NTRと主人公に思われたくないけど、童貞は捨てたい転生者   作:鳩は平和

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ハメTS杯にて、書いた作品をリメイクしました。


1巻
主人公が付き合う前なら大丈夫………筈だ


「それで、君には小説の世界にラノベに転生して、ヒロイン作って欲しいのん」

 

俺は頭を抱えている………ラノベを読んで目が覚めたら目の前に、なんか2頭身の人………いや、人はあそこまで顔が横長くない。そんな人もどきが、いきなりそんなことを言って、きて怪しさしかない。

 

「あ、名前忘れてたのん……僕は淫王。サキュバスやインキュバスを統括するのん」

 

「その、淫王様が、なんで俺………自分でもいうのは悲しいけど、よくある転生者や異世界転移した奴らみたいに特異な力も才能もないぜ」

 

そのために拙者、童貞でこのまま30歳まで貫き、茶番台でお酒を飲んで、絶望して涙を流し、そこで友人の女の子が『そうだよね、辛いよね〜童貞で魔法使いは仕方ない』と慰められるはずと友人は言っていた……なにその、辛い現実は?。

 

「そんなのん、普通だからこそ君を選んだのん。そして君願いでもある30歳までに童貞を捨てられる世界の小説を選んだのん」

 

語尾の『のん、のん』が気になるけど……童貞を捨てられるなら嬉しいのん。あ、語尾が移ってしまった。

 

「じゃあ、その一人のヒロイン作るのも転生するのも………まあ、納得は出来ないけど理解は出来た…淫王様、俺がいく小説の世界はどこですか?」

 

「新妹魔王の契約者の世界のん」

 

……聞き入れ難い言葉を聞いた。いや、間違いだ………そんなのありえない筈だ。

 

「すみません、死んでしまったのか原因かよく聞き取れませんでした。もう一回お願いします」

 

「新妹魔王の契約者」

 

二回目の言葉に俺は固まった。さ、最悪だぁぁぁぁぁ!!せめて、さあハイスクールD×Dにしてくれよ!!こんなの………こんなのあんまりだぁぁぁ!!いや、好きだよ!!全巻読んだし、推しも普通にいる。だからこそだ!!

 

12巻最終は全員が性奴隷になる世界とか嫌だぁぁぁ!!……そもそも、あの世界は現代ファンタジーに近い世界観で、モブがあんまり死ぬことはないけど、それ以上に主人公や敵キャラがインフレなんだよ!!

 

「変えることは「絶対に無理のん」……さいですか?」

 

いや、ここはもう諦めて、異世界転生に励もう。いいじゃないか、どうせ、また童貞として過ごしつつ、推しと主人公がイチャイチャして、最終的に性奴隷へと落ちる彼女たちをみて血涙流す。よろしくな童貞

 

「それと転生するのに代償が必要なのん………えーと、まずはヒロインは一人じゃなく最低六人作るのん」

 

はっ!?そんなの無理に決まっているだろ!!ヒロイン一人と作るなんて、そんなの無理だ!!

 

「これ破ったら一生童貞な上に、地獄に落ちるのは明白のん………一生サキュバスたちに魂剥き出しのまま、弄ばれるのん。知ってる?魂が剥き出しの状態だと……サキュバス一人につき、脳がショートするほどの快感がおそってくるのん、1日百回も続くのん」

 

そ、そんなことになったら………おれ、死ぬよりも恐ろしいことが……想像すると真っ青になった。

 

「期間は原作終了まで、それまでに出来なかったら容赦なく君を地獄におとすのん」

 

ええ、ちょっと待って……たしか、原作スタートが大体一年生のなっでで、原作終わりは二年生ぐらいだったか………季節は分からん!!つまり早くても半年……一ヶ月で一人で恋人作らないとダメだよね!?

 

そんなの無理だよ!!こちとら20年の童貞………そこらの童貞と年季が痴漢じゃい!!

 

「それと、特典とか力を授けることは出来ないから、欲しいなら転生する世界で現地調達してねん……せめて、どのヒロインと付き合えるのかは夢で教えるのん」

 

そりゃ、ありがたいけど………ええ、下手したら俺死なない?例えば、主人公東城刃更の担任とか、ゾルキアとかベルフェゴールとかに殺されないか?

 

「それじゃあ、伝えることは伝えたのん。それじゃあ頑張るのん!!」

 

淫王は親指を立てると、どこかで見たことがある魔法陣が出現し、俺の足から徐々に光の粒子となった。

 

「良き、ハーレム生活を過ごすのん」

 

それだけをいうと同時に俺の意識が消えた………絶対に、新妹魔王の世界で童貞を捨ててやるぅぅ!!

 

ー○●○ー

 

その日の空は………赤く染まっていた。

 

「母さん!! 母さん!!」

 

俺は何度も自分の母親だ・っ・た・も・の・に呼びかける。その肩や背中を揺すって見るが、なんの反応も帰ってこない。

 

濡れた感触。

 

冷たい感触。

 

手の平を通して感じるのはそれだけ。両手を見れば………赤く濡れている。何もかも………父も復活しようとする邪精霊による暴走による非難対象して……護り……死んだ。

 

死んだ。死んだ。死んだ。死んだ。死んだ。死んだ。死んだ。死んだ。死んだ。死んだ。死んだ。死んだ。死んだ。

 

俺の世界を構成していたものは。何もかも消えた。

 

「ああ……ああ……」

 

母親の背中に俺は縋りつく。あの剣撃を母さんが庇ってくれなければ、俺も死んでいた。だけど、いっそ俺もみんなと同じように死にたかった。こんな世界にたったひとりで残されるくらいなら。

 

「■■くん!」

 

その声を聞き、反射的に顔を上げる。そこにいたのは汗だくになった男だったその人は地面に倒れた母さんを見て悲しそう顔をした。安心したのか……また泣いた。

 

泣いて。

 

泣いて。

 

その人はただ俺を黙って強く抱きしめてくれた。やがて男から立ち上がった。

 

「■■くん、立つんだ」

 

「……無理だよ」

 

「立つんだ。立たなけりゃいけない」

 

その人は厳しい声で繰り返す。

 

「どうして?」

 

「君がまだ生きているからだ」

 

「……」

 

俺はその人の顔を見上げた。その人はいつも厳めしい表情で、見た目通り何事にも厳しい人で、自分の息子にも厳しく、正直俺は苦手だった。

 

けれど、優しい父さんも母さんもいない。

 

もう、いない。

 

「……」

 

無理だ。

 

無理だよ、父さん、母さん。

 

俺には立てない。

 

こんな絶望しか残ってないような世界で立ち上がるなんて……こんな何もかも混ざり汚く濁った血を持つ俺には無理だ。

 

俺には無理だ。

 

俺は、もう立ちたくない。

 

この絶望の淵から起き上がりたくない。

 

もし、それすらも叶わないなら。

 

………

…………

……………

………………

……………………

いっそのこと………殺して欲しい。

 

 

 

また景色が変わった………赤い……血よりも紅い髪をなびかせる少女に引っ張られるが………どうしてか、その子の顔が何か墨で塗りつぶされている。

 

『ねえ、銀……私ね……大きくなったら銀のお嫁さんになるの』

 

子供の幼地味によく見る光景………それなのに、何故か俺の気持ちがモヤモヤする

 

ー○●○ー

 

「………ぁ」

 

なんか、目覚めが悪い夢を見た気がする………頭が痛い、身体がだるい………窓を見ればまだ、月の光が広がっていた。

 

──ぐぅぅ

 

晩御飯をちゃんと食べたが………お腹の虫がなった。一人暮らしだから……貯蓄は十分な筈だ。

 

そう思いながら………俺は下の階へと降りて、カップ麺を探したがなかった。明日の朝ごはんを食べるわけにもいかない。家族も居ないし………一つの考えに至った。

 

「そうだ、コンビニに行こう」

 

そう思いつつ、俺は外に出るように着替えた……シーフードが食べたい。俺の胃がシーフードを求めている。

 

脳内はご飯のことしか考えておらず、俺は外に出て俺はコンビニに出た。

 

ー○●○ー

 

「いやー買った買った」

 

近くのコンビニで、気になっていたお菓子やホクホク顔になる俺……もう、幼少期の記憶はないけど、どっちにしろ、こうなったらこのラノベ世界を楽しもう。

 

じゃあどうやって、六人の彼女と付き合えばいいのか……俺の中にある原作知識を使い、キャラたちを救えばいいのか………無理だ。いかなる作品に置いて……世界はモブ(オレ)には興味ないが、モブには厳しい……何故ならいくらでもいるからだ。

 

じゃあ、どうするか……滝川みたいに主人公に近づきつつ………そのおこぼれをいただく………メリットは運が良ければハーレム成功……ギャルゲーでよく見る親友ポジで、俺の知識を主人公に教えればいい、デメリットは原作に突入することと、失敗したら敵キャラたちに殺される。

 

確実にメリットに向かうには………力が必要だ。力………力が欲しい。

 

『──るか』

 

「──っ」

 

その声ともズクンっ………ズクンッとまぶたの奥が疼く。咄嗟に俺は左目を抑えるが手のひらに眼球の熱を感じる。

 

「夜だからかな……無理に起きすぎたかも………」

 

近くの公園のベンチで左目の疼きが収まるのを待ちながらも、今も夜を照らす月を見上げていた。

 

 

二十秒足らずで疼きは収まった。収まったのを確認して公園のベンチから立ち上がった。

 

「フヒ……フヒヒヒ、澪ちゃん澪ちゃん!!」

 

「離しなさい、それ以上近づくと()()()()()()!!」

 

どこからか気味が悪い笑い声が聞こえた………うん、今……聞き覚えがあるセリフが聞こえた………まさかね。

 

嫌な、不安を覚えながらも………俺は、声が聞こえた方向へ向かった。

 

 

向かった先は、噴水の近場でそこにいたのは、油ぎったデブの丸メガネのおっさんだった。そんな男は………少女の腕を掴んでいた。血よりも赤い………髪の美少女だった。デブ男が鼻息荒くなるほどに巨乳でスタイル抜群……みて心の鼓動が早くなった。

 

「どうして、どうしてだい!!僕はこんなにもこんなにも澪ちゃんを愛しているのに!?ブヒヒヒ」

 

デブ男の口数がどんどんと早くなる……おいおい、あそこにいるのは元最強魔王の一人娘である成瀬澪ではないかっ!!あの、デブ男、下等な豚のくせ「メインヒロイン様をストーカーするなんて、いい度胸だなおい………そんなことしたら主人公に魔剣でトンテキにされるぞ。

 

主人公もしくはロリ従者!!早く、メインヒロインを助けろよ!!じゃないと、ここからR18指定のNTR同人みたいに堕ちてしまうぞっ!?………

 

しかし、五分経っても主人公やその従者は来なかった…………どういうことだ……はっ!!そういえば、まだ夏休みが始まったばかり………つまり原作が始まっていない……ど、どうしよう、このままだと、本当に大変なことになる。

 

「………やるか」

 

正直……ケンカとかは苦手だし、なんか油がギトギトしてそうだし……けど、そこで逃げたら、俺は一生後悔するかもしれない。

 

「ああ、もう!!ヤケクソだ!!」

 

俺はデブタの後ろまで歩き、足を上げた、メインヒロインは気づいたが声を出さなかった。

 

「せーの!!」

 

掛け声と同時にデブタの背中を蹴り飛ばした。気づかなかったデブタはそのまま、倒れ顔面ゴンっと地面にぶつけた。

 

「ぶへっ!!」

 

「こっちにきて!!」

 

「え!?」

 

メインヒロイン有無を聞かずに俺は彼女の腕を掴み、そのままどこかへと走り出した。なんか後ろから豚の鳴き声が聞こえるが、気にしない気にしない。

 

ー○●○ー

 

無我夢中で……走った結果、我が家に招き入れてしまった。ど、どうしようと俺は心の中で慌てる。

 

「ねえ、そろそろ離してくれない?」

 

「あ!?そうだった」

 

俺はすぐさま、メインヒロイン様の腕を離した……悪気はなかったとはいえ、こ、殺されるぅぅ!!

 

「あーえーと……とりあえず、今帰るとヤバそうだし……幸い空き部屋はあるし……泊まっていけば」

 

メインヒロイン様は何かを考えこみ、靴を脱いだ。

 

「そうね……でも、貴方もそんなことしたら100回殺すわよ」

 

「そんなのしませんっ!!」

 

全力で俺は彼女の言葉を否定した……俺、まだ死にたくないからなっ!!恐怖で心臓の鼓動が速くなるなか、俺は彼女を空き部屋に案内した……どうしてだろう、あんなにも楽しみにしていたシーフードヌードルを食べる気を無くし……そのままゆっくりと俺は自室に戻り寝た。

 

ー○●○ー

 

その次の日の朝………俺は自室から出るとメインヒロインが寝ていた部屋の扉が開いていた。俺はその部屋を確認すると、そこには誰もいなかった。ちょっと、一緒に朝ごはんを食べれると思ったけど………漫画は現実ほど甘くないんだな。

 

 

階段を降り、朝ごはんを食べるために冷蔵庫を開けると………そこに見慣れない………肉じゃががあった。手紙が供えられていた。

 

──ありがとう、昨日は助かったわ……これで貸し借りは無しよ

 

それをみて俺はクスッと笑ってしまった。

 

「なんだよ、直接言えばいいじゃん……」

 

流石ツンデレメインヒロイン様だ………ここまで来ると笑ってしまう。もう、早く主人公と付き合えよ。俺は……肉じゃがを取り出しレンジで温める。

 

 

温め終えた、肉じゃがをレンジから取り出し俺は一口食べる。

 

「……うぐっ!!…………普通に俺よりも上手い」

 

肉じゃがの美味しさとメインヒロインが俺なんかに作ってもらった嬉しさを堪能していた……ああ、もうこれで死んでも構わない……わけない!!

 

いやだぞ、死ぬまで童貞だとか…………しかし、俺には何にも力無いから………成瀬澪とか付き合いたいけど………無理だよな。接点とかほとんどないし………どうやって……夏休み明けだから、主従の契約もやっているし、かと言ってロリは対象外。

 

別にヒロインと付き合う必要はないんだっ!!ここは二次元の世界っ!!綺麗な女の子はいっぱいいる………筈だ。ガハハ、勝った!!わけあるか……何言ってるんだ、自分……死ぬのか俺は?いやもう死んでいるけどね!!

 

『それじゃあ、まず………ヒロインを呼ぶのん!!」』

 

聞き覚えがある語尾に戦慄すると同時に強烈な眠気が俺を襲った。

 

 

白い空間が広がる中、ひとりの少女が立っていた、それはとても綺麗だった。透き通る氷のような雰囲気。

 

『銀』

 

そう言い、彼女が俺の名前を呼びながら、手を差し出した。いきなり名前を呼ばれてたのか………それともこれが、初恋というやつなのか俺の心臓の鼓動が早くなる。すると………いきなり抱きしめられた。柔らかい女の子の感触と、ほんのり甘い匂いが…………まて、これ夢だよな!?

 

『第一の試練、スタートなのん』

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