迷宮都市に生きる   作:オミ

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ようやくダンジョンです。
行の空け方変えてるんで読みにくかったらすいません。


5話

 

 「近くで見るとマジででっかいですね……」

 

 「だろ?しかもこいつはただデカいってだけじゃなくてちゃんと建物として機能してんだぜ?そしてここの地下がダンジョンと繋がってるって訳だ」

 

 

 つつがなく冒険者登録とファミリアの登録を終え、準備を済ませたガイはゼルマに連れられてバベルの足元に広がる中央広場に足を運んでいた。

 ギルド支給の防具を身に着けバックパックを背負い、腰には回復薬(ポーション)を入れたポーチとシンプルな鉄製の剣を帯びている。

 

 

 「んじゃ行くか!着いてきな!」

 

 「はい!」

 

 

 ゼルマに続きガイはバベルの内部へと足を進める。辿り着いた先に口を開けていたのは直径10M(メドル)、深さも10Mはあろうかという『大穴』だった。

 底知れない雰囲気を感じ取り、ガイは息を呑む。

 

 

 「ここが……」

 

 「あぁ、ダンジョンの入り口だ。あの穴に沿ってる階段を降りればダンジョンの1階層に降りられる……。まぁ冒険者なら誰でも通る道だ!緊張しすぎんなよ!」

 

 

 緊張する新米を励ますつもりでゼルマはガイの背中をバシバシと叩く。

 

 

 「ゲホゲホッ!」

 

 「あっ、すまん強かったか……」

 

 

 若干力が強く、咳込ませてしまったが。

 

 

 

 

 ややあって二人は大穴に沿って螺旋を描く階段を降りて『始まりの道』と呼ばれる幅広の道を通り、ダンジョンの1階層を歩んでいた。

 周囲の壁や床は薄い青に染まりながら迷路のような構造を作り出している。

 

 

 「ダンジョンでは何があっても不思議じゃねぇってのが鉄則だ。だから注意をサボるんじゃねーぜ?」

 

 「肝に銘じときます……!……んっ?あれはひょっとして……」

 

 

 緊張させない為に軽く話しながら進んでいると、角を曲がったところでガイが通路の先に佇むものに気づく。

 低い身長に緑の肌、その姿はまさに「怪物」と呼ぶべきものだった。

 

 

 「早速注意できてるみたいだな?そうだ、あれがモンスター……。ゴブリンって奴だ。俺が言った事は覚えてるよな?」

 

 「相手の動きをよく見る、でしたっけ?」

 

 「おぅ、まずはそこからだ。どんな奴と戦う時にも基本になるからな……、……じゃあ行って来い!」

 

 「あっす!」

 

 

 そうしてガイは剣を片手にゴブリンへと向かっていく。

 

 

 「グギャア!」

 

 「うおおおお!……らっ!」

 

 

 ガイに気づき襲いかかろうと駆け出してくるゴブリンに雄叫びを上げながら突進し、ゴブリンが短い手を振りかぶるのを見て足元に剣を振るった。

 

 

 「グギャッ⁉︎」

 

 「おらぁ!」

 

 

 そして痛みに怯んだところを間髪入れずに袈裟がけに切りつければゴブリンはどう、と倒れて起き上がらなくなり、ガイは冒険者としての初戦闘に勝利した。

 

 

 「ふー……、……やった、のか」

 

 「そうだな、お前の勝ちだ。お疲れさん!」

 

 

 後ろで見守っていたゼルマがねぎらいの言葉をかけながら近づいて来た。

 

 

 「ありがとうございます!……確か胸元、でしたっけ?」

 

 「おう、そうだ。砕かねえように気をつけろよ?」

 

 

 一息ついたガイは足元に転がるゴブリンの死体に剣を突き入れる。

 微かに硬い手応えを感じ、慎重に抉り出してみるとそれは紫紺に染まった欠片であった。

 

 

 「これが『魔石』、ですか……」

 

 「ああ、俺達冒険者の飯の種ってやつだな!そいつをやられると、……ほら見てみろ」

 

 

 ゼルマに示されてガイがゴブリンの死体に目を向けると、死体は急速に色を失い灰になって崩れていくところだった。

 

 

 「はー……、欠片も残らないんすねぇ……」

 

 「たまに爪とか牙とかが『ドロップアイテム』として残るけどな。そいつもギルドで金にしてくれるから取り忘れるなよ?」

 

 「はい!」

 

 「……っと次の奴が来たみたいだぜ」

 

 

 指し示された方を見ると二足歩行に犬頭のモンスター「コボルト」が通路の先に姿を現すところだった。

 

 

 「引き時は俺が教えてやるから、とりあえず戦えるだけ戦ってみな!」

 

 「おっす!」

 

 

 冒険者の先輩という心強い存在に見守られながら、ガイは次なる戦いへと踏み出した。

 

 

 

 

 

 

 「そこまでだ」

 

 

 本日何体目かのゴブリンを倒したところでゼルマさんから声がかかる。

 

 

 「はぁっ……、まだ行けると思うんですが?」

 

 「お前今息上がってたぜ?」

 

 

 えっマジか……。……マジだ。

 

 

 「ダンジョン探索ってのは気づかないうちに体力使ってるからな。『まだ行ける』は『もう危ない』だ、そいつの魔石取ったら大人しく帰んぞ?」

 

 「は、はいっ」

 

 

 魔石を取ってゼルマさんに大人しく着いて行く。

 

 迷宮の道を辿り、『始まりの道』を抜け、階段を登りきりバベルへと帰還する。

 

 

 「……はぁーっ……!」

 

 

 すると一気に疲れが湧いてくる。

 やべぇへたり込みそうだ……

 

 

 「ま、まだまだ初心者だ。こうなるのも当たり前って奴だ」

 

 「本当っすね……」

 

 「おら、階段の真ん前で立ってたら邪魔だろ?休むんなら端に行ってからだ」

 

 「あぁ、はい…」 

 

 

 端の方に座り込んで水を飲み、一息ついてからバベルの外に出ると……まだまだ昼間と言っていい時間帯だった。

 

 ええ……

 

 もう夕暮れなんじゃねぇかって思ってたんだか……

 

 

 「まぁ繰り返しになるがお前はまだ初心者も初心者だ、ダンジョン探索にも戦闘にも慣れてねぇ。さっさと切り上げるのが吉ってやつだ。……それに初心者も初心者が夜一人は危ねぇからな?余裕ができても夕暮れ時になる前には切り上げた方がいいぜ?」

 

 「あぁ……、やっぱり危ねぇんですか?」

 

 「あぁ危ねぇ。昼間だって安全だって言い切れる訳じゃねぇが、夜は視界も悪くなるから広い道でも襲われるかもしれねぇ。まぁ時間がある時は俺らが付いてやるが、そうじゃねぇ時は出歩くんじゃねぇぞ?」

 

 「はいっ……!」

 

 

 ……ん?でも昨日『日向の庭』に行く時タラニス様と二人きりだったような……

 

 

 「まぁ、とりあえず換金だ!行くぜ!」

 

 「ああっ、はい!」

 

 

 とりあえず注意する、という事は心に決めとく事にした。

 

 

 




※現在原作より9年程前から変わらず

むしろ昼間の方が危ないんじゃね?って思わなくもない。


タラニス・ファミリア
…ちなみに全く登場しなかったタラニスはファミリア登録の後、当たりをつけていた部屋の貸主と話をしに行っている。どうやら野宿は回避できそうである。
:ガイ…無事戦えた。ポーチは回復薬のおまけで剣はゼルマが見繕ってくれたお値打ち品。防具とバックパックは支給品。

ルゴス・ファミリア
:ゼルマ…しっかり気を配ってガイのダンジョン探索をサポートし、アドバイスもしてくれた。この事をきっかけにしてガイに頼りになる先輩一号と見られていくようになる。


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