うっかり怪人♀になってしまったっぽいが、ワンパンされたくないので全力で媚びに行きます。 作:赤谷ドルフィン
──バングのジイサンが面白いもん見せてくれるらしーから、お前も来いよ。
サイタマのそんな誘いにホイホイ乗ってしまったのが、運の尽きだった。
「………………」
板張りの床はよく磨かれていて、きっと触り心地もいいはずだが。腰から下の感覚がない。渡されたペットボトルの水を開封する元気もなく、ただ握りしめているだけ。
「……大丈夫か?」
サイタマの気遣わしげな呼びかけに反応する余裕さえない。
「軟弱だな」
「………………」
サイボーグと宇宙最強の男とスタミナを比較されている理不尽に反抗する余力もない。
──バングの道場。
めちゃくちゃ山の上にあるような描写をされていたが、めちゃくちゃ山の上にあるということはつまりめちゃくちゃ山の上にあるということなのだ。……何を言っているのかわからねーと思われるかもしれないが、要するに扉絵でさらっと描かれていたクソ長階段が、リアルに俺の足腰へダメージを与えてきたということだ。
身を以て理解した。
変に意地を張って「自分の足で歩く」なんて言わなきゃ良かった。2人には不要な時間を取らせたし、俺の体はもうボドボドである。
「自分の足でここまで来るとは、さすが、セツナ君もヒーローじゃのう」
水をくれたバングが、煽ってんだか褒めてんだかわからない発言を飛ばしてくる。
これって何待ち? ……俺の回復待ちか。どうせバングの道場に入るつもりはないのだから、こんな軟弱者は放ってさっさと話を始めてほしい。
「あ、あの!」
それ以降バング、サイタマ、ジェノスが微妙な沈黙を守る中。この場に若干不釣り合いな、切羽詰まったような声で呼びかけられる。
振り返って──緊張にむりやり笑みを塗り重ねたような中途半端な表情が見えた。どこか間の抜けた印象を与えてくる四白眼と目が合う。
「ミス・フロストさん……ですよね?」
爆発したような橙色の髪に、白い道着。
誰だっけと一瞬考えて。
自称バングの一番弟子である、チャランコの名を思い出す。声を掛けてこなかったので勝手に存在を抹消していたが、ずっと近くにいたらしい。
「あ……はい……?」
「活躍、テレビで見てました!」
「あ、ありがとうございます……?」
おっと、サイタマやジェノスに対するのとは全く違う態度。それはそうとして、疲労感と節々の痛みで会話がいまいち頭に入ってこない。
「こんな綺麗で強いひとがヒーロー協会にいたなんて、俺全然知らなかったなァ〜……!」
「………………」
……先ほどから「で?」としか言えない話題の振られ方をしている気がするが、これはどう対応するのが正解なのだろうか。サイタマやジェノスも微妙な顔でチャランコを観察しているし。
「あ、俺、チャランコって言います! バング先生の一番弟子やらせてもらってて……」
「ど、どうも……」
それは知ってます。というか、顔が近い。足が痛くて機敏に動けないので、仰け反って距離を保つ形になる。
しかし、明らかに無理な避け方をしているのに気づいていないらしいチャランコは、爛々と小さな目を輝かせながら、
「あの、良かったら連絡先、」
「やめんかチャランコ、はしたない!」
「ぐえッ」
おもむろに、仔猫のように首根っこを掴まれて引き剥がされていく。バングだった。
チャランコの体をぽい、と放ったバングはひとつ咳払いをして、こちらに向き直り。
「全く……すまんの、セツナ君。ウチの弟子がとんだ失礼を」
「い、いえ……?」
別にそんな剣幕で怒るようなことでもなかっただろ……と思ってしまったが、弟子がいきなり客人をナンパし出したらキレてもやむを得ないか。例えて言うならジェノスがいきなり──いや、前提条件が違いすぎて何も思い浮かばなかった。
そんなことを考えている間にも、バングは悠然とサイタマに向き直り、
「……な、サイタマ君」
「おっ、おう……?」
いきなり話題を振られたサイタマ、明らかにとりあえずというふうで相槌。そりゃそうだ。
「ま、まあ……何でもいいけど、とっとと本題に入ってくれよ。セツナも……もう大丈夫だろ?」
「う、うん」
それからなぜか姿勢を正して、やや後方に座っていた俺のほうににじり寄ってくる。
チャランコが離(さ)れたと思ったら、今度はサイタマが妙に近い。汗をかかない体質で良かった、と心底思った。
「ふむ」
催促されたバングは自らの顎を撫で、
「説明するよりは見せたほうが早いかの」
言うなり、バックステップで我々から若干距離を取り。優雅に、構えを取る。
彼の『見せたかったもの』は、本当に一瞬だった。
ちょっと目の分解能が上がった程度では、到底視認できない流麗な乱舞。クソザコ怪人である俺には、ああ原作で示されていたあの軌道はサイタマかジェノスの視点だったんですね、と速攻で匙を投げることしかできなかった。
「──流水岩砕拳、」
バングの呟きで、我に返る。
「まあ、こんな感じじゃ。どうじゃ、やってみんか?」
何もわからないが、瓦割りのノリで勧誘していいレベルの武術ではないことだけは確かである。
「サイタマ君やジェノス君なら勘が良さそうだから、すぐに身につけることができるかもしれんぞ?」
呼びかけからしれっと俺が省かれているが、正しい判断です。
しかし、武術界の生ける至宝からそれなりの評価を得ていることに何ら感慨のないらしいサイタマ並びにジェノスは、
「何だよジイサン……面白いもん見せてくれるっつーからわざわざ来たのに、勧誘かよ。興味ねーよ、ジェノスお前やっとけ」
「いや……俺も遠慮します。俺が求めるものは護身術ではなく、絶対的な破壊力です」
門下生が聞いたらひっくり返りそうな塩対応。
護身目的で流水岩砕拳を使おうもんなら、不審者は確実になます切りになってしまう訳だが。
「……セツナ君はどうじゃ?」
「えっ」
最終的におまけみたいなノリで声を掛けてもらえはしたが、答えは当然NOである。弟子入りしてみようかなと考えたこともあるけれど、やっぱり俺の身では非現実的。
「わ……わたしの体質は格闘技には向いていないと思うんですよね……」
身も蓋もない話をすれば、近接戦闘に頼らない遠距離攻撃が強みなのに、わざわざそちらを学ぶ必要性があるのかということであり。まあ、基礎を学ぶという点では意味がない訳ではない。俺には戦闘の基本的な心得など何もないのだから。
「そうか……」
で、なんかちょっと寂しそうになってしまうバングおじいちゃま。孫におやつを断られた祖父か。
「まあ……わたしが特にそういう戦い方だからというのもあるかもしれませんが魅力的ではある、」
「そうですよね!」
「オイさっきから何なんだコイツ」
申し訳程度のお世辞に食いついてくる復活したチャランコ、それを受けて味付けの薄い顔に迷惑と若干の青筋を浮かべてみせるサイタマ。
彼が何らかの感情を会ったばかりの他人に向けるなんて珍しいな、とぼんやり思った。何せ、原作ではとことん無視を決め込んでいた相手だし。
「つーかお前ら、さっきから黙って聞いていたら……流水岩砕拳を愚弄する気か!? 一番弟子であるこのチャランコが許さないぞ!」
負けじと青筋を立ててみせる自称一番弟子。原作を読んだ時も思ったが、一番弟子ってそんな繰り上げ式だったっけ?
「ぐえッ」
……で、師匠の危機(ではない)に師匠よりも早く反応したこちらのリアル一番弟子に一撃で仕留められる、と。残念ながらこっちはイカれ度合いがちげーんですわ。
「……これが一番弟子?」
チャランコをバイオレンス壁ドンでK.O.したジェノスが、明らかな失望の滲んだ声音で淡々と呟く。いや武術を習ってる程度の人間は大体きみより弱いと思う。
「バング。お前の道場は実力者揃いと聞いていたんだが」
「ん……まあ、弟子の一人が暴れおっての……」
馴れ馴れしく呼びかけられたことに腹を立てる素振りも見せず、微妙に歯切れの悪い口調で事の次第を話し出す。
「実力派の弟子たちを全て再起不能にしてしまったせいで、他の門下生も恐れて辞めてしもうたわ」
「……そいつ強いのか? 名前は?」
そこで初めて話題に興味が湧いたのか、黙って聞いていたサイタマが口を挟んでくる。
問われたバングは、絞り出すように、
「……ガロウ……」
──ガロウ。
今後の中核を担うその名を初めて登場人物の口から耳にして、どくんと心臓が跳ねた。
まだ。……今はまだ、関係ない。
「当時一番弟子じゃったが……儂がボコボコにして、破門にしてやったわ」
複雑な感情が窺える一言だったが、もとより人心の機微には疎いサイタマは呑気に、
「ジイサン強いんだな〜〜」
「貴様! あの、ヒーロー“シルバーファング”を知らないのか!?」
S級ヒーローランキング3位、“シルバーファング”。流水の動きで相手を翻弄し、激流の如き一撃で以て巨岩をも粉砕する武術の達人。
はい、説明どうも。
「お前最近B級ヒーローになったばかりのひよっこらしいじゃないか!? バング先生をナメてると痛い目に、」
「チャランコ! 恥をかかせるな! 儂よりサイタマ君のほうが何倍も強いわ!」
怒られてばっかりだなこの子。
「ちょ、先生ご冗談を……」
あまりの剣幕と発言に青ざめるチャランコ──というか、そう考えるとバングは本当に人間ができている。
チャランコの反応が普通で、本来ならばバングも「こんなB級風情が自分より強い訳がない」と意固地になっていてもおかしくないあたりだ。確かにあの隕石破壊は誤魔化しようがない状況だったかもしれないけれど、手合わせした訳でもないのにすんなりその強さを認めているのだから、S級にあるまじき頭の柔らかさである。
──しかし、そんな無意味な感傷に浸れていたのはほんの一瞬で。
「シルバーファング様ッ!」
息も絶え絶えに駆け込んできた黒スーツに、一気に皆の目線が集まる。
が、彼はそんな異様な空気も気にせず……というか、意識している余裕がないようで、
「ひ……ヒーロー協会の者ですッ! この度、S級ヒーローに非常招集が掛けられました! 協会本部まで御足労願います!」
いや、この人あの階段を自力でめっちゃ急いで登ってきたんだよな。そう考えるとすげえわ。俺よりヒーローの素質がある。
「やや! そこにいるのはジェノス様ですね!? S級は全員集合せよとのことなので、ジェノス様にも来ていただきます!」
「レベル“竜”が来たか?」
災害レベル竜──ボロスだ。
何となく、身が引き締まる思いがする。今日一日でA市は更地になり、大勢が死ぬ。
……深海王のそれとは比べものにならない被害だ。何せ、主要な都市がほんの一瞬でぺんぺん草も生えない荒野へ様変わりするのだから。
俺にはそれを止める術がない。
止める気も、ない。
「……やれやれ。チャランコ、留守を頼む」
「お、お気をつけて!」
「S級が呼ばれるということは、先生の力も必要になるかもしれない。一緒に来てくれますか?」
「いいぜ、暇だから」
相変わらず恐ろしい理由で戦地へ赴くことを快諾している。そんなサイタマをぼーっと眺めていたら、目が合った。
「……お前はどーする?」
え、なんて?
……今ほど歴代のラブコメ主人公に倣って難聴になりたいと思ったことはない。ソーリー、悪いが聞こえないよ、耳にワカメが入っててな。
というかサイタマは俺の実力を一体どう見積もって、
「先生、コイツがいても足手まといになるだけかと」
「おい」
思わず素でツッコんでしまった。いや、そりゃそうなんだけどさ。中身は宇宙最強のサイタマとは違って、俺はB級相当の戦いしかできない。
「まあ、そうだよな」
幸い、サイタマも特に深い意味なく口に出してみただけのようで、あっさり引いてくれた。
セーフ。命の危険が危ないのは何よりとして、S級のメンツに顔見せしに行くメリットがどこにもない。じゃあわたしは本部の外で待ってるね、の選択肢は掃討射撃で即死コースだし。
「じゃあ……わたしも、もう……」
「え、」
この流れに便乗してお暇しよう──と試みはしたが。そうはチャランコが卸さなかったようで。
「お……お茶くらい出しますよ!」
「………………」
相変わらず元気良く粘着してきてくれる。
というか、今思い出したが、コイツは結構な女好きだったんだよな。若くてそこそこ容姿がいいというだけで目をつけられているのか。なるほど、女性は大変である。
「まったく……チャランコ、セツナ君にあまり迷惑を掛けるなよ」
溜息を吐くバング、そしてそれを少し離れたところから冷めた目で眺めるジェノスは、
「バング。……お前のところの“一番弟子”には、武の強さ以上に追い求めるものがあるらしいな」
激・嫌味。コイツが女だったらより一層最悪の人種になっていただろうな、というのは容易に想像がつく。
「お恥ずかしい限りでな」
そう言って、一足先に出て行くバング。その後をジェノスが無言で追い、サイタマも黙って出て行くかと思いきや。
「……じゃ。行ってくるからな、セツナ」
いきなり振り返って、いつもより若干真面目な表情で、そんなことを言ってきた。
何だよ急に改まって、と面白がる気持ちがない訳ではなかったが、なんか……家族みたいでいいなとか思っちゃったり、いや、ちょっとだけだから。全然どきっとしたとかではないから。
「うん。いってらっしゃい……気をつけて」
とりあえず、平静を装ってテンプレの返答。
サイタマは軽く顎を引いて、今度こそマントをはたかめかせつつ出て行ってしまった。
その背中を、何となく見送って。
「……やっぱりわたし、帰ります」
「え……」
ここにいてもしょうがない。
多少、強い意志があるのが伝わったのか。捨てられた仔犬のような目で覗き込んでくるチャランコに、微笑み返して。
「用事を思い出したので」
「あ……そうですか、」
「ええ」
やんわりNOを突きつけておく。
きみに一切罪はないが、宇宙最強になってから出直してこい。
「はー……だる、」
──颯爽と道場を出てきたはいいが、結局あのクソ長階段に再びダメージを与えられるハメになった。
今度は慌てずのんびり降りてきたが、それでも疲労が消える訳ではない。痛む腰をさすりつつ、田舎道をよたよた進む。……ここから家がまた遠いんだよな、公共交通機関に頼ろうにも、電車もバスもろくに通っていない辺境の地だし。
帰る頃には夜になっていそう。
本当に、笑い事ではなく。
「ん、」
ジャージのポケットに入れっぱなしだった端末のバイブレーションを、肌で感じる。
……何となく、予想はついていた。
それでも、見ないという選択肢はなかった。空いた左手で取り出して、ウインドウを開く。
ぱっと飛び込んできたのは。
──未確認飛行物体によりA市が壊滅
「………………」
推定災害レベル、竜。その文字列を実際に目にしても、何ら感慨は湧いてこなかった。
「……戦場くらいは選ばせてくれよな」
ぱちんと、端末を閉じる。
そしてまた一歩、家路を急ぐ歩みを進めたところで。
「おい」
声を、掛けられた。
たったの2文字から棘の滲む、嫌なトーン。人間のそれにしては妙に濁ったそれに、怯えというよりはうんざりとした気持ちを抱えながら。振り返る。
──例えて言うなら、赤青緑の小鬼のようなものが、道を塞ぐようにして並んでいた。おじゃる丸でこんな感じの光景見た。
「……どちら様ですか?」
怪人。しかも明らかに雑魚、とわかる佇まい。
またこいつらも場違いなところで暴れたがっているタイプか、と思ったが、
「お前……ギョロギョロのヤツが言ってた人間怪人だな?」
どうやら、違ったらしい。
少なくとも、想像していたよりは深刻な案件であった。
怪人協会。……思ったより、何も感じなかった。強いて言うなら、想像していたより動き出すのが早かったな、というくらいなもので。
妙に、冷めていた。
地に足のつかない、嫌な感覚。サイコスと初めて対峙した時と同じ。心臓だけが、体を置き去りにして早鐘を打っている。
「ギョロギョロがお前を連れて来い、とよ」
「超能力を使うヒーローねえ……」
「人間相手にゃ誤魔化せるかもしれねーが……俺たちならニオイでわかるぜ」
そうなのか。
今まで会った中で俺を怪人だと看破してきたのはサイコスくらいなもので、深海王も別に気づいていないようだったし。もしかすると、俺はわりと擬態が上手いほうなのかもしれないな。笑えもしない自画自賛だけが一瞬、頭をよぎって。
ふう。ひとつ、息を吐く。
「失せろ」
少し考えて、それだけ吐き捨てた。
殺しをするような気分ではなかった。疲れていたし、どうせ協会には報告できない案件だ。
これでも命を削ってやっているんだから、無償奉仕は勘弁願いたい。こいつらの目当ては俺だけなのだろうから、他に手頃な人質もいないこのド田舎なら放っておいても大丈夫だろう。
しかし、当然あちらはその処遇に納得がいかないようで。チッと舌を打って、
「怪人のクセに、プロヒーローなんか気取りやがって……正義の味方ぶってんじゃねーぞ!」
あからさまな捨て台詞に、歩みが絡め取られる。誰にも言われなかった──それでも変えようのない事実が、背中に突き刺さる。
怪人。ヒーロー。正義の味方。
飲み込めない、ぐちゃぐちゃのスープみたい。いや、これは俺自身? ぐるぐる、ぐるぐると回る、回って、
「そうだ、今すぐお前の仲間に正体バラしてやっても────」
ああ。
お前、鬱陶しいんだよ。
──気がついたら、血溜まりの中で一人、立ち竦んでいた。
「…………ぁ、?」
先ほどまで俺に絡んでいたはずの怪人たちは、おそらく既に原型を留めていない。俺の足元に散らばるぐちゃぐちゃの肉塊が、状況から推察するに“そうだったモノ”なのだろう。
スープみたいだ。何だか、不味そう。
ここに至るまでの記憶が飛んでいて、過程がよく思い出せないけれど。ああ、何だか頭が痛い。
──俺、何をしていたんだっけ。
こんな汚い殺し方なんてできたっけな。
普通に、凍らせて砕けば済む話だったのに。
血濡れた手で痛むこめかみを押さえながら。ぼんやりと、脳味噌の表面だけで考える。
無駄に時間を食い潰すだけの思考は、おもむろに内から湧き上がってきた強い欲望によって、跡形もなく掻き消された。
否。もはやそれは、衝動であった。
「……帰らないと、」
空を仰いで、呟く。
あのアパートへ。サイタマの居る場所へ。
帰りたい。ふと、そう思った。
唐突に、何の前触れもなく。帰りたい──いや、帰らなくては。
それだけ。それだけが全てだった。
それさえあれば、他には何もいらない。
彼さえいれば。
ああ、それなのに、どいつもこいつも余計なことばかり──本当に、鬱陶しい。
──もう誰にも、俺の邪魔はさせない。
邪魔はさせない。邪魔はさせない。
ヒーロー協会にも、怪人協会にも──ジェノスやバングにさえ。
ふつふつと湧き上がる、闘志にも似た冷たい感情。強迫的とさえ呼べる確固たる意志に支えられ、爛々と瞳が煌めく。
その輝きがどこからもたらされたものなのか。今の俺は、考えようともしなかった。
2ヶ月も間が空いてしまったな。
忙しかったり今後の展開を考えたり漫画読んだりしてました。生きてます。