた。
[瀬里奈]
「さっきからうるさいのよ!!こちとらライブ聞いてすごいいい気分だったのに台無しよ!!」
[陽牙]
「いい加減自分の負けを認めろ。こっちは努力して勝ったんだよ。ガキかお前は。」
[美九]
「そんなの……認めません……認めませんよぉ!私は誘宵美九なんです!誰からにも愛され、私の言う事を絶対に聞く筈なんですぅ!」
そう言うと、操られている人たちがぞろぞろとやってくる。
[美九]
「うふふ……例え何が何でも……私が勝つに決まってますよぉ……みなさぁーん!やっちゃってくださーい!」
美九に操られたまま命令された生徒はそのまま陽牙達の方へと襲い掛かろうとしていた。
[瀬里奈]
「アンタが楽器を使うなら私も使ってやるわよ!!」
突如瀬里奈がどこから出したのかチェロを構える。
[陽牙/ルシア]
「「耳を塞げぇ(いでぇ)!!」」
[瀬里奈]
『私がコーダを捧げてあげましょう』
ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!
瞬間、とてつもない瀬里奈を起点として衝撃波が襲う。その衝撃は体の内側まで届き、脳を揺さぶる感覚にも襲われる。耳を塞いでこのレベルなら、もしそれをしていなかったらどうなっていたのだろうか。どんどん周りに居た人たちは気絶していく。そして……
[美九]
「きゅぅぅぅ……。」
バタンッ!
美九までもが気絶してしまった。
[瀬里奈]
「……やっちゃったZE☆」
[陽牙]
「うぅぅぅ……!!死ぬかと思った……。」
[魁斗]
「こりゃ長時間受けるわけにはいかねぇな……。」
改めて瀬里奈の恐ろしさを知った人たちだった。
[陽牙]
「さて、どうするか。」
[祐成]
「ん~起きたらまた攻撃してきそうだからね~。」
[???]
「それには心配及びませんよ。」
また新たな声が聞こえた。その方向を向くといつぞやの自称最強(笑)がいた。
[陽牙]
「またアンタか……。」
[エレン]
「さて、夜刀神十香の捕獲、及び周辺の捕獲または殲滅を開始します。」
[???]
「ほぉう、私を捕獲するというのか。愚かな。」
ふと十香の方を向く。なぜなら声の圧や、雰囲気が全然違うからだ。
[陽牙]
「……お前十香か?」
[十香?]
「失礼な奴だな。私の名前は夜刀神十香だぞ。」
[陽牙(ガビーン)]
「なんか違あああああぁぁぁぁぁぁう!!」
[十香?]
「まあ安心しろ。少し変わった程度だ。」
[十香?]
「それよりも、あの女どうするのだ。追い返すか?」
[陽牙]
「まあそれが出来るなら良いんだがな……大丈夫か?」
[十香?]
「大丈夫だ、問題ない。」キリッ
そう言って、十香が霊装姿へチェンジする。いつも見ていた鎧の服装だが、明るい色ではなく若干禍々しいオーラを放っていた。
[陽牙]
「なんか違くね?」
[エレン]
「まさか反転している?!その状態で人間と一緒に居るの?!」
※厳密に言うと反転はしていません。
[陽牙]
「反転?なんだそりゃ。」
[十香?]
「気にするな。」
その声と共に、エレンに向かって走り出す。
[十香?]
「はぁ!!」
キンッ!!
[エレン]
「くっ……。」
いつもの十香は鏖殺公(サンダルフォン)を両手で振っていたが、今は片手で振っている。
キキキキキンッ!!
[十香?]
「てやぁ!!」
キィィィィィィンッ!! ドゴォォォォォォン!!
最終的にエレンはまともな攻撃をすることが出来ず、バットのように振ったサンダルフォンからのダイレクトアタックにより吹き飛ばされてしまった。
[エレン]
「がはッ!!」
[十香?]
「つまらんな。流石自称最強(笑)の魔術師だ。」
[士道]
「俺の知ってる十香じゃねえ……。」
[エレン]
「なめるなぁぁぁぁぁ!!」
[陽牙]
「あらら、それは甘いな。」
エレンは冷静さを失っているのか、そのまま一直線で十香の方へ飛んで行った。
[十香?]
「ぬるい!!」
ガシッ!!
[エレン]
「なっ?!」
[十香?]
「ボールを相手のゴールへシュゥゥゥゥゥゥトッ!!」
エレンをそのまま掴み、壁に向かって思い切り投げる。
ドゴォォォォォォンッ!!
[エレン]
「ぐっ……このままでは……仕方ありません……今日はディーヴァだけでも捕獲します。」
そのままエレンは美九を抱え、どこかへ去ろうとする。
[十香?]
「待て!!」
[陽牙]
「ストップだ。今迂闊に手を出すな。先生たちどうだ?」
[祐成]
「オッケーだよ。上手くいったみたい。」
[十香?]
「どういうことだ?」
[祐成]
「夜刀神さんが戦ってる途中に発信機をつけたんだよ。」
[魁斗]
「急に『これ投げて。』なんて言うから焦ったぜ。まあ上手くいったからいいけど。」
そう。エレンが叩きつけられたときに魁斗が発信機をエレン目掛けて投げたのである。相手の意識が十香だけに向いていたから出来た芸当である。
[祐成]
「え~と行き先は……ここはDEMの本社かな?」
[陽牙]
「もうわかったのか。早いな。」
[カムイ]
「それよりもどうするんだこの状況。」
[魁斗]
「生徒たちはどっか寝かしときゃいいだろ。んでその後にカチコミにでも行くか。」
[士道]
「んじゃあとりあえずこの転がってるものをどうにかしないとな。」
この後、生徒達の安全確認や修理をして、仲間に召集を掛けていた。
━━DEM本社前━━
[陽牙]
「ここが監禁所か。」
[士道]
「いや牢獄だろ。」
[カムイ]
「あんまし意味変わってないからな?」
やってきたのはDEM本社前。そしてここら辺の一帯は全てDEM社の敷地とでも言える程ビルが並んでいた。
[陽牙]
「さて、あとはカムイよろしく。」
[カムイ]
「ゑゑ?!」
[陽牙]
「あ、全部じゃないからな。美九との会話やらな。」
[カムイ]
「なんで?」
[陽牙]
「だってお前が一番関わってるし、何なら一緒に文化祭回ってたりしてたじゃん。」
[カムイ]
「んまあそうだけど……。」
[リー]
「……来たな。」
扉の方を見ると、バンダースナッチ達が入口を塞ぐかの様にゾロゾロと出て来たのであった。
[アクセラレータ]
「ここは俺たちに任せろ。早く行け。」
[???]
「そうは行かないワ。」
行く手を遮るような声が聞こえた。そこには一人の女性がホワイト・リコリスを背負っている姿が見えた。しかし、リコリスは白ではなく、血に染まった赤となっていた。
[全員]
「……。」
[全員]
『誰だお前はっ!!』
[???]
「どうでもいいワ。侵入者がいっぱい来るとはネ……いいワ、ここで貴方達を殺してあげル。」
[陽牙]
「めんどくせぇ……。仕方ないここは俺が━━」
[???]
「ここは私がやりやがりますよ。」
また違う声。だが聞いたことがある声だった。
[士道]
「真那?!」
[真那]
「はい、お久しぶりでやがりますね兄様。それに皆さんも。」
現れたのは真那だった。ASTの装備一式を身に着けた。
[祐成]
「どうしてこんなところに居るんだい??」
[真那]
「細けー話は後ですが、ぶっちゃけると私、DEM社を辞めたんで今は貴方達の味方でいやがりますよ。それに……ジェシカ。」
[陽牙]
「知り合いか?」
[真那]
「ええ……馬鹿な事を……今すぐリコリスを停止させやがりなさい!分かっていやがるでしょう!?それは貴方に扱える様な代物じゃねーです!」
[ジェシカ]
「あはははははハ!何を言っているノ?今はとても良い気分ヨ。だって、ようやく……あなたを殺せるンですものォ。」
[陽牙]
「あ、話聞いてないですね。」
[士道]
「仕方ない。俺も残るか。」
[2B]
「私達も残るわ。」
[真那]
「嬉しいでやがります。」
[陽牙]
「サンキュー。んじゃ行くぞォ!!」
そう言って、扉へ向かっていく。
[ジェシカ]
「待テ!」
[9S]
「行かせません!!」
ジェシカが行こうとするが、9Sが先回りして動きを止める。その一方扉目掛けて走っていった人たちは、敵を倒しながら進んでいった。
━━本社内━━
[陽牙]
「遅い。」
キキキキキキキンッ!!
[AST]
「きゃあああああっ!!」
[陽牙]
「深淵に飲み込まれろ。」
シュキキキキキキキンッ!!
[AST]
「化け物かアイツはっ?!」
[AST]
「勝てるわけがない……。」
[リー]
「俺達必要か……?」
ビル内にはASTの隊員がわんさかいるが、全て陽牙の攻撃で倒れている。だがそんなことは気にせず上に向かって走る。
[祐成]
「そこ右からの方が近道だ!!」
[ルシア]
「了解!!」
ドゴォォォォォン!!
ルシアが祐成に支持された通りに右の壁をぶち抜く。すると隠し通路のようなものが現れた。
[ビアンカ]
「ひどいですねこれは。」
[カムイ/リー]
「「気にしたら負けだ……。」」
[ルナ]
「はあ……。」
などと雑談しながらもせっせと上っていく。
着いた場所は扉の前。だがこの場所だけ厳重にロックがかけられている。
[祐成]
「さて、入る前に暗力君、君にこれを見てほしいんだ。」
祐成が見せてきたのは、とあるホームページだった。
[カムイ]
「どうしたんすかこのHPが。」
[祐成]
「ここに美九が男嫌いになった理由がある。だから君に見てほしいんだ。」
[カムイ]
「……わかった。」
そしてスラスラとHPを見ていく。そして見てから数分するとパソコンを祐成に返す。
[カムイ]
「何となくわかった。ここからは俺の仕事ってことか。」
[陽牙]
「頼んだぞ。それじゃあ行くか。」
スッ……バコンッ!!
綺麗な右ストレートにより、ドアは原型を留めることが出来ない程まで壊れた。
[???]
「やあ、待っていたよ。【プリンセス】の友人達……で良いのかな?」
中へ入ると一人の男性が椅子に座って腰かけていた。そしてその傍には、なにやらガラスのような空間に閉じ込められ、機械につながれている美九が居た。
[???]
「お初にお目に掛かるね。DEMインダストリーの―――」
[陽牙]
「お前の名前はどうでもいい。いや冗談抜きで。」
[全員(ガビーン)]
「酷ッ?!」
[???]
「アハハ……随分と酷いじゃないか。それにしても、反転した精霊がそちら側だったとは、これは予想外だったよ。」
※まだ反転していません。
[十香?]
「私を使ってどうするつもりだ貴様。」
[魁斗]
「どうせくだらねぇことでもやろうとしてたんじゃねえか?」
[祐成]
「大方自分たちが正義だとでも言うんじゃないのかな?」
そうこう話していると、扉の向こう側から見慣れた人物が入って来た。
[エレン]
「アイク……申し訳ございません……油断しました……。」
入ってきたのはボロボロのエレンだった。隙をついて逃げてきたのだろう。
[アイク]
「随分と満身創痍だねエレン。」
[陽牙]
「さて、今度はどっちが相手だ?両方か?」
[アイク]
「残念だけど君達にやられる訳には行かないからね。僕達はこれで退いて貰うよ。」
そう言って、アイクは右のポケットからスイッチらしきものを取り出した。そしてそのスイッチを押した。
ゴゴゴゴゴッ……シュン!!
アイクとエレンが同時に消え、それと同時に機械が動き出す。
[美九?]
『侵入者……発見……排除……シマス……。』
[陽牙]
「こりゃダメだな。完全に洗脳されてコントロールされてる。」
[十香?]
「これだから人間という生き物は嫌いだ。」
先ほどまでの鎧の姿とは全くの別物になり、サンダルフォンの色も黒くなっていた。
[陽牙]
「事実そうなのかもしれないな。」
[十香(反転)]
「だが人間の中でも陽牙達のような良い人たちもいる。私はその為にこの剣を振るう!!」
[美九]
『敵……確認……排除……シマス……。』
[陽牙]
「気合入れんぞお前らぁ!!」
[全員]
「はい!!(おう!!)」
美九を取り戻すべく、全員武器を構えた。
ドォォォォォォン……
[士道]
「今の音は……。」
外のグループは戦闘を終えたところだった。所々に機械の残骸や、気絶した隊員などがいた。
[A2]
「何かヤバい気がする……。」
[アクセラレータ]
「こりゃァ急ぐしかねェ……。」
[美琴]
「でもかなり高さがあるわ。このままだと……。」
[士道]
「こうなったら一か八かだ!!『顕現せよ。永遠の命を持ち、永遠に飛ぶ不死の鳥、不死鳥(フェニックス)!!』」
士道が詠唱を終えた瞬間、頭上に炎を纏った鳥が現れた。
[士道]
「よし!!早く乗れ!!」
士道の召喚した鳥の上にドンドン乗っていく。全員が乗っていくと、目的地に向かって飛んでいく。
[真那]
「流石です兄さま!!」
[2B]
「熱くないのね……。」
[美琴]
「これが召喚術……。」
[アクセラレータ]
「なかなか心地いいじゃねェか。」
それぞれが感想を言いながらも上へあがっていく。
[陽牙]
「あっぶな!!」
スッ
[ルシア]
「攻撃のパターン読めない……。リアルタイムで学習してるの?」
陽牙達は機械相手にそこそこ苦戦していた。理由は下手に攻撃出来ないからだ。もしどこかの部品を壊した時、美九にダメージが行ったら元も子もないからである。
[ルナ]
「重力フィールドを展開したくても、案外すばしっこいから逃げられる……。」
どうしたものかと悩んでいた時……
バゴォォォン!!
[士道]
「大丈夫か?!」
壁をぶっ壊して士道たちが入ってきた。
[2B]
「これは……。」
[アクセラレータ]
「でけェな。」
[真那]
「密かにこんなモノを作っていやがったのですか……全く、アイツ等のやりそうな事でやがりますな……。」
[士道]
「はぁ!!」
ズンッ!! ボォォォォォ!!
士道が天狼星を振り、機械の周辺に炎の壁の様なもの作る。
[士道]
「これで暫くは来れないはずだ。」
[リー]
「だがどうする。今のままじゃ何も変わらないぞ。」
[祐成]
「こうなったらポケモン方式でいこう。僕達で機械にハッキングを掛ける。その間に暗力君がどうにかするしかない。」
[ルナ]
「だったら私が美九の精神に干渉できるようにゲートを作るわ。それまで耐えて欲しい。」
[祐成]
「よし。それで乱数君と9S君には相手の動きを停めるプログラムを組んで欲しい。ハッキングの解析がもし終了した時の為にね。」
[リー/9S]
「「了解。」」
[祐成]
「他のみんなはここに留まって欲しい。下手に動かれたらダメだからね。」
[陽牙]
「俺はルナの護衛として動くぞ。それじゃあカムイ、頼んだぞ。」
[カムイ]
「任された。」
[士道]
「行くぞ……。解除ッ!!」
士道が炎の壁を解除すると同時に陽牙とカムイとルナは走り出し、祐成はハッキングを行う。
[美九?]
『システムエラー発生……システムエラー発生……コレヨリ修復ニ入リマス……。』
ルナは機械の足下に着き、プログラムの解析を行う。
ギンッ!!ギンッ!!ギンッ!!ギンッ!!
陽牙はルナ目掛けてくる攻撃を弾いていた。
ダッダッダッダッ!!
カムイは美九がいる上目掛けて走っていた。途中攻撃してきたアームは弾くか斬り落としていた。
[ルナ]
「……出来た!!開くわよ!!」
カムイはもう少しで美九の目の前の所まで来ていた。そして頂上に着くと同時にゲートが開き、カムイは恐れずその中にダイブして行った。
━━精神世界━━
[カムイ]
「なんか……意識海みたいだな。」
来た場所の周りの景色は赤く、キューブ状の物体で出来た足場しか無かった。
カムイは歩いていた。美九を見つける為に、美九と話すために、美九自身をどうにかする為に。
[カムイ]
「てかアイツどこ行ったんだ?マジで見当たんねぇ。」
[???]
「あらぁ?わざわざこんな所まで来たんですかぁ?」
後ろの方から声が聞こえた。振り返ると、そこには霊装を纏った美九がいた。
[カムイ]
「何時までこんな所にいるんだ?早く戻らないのか?」
[美九]
「良いじゃないですかぁ、私はもうこんな状態ですしー、出ようにも出られませんしー。というか気安く話掛けないで下さいー。」
[カムイ]
「残念だが俺は人を見捨てるほどクズじゃねえ。だからお前を連れ戻す。」
[美九]
「正義の味方気取っちゃっているんですかぁ?バカバカしいですねー。」
[カムイ]
「何とでも言え。俺は嘘を言ってるわけじゃない。」
[美九]
「私がどれだけ長く辛い人生を送ったか……貴方にわかるんですかぁ?」
[カムイ]
「俺……いや俺達か。俺達は生きる事さえ否定された。特に悪い事もしてないのに、理不尽な理由で殺された。それこそお前に分かるのか?」
[美九]
「何を言って……。」
[カムイ]
「コレ見てみろ。」
そう言い、カムイは美九にスマホを見せる。そこには男性3名、女性3名が死亡したと書かれていた。そしてその死亡者の名前の欄に陽牙達の名前があったのだ。顔写真や年齢付きで。
[美九]
「どういう……事……。」
[カムイ]
「見ての通り、俺達は向こうだと死んでる扱いになってるんだ。まあこっちだとみんなが居てくれたおかげで楽なんだがな。兎も角、お前の気持ちもよく分かる。だがな、そこで諦めたらダメなんだ。俺だって裏切られた事はある。だけど全員が全員そういう輩では無いんだ。陽牙や先生みたいないい人もいる。だから1歩踏み出してみろ。」
美九はカムイの言葉を聞き、ポロポロと涙を流す。
[美九]
「信じて……いいの?」
[カムイ]
「お前が裏切らない限り、俺達は裏切らない。お前の味方だ。」
[美九]
「謝ったら……許してくれる?」
[カムイ]
「その時は俺も一緒に行くぞ。さあ、帰ろう。」
差し出したカムイの手を取る。
パリィィィィィン!!
突然ガラスが割れ、カムイと美九が降ってきた。
[陽牙]
「よっと。」
2人を陽牙が掴み、ゆっくりと床へ寝かせる。その表情は少し和らいでいた。
[陽牙]
「いい顔になったじゃねえか。」
[美九]
「ん……う、う〜ん……ここは……。」
[ルシア]
「おはようございます、美九さん。」
[美九]
「あ、あの ……ルシアちゃん……。」
[ルシア]
「大丈夫ですよ、私達は大体察してますから。」
その言葉に、美九は少し安心した様子を見せる。
[陽牙]
「さて、さっさと次の予定を━━」
[機械]
『エラー発生!!エラー発生!!登場者ノ不在ヲ確認!!オートモード起動シマス!!』
帰ろうとした瞬間、機械が動き出した事に全員が警戒した。その中でも先に動いたのは陽牙だった。
[陽牙]
「はああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
キキキキキキキキキキキキキキンッ!!!! スゥゥ……カチャン。
サァァァァ……
[全員]
「……。」
機械が動き出したと思ったら即座に塵となって消えていった事に、全員の思考が追いつかなくなった。
[陽牙]
「ふう……これで終わりっと。」
[全員]
(コイツやべえ……。)
内心陽牙に対する危険度的なのが上がった。あのルシアもだ。
[陽牙]
「そういえば、あの赤い機械背負ってたやつどうなったんだ?」
[9S]
「気絶させた後、機械を破壊しましたよ。」
[陽牙]
「そうか。なら最後の仕上げだ。」
ピッ
ポケットから取り出したタイマーのボタンを押す。するとカチカチカチカチと音を鳴らしながら時間が減っていく。それをそこら辺に投げ捨てる。それを見た全員は顔が真っ青になっていく。
[カムイ]
「お前マジでやべえってそれは!!」
[リー]
「タワーの最上階だぞここ!!」
[士道]
「不死鳥!!」
外めがけて剣を振り、再び鳥を顕現させる。そしてそれにみんなを乗せ、どんどん離れていく。
[カムイ]
「お前なぁ!!」
[陽牙]
「アハハハハたーノシー!!」
[リー]
「寿命縮んだぞ……。」
[陽牙]
「では皆さんご一緒に、『たーまやー!!』」
[全員]
『たーまやー!!』
ピカンッ ドォォォォォォォォォォン!!
[全員]
『汚ねぇ花火だ。』
DEMの本社だった場所は跡形もなく空き地となった。だがその場所だけで他の場所には被害はなかった。こうして、この騒動は幕を閉じた。
本社壊滅から少し経った後、カムイは自分のマンションの屋上に一人でいた。
[カムイ]
「あ゛〜つ゛か゛れ゛た゛〜。」
[美九]
「見つけましたよダーリン。」
振り返ると美九がいた。
[カムイ]
「何で俺のマンション知ってるんだ?」
[美九]
「陽牙さんから聞きましたぁ。」
[カムイ]
「なるほどね。にしても随分フレンドリーになったな。」
[美九]
「まだ男全員が平気って訳じゃないけどぉ、貴方達なら信じれますー。」
[カムイ]
「嬉しいなそう言われると。」
[美九]
「それに……ようやく吹っ切れたので。」
[カムイ]
「ああ……あれか。」
美九は元々アイドル歌手としてやっていて、歌う事だけを望んでいた。だがその時の専属マネがある時を境に悪評を広め、ファンにまで広がったらしい。そして声を失い、アイドルとしても立場を失った時、ファントムが現れた。その時に精霊としての力が発揮。その後は名前を変え、誘宵美九と名乗っていた時に陽牙達に出会う。今はその騒動は起きていないらしい。そしてそれを知った先生達がその悪評を広めた奴らに尋問という拷問をして、事は治まったとのこと。
因みにそのプロデューサーとかは逮捕されたとの事。
[美九]
「1つ聞いていいですか?」
[カムイ]
「何だ?」
[美九]
「私が宵待月乃って言ったら信じます?」
[カムイ]
「マジで?!」
[美九]
「は、はい。」
[カムイ]
「ちょ、ちょっと待ってて!!10秒位!!」
そうしたら速攻で扉へ向かって走っていく。そして10秒後本当に上がってきたその手にはカメラと色紙が握られてた。
[カムイ]
「サイン頂戴サイン!!」
[美九]
「はい。……どうぞ。」
[カムイ]
「じゃ、じゃあ写真撮っていい?!」
[美九]
「特別ですよぉ?」
パシャ、パシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャ
[美九]
「と、撮りすぎですぅ……。」
[カムイ]
「じゃ最後に一緒に撮ろ!!ハイ、チーズ!!」
パシャ!!
[カムイ]
「うっひょー!!マジでありがとう!!一生モンの宝や!!」
[美九]
「あの、最後に1ついいですか?」
[カムイ]
「何だ?」
[美九]
「今度竜胆寺女学院に来てくれませんか?」
[カムイ]
「別に構わんぞ。」
こうして内容の濃かった1日目は終了して行った。2日目に竜胆寺女学院に入り、色々案内されたが生徒たちの視線が痛かった。何故なら女学校に男がいるから。それに耐えながらも2日目、3日目と過ごしていった。
[祐成]
「ようやく終わりだね。」
[魁斗]
「長かった様な短かったような変な感じだな。」
[祐成]
「これからそういう事が増えるさ。今日は飲むかい?」
[魁斗]
「久々に行くか!!」
文化祭も終わり、物資も運び終えた所。殆ど片付けを終えた所で職員室を出たところだった。
突然1台のパソコンが起動し、あるメッセージが残された。それに気づくものは誰1人としていなかった。画面には
「私に、愛を教えてくれませんか?」
この言葉の意味を知るのは、もう少しである。
皆さんこんにちは作者です。すごい眠いです。寝ないで書いたのでもしかしたらミスあるかもしれません許してください。という事で美九編終了です。なので次回は或守インストール編です。まあ別の小説もありますが。
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