デート当日、今日は耶倶矢の番だった。
[士道]
「インカム無しのデートなんて久しぶりだな……って、そもそもあんまり行動選択とかしてないけど……。」
そう言いながら上を見上げる。
[士道]
「大分馴れて来たけど……やっぱり落ち着かないんだよな……。」
[耶倶矢]
「士道ー!」
未だに気になっている士道の前から、耶倶矢がこっちに走って来るのが見えた。黒いゴスロリチックな服装をしている。
[耶倶矢]
「ごめんね!お待たせ!」
[士道]
「時間ピッタリだよ。俺が早く行き過ぎたんだ。」
[耶倶矢]
「はぁ…はぁ……ホントはもっと早く来ようと思ってたんだけどさ、折角だからってちょっと服選びとかに頑張っちゃって……どうかな?変?」
[士道]
「いや、似合ってるよ。」
[耶倶矢]
「ホント!?良かったぁ~……。」
言い終えた瞬間、少し間が空いてしまった。
[耶倶矢]
「あぁ……何かさ……何時もならここで夕弦が突っ込んでくれるんだけど……今日はいないんだよね。何か間が持たないね。」
[士道]
「良いじゃないか。耶倶矢と俺のデートなんだから。間が無かったって、噛み合わなかったって、それも二人のリズムだろ。」
[耶倶矢]
「あっ……うん。」
そう言って、士道は手を差し伸べた。
[士道]
「行こう。今日はお前の究極で至高なデートを味あわせてくれるんだろ?」
[耶倶矢]
「う、うん!任せるが良い!」
ようやく士道と耶倶矢のデートが始まった。それを後ろで見ているのが約数名……。
[十香]
「ふむ……耶倶矢はここで待ち合わせなのだな。なるほどなるほど……。」
[四糸乃]
「見に来ちゃって良かったんでしょうか……?」
[よしのん]
「いーんじゃない?邪魔しなければルール違反じゃないでしょー。」
[夕弦]
「感動……耶倶矢、可愛いです。もうへちょ耶倶矢とは呼べません……。」
[凛祢]
「外から士道が女の子をどう扱ってるのか楽しみだな~。」
どうやら他のメンバーが後を付けていくらしい。それに気づかず士道と耶倶矢はそのまま大通りを歩いていた。
[耶倶矢]
「ねぇ、士道。約束通りお腹空かして来てくれた?」
[士道]
「ああ。そう言われて来たから、朝から牛乳しか飲んでいない。何を食べに行くんだ?」
すると、耶倶矢は大通りとは違う別の道を向く。
[耶倶矢]
「ふふーん。実はね、この先に隠れた路地裏の名店があるの!」
[士道]
「へぇ、初耳だな。」
[耶倶矢]
「でしょ!すっごくオシャレなフレンチの店で名前は……えーっと……店の名前は……あれ……?」
名前を確認する為、バッグの中に入っている本でこっそり開く様にして見る耶倶矢。それに察した士道は優しくフォローした。
[士道]
「名前は良いよ。早く行こう。」
[耶倶矢]
「う、うん……そうだね。」
そうして進んでみたものの……何故か辿り着いた場所はラーメン屋だった。
[士道]
「ここ……なのか?」
[耶倶矢]
「あの……えっと……その筈なんだけど……。」
『ぐぎゅるるるるる……』
急いで確認しようにもお腹が空いてしまった耶倶矢。
[士道]
「なあ、耶倶矢。もうここで良いんじゃないか。俺腹減って死にそうだよ。フレンチはまた今度にしよう。な?」
[耶倶矢]
「う…うん……士道がそれで良いなら……。」
[士道]
「じゃ、決まりだな。」
そうしてラーメン店の中へと入る二人。そこで軽く済ましてから出て来る。
[士道]
「ふぅ、美味かった。」
[耶倶矢]
「こんなラーメン食べた事無い……。」
恍惚の表情をする二人だが、耶倶矢は少し疑問をぶつけた。
[耶倶矢]
「士道、もしかして知ってたの?」
[士道]
「いや、耶倶矢がここまで連れて来なかったら、知らないままだったよ。」
[耶倶矢]
「あっ……そっか……なら良かった……ごめんね、フレンチとか言って。美味しかったからアレだけど……その……。」
後悔と照れ隠しが混じり、見るからに可愛い様な表情をする耶倶矢。それでも士道はフォローを続けた。
[士道]
「気にするなって。」
[耶倶矢]
「つ、次は絶対大丈夫!今、ヤングに大人気のプールバーだから!」
[士道]
「はい……?」
その言葉に思わずビックリした士道。が、辿り着いたのはゲームセンターだった。
[耶倶矢]
「お…おかしい……ヤングでナウいプールバーじゃ無くなってる……。」
[士道]
「俺達にはバーなんて早過ぎるよ。ここで遊んで行こう。な。」
結局ゲームセンターで遊んで行く事となった。レースゲームやクレーンゲームをしてたりと有意義に過ごしていた。
[耶倶矢]
「おっかしいなぁ……何でこんな事になってるんだろう……ラーメン食べて、ゲーセンなんて……。」
[士道]
「良いじゃないか。俺は楽しいぞ。」
[耶倶矢]
「そう……?まあ、実は私もかなり楽しんだけどね。」
楽しみながらも、休憩用の椅子でアイスを食べる二人。
[士道]
「ん……?」
しかし士道は誰かの視線を感じていた。振り向くと、そこには例の制服少女がまたこちらをじっと見ていた。だが丁度見えない位の位置で人が通り過ぎた時、その姿は見えなくなった。
[耶倶矢]
「どうかした士道?」
[士道]
「あ、いや。何でも無い。」
あの少女について考えている内に時間はどんどん過ぎていった。気付けば夕方となり、精霊マンションまで一緒に歩いていた。
[士道]
「今日はありがとな耶倶矢。」
[耶倶矢]
「ううん。こっちこそ。」
間が空いたが、耶倶矢は意を決して士道に話す。
[耶倶矢]
「……それでね、士道。実は……。」
耶倶矢はバッグから一冊の本を取り出す。それは今日のデートプランに関しての天宮市ガイド本だった。
[耶倶矢]
「ごめん!今日のデート、ずっとこの本を参考にしてて……本当は私のプランじゃないんだ……自分で考えようと思ったけど……何か自身が無くてさ……。」
[士道]
「そっか。見てた本が少しばかり古かったんだな。」
[耶倶矢]
「かもね。ごめん……。」
[士道]
「良いって。耶倶矢も俺も楽しかったんだから、デートは大成功って事だろ。」
[耶倶矢]
「あ……そうかな?」
[士道]
「そうだ。」
[耶倶矢]
「士道……あははは!」
[士道]
「ははは。」
[耶倶矢]
「またね!士道!」
[士道]
「ああ!」
互いに別れを告げ、それぞれの家に入る二人。それを観察していたフラクシナスは……。
[祐成]
「耶倶矢ちゃんのデート、終了したよ。」
[調査員]
「球体データ、解析出ます。」
モニターに先程の球体に関するデータと、霊波についてのデータが出て来る。
[調査員]
「霊波に変化。耶倶矢ちゃんと酷似した波形だけが弱まっています。」
[琴里]
「どうやら当たりの様ね。」
[令音]
「……ふむ。後はこれを繰り返して、結果がどうなるかだが……。」
[魁斗]
「まだ油断できないけどな。警戒しておくか。」
引き続き、観察を行うのであった。その一方で耶倶矢は……。
[耶倶矢]
「はぁ~♪ふぅ~ん♪ふふふーんふーん♪」
大いに喜んでいたのであった。それをじっくり見て居る今回の尾行メンバー
[よしのん]
「帰って来てからずっとあの調子だねぇ……。」
[夕弦]
「羨望。確かにプランの出来はともかく、楽しそうなデートでした。」
[凜祢]
「士道って結構フォローが上手いよね……あー、私もデートしたいなぁ……。」
[十香]
「ふむ!私も負けられないな!早速デートプランを練り直さねば!」
十香は自分の部屋へと戻り、プランを立て直しに行った。
[よしのん]
「おー、おー。十香ちゃん気合入ってるー。夕弦ちゃんはどうするの?」
[夕弦]
「秘密。ただ、参考にしようと思っている事が有ります。それまでは内緒です。」
[四糸乃]
「……?」
夕弦は人差し指を鼻の辺りに当て、しーっと言わせる様なサインを見せるのであった。
━━2日目━━
次は美九のデート。担当は陽牙。陽牙と美九は高級レストランの高い所にまで来ていたのであった。どうやら陽牙の体調は何とか大丈夫な状態までいっていた。
[美九]
「ごめんなさい、陽牙さん。普通に待ち合わせしてデートをしたかったんですけどぉ……誘宵美九が男性と歩いてたら騒ぎになるからって琴里さんに止められましてー。」
[陽牙]
「まあそうだろうな……って言っても俺見た目が女だから、そこまで気にする必要はないけどな。」
[美九]
「確かに陽牙さんって普段からスタイル良いですし、何よりも可愛らしいですよねー。今日だってそのドレス綺麗ですよー。」
[陽牙]
「これか。これルシアの手作りなんだと。」
[美九]
「手作りですかぁ……その女子力を私にも分けて貰いたいですー……。」
[陽牙]
「頼めば教えてくれるんじゃねえの?それよりも、本当はカムイとデートしたかったんじゃないのか?」
[美九]
「それもそうですがー……敢えて言うならば、もう少し陽牙さんとお付き合いしたいという所でしょうかー。最初に出会った頃まともに会話やお付き合いしていなくてぇ……。」
[陽牙]
「なるほどな。にしても随分高い店だな……俺普通の恰好で来ちまったんだが。」
[美九]
「それでまだ普通の恰好なんですかぁ……どう見ても女の子ですからねぇ。けど、気にしなくて良いですー。陽牙さんは普通の恰好でも十分可愛くて、カッコ良いですよ。カムイさんもですけど。」
[陽牙]
「ハイブリッドだからな、俺は。」
話しているうちに、料理が運ばれてくる。
[陽牙]
「どうも……。」
[美九]
「もしかして……落ち着きません?」
[陽牙]
「まあ今までこういう所行ったことないからな……俺たちがよく行ってたのって食べ放題とかお代わり自由とかそういうのだったからな……。」
[美九]
「そうだったんですかぁ。でも、外に歩けば確かに騒ぎになってしまいますし……困りましたぁー、どうすれば良いのでしょうー。そうだ!」
すると美九は机の下からキャリーケースを取り出す。
[美九]
「陽牙さんが男の子じゃなければ良いんじゃないんですかぁ。まあ偶然!私、たまたま来禅高校の女子の制服を持っていますぅ!」
[陽牙]
「……まあそうなるよな。でも制服なのはすぐバレるから別の服ないか?」
[美九]
「私が使っていた服ならありますよぉ!試しに着てみますぅ?」
[陽牙]
「是非。どうせなら今度カムイにも着せてみね?」
[美九]
「ぐふふふふ……それもいいですねぇ……。」
この二人、デート中に何か悪いことを考えている様子。もう一度言う、ただいまデート中の会話である。
[カムイ]
「ハクシュンッ!!」
[リー]
「風邪か?」
━━通り━━
[陽牙]
「……なぁ美九。」
[美九]
「何ですか?」
[陽牙]
「すっげぇ視線が鬱陶しい。」
[美九]
「良いじゃありませんかぁ、女の子同士なんですからぁ。こういうデートプランも有りですぅ。そうでしょ!陽牙さん!」
[陽牙]
「ま、いっか。」
と、堂々と歩いて行く二人。その様子をよく知る人物達が偶然がいた。
[亜衣]
「あれって陽牙君!?というかルシアちゃんどうしたの!?ルシアちゃんはこの事知ってるの!?」
[麻衣]
「でも、陽牙君に限って裏切るとは到底思えないんだけど……。」
[美衣]
「マジ引くわー。」
そんな風に言われながらも、二人は高級ファッション店へと入った。そこで着せ替え人形みたいに何回もさせられていた。途中から本人も楽しんでいた。
[美九]
「うんうん、どれも良くお似合いですぅ。」
[陽牙]
「こんな服あったんだな……ん?美九?」
[美九]
「あ、これも可愛い。でも、一人じゃ着難そうですねぇ……ぐふふ。」
[陽牙]
「おい、まさか……ギャー!!」
どうやら無理やり着せられたそうだ。南無阿弥陀仏。
[美九]
「ここから……ここ。全部下さい。」
[陽牙]
「全部欲しいって初めて聞いたな。」
次の店でも……
[美九]
「全部下さい。」
[陽牙]
「またか……。」
その次でも……
[美九]
「ぜぇーんぶ♪」
[陽牙]
「おっとっと。」
流石の陽牙も、自分のキャパをオーバーしたらしく、最終的にはトラックに積むことになっていた。
[配達員]
「まだそこ上乗るよ!」
[配達員]
「何処?」
[配達員]
「乗る上!そこ!」
[配達員's]
「そーれ!!」
[配達員]
「ノルウェー!」
よく見るとこの配達員達はラタトスククルーだったりする。
[美九]
「どうですか陽牙さん?今日のデート。」
[陽牙]
「ああ、楽しかったよ。出来れば荷物持ちは勘弁な……ん……?」
陽牙の視界に入ったのは、いつぞやの金髪の少女だった。
[美九]
「うん……?誰かいたんですか?」
[陽牙]
「いや、気のせいだった。」
[美九]
「今日は本当に楽しかったですぅ。陽牙さんと二人きりで話す機会もあまり有りませんでしたから。」
[陽牙]
「そうだな。美九とは別々の学校だし、仕事もあって忙しいもんな。」
[美九]
「また、デートしてくれますぅ?」
[陽牙]
「俺は別に構わんが、そういうのはカムイに言ったほうがいいぜ。アイツは昔の美九含めてお前の事が好きだからな。」
[美九]
「ふふっ、考えておきますー。」
二人はそうして話していたが、それを覗く者がまたいたのであった。
[十香]
「ふーむ……ヨーガも中々やるな……。」
[耶倶矢]
「陽牙って基本的に可愛いからなぁ……カムイの女装姿も見てみたいかも。」
[よしのん]
「そう言えば耶倶矢ちゃん、今日夕弦ちゃんは?」
[耶倶矢]
「何かデートプラン立てるからと言って、何処かに電話するとは言ってたけど。」
それに気付いた四糸乃とよしのんはしーっと鼻に指で当てる様にしたのであった。どうやら覚えがあるらしい。
━━その日の夜━━
[琴里]
「また上手くなったんじゃない。陽牙の女の子っぽい仕草とか。」
[士道]
「アイツはそんなに変わらないだろ……。」
[琴里]
「それもそうね。それで朗報よ。耶倶矢同様、あの霊波に含まれる美九の波長もデートの後に減衰している事が分かったわ。」
[士道]
「そうか、なら良かった。次も陽牙が担当で四糸乃、その次が夕弦で、それから俺に代わってお前だったよな。」
[琴里]
「そ、そうね……球体消滅の為には避けて通れないし、今の所順調に霊波が減衰してる訳だから、私も…その……。」
[士道]
「何か楽しみだな。」
[琴里]
「え?」
[士道]
「お前とデートなんて中々無いだろ。楽しみにしてるからな。」
その一言に琴里は真っ赤になり、言葉も少し荒れてしまう。
[琴里]
「な、何呑気な事言ってんの!士道が球体が見えるとか言うからこんな事になってるのに……お、お風呂入ってくれば!入浴剤は私が入れちゃったけどね!」
[士道]
「おう、了解。」
[琴里]
「………。」
もじもじしながらも、琴里は士道の後ろ姿を見続けるのであった。バタンと扉が閉まった途端、ポツリと呟くのであった。
[琴里]
「何よ……もう……。」
そしてそれを外から例の美女が見ていたのを気づいていなかった。
━━3日目━━
陽牙は四糸乃が待っている神社へと向かった。それはあの時初めて四糸乃と出会った場所でもあった。
[四糸乃]
「あっ……陽牙さん……来てくれたんですね……。」
[陽牙]
「当たり前だろ。神社で待ち合わせなんて、四糸乃らしいな。」
[よしのん]
「にひひ~、実は待ち合わせだけじゃないんだな~。」
[陽牙]
「ん?」
[四糸乃]
「陽牙さん……この神社……覚えてますか……?」
四糸乃と初めて会った時のシーンが脳裏に焼き付いていた。
[陽牙]
「当然だろ?四糸乃と初めて会った場所だしな。」
[四糸乃]
「うん……。」
[よしのん]
「このデートするのに、四糸乃と色々考えたのー。でも、結局ね?」
[四糸乃]
「うん……何処かに行くより……ここで陽牙さんと遊びたくて……。」
[陽牙]
「あ……。」
四糸乃にとってここは大切な場所でもあり、お願いでもあった。これに察した陽牙は優しい笑顔を向ける。
[四糸乃]
「ダメ……ですか……?」
[陽牙]
「ダメな訳無いだろ。んじゃ、一緒に遊ぶか。」
[四糸乃]
「……!ありがとうございます……陽牙さん……。」
[よしのん]
「良かったねぇー、四糸乃。」
[四糸乃]
「うん……。」
一度、本殿で御参りし、その後は四糸乃とずっと遊んでいた。
[陽牙/四糸乃]
「「じゃんけんぽん。」」
[四糸乃]
「チ・ヨ・コ・レ・イ・ト……。」
[陽牙/四糸乃]
「「じゃんけんぽん。」」
[陽牙]
「パ・イ・ナ・ツ・プ・ル。」
階段を使ってグリコをしたり……。
[四糸乃]
「もーいーかい……?」
[陽牙]
「もーいーよー。」
かくれんぼして遊んでいたりした。
[よしのん]
「うーん……これは難問だねぇ、四糸乃。」
[四糸乃]
「うん……。」
流石にちょっと難しいと感じたそう。陽牙は少し姿を見せる事に。すると……。
[四糸乃]
「陽牙さん見つけました……!」
[陽牙]
「やられたか~……。」
そうして四糸乃の頭を撫でた。この時、よしのんが「よしよし四糸乃……。」とか言ってたがスルー。
[陽牙]
「んじゃ、次は何する?」
[よしのん]
「ねーねー、陽牙くん。四糸乃アレが気になってるみたいだけどー。」
[陽牙]
「おみくじか……試しに引いてみるか?」
とりあえず、それぞれおみくじを買い、その運勢を試す事に。
[陽牙]
「げ、大凶じゃねぇか……ま、いっか。四糸乃は?」
[四糸乃]
「大吉です……。」
[陽牙]
「おお、凄ぇな。俺大吉引いたことねえからな」
[よしのん]
「よしのんも大吉ー!もー陽牙くんってば何してんのさー。」
[陽牙]
「まあ大凶の方が確率低いって聞いたし、何とかなんだろ。」
苦笑いしながらも、は四糸乃とずっと遊び続けるのであった。そして、時刻は夕方……。
[よしのん]
「やー、楽しかったー!」
[四糸乃]
「今日は……本当にありがとうございます……。」
[陽牙]
「俺の方こそありがとな。四糸乃らしいデートだったよ。」
陽牙はそう言って、四糸乃に手を差し伸べた。
[四糸乃]
「……!はい……!」
四糸乃もまた手を伸ばし、握るのであった。そして、握ったまま家へと戻って行ったのであった。
それと同時に、その様子を覗いていたあの少女が陽牙達の真後ろにいた事には当の本人には気付かなかった。
少女は二人でやったであろうグリコの「チ・ヨ・コ・レ・イ・ト」をしながら一歩ずつ階段を降りる。真上には例の球体。
そして、彼女の両耳のイヤリングが水色に変わった事も陽牙達はまだ知らずにいたのであった……。
[四糸乃]
「えへへ……。」
その一方、精霊マンションでは四糸乃がまだ余韻に浸っていたのであった。また、
[十香]
「ふーむ……なるほど。そういうデートもあるのか。」
十香に今回のデートについて教えている最中でもあった。
[よしのん]
「結構盛り上がったよねー。」
[四糸乃]
「うん……。」
[十香]
「うむ!勉強になったぞ!四糸乃!よしのん!これで私のデートプランはまたちょっと完璧になる!」
と、二人を撫でまくる十香。そして熱心にノートにペンを走らせるのであった。
[よしのん]
「楽しみにしてるよー、十香ちゃんと士道くんのデート。」
[四糸乃]
「頑張って下さい……。」
[十香]
「任せておけ!」
その一方……。
[耶倶矢]
「夕弦ー、お風呂沸いたよー。」
[夕弦]
「了解。今入ります。」
夕弦は明日のデートの為の最善策を考えている様だった。
[夕弦]
「決断。やはり、凜祢やルシアばかり頼る訳には行きません。」
という風に呟いていた。昨日はどうやら凜祢に相談し、今日はルシアと話し合いをしたみたいだった。そして、風呂場で夕弦は深く考えていた。
[夕弦]
(尊敬……恋愛経験のあるルシアは偉大です。その上、未熟ながらも士道と長い付き合いをしている凜祢もです。ですが、背中を追い駆けるだけでは私を越えられない……。)
そして、それを決める様にシャワーの蛇口を切るのであった。
[夕弦]
(決意。夕弦なりのアレンジをします。)
━━4日目━━
今日も陽牙が出る日だった。そして、陽牙は街の待ち合わせ場所に来ていたのであった。
[夕弦]
「到着。お待たせしました、陽牙。」
[陽牙]
「おう、おはよう夕弦。何だか何時もと雰囲気違うから別人みたいだな。」
[夕弦]
「確認。変でしょうか……?」
[陽牙]
「いや、似合ってるぞ。」
と、言い終えたと同時にそれを見つめる者3人がいた。
[耶倶矢]
「むぅ……偶然なのか分からないけど、士道と同じ事になってない……?」
[よしのん]
「夕弦ちゃんが耶倶矢ちゃんと同じ事聞くからだよー。変かなーって。」
[四糸乃]
「流石双子……。」
[十香]
「ふむ……参考になる……。」
十香はそのまま今の光景をまたノートに書くのであった。そして、夕弦と陽牙はそのまま街を歩いて行く。
[夕弦]
「感知。ルシアの話によればこの辺に一軒目の店が。」
が、辿り着いた場所はスッポンやまむしを使った料理店だった。
[陽牙]
「おい夕弦……?ここって……。」
[夕弦]
「変更。やはり何らかのアレンジをしなくては。」
流石に二人に頼るのはダメだと心に言い聞かせ、考えるよりもまずは移動して紛らわそうとした。
[夕弦]
「陽牙。こっちです。」
[陽牙]
「ん……?ああ……。」
で、着いた場所は……。
[陽牙]
「画廊か……?」
[夕弦]
「疑問。陽牙、ここは美術館ですか?」
[陽牙]
「知らないで入ったのか?画廊だよ。小さな展覧会を開いたり、飾ってある絵を売ったりする場所だ。」
そう。最初は絵が飾られていたりする一つの建物に入ったのであった。これに納得した夕弦は少しだけだが表情が穏やかになった。
[夕弦]
「理解。何だか落ち着きます。」
しかし、外に出るとまた同じ様に……今度はにんにくとかスタミナが付く物の料理店が。
[夕弦]
「変更。アレンジを。」
くるり、と回り、100円ショップへと逃げ込む。その100円ショップの安さに思わず夕弦は驚いていた。
[夕弦]
「感嘆。凄い品揃えです。これがみんな同じ値段で買えるのですね。」
[陽牙]
「まあ初見だとそういう反応だろうな。百均って俺たちは略してるぞ。」
[夕弦]
「確認。百均ですね。」
暫くして夕弦は一つのアクセサリーを手に取って、陽牙の方へと見つめる。
[夕弦]
「請願。陽牙、これ欲しいです。」
[陽牙]
「別に……買うのは良いけど良いのか?こんな安物で。」
そう聞いた途端、より笑顔になった夕弦だった。早い段階でもう夕方になっていたのであった。
[夕弦]
「感謝。ありがとうございます、陽牙。」
[陽牙]
「気にすんなって。それ、似合ってるぞ。」
首元には今日買ったとされたネックレスがあった。
[陽牙]
「今度は何処に行くんだ?」
そう言われ、夕弦はどうするべきか紙を見ていたが……。
[陽牙]
「夕弦?」
[夕弦]
「変更。アレンジを。」
夕弦に釣られ、その視線を移したのはなんと……
[陽牙]
「ちょ!?夕弦!?それアレンジちゃう!行くな夕弦ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!HA☆NA☆SE☆」
数分後……。
[夕弦]
「感謝。今日はありがとうございます。陽牙。」
何とか精霊マンションへと辿り着いた二人。
[陽牙]
「こっちこそな。まあ最後があれだったけどな……。」
[夕弦]
「っ!謝罪…夕弦はその……アレがそういうアレだとは……。」
なんと、あの時夕弦は陽牙の手を引っ張って近場にあったラブホテルへ直行しに行ったのだった。が、夕弦自身それがラブホテルだと認識していなかったので、何とか発覚して防げたものの、気まずくなりながらも帰って来たという訳だった。
[陽牙]
「気にすんなって。失敗は誰にでもあるさ。」
本当はこういう失敗は絶対無いと言いたい所なのだが、声に出すわけにはいかないのである。
[夕弦]
「約束。これ、大事にしますね。」
首元のネックレスを両手で大事そうに包む夕弦。また同じく、100円ショップであの少女が夕弦と同じネックレスを持ち、鏡の前でそれを自分の首元に持っていく姿があった。
そして、彼女は何をどう思ったのだろうか。この時もイヤリングがまたオレンジ色へと変化した事には未だに誰も知らないままであった。
皆さんこんにちは作者です。一言で言うと睡眠不足。ヤバいね。完結した後び書く小説の候補が結構絞れてきた。
Strinovaのキャラ出した小説作るか(原作はなんでも)
-
作る
-
作らない