迷宮都市に生きる   作:オミ

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4話

 「おいもう朝だぞ……。……ん、こいつがタラニスの眷族か?」

 

 

 ドアを開けて誰かが入ってくるのを感じて目を覚ますと緑がかった黒い髪の男神様が部屋に入って来るところだった。

 ……って床で寝てる場合じゃねぇ!

 

 

 「すっ、すんません!タラニス・ファミリアのガイ・シグロって(もん)です!」

 

 「あぁ気にするな、フィオから話は聞いてる。お前はファミリア(うち)の客だ。俺はベレヌス、このファミリアの主神をやってる者だ。回復薬(ポーション)も売ってるから贔屓にしてくれよ?」

 

 「よろしくお願いします!」

 

 

 おぅよろしく、と言ったベレヌス様はベッドに眠るタラニス様に近づいていき……

 

 

 「……で、眷族に挨拶させといて主神が寝てんじゃねーぞ!」

 

 「ぉおぅ⁉︎」

 

 

 ……遠慮なくタラニス様を怒鳴って叩き起こした。

 えぇ……

 

 

 「あぁ……、スマンスマン。昨日はこいつと古木亭(こぼくてい)で飲んでてよ……」

 

 「一緒に飲んでたお(めぇ)の眷族はしっかり起きてるぞ?」

 

 「まぁ、その、スマン」

 

 「第一お前は客じゃなくて居候だろうが……。……心細い時に頼りになるように見えたかもしれんがこういう奴だ、覚えとけよ?」

 

 「あっ、はい」

 

 

 アドバイス貰っちまった……

 

 

 「……んで、『最初の眷族見つけるまで』って話だったはずだが部屋は探してきたんだろうな?」

 

 

 ……えっ、部屋?

 ……タラニス様固まってますが……

 

 

 「こいつを居候させる条件が『最初の眷族見つけるまで』って話だったんだよ。『眷族見つけて部屋借りるまでじゃなくていいのか』って聞いたら『部屋の方が先に見つかるだろ!』とか抜かしたから変えなかったんだが……、……でどうなんだ?」

 

 「……当たりはつけてるぜ!」

 

 「貸主と話はしたんだろうな?」

 

 「……決まるまで待ってもらえねぇか?」

 

 

 ……えぇ……

 

 

 「……まぁこんな事になるだろうとは思ってたからシフト追加で勘弁してやるが、お前の第一眷族はどうするつもりだ?また床に寝かせるのか?」

 

 「あぁオレは宿取ってるんで大丈夫です!……長く保つかって言われたら自信ないっすけど……」

 

 

 冒険者になったからには武器とか道具も買わなきゃだろうし……

 

 

 「……野宿になったらスマン!」

 

 「いや散々危ないって言われてるオラリオで野宿したくねぇんですけど……」

 

 

 宿屋なら安全ってわけでもねぇんだろうけど……

 

 

 「そうなったらこいつも野宿送りにしてやるから安心しろ。……まぁ大体の神はこいつと同じかそれ以上に適当で気ままな愉快犯だ、注意しとけよ?」

 

 「あっハイ……」

 

 

 友神(ゆうじん)にそこまで言われるって、大丈夫かタラニス様……

 

 

 

 

 

 

 朝食ができましたよーと呼ばれてフィーオさんカリエさんをはじめとするベレヌスファミリアの皆さんとご一緒にさせてもらった朝食を終え、ベレヌスファミリアの皆さんが思い思いに動き始める中そろそろお暇して冒険者の登録に行こうかと考えていると店の方からドンドンと扉を叩く音がする。

 

 

 「アタシが行くよ」

 

 「えぇ、お願い」

 

 

 カリエさんが立ち上がり店に向かう。

 

 

 「あっオレもそろそろ冒険者登録に行こうと思います!朝食ありがとうございました!」

 

 「あぁガイさん、もし良ければ回復薬(ポーション)買っていきませんか?初回価格でお安くしておきますよ?」

 

 「いいんですかフィーオさん⁉︎ありがとうございます!」

 

 「それじゃあ見繕ってきますから、店の方で待っててくださいね?」

 

 

 はい!、と答え店に向かうとカリエさんと誰かが喋っていた。

 

 

 「アタシが店番するのが一番なんだからアンタと顔突き合わせるのも仕方ないって話じゃん?」

 

 「朝っぱらからオマエの顔見るとがっかりするって話なんだよ。……ん?お前見ねぇ顔だな?新人か?」

 

 

 そう話しかけてくれたのは双剣を腰に提げた冒険者って感じの男だった。

 

 

 「あー、タラニス様の一人目の眷族やらせてもらってるガイ・シグロです!よろしくお願いします!」

 

 「おぉータラニスんとこのか!俺はルゴス・ファミリアのゼルマってんだ!よろしくな、ガイ!」

 

 「はい!」

 

 「コイツ割と喧嘩っ早いから注意しときなよー?」

 

 

 っと、カリエさんが割り込んで来た……

 

 

 「オマエが言えた事じゃねーだろ凶悪冒険者!」

 

 「アンタに言われたくねーよ狂犬冒険者!」

 

 「お前ら、そこら辺にしとけ……」

 

 

 始まりかけた口喧嘩にタラニス様を引きずってきたベレヌス様が水を差す。

 ……って「タラニス様を引きずって」?

 

 

 「こいつファミリアをギルドで登録するってのを忘れてやがったんだよ……。冒険者登録にギルド行くならついでに連れてけ」

 

 「悪いな☆」

 

 

 えぇ……。

 あと整ってる顔だからって「悪いな☆」はちょっと気持ち悪いですタラニス様……

 

 

 「じゃあ冒険者の先輩として俺が諸々案内してやるってのはどうだ?タラニスとも知らない仲じゃねぇしな?」

 

 「えっ、是非お願い……したいですけどいいですか?タラニス様?」

 

 「いいぜ?ルゴスの奴もダチだから心配するこたぁないしな!」

 

 

 おぉ!やったぜ!

 

 

 「でもアンタお使いしに来たんでしょ?ほっぽり出していーの?」

 

 「うるせーな⁉︎……すぐ終わらせるから大丈夫だ!」

 

 「それにその場のノリで予定決めたらオッさん共にどやされるよ〜?」

 

 「……うっせーわ!」

 

 

 ……ホントに大丈夫か?

 

 

 

 




※現在原作より9年程前から変わらず


タラニス・ファミリア
…早く部屋を見つけないと暗黒期のオラリオでの野宿生活とかいうゲームオーバー案件の可能性がある。
:ガイ…新人冒険者としては間違いなく運に恵まれてるし主神繋がりの縁にも恵まれてる。ゼルマの提案を「道具の売り買いとは違うよな…?」と判断してタラニスに確認を取った。
:タラニス…救いの神補正がどんどん切れつつある。とはいえ友神のとこでバイトしてなかったら縁はなかった訳なので分かりにくいとこで第一眷族の役に立ってる。

ベレヌス・ファミリア
…団員数は多分十数人くらい。治療系……というか製薬系の派閥としては九年前時点の中堅と言われているミアハ・ファミリアより小さい規模でやってる。
:ベレヌス…ファミリアの主神。由来はタラニスと同じく大陸のケルト神話の神から。
:フィーオ…親切心で回復薬を勧めてくれた。とはいえ安くはするけど金は取るあたりしっかりした商売人である。
:カリエ…ゼルマとは喧嘩仲。別に闇派閥みたく凶悪な事してる訳じゃないけどバトルスタイルが凶悪気味なので「凶悪冒険者」というのも間違っちゃいない。

ルゴス・ファミリア
…純粋な探索系の派閥。「……ルゴスってアイルランドの方のルーと同じ神じゃね?」って思わなくもないが本作ではルーとは別神だと言い張る事にする。……仮に原作でルーの名前が出てきても「違う奴だからね?」と言い張る。
:ゼルマ・タレイト…ファミリアの団員。Lv.3。ヒューマンの攻撃役。割と喧嘩っ早いのは事実だが「狂犬冒険者」と言われるほどではない。ガイとタラニスの手助けしようと思ったのは親切心とカリエの指摘した通りのその場のノリ。名前の由来はウルトラマンシリーズのウルトラマンゼロとその声優さん及び変身者。なかなかスッキリ決まらなかった……
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