NTRと主人公に思われたくないけど、童貞は捨てたい転生者   作:鳩は平和

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久しぶりの投稿だからちゃんとした文になったか心配ですが、投稿です!!


自分は基本的にハッピーエンド派なので!?

「あああああああああああああああああ!!」

 

見上げるほどに高い木が鬱蒼と生え繁る森の中、俺は全力で逃げている。後ろを振り返るとそこにはマンティコアと人型の影が大きな鎌を振り回しながら追いかけてきた。

 

「なぜ、こんな!!ゲホッ!ゲホッ!!」

 

俺は全力で森の中を走りながら叫んでいる。ああ、くそっ!!今頃の俺は自宅でシーフードヌードルをソファで寝転がりながら食べているのに………なんで、主人公のライバルポジの魔族に追いかけられているんだ!?

 

マンティコアは大きな木をものともせず、突撃で木を粉砕し、人型の影は鎌を薙ぎ払い、大木は切り裂いた。

 

「死ぬぅぅぅぅぅぅ!!」

 

「ああ、そうだよ……逃げないと死んでしまうぞ〜」

 

ああ、あの無駄にイライラするボイスを言いながらフヨフヨと浮いていた。地獄に堕ちて、禿げろ!!いや、俺が禿げさせてやるぅぅ!!

 

「「ぐるぅぅぅぅぅ!!」」

 

「いやぁぁぁ!!」

 

2匹のマンティコアが俺に鋭く尖った爪で俺の身体を引き裂こうとするが、俺は地面に転がり避けた。

 

「くっそぉぉぉ………力ってなんだよ………俺は至って平凡な男子高校生なんだよ」

 

ヨロヨロと立ち上がる………疲れた。はあ……ツイてない。友達はできないわ……記憶ないわ。魔族に襲われるわ……はっは、もう、俺の人生が悪すぎて泣きそうだ。

 

『ウヒヒヒ、死にそうだな、人間(ミレニアン )

 

「!?」

 

突然の聞こえた声に驚きを隠せず声が出そうになるのを必死に堪える。あの魔族とは似ても………いや、男だから似ているのか?どうなんだ………いや、分からん!!

 

『──おっと、ようやく声が届いたか。お前がその首につける()()()()()()()うまく声が聞こえなかったようだが、俺サマの呼びかけを何度も無視するとは不届きな奴だ!』

 

マンティコアが喋った?………そんなわけないか、人型だってあの魔族が作った奴だ………だとしたら、この声は俺だけに聞こえているのか!?

 

ていうか………俺、いつのまにか銀の十字架のネックレスをつけているんだ!?

 

(お前は誰なんだよ)

 

『───名乗ってやってもいいが、その前に敵が来るぞ』

 

「──へ? ぎゃぁぁぁ!!」

 

声の言う通りに後ろを振り返るとマンティコアが俺に追いつき、俺を叩き潰そうとしてくるが、もう一回横に転がった。

 

『──運のいい奴だ。頭を叩き潰されて脳みそぶち撒けられてから俺サマの名前を聞くか?』

 

声がデキの悪い喜劇でも見たように嘲笑う。一つわかった………こいつ、ぜっっっっっったいに性格悪い。匂う、腐った牛乳を拭き取り、そのまま一週間ぐらい放置した雑巾ぐらい匂うぞ。

 

そのまま俺は逃げる………あいにく俺は、あの獣みたいに大木すら割り箸のように簡単に折る剛腕は持っていないし、切り裂く大鎌も持っていないんだよ。とにかく、俺は今この状況を打破する力が欲しいんだよ!!

 

『───ウヒヒヒ、そうだな。今お前に必要なのは戦う力だ。お前には俺サマの能力をくれてやろう。ありがたく地べたに額を擦り付けながら受け取れた』

 

(能力? それは………)

 

そう尋ねようとした時だった──突然、膨大な情報が俺の頭に流れ込んできた。俺のIQ53万(自称)の脳の処理能力が追いつかず目眩を起こす。

 

「こんなところで気絶したら絶対に死ぬぅぅぅ!!」

 

そう意気込み、意識を踏ん張った。両手で頭を抱え、痛みに堪える。ああ、クソだ……世の中が本当にクソすぎる。この声の正体がよりによって、魔神?そりゃ、あの魔族も警戒するわ。

 

「さて、劇も終幕ときた………とっと終わらせよう」

 

俺の前に優雅に降りてきた滝川

 

「ああ、そうだな…………成瀬銀の名において命ず。そこにいる影と魔物よ、俺に隷従(したが)え」

 

左目の紋様の光が強くなり………マンティコアと影は指一本動かなくなった。それを見た、仮面はやれやれと嘆息する。

 

「はあ、ここで能力覚醒とか……どこの少年漫画風だ?」

 

「黙れ、お前は今全国の少年漫画を愛する人たちを敵にしたぞっ!!行けっ!!マンティコア達と影達よ!!」

 

魂まで操られたマンティコア達は一斉に魔族に突撃する…………両手に闇を広げ一気に解き放なった。無数の光の魂は影やマンティコアの肉体を抉った。

 

はいっ、知ってますよ!!そんなこと、マンティコアなんかです倒せたら苦労してないよっ!!

 

「やれやれ、俺もこいつらみたいに隷従されるわけにいかないし……今日はここらで退散しようか」

 

魔族は…………いつのまにか持っていた謎の球を地面に叩きつけたのと同時に強烈な光が俺の視界を奪った。光が消えた時………白面の魔族……滝川が消えていた。

 

安堵した時だった………俺のお腹から、短剣が貫いていた。白いシャツに赤いシミが広がって………

 

糸が切れたように、倒れながらも俺は……そこには影が立っていた。ああ、クッソぉ、滝川のやろう………もう一体作っていたとか……

 

「はあはあ……クッソぉ、あいつ……今度であったら絶対に顔面を殴る」

 

そう決意しながらも俺の視界が霞んでくる………本当に……俺って運が無いし凡人だし、モテないし、童貞だし………ああ、自分で皮肉っておきながら悲しくなってきやがる

 

その時だった…………俺の顔を見る………黒い髪の女性が俺を見るのと同時に………俺の意識が消えた。

 

ー○●○ー

 

「……知らない天井だ」

 

開けたら………そこは知らない天井だった。俺の家はそこまで天井は高くはない。そしてベットもここまでフカフカじゃない。

 

「───っ!!」

 

起きあがろうとした時、お腹に激痛が走る。いったぁぁぁぁぁ!!激痛に耐えられず、ベットに眠る。

 

「もしかして……優しい人が救急車に通報してくれたとか?」

 

そうだ………それなら………でも点滴はされていないし、されたのは包帯だった。ケータイもないし……次の日って考えたら平日だし、授業サボってしまった。ああら皆勤賞を逃してしまった。

 

「とりあえず………起きてみないとわからないよな」

 

お腹の痛みに堪えながら俺はベットから立ち上がり、足を引きずりながら部屋の扉を開けた。

 

「どこなんだよ……ここは?」

 

絶対にわかるのは俺の家はここまで、高級な廊下ではないことだけは確か………マンションか?病院じゃないのはわかる……だって、点滴とかそれっぽい機械がないんだから……

 

「とりあえず………お礼と挨拶をしないとダメだよな」

 

リビングらしきところに向かった…………その時、自分の胸が重く、身体に違和感を感じた。まるで………胸にボールでもぶら下げているような。その違和感を感じながらも、視線をしたに送るとて………唖然とした。学生服の内側から押し上げるモノが鎮座しており胸元から谷間がその存在感を強く主張すると共に、確かな大きさを誇る……そう、成瀬さんよりも大きな………おっぱいだった。

 

「えっ……えぇぇぇ………いやいやそんなまさか」

 

俺は無意識に恐る恐ると股間に手を伸ばしていた。そしてそこにあるはずの………男の象徴が消えていた。俺は……受け入れ難い現実に俺は両手を廊下につけ、涙を流していた………違う、これは俺の涙じゃない………だって俺は男なんだから………

 

その時だっだ、自分が女の姿になって居ることに夢中で誰の家かがわからない中、後ろの扉が開いた。

 

扉から現れたのは黒の長髪、非常に整った顔に………出るところ出ており引き締まって居るところは引き締まっている。緑のタートルネックはより、妖艶さを増し、その上に白衣を着ている

 

なっなっなっ!!!は、長谷川先生っ!?………つまり、ここは長谷川先生のマンションなのかよ…………おおぉぉ!!嬉しい!!嬉しいけど、なんで俺がここにいるんだよ………疑問しか無い。

 

「うんっ………ああ、成瀬か……飲み物はオレンジジュースとコーヒーどっちがいい」

 

「いや、えっ!?…………あの、オレンジジュースでお願いします」

 

長谷川先生は俺の体に………怪しむことなく、普通に俺に接してきた。これは俺がおかしいのか!?

 

ー○●○ー

 

「トーストの焼き加減は大丈夫だったか?」

 

「えっ、あの……その、大丈夫です」

 

俺と長谷川先生はそのまま朝ごはんを食べる………トーストの焼き加減は外はさっくりと、中はふわっとしている。多分………いい、食パンを使っているんだろうな……でも、おかしい………何故なら、味がしないのだ……いい食パンだということはわかる。

 

そして原因もわかった…………それは、緊張だ。俺は大変緊張をしている、理由としては、目の前に新聞を広げコーヒー飲む姿が大変美しい長谷川先生がいることだ。

 

いや、嬉しいよ………新米魔王を読んだ男なら誰もが一度は見るドキドキシチュ、艶やかな黒髪……だが悲しきかな、長谷川先生は人間にあらず、かつて神々の頂点の十神の一柱アフレイアさまだぞ。

 

…………まあ、最終的に主人公に堕とされてしまって性奴隷になるんだけどねっ!!

 

「あの………長谷川先生」

 

「うん、どうした?」

 

「どうして、俺の身体が変わったのに………そんなに平然としているのですか?」

 

俺の質問に長谷川先生はコーヒーを置き新聞を閉じた。

 

「そうだな………私が来た時には君はすでにお腹からは血を流し倒れていた。何か時間でもあったのかと思い申し訳ないが、君を調べさせてもらった」

 

先生がポケットから取り出したのは俺の財布と生徒証明証、俺がまだ男だった時の写真もあった。でも、よく考えたら…………吸血鬼ヒロインの七緒も大人になるまでは性別の境界線がなくて………主人公の塔城とあれやこれやして女の子になることを選んだったっけ……もしかして、俺って記憶がないだけで、本当は人間じゃなくて吸血鬼だったとか………

 

『ウヒヒヒ、面白そうな考えをしているが……お前は俺さまを宿した正真正銘の人間(ミレニアン)だぜ』

 

バロールの言葉に………俺は落ち込んだ。クソッ、もうちょっと夢を見せてくれてもいいじゃないか……

 

「それと……身体の方を勝手ながら調べさせてもらったが……そして気になる質問が一つある……何故君は魔神を宿しながら自分の自我を持てる?」

 

「えーとその………どういうことですか?」

 

「通常、神に肉体を取られば……君の魂は神の魂が塗り替えられ、その肉体も奪われる………はずだった」

 

「なっ!!そんなの知らないですっ!!」

 

俺は長谷川先生の言葉に納得出来ない言葉に俺は立ち上がった。俺は一歩間違えたら、バロールに肉体を奪われていたっていうこと!?

 

『フヒヒ、すまんなぁ……本来ならその身体は俺サマの肉体になっていたから言うの忘れていたぜっ』

 

このまま魔神、本当に性格が悪いな…………そういえば、この魔神……たしか、俺の首にかけられている十字架のアクセサリーでほとんど奪い取ることが出来ないって………

 

俺は視線を下に下ろすとそこには、銀の十字架があった。何かに気づいた長谷川先生は思い出したかのように口開く。

 

「そうか………その十字架で貴様の中にいる魔神を崇め畏れられるモノから。

 討ち滅ぼされるモノへと変え、神格を低下させたのだな」

 

「あの………えーと、多分そうじゃないですか」

 

俺………多分、そういう事は専門外なので、長谷川先生が考えている通りではないですか……

 

『なあなあ、銀………まず目の前にいるアフレイアを凌辱しようぜ。なあに安心しろ、俺サマとお前の視覚と触覚は共有だ。それなりに俺サマも楽しめるぜ』

 

本っ当にちょっと黙ってもらえないかな、このエロ魔神は!?

 

『なんだ………度胸ないのか?もしかして、お前は童貞なのか?』

 

バロールは嘲笑を返しながら質問してきた。ああ、そうですよ………前世の分も考えたら、童貞捨てるどころか、女性と話した記憶も全くない、マジで悲しくなってくる。

 

『けどよ、目の前にいる女を見てみろよ……極上の女だぜ?それで童貞捨てることが出来るとか役得すぎるだろう、童貞を捨てるチャンスだぜ』

 

だめだ、この魔神と話すと頭が痛くなってくる。どこまでが冗談で本気の境界線かわからない。

 

『ウヒヒヒ、俺サマは至って大まじめだぜ。それに………俺サマは享楽と堕落と破滅が大好きなんだよ。神が人間(ミレニアン)に快楽とかで堕ちる様はいつ見ても見ものだ』

 

そうか、あいにくと俺はライトノベルやゲームではハッピーエンドが好きなんだよ……俺とお前は合わないようだな。

 

『けど、お前、おっぱい好きだろう?』

 

………俺はバロールの言葉に反論することなく静かにそっぽを向いた。

 

『そう照れるな、男が女のおっぱい好きなのは、赤ん坊がかーちゃんのおっぱい好きなのと同レベルの真理だからよ、堂々と目の前の女おっぱいを揉めばいいんだよ。けどあのおっぱいは柔らかそうだな、かぶりつきたいぜ』

 

それ、そのあと長谷川先生に塵と化す未来しか見えないんだけどな〜

 

「それでだ……君が宿した魔神の名前を確認したいのだが良いか?」

 

「えーと、はい………ケルト神話の魔神バロールですね」

 

俺の言葉に長谷川先生は深いため息を吐いた。

 

「よりによって、あいつか………その、これから苦労すると思うが絶対にあいつに肉体を渡してはいけない。いいな………バロールが悪戯としてやることは本当に厄介なことしか巻き起こらない」

 

「は、はい……気をつけます」

 

この二人………何やら深い因縁でもあるのかな………それと長谷川先生………すでに俺は苦労していますので助けてください。

 

その時だった…………俺の身体が突然光出し……光が消えるのと同時に……何かまた違和感を感じ、下を向けると胸が消え……息子が家出から帰ってきた。

 

「も、戻ったぁぁぁ!!」

 

俺は嬉しさのあまり両手をあげて喜んた。どうして、突然俺の身体が戻ったのかはわからないけど戻ったなら問題ない。

 

「ふむ、どうして急に戻ったのかはわからないが……大変喜ばしいことだな」

 

「はい、それに長谷川先生が俺を助けてくれなかったら本当に死んでいたかもしれません。その節は本当にありがとございます!!」

 

俺は改めて助けてもらった長谷川先生にお礼を口に出すと長谷川先生は少し頬を赤くしてそっぽを向いた。原作だと東城にしか見せない表情だけに俺はドキっ鼓動が早くなるのを感じた。

 

「先生━━照れることが出来たのですね」

 

「……どういうことだ?」

 

俺が思わず口に出した言葉に納得してない表情する長谷川先生……だって長谷川先生ってなんか近付きにくいイメージ出し、俺は原作を読んだからなんとんく知ってるけどそれはあくまで物語の話、現実となった今では原作通りに進むのか分からなくなってきた。

 

「まあいい、帰りは私の車で送ろう」

 

ええぇ!?それってあの高級車に乗れるってことですか!?なんか色々あったけど、なんか全て許せる気がした。

 

「それと……返しておく」

 

長谷川先生は預かっていた財布を俺に差し出した。俺も長谷川先生に向けて手を出した。

 

『いいぞ!!そのまま大きく育ったおっぱいを揉んでやれ!!』

 

バロールの言葉を無視する。

 

財布などを手にする時だった………愚然だった、俺の手と長谷川先生の手触れた時

 

ぼっふんと煙が突然立ち上がった

 

「ゴッホゴホ……突然何が……あれ?」

 

聞き覚えがある声に俺は恐る恐る視線を下に向ける……また、俺の姿が女の子になっていた。

 

「な、なんでだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

『うひゃひゃひゃ!!』

 

長谷川先生の家にて俺の叫び声とバロールの愉悦の笑い声が木霊した…………俺が完全に戻るにはもう少し掛かりそうだ


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