迷宮都市に生きる   作:オミ

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6話

 

 

 

ガイ・シグロ 

 

Lv.1

 

力:I0 耐久:I0 器用:I0 敏捷:I0 魔力I0

 

《魔法》

【】

 

《スキル》

【】

 

 

 「これが昨日お前に恩恵を刻んだ時の『ステイタス』を書いたやつで、」

 

 

ガイ・シグロ

 

Lv.1

 

力:I0→I12 耐久:I0→I9 器用:I0→I8 敏捷:I0→I10 魔力:I0

 

《魔法》

【】

 

《スキル》

【】

 

 

 「これが今日お前が得た『経験値(エクセリア)』で更新した『ステイタス』を書いたやつだ」

 

 「なんつーのか……、高いのか低いのかいまいち実感が湧かないっすね……」

 

 

 ダンジョンから戻ってギルドで換金などを終えたオレは『日向の庭』のタラニス様が借りてる一室でステイタスの更新をしてもらった。

 ……がいまいち成長が分からず、タラニス様から渡された用紙を手に自分自身でも分かるくらい微妙な顔をしてしまう。

 恩恵もらうだけでもゴブリンくらいになら勝てると聞いてはいるんだが……

 

 

 「まぁ最初の方だけは10以上も上がる事も珍しくねぇらしいから……、……スマン一桁(ひとけた)混ざってたな」

 

 「いや謝られると余計惨めですって……」

 

 

 そうそう発現するもんじゃないと聞かされていたとは言え魔法もスキルも発現してねぇんだし……

 

 

 「まーまだまだ成長の余地あり、って判断してこうじゃねぇか!部屋も借りられそうだしな!」

 

 

 そうか、まだまだ始まりだもんな……って、

 

 

 「もう話ついたんすか⁉︎昨日の今日で早いっすね⁉︎」

 

 「だろ〜「問題物件ってやつなんじゃねぇっすか⁉︎」いやお前俺の見立てをなんだと思ってんだ?」

 

 

 いやだってタラニス様だし……

 

 

 「オイなんだその微妙な顔は?お前俺の事なんだと思ってんだよ?」

 

 「割と迂闊な(ひと)だなーって思い始めてます」

 

 「遠慮ってもんはねぇのかよ!」

 

 「昨日ここに来た経緯を話した時タラニス様遠慮してくれました?」

 

 

 それ差し引いても迂闊な所が目立つからな……

 まぁ野宿は防げるかもしれねぇけど……

 

 

 「まーとにかくさっさと上着ろ。出かけるぞー」

 

 

 そう言ってタラニス様は立ち上がったが……、出かける?

 

 

 「出かけるってどこにっすか?」

 

 

 思わず質問を投げかけたオレにタラニス様は、

 

 

 「そりゃお前冒険の後に行くとこなんざ相場が決まってんだろ?ーー酒場だ」

 

 

 笑いながらごく当たり前の答えを返した。

 

 

 

 

 

 

 先に行ってるぞー、とベレヌス・ファミリアの面々に言い残して『日向の庭』を出たタラニスと共にガイが辿り着いたのはつい昨日ガイが逃げ込みタラニスと出会った酒場、『古木亭(こぼくてい)』であった。

 『本日貸し切り』の札がかかったドアを開けて中に入ると、店主となんらかの話を終えた壮年の男が「では、よろしく頼む」と言って立ち去ろうとする所だった。

 

 

 「おや、タラニスか。真っ先に到着とは相変わらず宴好きだな」

 

 

 男は二人に気付き、話かけてくる。

 

 

 「まぁ趣味みたいなもんだしな?おっと、こいつがうちの眷族になった「ガイ・シグロです!」……だ」

 

 「そうかきみがガイ君か。私はダンジ・ゴーデ、ルゴス・ファミリアの副団長を務めている。同じ冒険者としてよろしく頼むぞ?」

 

 「よろしくお願いします!……ところでルゴス・ファミリアの方が居るって事は「おーっす!連れて来たぜー!」あっ、ゼルマさん」

 

 

 挨拶と共に差し出された分厚い手に挨拶と握手で返している所に何人か引き連れて現れたのはゼルマだった。

 どこか初々しい雰囲気からしてゼルマが連れて来たのはガイと同じ新人冒険者のようである。

 

 

 「おっとお前の方が先に来てたか!あー、こいつがガイだ!同じ新人同士仲良くしとけよ?」

 

 「ヘイへーイ、立ち止まんないでさっさと中入れてくれる〜?」

 

 「ゲッ、またテメーかよ……」

 

 「テメーだよ〜?」

 

 

 更にカリエに連れられてベレヌス・ファミリアの新人達も現れた。

 ここまで新人が揃うと最早何が行われるのか疑いようもなかったが、大人げなく始まるゼルマとカリエの口喧嘩とそれを止めに入るダンジを他所に一応ガイはタラニスに問いかける。

 

 

 「これから始まるのって新人歓迎会ですよね?」

 

 「そうだぜ?知らなかったのか?」

 

 「……オレなんも聞いてねぇですよ?」

 

 「えっ」

 

 「『えっ』?」

 

 

 入り口を塞いでいた二人(ゼルマ・カリエ)退()いた事で新人達がぞろぞろと『古木亭』に入っていくのを他所に暫しぽかんと主従二人は見つめ合うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「すまん!忘れてたぜ!」

 

 

 やがて始まった新人歓迎会という名の宴の席で「いやゼルマの奴は知ってたはずだぜ⁉︎」という言い分を信じたガイがゼルマに貰った答えである。

 

 

 「えぇ……」

 

 「いや正確にはダンジョン行く前は覚えてたんだが、お前の戦いっ振り見てたら頭から吹っ飛んだってとこだな!まぁとりあえず一杯だ!ダンジョン帰りのは美味(うま)いぞ?」

 

 「じゃあまぁ、いただきます……」

 

 

 端的に説明され改めて隣に座る先輩の己が主神(タラニス)ーー今はカリエと共に酒場慣れしてない面々に絡んでるーーにも匹敵する適当さ……あるいはその場のノリで動く習性を思い知らされたガイはゼルマに勧められ昨日も飲んだ安いエールを口にする。

 

 

 「あっ……、美味(うめ)え……!」

 

 「だろ〜?」

 

 

 ただの安いエールはダンジョン探索での疲労が残るガイにとって格別美味しく感じられた。

 そして皆が最初の一杯に口をつけたのと同じタイミングで魚のフライや焼いたソーセージ、ポテトサラダといった料理の数々が運ばれて来るのであった。

 

 

 「ここは奢りだ!遠慮しないで食っとけ!」

 

 

 ゼルマの号令の元、どこか遠慮や緊張があった面々も料理に手をつけ

出し、ざわざわと騒がしくなり始める。

 

 

 「おーい俺達も来たぞー、……ってなんだもう始めてるのか」

 

 「おぅ、遅かったじゃねぇかお前ら!」

 

 

 そうしているうちに『古木亭』にはベレヌスともう一人の神に率いられた新たな一団が現れた。「慣れた」雰囲気の彼らもまた冒険者のようである。

 空いていた席やカウンターが埋まっていき、賑やかになっていく。

 

 

 「じゃあ君がタラニスさんとこの?」

 

 「ガイって者です!」

 

 「俺はダイロ、よろしく頼むよ?」

 

 「是非!……あー、これどうっすか?」

 

 「ありがとう、いただくよ」

 

 

 交流や自己紹介があちこちで進み、歓談の輪があちこちで広がっていく。

 それに合わせるようにして『古木亭』名物の鳥の丸焼きや塊肉のローストポークといったいかにも「ご馳走」な料理が運ばれて来る。

 そしてそれがまた酒と歓談を進めていくのである。

 

 

 「だから見返してやる!ってオラリオまで来て団長さんに助けられたって訳なんだよ〜」

 

 「それって無謀すぎません?」

 

 「オレもバードと似たようなもんだし無謀でもないんじゃねぇか?」

 

 「分かってくれるかガイ〜!」

 

 「じゃあ二人とも無謀、って事じゃないですか?」

 

 「そりゃあキツいぜアモル〜」

 

 「もうちょい手心が欲しいぜ〜、っとおかわり要るか?」

 

 「ありがとうございます、……ガイさんは無謀でも大丈夫そうな気がしますけどね」

 

 「俺は〜?」

 

 

 新人達もファミリアの垣根に関係なく席を共にし、杯を重ねていく。

 

 

 「フィオ連れてきたよ〜!」

 

 「おぉフィオのが聞けるのか!」「いいぞー!」

 

 「私は留守番って話だったじゃないですか……、まぁ盛り上がっているようですし(やぶさ)かではないですけど。では……、……ーー♪」

 

 「おぉ……」

 

 「すげぇ……」

 

 

 そしてカリエに連れて来られたフィーオが美しい歌声を『古木亭』に響かせる。

 聖歌を思わせるその旋律は酒場に集う者全てを釘付けにして止まなかった。

 

 

 「ーー♪……、……ふぅ」

 

 「「「「「うぉおおお!」」」」」

 

 

 曲が終わると同時に大歓声が沸き上がった。

 歌声を讃えて手や机を叩く音が鳴り止まない。

 

 

 「お疲れー、フィオ!」

 

 「相変わらず美しい歌声だな、フィーオくん」

 

 「ありがとう……、ってローべさん!来てたんですか⁉︎」

 

 

 いつの間にか入り口には風格というものを感じさせる壮年の男が立ち、拍手を送っていた。

 

 

 「通りかかった所に聞こえてきてな?賛辞を贈らずにはいられなかったのだ」

 

 (「あれがルゴス・ファミリアの……」)

 

 (「あぁあの人が団長だ!」)

 

 

 見るとドアの向こうにはダンジを始めとしたベテラン冒険者らしき人々がいる。

 安心して飲めるように見回りをしてくれていたのか!とガイは先輩冒険者の気遣いに感心するのだった。

 

 

 「まだまだ夜は長い、存分に楽しめ諸君!」

 

 「オッさん共のお墨付きだ!飲むぞお前ら!」

 

 「「「「「おおおぉぉー!」」」」」

 

 

 下された号令に歓声が起こり、宴の席はますます盛り上がっていく。

 

 神も人も笑いあい、賑やかに過ぎゆくこの時はガイにとって忘れ難いものとなるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




※現在原作より9年程前から変わらず

言い訳できないくらい書いてなかった……
モチベーション維持って大変……

タラニス・ファミリア
:ガイ…この後もめっちゃ楽しんだ。最初らへんのステイタス上昇値は原作一巻の「10以上も上がるのは最初の内だけ」という文言を「最初の内なら10以上上がる事もありうる」と解釈してみた結果。大丈夫、すぐ頭打ちになる。
:タラニス…まぁ迂闊な方である。緊張してる新人への気遣いはできる神。

ルゴス・ファミリア
…今回の新人歓迎会の主催。団長他ベテラン勢は「お前たちも休め」と若手組も参加させてる。
:ローべ・ハシン…団長。Lv.4。「オッさん共」なんて言われるルゴス・ファミリアのベテラン冒険者の一人。名前の由来は初代ウルトラマンの変身者とその演者さんから。
:ダンジ・ゴーデ…副団長。Lv.4。ローべと同じくベテラン冒険者の一人。名前の由来はウルトラマンシリーズのウルトラマンジャックの変身者とその演者さんから。
:ダイロ・マガノ…団員の一人。Lv.3。ファミリアでは若手の方だがゼルマよりは年上。名前の由来はウルトラマンティガの変身者とその演者さんから。
:バード…新人冒険者の一人。14歳男。ロクに情報収集しないでオラリオに来てチンピラに絡まれてる所をパトロール中だったローべに助けられ、そのままファミリア入りする。ファミリアが違う事に物怖じせずガイを誘い、見事打ち解けた。
:ゼルマ…その場のノリで動いて歓迎会がある事を伝え忘れた。
(詳しい流れ)
4話の後道具類の受け取りを済ませて本拠に戻って他派閥の面倒見ていいかと尋ねる→新しいファミリアができた事だしせっかくだから新人の歓迎会でもやるかという話に行きつく→ギルドで登録してる間にタラニスには伝える→「ギリギリまで隠しといた方が面白くね?」と思ってガイには伝えない→ガイ、何も知らされず。

ベレヌス・ファミリア
:フィーオ…留守番してた所をわざわざ連れて来られるくらい歌が上手い。歌った後は速やかに留守番に戻った。
:カリエ…新人達に絡んでるのは気遣いじゃなくて面白そうだから。事実初心(うぶ)な新人はそのグラマラスな肉体に見事に釘付けにされてしまってる。
:アモル…新人の一人。14歳女。4話で朝食ができましたよーって呼びに来た人。亡くなった母の伝手でファミリアに入団したが冒険者として活動するかは決めかねてる。

アイズさん7歳を始めとして主要人物の冒険者デビューが早すぎて「果たして14、15は冒険者デビューとして標準なのだろうか?」ってなる……
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