ではスタート!
とある一室で、ヤラネーダの素を幾つも机の上で転がしてる嬴政が居た
「失礼します嬴政様……何をしておられるのですか?」
そんな嬴政の部屋にバトラーが入って来た
「新しく貰ったゼンゼンヤラネーダの素だったな。アレを試すのも悪くは無いが、どうせなら今あるヤラネーダの素を全て使おうと思う」
「皆さんの話を聞く限りでは、今のヤラネーダでは太刀打ち出来ないと。それでも宜しいのですか?」
「…駒は使い様だ」
嬴政は、チェス盤と駒を並べ始める
「例え最弱な駒だろうと、状況に応じて使いこなせば」
カーンっと音を立てて、キングの駒の前にポーンを打つ
「牙は届く」
「確かにそうですが…」
「しかし俺は違う」
嬴政はキングを持ち、先程打ったポーンの上から叩き壊した
「相手が最弱であろうと牙を向ける前に潰す」
「分かりました。ではアリスさんにも声を掛けます」
「バトラー」
バトラーが部屋を出ようとするのを呼び止めた
「俺にはやらなければならない事がある。それを果たすまでは、使える手段は全て使い選ばない」
「は、はぁ…」
「それはお前達あとまわしの魔女もだ」
そして嬴政は手を挙げて拳を作る
「
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「みのりん先輩!一緒に街のホテルで朝まで過ごしま──」
突然放課後の教室に入って来た帝。
何か言い終わる前に危険を感じたのか、みのりは教科書を投げて帝の顔面にクリーンヒットさせた
帝は頬を摩りながら、みのりと一緒に下駄箱へと向かっていた
「酷いな〜。いつものちょっとした、愛あるコミニケーションじゃないか?」
「貴方のコミニケーションは、一般のそれを超えてる。されて当然の事」
みのりと2人っきりで話す時はいつもこの通り。
大した話題も出さずに黙々としてるだけ
「そういえばまなつ達は?」
「皆んな用事があるとかで帰った。部活も今日は休み」
「そう」
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「早く帰らないと〜!」
さんごは慌てて家へと帰宅してる途中だった
今日はみゆきの手伝いをすると言っていたらしく、時間に遅れる訳にはいかない
そんな急ぐさんごの前に、フードで顔を隠した1人の人物が道を塞いだ
「あ、あの〜…」
「挨拶は抜きにしよう──従え、ヤラネーダ」
その人物はヤラネーダの元を適当に投げ付けて、怪物を生み出した
「ヤラネーダ!」
電灯を媒体にしたヤラネーダがさんごの目の前にら現れた
「ッ!」
「きらめく宝石!キュアコーラル!」
『ぺけ!』
変身早々にシールドを張って防御。
嬴政は、予想通りといった感じで見ていた
「ハァ!」
シールドで攻撃を受け流した後、飛び込んで攻撃体勢に入ろうとしたが
「眩しい…!」
ヤラネーダが照らした明かりでコーラルの視界を封じた
「ヤラネーダ!」
「きゃあ!!」
空中で動きを止めたコーラルは格好の的。簡単に攻撃を食らい、地面にニ度三度打ち付けられる
「お前の事は良く知っている。仲間の支援を得意とするが、それ以外は丸っ切りだ。様はプリキュア の中でも一番弱く、倒しやすいという事」
「う、うぅ…!」
「ヤラネーダ!」
『ぺけ!』
腕を振り抜くヤラネーダをシールドで防御するも、圧倒的に力で負けている
シールドはヒビが入り、踏ん張る足は地面に減り込んで行く
(皆んなが来るまで頑張らないと!)
「一つ言っておこう。他のプリキュア には期待しない方が良い」
「そ、それはどういう意味なの?」
「お前と同じ状況になっているからだ」
同時刻
別の場所ではフラミンゴがアンテナを媒体としたヤラネーダの相手をしていた
「クソ!しつこいな!!」
そう文句を言いながらヤラネーダの顎を蹴り上げる
「流石と言ったところだ。キュアフラミンゴ」
「お前は!」
ヤラネーダのすぐ近く、嬴政がそう感心していた
「プリキュア の中で特に力の強いお前さえ封じれば、残りを潰すのに造作も無い」
「コイツ…」
(狙いはやる気パワーじゃなくてわたし達か!?)
同時刻
更に別の場所では、サマーとローラがピンチに陥っていた
「あわわわ!!?」
「ヤラネーダ!」
「ちょっとこっちに来ないでよ!!」
自転車を媒体にしたヤラネーダが、サマーを追い回してる最中だった
「このヤラネーダ速すぎる〜!!」
「意地を見せないよ!!」
「もう、この!」
サマーは急ブレーキから振り返り、回し蹴りで反撃した
「ヤラネーダ!」
だが、動きを読んでいたのか容易にそれを防いだ
「ヤラネーダ!」
反撃として腕を付いてる車輪をブーメランの様に投げ飛ばして来る
「クッ!…うう…わぁ!?」
一つは受け止めれたが、追撃に来る二つ目に吹き飛ばされてしまった
「警戒はしていたがその程度か?」
「貴方もあとまわしの奴らなの?」
「グランオーシャンのローラか」
「何でわたしの名前を…」
「俺はお前達の事を知っているだけだ。ずっと見ていたからな」
この場所にも嬴政が何故か居た
「ローラどうしよう!このヤラネーダ強いよ!」
「そんな事言われても!もう皆んなはまだ?」
「仲間を待っても時間の無駄だ」
「無駄って……そういう事ね。さっきから辺りで騒ぎが起きてるのって貴方のせいね!!」
嬴政は正解と言わんばかりに笑う
「ローラ、皆んなを集めて!ヤラネーダの数も増えると思うけど、皆んなで力を合わせたらいける気がする!」
「分かったわ。それまで踏ん張りなさいよ!」
ローラは一度アクアポットに入り、くるるんと共に他の所へと向かって行った
「お前1人で何処まで耐えられるか?」
「耐えてみせるよ!いつまででも!」
////////
「みのりん先輩、このまま2人で愛の逃避行でもしませんか?」
「遠慮しておく」
「うん、予想通りの返し」
そろそろ別れ道でお互いに、それぞれの帰路に行こうとした時、此処にも嬴政が目の前に現れた
「見つけた」
「あの、どちら様?」
「そうだな。コレを見れば見当はつくと思う」
嬴政が手に持っていたのは一個のヤラネーダの素だった
2人はそれを察して、ステッキとパクトを構えた
「プリキュア!トロピカルチェンジ!」
「レッツメイク!」
「ひらめく果実!キュアパパイア!」
「エモーショナルスタート!」
『AUTO!』
変身と同じく、嬴政もスコップを媒体としたヤラネーダを生み出した
「ヤラネーダ!」
両手のスコップで切り裂く様に攻撃して来たが、左右に分かれて避けた
「今回のヤラネーダも大した事は無いな」
「目の前でヤラネーダを出したって事なら、ローラが居なくても大丈夫だね」
「パパイア〜!人間〜!」
そんな時、遠くからフヨフヨと飛んで来るアクアポットを発見した
「あ、ローラ!?」
「何でローラが?まなつと一緒じゃなかったの?」
「あー!何でアンタが此処に居るのよ!?」
「「??」」
さっきから会話が噛み合わない。ローラは嬴政がこの場に居る事に驚きを隠せないでいる
「サマーは一体何やってるのよ」
「キュアサマーならもう終わらした」
「な!?冗談もいい加減にしなさい!わたしがこの場所に来るのに時間は掛かってないわ!サマーがそんなあっさりと負ける筈ないわ!!」
ローラと嬴政は何か言い争ってるが、帝とパパイアは全く分からない
「なら、このヤラネーダには見覚えがある筈だ」
建物の影から、もう一体のヤラネーダが現れた
「あのヤラネーダ!」
「驚くのはまだ早い」
更にもう2体。コーラルとフラミンゴが相手をしていたヤラネーダまで合流した
合計で4体が帝達を取り囲んだ
「残ったプリキュア はお前だけの様だなパパイア」
「皆んなやられたのか…」
「帝…」
パパイアは急に帝の手を繋いだ
「おっと?良くある綱渡り効果で惚れたか?」
「違う。帝が不安そうにしてたから手を繋いだだけ」
「俺としては上目遣いで『帝助けて〜』、な〜んて言われたら日にはもう…」
ジト目で帝の後頭部をしばく
「あ〜いった!」
「ふざけるからよ」
「「「「ヤラネーダ!」」」」
ヤラネーダ4体の集中攻撃が容赦無く襲い掛かった
「あっぶな〜!」
「帝が話し掛けて来たせいよ」
「ちょっと!戦えないわたしが一番危なかったわよ!!」
けれど、帝のAUTOのお陰で自動で避けて3人は無傷で済んだ
「来るわよ!」
「悪いけどローラはどっか隠れてて!」
帝はローラを林の中へと放り投げた
「全く、何でこうも相性の悪い能力を引き当てるんだ?」
「ヤラネーダ!」
アンテナ型のヤラネーダが電撃を放って来たが全て避け切り、逆に動きを読んで懐まで侵入出来た
「これで…っ!」
攻撃を加えようと拳を作ったが、足元の地面が盛り上がった事に瞬時に察知した
「ヤラネーダ!!」
「チッ…!」
スコップ型のヤラネーダが地面から仕掛けて来た。いくら自動のAUTOでも、死角からの攻撃に反応するのに遅れが生じる
帝の頬に傷が入る
「面白い。エモーショナルディスクだと分が悪いか…ならこいつだ」
エモーショナルディスクとオーシャンディスクを入れ替えて、再度ルーレットを回す
『TECHNIC!』
「当たり?」
「当たり」
帝は分身する。これで数だけなら対等
『俺がアンテナを』
『なら俺が自転車の奴を』
分身達は独断で動き始めた。こちらの事などお構い無く
「「ヤラネーダ!」」
電灯の光で照らして目を潰し、鋭いスコップで切り裂こうとする連携
「「ハァ!!」」
「そうよやっちゃいなさい!右から来て…左から来てるわよ!もう!!」
「くるる〜ん!」
茂みに隠れてローラは騒いでいた
「随分と必死になって応援するのですね」
「当たり前よ!」
「くるる〜ん!」
「……」
「……えっ!?アリス!?」
いつの間にか、自分の隣で座って戦いの様子を見てるアリスに驚いて一歩引く
「いつから居たのよ!?」
「最初からです。一言も喋って無いので殆ど空気と同化しておりました。残念無念のオンパレードです」
「た、戦えないわたしを襲う気なの!?」
「く、くるるん〜!?」
ローラはくるるんを盾にして身を守ろうとする。
くるるんは勿論嫌がっている
「妖精を盾にするなんて結構外道ですね。襲うも何も基本、私は戦わないので何もしません。しなくてもこの勝負の結果は見えてます」
「そうよね!人間達が負ける筈がないもの!」
「いえ、このままですと帝様達は負けます」
「はぁ!?何でよ!?」
「貴女、本当に何も気付いてないのですね。オーシャンステッキの弱点について」
オーシャンステッキの弱点。今までの戦闘内容でそれらしいものは見つかってない
ローラ自身それは知っている。だからこそハッタリにしか聞こえない
「分かっていない様なのでお教えしますね。一つ、これは誰でも分かる事、能力のランダム性です。能力が多様な分それがデメリットですね。今回の様に相性によっては格下相手に遅れを取る事もしばしば」
アリスの言う様にランダムというのが一番響いてる
「二つ、ひとつの能力しか発動出来ない」
「そ、そんなの当たり前じゃない。針はひとつしか無いのだから」
「三つ、連携では不向き」
「連携ならちゃんと出来てるじゃない!」
「固執した力に連携ですか?皆様が合わしているの間違いでは?それは連携とは言えません」
アリスの言う様に、帝の能力は個人のみの恩恵。誰かに分け与えるといった能力は無い。
ましてやあのプリキュア とはかけ離れた力
帝が強くても他がそのレベルについて行けれてない
「お解り頂けましたか?まだまだこの程度という事です……そろそろ決着がつきそうですね」
『『うぐぁ!?』』
目を向ければ、分身した帝2人がヤラネーダの攻撃で消えてしまった
そして帝とパパイアは追い込まれてしまう
『ATTACK!』
「クソ!」
ここで一番最悪な出目に当たってしまった。流れを変えようとした結果がこれだ
「ゲームオーバーですね」
「ここで負ける訳にはいかない。王に負ける事など許されない」
「そうですか…」
ジリジリと寄り詰めて来るヤラネーダ
アリスは懐から時計の針の様な物を取り出して、帝の足元へ投げ捨てる
「ソレを使って下さい」
「帝、罠かも知れない」
「例え罠だとしても俺は使う。使える物は何だろうと全て使う」
『エモーショナルディスク』
もう一つ、アリスが投げ捨てた物を中央にセットする
『キングハンド』
「エモーショナルスタート」
いつもの様に盤を回すと、キングハンドと呼ばれる針も逆回転で同時に動き始めた
『GENIUS!』
先ずはひとつ
まだキングハンドの針は止まらない
『AUTO!』
「ッ!」
AUTOが出た瞬間、4体のヤラネーダが吹き飛んだ
「そういう事か。パパイア、俺が奴らを惹きつける。止めは任せた」
帝は駆け出した
「「ヤラネーダ!」」
スコップ型と電灯型のヤラネーダが連携し始めるも、それを嘲笑うか如くわざと攻撃を受けた
「そんなものか?ハァッ!」
受けた筈が全く通ってなかった。2体のヤラネーダを掴み、纏めて地面に叩き付けた
「次」
『GENIUS!』
『NATURAE!』
「これで、どうだ!」
拳を強く握ると激しい落雷が自転車型のヤラネーダへ落ちてゆく
だが雷の軌道はアンテナ型のヤラネーダへと引き寄せられて
「ヤラネーダ!」
吸収し帯電した
アンテナ型のヤラネーダのパラボラが避雷針となり、帝の攻撃を無力化したのだ
「それなら!」
帝は小さな種をアンテナ型のヤラネーダに投げ付ける。そして目の前で大きく成長して、木となりヤラネーダに絡み付いて締め付ける
「ヤラ──」
「次!」
地面を大きく踏み付けると、自転車型のヤラネーダの足元の地面が盛り上がり空へと打ち上げた
GENIUSで空中に放り出されたヤラネーダに駆け、腕を掴んで拘束されて動けないアンテナ型のヤラネーダに叩き潰した
『FANTOME!』
『NATURAE!』
分身して、自然の力を使いヤラネーダを一箇所に集める
「やったわ!流石人間!」
「パパイア今だ!」
「ハートルージュロッド!」
「プリキュア !ぱんぱかパパイアショット!」
「ビクトリー!」
ヤラネーダ4体同時に浄化した
「そうだそれで良い。その調子で…」
「お前の目的は何だ?俺にこんな物を寄越したり」
「目的がある、計画がある、やり遂げなければならない。
「行きましょう嬴政様」
嬴政はアリスの肩を掴み共に消えた
「アイツって誰よ?」
「分からないわ」
「それよりも早くまなつ達の様子を」
「こっちよ付いて来なさい」
その後傷付いたまなつ達を介抱した帝達だった
次回もオリスト。2話分くらい予定してますが、忙しかったら後回しです
因みにめっちゃ早い今回の強化。実は没案だったりする。本来使う予定の案は事情により廃止。
本当は使いたくなかった。主人公強くなるもん!
ここまでの拝読ありがとうございました