トロピカル〜ジュ!プリキュア PICARO   作:シロX

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早い事に定評のある作者です

ではスタート!


第13話 やっとくるるんの出番!贈り物はな〜んだ?

部活にとって必要なのはそれに合った活動体力。

トロピカる部は、浜辺で軽くランニングして体力強化に勤しんでいた

 

帝とローラは、部員でも無いし人魚の為走らず眺めていた

 

「さんごもみのりも運動不足じゃないか?」

 

「運動不足は否定しないけど、そもそもトロピカる部って」

 

「運動部だっけ…?」

 

「トロピカる部はトロピカる部だよ」

 

「水分補給もしっかりな」

 

帝から渡されるペットボトルで休憩中の所、あすかは岩場の方に生き物が打ち上げられてるのを発見した

 

「皆んな、ちょっと来てくれ」

 

その生き物はあまり見た事の無い不思議な生き物だった

 

「わ〜何コレ〜?」

 

「アザラシかな?可愛い!」

 

「ラッコ?」

 

「でも何でこんな所に?」

 

「貴方、『くるるん』じゃない!」

 

 

 

 

 

////////

 

場所は移動して水族館館の屋上の水槽

 

「えぇ!?女王様のペット!?」

 

「くるる〜ん!」

 

「さっすが人魚の女王様!ペットがアザラシだなんて!」

 

「ラッコじゃない?」

 

「アザラシでも無ければラッコでも無いわ。くるるんはこう見えて海の妖精なのよ」

 

「くるるん!」

 

まなつ達が保護したくるるんは海の妖精だった。

そのくるるんに、意外にも帝は興味を示していた

 

「海のラッコ妖精くるるんか!」

 

「だから違うって言ってるでしょうが!!」

 

「くるる〜ん」

 

くるるんがローラに何か訴えている様子

 

「ローラ、くるるんは何て言ってるの?」

 

「え?え〜と…」

 

ローラはくるるんをジッと見つめて言葉の意味を考えている

 

「わたしに会えて光栄だって!」

 

「くるる〜ん…」

 

「あれ?」

 

しかし首を横に振る。どうやら違ってたらしい

 

「分かった!『オイラはラッコに分類する海の妖精!』って言ってるに違いない!」

 

「くるるん…」

 

「いい加減ラッコから離れなさいよ!!」

 

「『オイラ』って、くるるんって男の子なの?」

 

「くるるん!くるるん!」

 

今度も何か必死になって訴えてる。

ローラも頷きもう一度読み取ろうとするが

 

「ローラちゃん可愛いって!」

 

「く〜る〜るん…」

 

「あれ?」

 

またも意思疎通が出来なかった

 

「やっぱり、ラッコに育てられた海の妖精だって」

 

「…ちょっと人間こっち来て」

 

手招きするローラに、帝は水槽に身を乗り出して近付くと

 

「あぶぶぶ!!?」

 

ローラは帝の頭を掴んで溺れさせた

 

ジタバタする帝だが、次第に力を無くしてしまった

 

「きゃあぁぁ!!帝君!!」

 

慌ててさんごが救出し、心臓辺りをポカポカ叩いて水を吐き出させた

 

「お腹が空いてるんじゃない?」

 

そう言ったのはみのりだった

 

「ねぇローラ、海の妖精って何食べるの?」

 

「くるるんの食事は貝殻クッキーよ。貝殻クッキーなら、わたしの冷蔵庫の中にいっぱいあるから用意するわ」

 

アクアポットに戻り、冷蔵庫の中からクッキーを取り出した

 

「くるる〜ん!」

 

「ほらくるるんお食べなさい」

 

貝殻クッキーを差し出したら、元気良く齧り付いた

 

「みのりん先輩、何でくるるんの言葉が分かったの?」

 

「言葉は分からない。でも、くるるんは遠い海の底から長い旅をして来たでしょう?」

 

「なるほど。でも、くるるんはどうして浜辺に打ち上げられていたんだろう?」

 

それにもおおよそだが、みのりは分かっていた

 

「この辺りの海流に巻き込まれてしまったんだと思う。ローラのお届け物の途中で」

 

「くるるん!」

 

それも大正解の様でくるるんは喜んだ

 

「それは何処にあるの?」

 

「くるるん?…くるるん!?」

 

慌てて右を見て左を見てと探す様に見渡す

 

「これ落としたかもな」

 

「くるるん…」

 

 

 

 

 

////////

 

くるるんの落とし物を探す為、もう一度打ち上げられた場所まで戻る事にした

 

「無いな」

 

「くるるんが居たのはこの辺だと思うけど…」

 

「ヤドカリだ!もしかして、コレがお届け物だったりして?」

 

まなつがふざけてると、ローラとくるるんがワカメを被りながら海中から出て来た

 

「まなつ、遊んでんじゃないわよ…」

 

「ひいぃぃぃ!!ごめんなさい!!」

 

「ローラ、そっちはどう?」

 

「海の中にも無かったわ」

 

「くるるんは女王様から何を預かったの?」

 

中身さえ分かれば、見つけようもあるのだが

 

「くるるん?」

 

どうやら、頼まれた本人ですら中身の詳細は知らない様だ

 

「女王様からのお届け物だろ?高価な物が入ってたり?」

 

「良い線いってるじゃないの人間」

 

「ローラには分かるのか?」

 

「女王様がくるるんに託した物。それは、ズバリ──パワーアップアイテムよ!!」

 

「「「「パワーアップアイテム!?」」」」

 

パワーアップアイテムに驚愕する4人

 

「ありがとう女王様!アイテムと共に貴方の期待に応えます!そして立派な女王にもなってみせます!」

 

「何か1人で盛り上がってるな」

 

「パワーアップアイテムなら俺も欲しいです!!」

 

「人間には既にそれらしい物があるでしょうが!」

 

「あだっ!?」

 

アクアポットからディスク2枚を取り出して、帝のおでこに投げ付ける

 

「何だコレ?」

 

「真っ黒だね」

 

あすかとまなつが手に取って見たが、何の変哲もない真っ黒のディスクだった

 

「文字が書かれてねぇ…」

 

「ねぇローラ、コレ本当に帝君のパワーアップアイテム?」

 

「はぁ?さぁ?女王様から一緒に受け取った物よ。多分そうじゃないの?」

 

「無責任な発言だな」

 

あすかが言う横では、帝達3人はオーシャンステッキに取り付けていた

 

「試しに回してみたら?」

 

「そうだな。ほっ!」

 

しかし何も起きなかった

 

「何も起きないね」

 

「う〜ん…取り敢えずローラに返すよ」

 

投げ返してローラはキャッチする

 

「そういえば、みのりは何処へ行ったの?」

 

「みのりん先輩なら、あっちを探してるよ」

 

みのりは、帝達とは違い草木が生えてる海辺より遠い場所を何故か探していた

 

「何で林の中なの?もういいわ、わたし達も探しましょう」

 

こうして、くるるんの落とし物を探し始める

 

しかしながら、全員がバラバラに探しても見つからなかった

 

 

 

「こんなに探しても見つからないなんて困ったわね」

 

「落とし物ってコレ?」

 

みのりが手に持って来たのは、小さいピンク色の風呂敷だった

 

「くるるんくるるん!」

 

「喜んでる!?て事は、それがくるるんの落とし物?何処にあったの?」

 

「木の枝に引っ掛けてあった」

 

「何でそんな所に?」

 

「くるるん?」

 

「恐らくはこういう事」

 

旅立ったくるるんは海流に呑まれて荷物を落とした。

くるるんとは別の場所に打ち上げられた荷物は、通りすがりの親切な人が安全な防風林の枝に掛けられた

 

「ていう感じに」

 

「貴女、それが始めから分かっていたの?どうして?」

 

「強いて言うなら想像力。本を読んでいれば自然と身に付く」

 

「そういうものなの?」

 

「本には、自分とは違う誰かの色々な考えや気持ちが書いてあるの。それで、他の人が何を求めてるのか想像出来る様になる」

 

「じゃあ、くるるんの時も?」

 

ローラは思い返してみる。くるるんがお腹を空かしていた時、何故みのりだけが理解したのかを

 

「同じ、想像してみたの」

 

「中々やるわね」

 

「じゃあ、これから起きる事も分かる?」

 

声のする上へと見上げると、メイド服を着て海老に似た人が居た

 

「貴方は?」

 

「探し物み〜つけた!その包み頂戴!」

 

「貴女は、あとまわしの魔女の使いね!」

 

「そう!『エルダ』ちゃんよ!そこにあるグランオーシャンの贈り物を貰いに来たの」

 

エルダの目的は、やる気パワーでは無くくるるんが持って来た包みだった

 

「はぁ?貴女何かにあげる訳ないでしょ?これは子供の玩具なんかじゃないのよ。シッシッ!」

 

「〜〜ッ!そんな事言われたら子供は余計に欲しくなるのよ!」

 

「でしたら実力行使と参りましょうではありませんか!!」

 

「「アリス!?」」

 

「イェーイ!ピース!」

 

いつの間にか、エルダの側にアリスまで居た。

そしてヤラネーダの素をエルダに手渡した

 

 

 

「遊ぼう!ヤラネーダ!」

 

 

 

「ヤラネーダ!」

 

エルダはアッキガイを媒体としてヤラネーダを生み出した

 

「さぁヤラネーダ、あの包みを奪っちゃって!」

 

「みのりん先輩!」

 

ヤラネーダの出現に察知して、帝達も合流出来た

 

「皆んな行くよ!」

 

「良しあすか先輩!」

 

「何?」

 

「ぎゅ〜!」

 

「うわっ!?」

 

帝は急にあすかに抱き付いた

 

「この…離れろ!」

 

強引に引き剥がされて尻餅を突いてしまう

 

「ありがとうございますあすか先輩!」

 

「何のつもり?」

 

「最近ステッキの出目が悪いから、あすか先輩成分を蓄えたら変わるかもって!」

 

「後でシメてやる」

 

 

 

「「「「プリキュア!トロピカルチェンジ!」」」」

 

「「「「レッツメイク!」」」」

 

 

「ときめく常夏!キュアサマー!」

 

「きらめく宝石!キュアコーラル!」

 

「ひらめく果実!キュアパパイア!」

 

「はためく翼!キュアフラミンゴ!」

 

 

「今日も元気だ!」

 

「「「「トロピカル〜ジュ!プリキュア !」」」」

 

 

「ルーレットスタート!」

 

『TECHNIC!』

 

 

 

「待って待って待って!」

 

「ランダムなんだから仕方ないだろ?」

 

「来るよ!」

 

アッキガイの特徴を活かして、槍上に飛んで来る

 

「だったら正面から受け止めてやる!」

 

分身した帝2人が、堂々と正面から受け止めようとするも

 

『『うわぁぁ!!』』

 

パワー負けして弾かれた。更には分身が消えてしまう始末

 

「やっば!」

 

すぐさま帝達はジャンプして避ける

 

「ヤラ!」

 

だが着地と同時に突撃して来る

 

「あっ!」

 

5人は何とか避け切った

 

しかし、ヤラネーダは即座に次の攻撃モーションへと移る。

体を回転させて、棘のミサイルを辺り構わず乱射する

 

「ヤラネーダ!」

 

動けずにいる隙を狙いまたも突進する

 

「「くっ!」」

 

「「「わっ!」」」

 

サマーとフラミンゴ、帝とコーラルとパパイアの二手に分かれて左右に避ける

 

「ヤラネーダ!」

 

そして流れる様にしてまたも棘のミサイルの乱射が始まった

 

『ぺけ!』

 

直前でコーラルがシールドで防御する

 

「駄目!数が多くて防ぎ切れない!」

 

「帝どうにかして〜!!」

 

「分かってる!」

 

サマーに肩を揺さぶれながらルーレットを回す

 

『DEFENCE!』

 

「出た!今回の当たり!」

 

コーラルの隣に立ち、帝も一緒に青い盾を無数に展開させる

 

「ありがとう帝君!」

 

「それよりも、今の内に何か打開策を!」

 

「皆んな!わたしに考えがあるわ!」

 

「聞かせて!」

 

パパイアは近くにあったロープを掴んで作戦を伝える

 

「このロープを使ってヤラネーダを引っ掛けて転けさせる!」

 

「でも、あの攻撃を掻い潜るにはどうすれば良いんだ?」

 

「帝が全部防いでくれる」

 

「はぁ!?何それ!?」

 

「帝なら出来ると信じてる」

 

ただ無責任に言ってるのではない。信頼が出来るからこその言葉。

帝も仕方なくそれを了承した

 

「…あいよ」

 

サマー達の目の前に大きな盾が出現した

 

「皆んなの動きに合わせて盾も動く様にしといた。これなら思う存分動けるぞ」

 

「ありがとう帝」

 

「お礼はパンツで」

 

そうしてロープを帝以外全員持ち、横並びに立って位置に着く

 

「よ〜い…ドンッ!」

 

帝の合図と共にサマー達は一斉に駆け出した

 

「「「「やぁぁぁ!!」」」」

 

棘のミサイルを盾が全て防ぎ切り、足元まで潜り込めた

 

そして、サマーとコーラル、パパイアとフラミンゴの二手に分かれて左右からロープを回して引っ掛ける

 

「「「「やぁぁぁぁああ!!」」」」

 

一回転したロープはヤラネーダに絡まり、強引に引っ張り上げる事によって回転の勢いを殺して大きく吹っ飛んだ

 

ヤラネーダは、ローラとエルダの居る場所に落ちた

 

「ローラ大丈夫?」

 

「当たり前よ!これから大逆転する所だったのよ!」

 

「ふぅ〜ん。それでローラ、その手に持ってるのは何?」

 

ローラの手には包みではなく、大きなシャコガイを手にしていた。

それについて帝達は疑問に思った

 

「これは、その…」

 

「お菓子みたいだけど?」

 

「残念で〜した。それはパワーアップアイテムじゃなくて只のお菓子」

 

「可愛いですね。あんな小さな包みに大量のお菓子。正にビックリ仰天の助です」

 

「ビックリ仰天の助って何?それより、分かったらそれを早くエルダちゃんに明け渡しなさいよ!」

 

エルダとアリスは手を出して渡せと言う

 

「只のお菓子じゃない」

 

「え?」

 

そんな時、パパイアが前に出る

 

「これはきっと人魚の女王様が、ローラの為を想って用意した贈り物。パワーアップアイテムじゃないかも知れないけど、とても大事な物よ!」

 

「へぇ〜、だったら何なのよ?」

 

「だから、このお菓子は貴女に渡さない!」

 

 

 

「ハートルージュロッド!」

 

「プリキュア !ぱんぱかパパイアショット!」

 

 

「ビクトリー!」

 

 

 

「もう弱っちぃヤラネーダね!エルダちゃん帰る!プンプン!」

 

「プンプンで御座います!」

 

 

 

 

 

////////

 

「美味しそうなお菓子だね〜!」

 

「みんなグランオーシャン自慢の名菓なのよ」

 

「それにしても何でお菓子?」

 

「それわたしも思った」

 

「ローラを労う為だと思う。慣れ親しんだグランオーシャンのお菓子を、ローラに食べさせたかったんじゃないのかな?」

 

そうみのりは推測した

 

「……まぁ折角送ってくれたんだし、有り難く──」

 

「「「「「「いっただきま〜す!」」」」」」

 

一々考えるのもやめたのか、取り敢えず貰ったお菓子を皆んなで食べる事にした

 

食べてる途中、くるるんがアクアポットの天井ボタンを軽く押した

 

そうすると、画面からローラの顔が写ったシャボン玉が浮かんで来た

 

「シャボンピクチャーだわ。アクアポットにこんな使い方があったのね」

 

「写真みたい!」

 

「くるるん!」

 

もう一度押すと、今度はまなつの写ったシャボン玉が出て来た

 

「いいねトロピカってる!くるるん、わたしにも貸して?」

 

「くるるん!」

 

「撮るよ〜」

 

まなつは全員分の写真撮り、最後は集合写真を撮った

 

いつの間にか、周りはシャボン玉だらけになっていた

 

少しすると、シャボン玉はアクアポットの中へと吸い込まれて行った

 

「こうして保存が出来るのね」

 

 

 

 

 

そうして、くるるんとの別れの時

 

「さよならくるるん。女王様にお菓子美味しかったと伝えて」

 

「くるるん?」

 

「それとプリキュア4人とステッキの所有者が見つかったって。勿論、わたしがしっかりと纏めてる事も忘れずにね」

 

「くるるんくるるん!」

 

くるるんは、手をパタパタして何か伝えようとする

 

「アクアポットがどうかしたの?」

 

ローラは、アクアポットをくるるんに向けると中へ入って行った

 

「は?」

 

「くるる〜ん!」

 

「貴方、もしかしてこのまま此処に居る気!?」

 

「くるるん!」

 

返事もしている。どうやらアクアポットに住み着いて、皆んなと共に行動するみたいだ

 

「ローラもくるるんの気持ちが分かる様になったみたいね」

 

「えぇ!?」

 

「「宜しくくるるん!」」

 

「はぁ!?」

 

「良いんじゃない?」

 

「全く……ん?」

 

ローラは、アクアポットのシャボンピクチャーで撮った皆んなとの写真がひとつだけある事に気付いた

 

「ふぅ〜」

 

それを優しく、海の中へと吹き掛けた

 

(女王様、わたし元気にやってるから!)

 

「そんな訳で良い感じになって来てる今!ローラのお胸を最近触ってないから〜」

 

そろりと触ろうとする帝の腕を素早く掴み、雑巾絞りで締め上げる

 

「痛でででで!!?!」

 

(多分、元気にやってると思う…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのシャボン玉は、遠い海の底のグランオーシャンに行き着き、女王様の所まで届いていた




次回は主人公について語る

ここまでの拝読ありがとうございますた〜
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