転生した男がイレギュラーとして過ごすお話し。   作:神領千鶴

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皆さんこんにちは作者です。最近誤字酷いです疲れてんのかな。今回から凜緒リンカーネイション編です。


第21話

電脳世界で精霊である鞠亜と鞠奈が通常世界にやってきて数日、陽牙達は退屈してた。やってきて最初は慣れないことが多く大変だったが、今は一般人と変わらず過ごせている。因みに住んでいる場所は十香達と同じ精霊マンションである。そして次に学校に行くための手続きを先生たちにやってもらった。本来存在しない人なので戸籍などは自分で作っていた。

 

[陽牙]

「ああ……平和過ぎて暇だ。」

 

[士道]

「逆に平和じゃなかったら余計大変だろ。」

 

[陽牙]

「そうなんだろうけどさ……やっぱり暇じゃん?」

 

[士道]

「陽牙は何を求めてるんだよ……。」

 

[ルシア]

「別に平和でいいじゃん、普通に過ごせるんだから。」

 

[陽牙]

「もう少し刺激が欲しい。」

 

[カムイ]

「それじゃあ新しいゲームやろうぜ!!実は昨日買って来たんだ!!」

 

[陽牙]

「それリーとやる奴だろ?俺がやると煽りたくなるからやめとく。」

 

[リー]

「カムイ煽り耐性ないからな。」

 

[アン]

「そうですね。」

 

[カムイ]

「酷い!!」

 

[凜祢]

「それじゃあどこかに出かけるのは?」

 

[陽牙]

「お、いいなそれ。暇つぶしにはなるか。」

 

[士道]

「行くとしてもどこに行くんだ?」

 

[陽牙]

「ん~そうだな……。」

 

陽牙はしばらく考え、何かをひらめくと口にする。

 

[陽牙]

「んじゃ久しぶりに並行世界行こうぜ。」

 

[士道]

「どうしてそうなった。」

 

[陽牙]

「いやだってさ、凜祢の時に会ったし、その世界って俺やルシア、それに凜祢とかもいないじゃん?気になるじゃん?」

 

[鞠奈]

「面白そうじゃない。鞠亜もそう思わない?」

 

[鞠亜]

「そうですね。私も気になります。」

 

[陽牙]

「と言っても、直ぐには行けないと思うけどな。」

 

[士道]

「それじゃあ今度の休みにでも行くか?」

 

[陽牙]

「連れて行くの俺かルナだけどな?」

 

[十香]

「旅行かシドー!?」

 

[士道]

「まあ……旅行と言えば旅行なのかな?」

 

[陽牙]

「ま、完全には決まったわけじゃないから決まったら言うわ。」

 

[士道]

「了解。んじゃ帰るか。」

 

それぞれが席を立ち教室を出ようとする。だがここで異変が起きた。

 

ピカンッ!!

 

[陽牙]

「ん?」

 

ヴゥンッ!!

 

[陽牙]

「は?」

 

[士道]

「どうした陽牙……ってお前!?」

 

[陽牙]

「俺もちょっと思考が追いつかない。」

 

簡潔に説明すると、急に足下がひかり、気付くと魔方陣が展開され今に至る。

 

[ルシア]

「大丈夫ヨー君!?」

 

[陽牙]

「大丈夫だぞルシア、ただまあ……何処に飛ばされるか分らんからなぁ……。」

 

[凜祢]

「う~ん……それは心配だね……。」

 

[陽牙]

「まあ大丈夫だろ。おっともうそろだな、それじゃあ少しの間寂しいが行ってくる。」

 

すると陽牙は一瞬で消えてしまった。

 

 

 

 

 

 

━━???━━

 

[凜祢(並)]

「凜祢―――園神凜祢だよ、士道。」

 

[士道(並)]

「嘘、みたいだ……凜祢が、ここにいるなんて。」

 

[凜祢(並)]

「私も、士道と同じ事考えてる。どうしてここにいられるんだろうって。でもね、今はそんな事どうでも良いって考えちゃってる私がいるんだ……駄目だよね?」

 

[士道(並)]

「駄目じゃない……俺も……同じ事を考えてる……。」

 

[凜祢(並)]

「嬉しいなぁ……士道は全然変わってないみたい。私の知ってる士道のままだね。」

 

[士道(並)]

「そういうお前だって、全然変わってないな。俺の知ってる凜祢のままだ。」

 

[凜祢(並)]

「あはは……私達、似た者同士なのかも。」

 

[士道(並)]

「幼馴染、だからな……。」

 

[凜祢(並)]

「うん……幼馴染、だからね……。」

 

ここは並行世界。そこでは有りえないことが起きていた。過去に出会い、そのあと存在すら消えた筈だった人物に会っていた。

 

[士道(並)]

「それじゃあ凜祢、行こうか。」

 

[凜祢(並)]

「……うん!」

 

凜祢を連れ、みんなで学校へ向かおうとしたとき……

 

[鞠亜(並)]

「士道……あれは……。」

 

鞠亜が指をさす。それを全員で見つめるとそこにあったのは白色の魔方陣だった。

 

[士道(並)]

「何だ……あれ……。」

 

士道がそれを警戒する。無論他の人たちも同じように警戒する。少しすると魔方陣が光り出し、一瞬で消える。するとそこから人が現れた。

 

[陽牙]

「ってあれ、ここ士道の家じゃん。」

 

イレギュラーな存在、神領陽牙だった。

 

[陽牙]

「う~ん、さっきまで俺教室に居たしな……これが並行世界か。」

 

[士道(並)]

「……もしかして陽牙か?」

 

[陽牙]

「うん?あ、士道に……他の奴らもいるじゃん。」

 

[士道(並)]

「やっぱり陽牙か!久しぶり!」

 

[陽牙]

「おう。あの時以来か。」

 

[鞠亜(並)]

「士道、その人は?」

 

[士道(並)]

「ああそうか、凜祢達は知らないのか。」

 

[陽牙]

「こっちでは初めましてか。神領陽牙だ、こんな見た目だが男だ。」

 

[鞠亜(並)]

「こっちでは……?」

 

[陽牙]

「その事なんだが……。」

 

 

 

少年?説明中……

 

 

 

 

[士道(並)]

「そっちはそっちで大変そうだな……主に陽牙が。」

 

[陽牙]

「いつもの事だ気にすんな。それよりも、再会できたんだな。凜祢と鞠亜に。」

 

[士道(並)]

「ああ。」

 

[陽牙]

「精霊たちも元気そうだな、うちらの世界と違って。」

 

[士道(並)]

「違う?そっちの世界は大変なのか?」

 

[陽牙]

「そういう意味じゃなくて、こっちだと十香は自由に反転できるし、耶倶矢は漫画家目指そうとしてるぞ。」

 

[士道(並)]

「色々と鬼畜になってきてるな……。」

 

[陽牙]

「てか、早く学校行かねえとまずいんじゃねえのか?」

 

[士道(並)]

「陽牙はどうするんだ?こっちの世界だと、陽牙はいないはずだが?」

 

[陽牙]

「ん~まあなんとかなるだろ。ほれ、早くいくぞ。」

 

その場の勢いで学校に行く士道達。その途中にお互いの世界で何が起こっていたかについて話したりした。平行世界だから殆ど一緒だが。そして学校に着く。それはいいのだが……

 

スゥ〜

 

[全員(引き気味)]

(通り抜けた!?)

 

陽牙が幽霊モードとか言うやつを使って学校に侵入しているのである。普通は通り抜けるだけで姿は見えるらしいのだが、それを改良して姿も見えないようにしているそうだ。そのまま授業に入っていく。

 

[陽牙]

『士道、そこ違うぞ。』

 

[士道(並)]

「え?あ、ほんとだ。」

 

[折紙(並)]

「士道、どうしたの?」

 

[士道(並)]

「い、いやなんでもないよ折紙……。」

 

[折紙(並)]

「そう。」

 

[士道(並)]

(折紙には陽牙の事見えてないのか……。)

 

どうやら折紙にも陽牙の姿は見えてないらしい。何故なら陽牙がそうしたからだ。陽牙の姿が見えるのは精霊の力を持つ者、凜祢、鞠亜だけである。だが時々、他の生徒にも見えることがあるらしく、いろんな人から幽霊と言われるようになった。

 

[陽牙]

「俺この世界の奴に死んだ扱いされてそう。」

 

[士道(並)]

「死んだ扱いって言っても、本来存在しない人間だけどね……。」

 

[陽牙]

「来禅高校の七不思議とかになりそう。」

 

[士道(並)]

「凄いやさしい幽霊じゃん。」

 

[陽牙]

「ま、そんなことはどうでもいい。士道に凜祢、鞠亜に用がある。」

 

[鞠亜(並)]

「私達に、ですか?」

 

[陽牙]

「ああ。本当はお前らも気づいてるんだろ?」

 

[凜祢(並)]

「……どうして私がいるかってことだよね。」

 

[陽牙]

「ああ。俺の記憶が正しければ、凜祢はあの時に消え、鞠亜は鞠奈のおかげでスマホに居たはずだが?」

 

[士道(並)]

「そこまで知ってるのか……。」

 

[凜祢(並)]

「その通りだよ……だけど私には分かる。ここは凶禍楽園の中だってことは。でも私はこの世界の管理者(ルーラ―)ではないと思う。」

 

[陽牙]

「やっぱりそうか。となると、他に居るってことか。今のでわかったことがある。」

 

[陽牙]

「一つ目、この世界のルーラーは凜祢の関係者であることだ。それもかなり近い関係の。」

 

[陽牙]

「二つ目、恐らくだがこの世界が出来た原因は士道であることだ。」

 

[士道(並)]

「俺が……この世界を作った?」

 

[陽牙]

「厳密にいえばそう願った、かな。考えたことあるだろ?『凜祢がこの世界で生きていたら。』とか『鞠亜や鞠奈も過ごしてたら。』とか、願ったことあるだろ?」

 

[士道(並)]

「確かにそう考えたことはある。だけどそれと何の関係があるんだ?」

 

[陽牙]

「士道には精霊の力を封印する力があるだろ?」

 

[士道(並)]

「うん。」

 

[陽牙]

「凜祢とキスして封印が完了したとき、その霊力が士道の中に保存されたら?」

 

[士道(並)]

「その霊力は俺のものになって……あっ!!」

 

[陽牙]

「そういう事。よかったな凜祢、お前の言ってた『やり直す。』今がその時だぞ。」

 

[凜祢(並]

「……そうだね!!」

 

[士道(並)]

「今度は離さないからな……凜祢……。」

 

[凜祢(並)]

「士道……ありがとう……。」

 

[陽牙]

「イチャイチャすんなや俺とか鞠亜もいるんだぞ。」

 

[鞠亜(並)]

「士道は本当に口説くのが得意ですね。」

 

[士道(並)]

「あはは……。」

 

[陽牙]

「んで、凜祢がルーラーじゃないってことは他にいるわけだ。」

 

[士道(並)]

「てことはその人物を探すことになるのか?」

 

[陽牙]

「本当はそうなんだが、多分普通に過ごしてると会えると思うぞ。確実に凜祢の関係者だからな。」

 

[士道(並)]

「そんな都合よくいくかな……。」

 

[陽牙]

「大丈夫信じろ。」

 

そう言われても、不安を隠せない士道と、それを信じる凜祢と鞠亜だった。

 

 

 

 

 

 

 

━━現実世界━━

 

[祐成]

「成程……それは困ったねぇ……。」

 

祐成は士道達からさっき起こったことを聞いていた。裕成は少し考え、キーボード叩き始める。

 

[祐成]

「取り敢えず神領君の事は僕がどうにかするから、君達はあの子のをどうにかした方がいいんじゃないかい?」

 

裕成が指を指して言った方向、そこにいたのは……

 

[ルシア]

「何処に行ったの……ヨー君……。」ハイライトオフ ポロポロ

 

ハイライトのない目で涙を流しているルシアだった。ルシアは陽牙が消えてからずっとこの調子だった。

 

[カムイ]

「病んでやがる……。」

 

[ルナ]

「姉さん、陽牙は絶対に無事だから……。」

 

[ルシア]

「……ほんと?」

 

[ルナ]

「本当だから、陽牙だって姉さんが悲しんでるのを見たくないはずだよ?」

 

[ルシア]

「……だったら我慢する。ヨー君帰ってくるまで待ってる。」

 

[士道]

「ルシアちゃんってヤンデレだったんだ……。」

 

[凜祢]

「ヤンデレ……でいいのかな?まあ依存はしてるね。」

 

[祐成]

「ふむふむ……成程。鴉羽ちゃん、神領君の居場所が分かったよ。」

 

[ルシア]

「っ!?どこですか!?」

 

[祐成]

「どうやら君たちが話してた"並行世界"にいるようだね。予めGPS付けといてよかったよ。」

 

[士道]

「並行世界か……。」

 

[祐成]

「っ!?みんなにもう一つ速報。どうやらその世界は今凶禍楽園によって閉じ込められてるようだ。」

 

[凜祢/士道]

「「凶禍楽園!!??」」

 

[魁斗]

「まーた面倒事に巻き込まれてるな。」

 

[カムイ/リー]

「「確かに。」」

 

[ルナ]

「並行世界に行くには、記憶を辿るしかないわ……。」

 

[ルシア]

「士道君と凛祢ちゃん、今すぐ準備して。」

 

[鞠亜]

「行動が早いですね。」

 

[鞠奈]

「いいえ鞠亜、これは早すぎるわ。」

 

[ルシア]

「愛する人の為に……全力を尽くすッ!!それじゃあ2人とも早く準備しましょーねー?」ガシガシ

 

[士道/凛祢]

「「え……?」」

 

[ルシア]

「さあルナ、早く二人の記憶を読み取るのです!!」

 

[ルナ]

「えーと……ごめんね二人とも。」

 

[士道/凜祢]

「「はい……。」」

 

士道と凜祢はルナに指示され、額を付け合せるように立たせる。二人の頬は赤くなっていた。

 

 

数秒後……

 

 

[ルナ]

「2人とも姉さんの我儘に付き合ってもらってごめんね?」

 

[士道]

「大丈夫だよルナちゃん、俺達陽牙にいろいろやってもらってるから……。」

 

[凜祢]

「そうだね。」

 

[ルシア]

「それじゃあしゅっぱーつ!!」

 

ルナはゲートを作り、その中へルシアが入っていった。その後に士道と凜祢が入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

━━並行世界━━

 

[陽牙]

「何時来ても、此処の眺めはいいな。」

 

[士道(並)]

「ここはいろんな人が来る場所だからな。」

 

陽牙達が来ていたのは高台公園。全員で晩飯を食べた後、外に行くと行って散歩をしていた。

 

[陽牙]

「にしても、この世界と向こうの世界とじゃ全然違うんだな。ま、それも俺たちの性なんだけどな。」

 

[士道(並)]

「俺も聞いて驚いたよ。そっちの俺は精霊の力を完全に使えるなんてな。」

 

[陽牙]

「見た目が完全に女だぞ。見るか?士道が凜祢の力を使った姿。」

 

[士道(並)]

「うーん……気になる。」

 

陽牙は士道に写真を見せる。それを見た士道は

 

[士道(並)]

「こんな姿にならなくてよかった……。」

 

[陽牙]

「因みにこの写真を学校で売ったら最高額5万で売れた。」

 

[士道(並)(ガビーン)]

「いや人の写真で何しちゃってるの!?」

 

そんなやり取りをしていると

 

タンッ

 

どこからか足音が聞こえた。空はもう暗い。そんな時間に足音がするのはほとんどない。そんな疑問を抱きながらも後ろを振り返ると……

 

[???]

「……あれ?」

 

[陽牙]

「……どっかで見たことがある気がするな……。」

 

後ろに居たのは小さな女の子。身長は四糸乃と同じ位だが、服装や容姿が凜祢の精霊時の姿に似ていた。

 

[???]

「もしかして……パパ?」

 

[士道(並)]

「……はい?」

 

[???]

「パパ……だよね?」

 

[士道(並)]

「ちょっとまって……俺は五河士道。高校生だ。流石に子供が出来るのはいくらなんでも早すぎなんだ。」

 

[陽牙]

「可愛いなこの子。写真撮ったろ。」カシャカシャカシャカシャ

 

[???]

「おねえちゃんだれ……?」

 

[陽牙]

「おおすまんな。俺は神領陽牙。こんな見た目だが男だ。だから俺を呼ぶ時はお兄ちゃんかお兄様だ。」

 

[???]

「ようがおにいちゃん……おぼえた!!」

 

[陽牙]

「お〜偉いぞ〜。」ワシャワシャ

 

[???]

「〜〜///」

 

[士道(並)]

「それで、君の名前は何て言うんだ?」

 

[凛緒]

「りおは……凜緒ってなまえだよ?園神、凜緒!」

 

[士道(並)]

「っ!?」

 

[陽牙]

「園神凜緒ちゃんね。てことは、君のパパの名前はこの「五河士道」なんだよね?」

 

[凛緒]

「いつか……しどう……うん!やっぱりパパ!パパだよ!いつかしどうは、りおのパパのなまえ!」

 

[陽牙]

「速報、士道は子作りせずにパパになりました。ってみんなに送っとこ。」

 

[士道(並)]

「やめて!?それ社会的に白い目で見られそうだから!!」

 

2人が驚いていると、凛緒は何かを思い出してハッっとする。

 

[凛緒]

「━━━あ!りおね、そろそろいかないとだめなの。だから、つたえるね。」

 

[凛緒]

「みんながしあわせになるためにはね?『いちばんだいじなもの』をみつけないとだめなんだよ。」

 

[陽牙]

「一番大事な物ね……教えてくれてありがとう凜緒ちゃん。優しい子には飴ちゃんをプレゼントしよう。」

 

[凜緒]

「ありがとう、おにいちゃん!それじゃあ、いくね!ばいばい、パパ!おにいちゃん!」

 

お礼を言うとそのまま走り去っていった。

 

[士道(並)]

「大変なことになったな……。」

 

[陽牙]

「まあ士道だしな。仕方ないといえば仕方ない。」

 

士道はそのままあの子について考えていた。そこに……

 

[???]

「あーあ、また辛気臭い顔しちゃって。幸せが逃げちゃうわよ?」

 

さっきまでとは違った声。だがよく知っている声だった。

 

[鞠奈(並)]

「何呆けた顔してる訳?あたしの顔、忘れちゃった?」

 

[士道(並)]

「まり、な……?鞠奈!?お前、やっぱりこの世界に……!!」

 

[鞠奈(並)]

「ええ。消えた筈のあたしは、今ここに存在してる。それは間違いの無い事実。あなたは残念よね。せっかく邪魔者を消せ━━━っ!?」

 

[士道(並)]

「そんな事、言うなよ……俺はお前にまた会えて良かったって思ってる。」

 

瞬間、士道は鞠奈に抱き着いていた。流石の鞠奈も驚いていた。

 

[鞠奈(並)]

「ちょっと離してよ!あたしはキミのそういう所が気に喰わないの!」

 

[士道(並]

「ああ……すまん、つい……。」

 

そう言われ、士道は鞠奈から離れる。鞠奈の方は若干顔を赤らめていた。まだ抱きしめられた事に驚いていたが、ちょっとドキドキしている様子が見えた。

 

[鞠奈(並)]

「つい、じゃないわよ。流石シゴロは違うわね。それで無自覚なんでしょ?いつか捕まるわよ?」

 

[士道(並)]

「……よく言われるよ。」

 

[鞠奈(並)]

「……そんなにアタシに会いたかったの?」

 

[士道(並)]

「ああ。会えてうれしいよ。」

 

[陽牙]

「お前ら結婚しろよもう。甘すぎこの空間。」

 

[鞠奈(並)]

「け、結婚!?」

 

[陽牙]

「もうね、ホンマに甘い。結婚してイチャイチャしてろマジで。もしくは今から野外セッk━━━」

 

[士道(並)]

「それ以上はダメだ!!」

 

[陽牙]

「なんだよ、折角士道君の為にイチャイチャへの第一歩を示そうとしてたのに。」

 

[士道(並)]

「だとしてもダメだ!!ヤるなら最初は家だろ!?」

 

[鞠奈(並)]

「そういう問題じゃなくない!?」

 

少年少女落ち着き中……

 

[鞠奈(並)]

「そ、それで誰かしら君は?」

 

[陽牙]

「この世に存在しない人間だ。まあ、この世っていっても並行世界ってところから来たんだけどな。」

 

[士道(並)]

「具体的に説明するとだな……。」

 

士道(並)は鞠奈(並)に説明をする。すると鞠奈(並)は納得したような顔をする。

 

[鞠奈(並)]

「……信じられないような話だけど、そっちの方がしっくりくるわね。どうりで何故か親近感を感じるわけだわ。」

 

[士道(並)]

「なあ鞠奈、このことについて何か知ってるか?」

 

[鞠奈(並)]

「うーん、そうだなぁ……あの子はね、探し物をしてる。自分でも言ってたでしょ?でもそれ以上は、あたしの口から言えない。」

 

[陽牙]

「自分で探せってか。まあそれは俺よりも士道の方が分かると思うがな。」

 

[士道(並)]

「鞠奈はどうするんだ?」

 

[鞠奈(並)]

「あたし?そうだねぇ……あの子を手伝うことにした。」

 

[士道(並)]

「凜緒の事か?」

 

[鞠奈(並)]

「そう、何だか放っておけないのよ。妹の面倒を見てる様な感じかな。素直な良い子よ、口煩い義妹(鞠亜)とは違って。」

 

[陽牙]

「と言っても実際は結構鞠亜の事を気にしてるだろ?鞠奈ってツンデレだから。」

 

[鞠奈(並)]

「誰がツンデレよ!」

 

[士道(並)]

「でも鞠奈って他人の事を考えてるからな。陽牙の言ってることも分かる。」

 

[鞠奈(並)]

「……なんかムカつく。」

 

[士道(並)]

「なんで!?」

 

[鞠奈(並)]

「はぁ……それじゃあ、そろそろ行くわね。凜緒を待たせちゃってるし。」

 

[陽牙]

「そうか。んじゃ凜緒のことよろしくな。」

 

[鞠奈(並)]

「キミはお父さんか何かなのかしら?」

 

少し話すと、全員解散する。陽牙は帰っている途中に自分の世界の士道達に凜緒の写真を送っていた。

 

 

 

 

 

 

 

━━士道宅(並)前━━

 

[陽牙]

「う~んどうするか……。」

 

[士道(並)]

「何をだ?」

 

[陽牙]

「凜緒ちゃんの探し物は士道が見るケルとして、その後だよ。」

 

[士道(並)]

「そのあと?」

 

[陽牙]

「理想的には探し終わってハッピーエンドが良いんだが、どうも嫌な予感しかしないんだよな。だからその対策だ。」

 

[士道(並)]

「だったら俺に手伝えることないか?」

 

[陽牙]

「今のところ士道はその探し物を見つけるのが仕事だ。まあ薄々気づいてるんだろうけどな。」

 

[士道(並)]

「……やっぱりバレてたか。」

 

[陽牙]

「お前らの倍は生きてるからな。ま、今すぐじゃなくていい。その日に見つけてくれればあとはこっちで何とかする。」

 

[士道(並)]

「分かった。」

 

ガチャ

 

[陽牙/士道(並)]

「「ただいま~。」」

 

[凜祢(並)]

「みんなおかえりなさい。遅かったけど、結構遠くまで散歩してたの?」

 

[陽牙]

「まあそんなとこだ。この世界と向こうの世界の違いとかな。」

 

[士道(並)]

「ところで十香達は?」

 

[凜祢(並)]

「結構遅くまで話してたんだけど、ついさっきマンションに帰ったよ。琴里ちゃん達もお風呂に入って寝ちゃった。」

 

[士道(並)]

「そっか。みんなの面倒を見てくれてありがとな、凜祢。」

 

[凜祢(並)]

「ううん、お安い御用だよ。それじゃ私も帰るね。」

 

[士道(並)]

「おやすみ、凜祢。」

 

[陽牙]

「おやすみ。」

 

士道は自分の部屋に向かい、凜祢は自分の家に向かう。陽牙は士道と同じ部屋で寝ているので士道と一緒に向かう。

 

 




皆さんこんにちは作者です。暫く期間空いて申し訳ありません。理由として入社試験だったり書類やらなんやらでバタバタしてました。できるだけ早めに投稿できるよう頑張ります。

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