ではスタート!
「この前のサンドアート結構絶賛だったな」
「うん、学校新聞でも取り上げられていたからね!」
「この勢いで次の部活も頑張るぞ〜!」
先日のサンドアート大会が予想以上に反響があったらしく、学校新聞でも取り上げられて一気にトロピカる部の存在が公になってきた
「そんな訳で考えて来ました次の部活!」
まなつが取り出したのはスケートボードだった
「掃除してたら見つけたの!スケボー部良くない?」
「あおぞら市でスケボーが出来る場所なんてあったか?……っとあすか先輩か?」
トロピカる部の扉でノック音が聴こえた
しかし、入って来た人物はあすかでは無く、別の人物だった
「風紀委員長の『角田正美』です。部室を調べさせてもらいます」
「「はへ?」」
帝とまなつは突然の事で素っ頓狂な声を出す。
「ふぅ…危なかった」
ローラもあすかと違うと分かって、ギリギリでアクアポットに入る事になった
「校則その十八『校内による風紀委員の持ち物の検査は許可される』」
更に風紀委員の人達がゾロゾロと入室して来た。
どうやらトロピカる部に拒否権は無いようだ
「待って下さい。検査の理由を教えて下さい」
「そうだそうだ!職権濫用だ!」
「帝君、それちょっと違うかも」
急な事で動揺する後輩思って、先輩であるみのりが待ったを掛ける
「真相を突き止める為です。学校を騒がせてる人魚についてです!」
「に、人魚…!?」
その場に居る全員がビクつく
学校を騒がせてる人魚、というより人魚はローラしかいない。
そのローラを調べる為の調査だったのだ
帝達は見つからないか、ハラハラしながら風紀委員の持ち物検査を了承したのだった
////////
「ごめん遅くなった…これ一体どうしたんだ!?」
あすかがやっと部室に来たと思ったら、荒れた部室を見て驚いた
「風紀委員が人魚騒ぎについて調べに来て、部屋中検査しに来た…」
「当然見つかるなんてヘマはしなかったわ」
「でも、突然だったから驚いたよね」
「せめてアポを取って来てから来いよ。やっぱり職権濫用だ!」
「校則的には問題無いわ。校則その十八『校内による風紀委員の持ち物検査は許可されてる』。だから職権濫用じゃないよ」
事情を聞いたあすかは我慢の限界か、風紀委員会に乗り込むと言い出した。
帝達もちゃんと話を聞く為に付いて行く事にした
「いきなり何だ?どういうつもりだ?まさか、ウチの部室に人魚が居るとでも言うのか?」
「居るんだけど…」
まなつのポケットから、居ない事にされて不服なローラが小さな声で呟いた
「当然…居る訳無いでしょう」
それは全く別の答えが返って来た
「人魚が本当に居る筈なんて有り得ません」
「居るんだけど!」
「まぁまぁ。じゃあ何で検査なんて?」
帝はローラを宥めながら、全く信じて無いのに調べようとする理由を訊く
「近頃、人魚の目撃情報が数多く寄せられています。タチの悪いイタズラに過ぎません。我々風紀委員はそれを止めるべく調査をしたまで」
正美は、壁に掛けてあるカーテンを広げながら納得のいく話を続ける
「勿論、トロピカる部だけでは無くて全ての部活をね」
開かれたカーテンには棚があり、ぎっしりと物が入った収納場が保管されてあった
「うわ、何だこれ?」
「これらは、生徒が学校に持ち込んだ校則違反の品々です」
ゲームに漫画、パーティーグッズに衣装が などが並んであった
「校則その十九『校則違反の恐れがある物を風紀委員が見つけた場合、預かり、違反であるか学校側に確認して貰う』」
「皆さんにより良い学校生活を送って貰う為に、わたしは心を鬼にしてこの学校の風紀を取り締まっているのです」
「はいはい!質問です!」
「何でしょう?」
「コレは違反でしょか!?」
そう言って帝はさんごのスカート掴んで言う。正確にはスカートに付いてるフリルの事だ
「きゃっ!帝君!?」
「コレはもう違反ですよね?なら今すぐに脱がせないといけない。さぁさんご、今すぐスカートを脱いで、露になった下半身をとくと俺の目に焼き付けさせて貰おう──」
脱がそうとする帝に、あすかはゲンコツを食らわせて大人しくさせた
さんごも顔を赤くしてスカートを整える
「…まぁ、ギリギリ許容範囲って事にします」
「チッ、そこは許すなよ」
「帝、全部聞こえてるぞ」
またもあすかに叩かれて、風紀委員会室を後にした
////////
そして次の日も、何故かトロピカる部の人達だけ持ち物検査をされた
昨日に続き今日も検査。あすかの怒りは更に沸騰する
そして調査がしてるが為か、学校中人魚の噂で持ち切りだった
最終的に、正美も人魚を見たという目撃情報が学校新聞に載ってしまう
「ローラ、何処かで見つかったのか?」
「ま、まぁ寸前で逃げ切れたわよ!」
(((ダメだこりゃあ…)))
「あの、無闇に外に出ない方が!」
部室の扉にノック音がした
「風紀委員です」
外から聞こえるのは正美の声だ
大慌てでローラを隠そうと必死になってると
「うぎゃあぁぁぁ!?」
焦るまなつが、スケートボードに足を置いてひっくり返る。その時、アクアポットもその拍子で落としてしまった
「は、早くアクアポットに──」
「駄目だローラ時間が無い!ボードの裏側に引っ付いて隠れてろ!」
悠長に拾って隠れてる暇は無い。
帝はローラを蹴飛ばして、ボードの裏側に隠れる様に促した
ローラが隠れ終えると同時に入室した
「あ、やば!」
帝がアクアポットを急いで回収しようとしたが、先に正美に取られてしまう
「あ、あの〜返してくれは…」
「没収です」
「あ〜!!堪忍してや〜!!」
まなつが這いずって泣き叫ぶも、正美は気にせずアクアポットを持ち去ったのだ
「アクアポットを持って行かれた!?」
「風紀委員が校則違反だって」
「あ、これでローラの家が無くなった。てことは、俺の家で過ごすのか。激しく、忘れられない夜にしてやるよ」
「ねぇまなつ、この汚物捨ててもいいよね?」
「…風紀委員の所に行って来る!」
もう我慢の限界。ダッシュで風紀委員の所へ行こうと部室と出た時、街の方でヤラネーダが現れたのを目撃した
「またアイツら…!」
「行って!わたしなら大丈夫。このわたしが見つかるヘマなんてする訳無いでしょう」
「でも今はアクアポットが無いんだよ!」
「だからこそ、皆んなのやる気が奪われる前にアイツらをやっつけて」
「…うん!」
ローラを信じて、まなつ達はヤラネーダが現れた場所へと向かう
「人間、貴方はわたしと来るのよ」
「え、何で?」
「貴方がわたしを担がないと」
「人間以下の扱いになってるのはどうなんだ?」
「つべこべ言わず取り返しに行くわよ!くるるんも来なさい」
ローラとくるるんをおぶさりながら、風紀委員室に向かう
「ローラ、また少し胸が大きくなった?」
「くだらない事言ってないで早く!」
そしてようやく、目的地である風紀委員室に潜入する事が出来た
「これ…じゃないわ」
「一体何処に置いたんだ?」
探しても探しても見つからない。早くしないと、ヤラネーダを相手にしてるまなつ達もそう長くは保たない
「う〜……に、人間!?」
偶々手にした物のが、入り口の扉を反射で写していた。
その時、扉が微かに動いた事をローラは見逃さなかった
「ど、どうしよう!」
「そんな事言われても!」
2人してオロオロとしてると
「「あ」」
棚に掛けてある学校の制服を目にした。その制服は、ロングスカートで校則違反の為没収されてた物。
拝借して、これで誤魔化すしか無いと踏んだ
バタバタとしながらも帝はローラに着させて、着替えが終わると同時に誰かが入って来た
「…誰?」
「ど、どうも〜」
入って来たのはまたも正美
長袖の制服を着てるので腕のヒレは隠せれて、問題である下半身は校則違反のロングスカートで隠せれてる。
後は尾鰭に靴を上手く履かせて、根性で尾鰭で仁王立ちした
「人魚じゃない…」
「人魚?人魚なんて──いる訳ないでしょう」
自分が人魚であるが、心苦しが今はこの状況を何とかする為嘘をついた
「そ、そうよね。ところでどなた?何故此処に?」
「え、え〜っと…」
咄嗟には言い訳は出てこない。
しかし、帝はローラを着替えさせる時点でどう対処するかの解答を考えていた
「先日風紀委員室に来た時、落とし物をしたので一緒に探してくれてるんですよ」
「そうなの」
その時、校内放送で最終下校時間のお知らせがあった
「時間よ。早く帰りましょう」
「え、えぇ」
早くこの場所から立ち去りたいのは山々だが、まだ肝心なアクアポットを見つけれてないのだ
「…あ、あった!」
悪あがきの様に探してると棚の上に置いてある事に気付いた
「よし、くるるん!」
没収品に潜んでいたくるるんは、何とか気付かれずにアクアポットに戻る事が出来た
おぼつかない足取りで風紀委員室からやっと出れた
「じゃあわたしはこれで!」
「早く帰ろうぜマイハニー」
「誰がマイハニーよ」
「…待って」
適当な会話をしながら正美から逃げようとしたが、何故か呼び止められてしまった
「そのスカートの丈、校則違反です」
無理もない。何せ校則違反の没収品から拝借した物だ。
言われない筈もない
2人は冷や汗をかきながら目を合わせると
「逃げろ!」
帝はローラをお姫様抱っこして逃走を図った
「ま、待ちなさい!」
当然の如く正美は追い掛ける。しかし風紀委員という立ち場が仇となった彼女は、廊下を走らないという校則を守り、早歩きで追い掛ける
「あの人間まだ追い掛けて来るわよ!もっと早く走りなさい!」
「だってローラ重い!」
「失礼ね!!」
「ああもう仕方ない!」
帝はオーシャンステッキを取り出して能力を発動させる
『NATURAE!』
「あ、違う!」
『NATURAE!』
「またか!?」
「ちょっと何やってんのよ!」
ステッキを操作しながら走ってる為か、適当に移動した結果窓も何も無い場所へと追い込まれてしまう
『GENIUS!』
『GENIUS!』
『NATURAE!』
「いや確率!」
「まどろっこしいわね!キングハンドでも使えば済む話じゃない!!」
「あ」
『キングハンド』
言われて気付いたのか、今度はキングハンドを使ってルーレットを回す
『NATURAE!』
『GENIUS!』
「…チッ」
ローラの静かな怒りが溢れた
正美の足が見えた時
『FANTOME!』
『NATURAE!』
「よし来た!!」
帝は壁に手を当ててそのままローラと一緒にすり抜けた
「さ、流石に危なかった…」
「に、人間の運無さ過ぎ…」
////////
一方でサマー達は苦戦を強いられていた。アクアポットが無い以上、迂闊に浄化は出来ない。
ローラが言うに、もしやる気を奪い返さず浄化した場合は元に戻らないとの事
それまで防御一辺倒で戦闘するも時間の問題
「どうすれば…」
「待ちなさい!」
「ローラ!?」
「「ローラが立ってる!?」」
何とかローラが間に合った
「はぁ…はぁ…いくらGENIUSですっ飛ばして来たけど、やっぱキツイ!」
制服姿で仁王立ちするローラの側では、帝が息を切らしていた
「さぁ行くわよ!」
「マーメイドアクアポット!サーチ!」
「青!」
「やる気パワーカムバック!」
「ハートカルテットリング!」
「とびだせ!元気なハート!」
「やさしいハート!」
「かしこいハート!」
「燃え立つハート!」
「ハートドキドキ」
「「「ドッキング!」」」
「「「「プリキュア !ミックストロピカル!」」」」
「「「「ビクトリー!」」」」
「俺の出番少なくないか?」
ローラに振り回されたせいか、大した活躍も無く浄化が済んだ
「でもお疲れ様帝君」
「労ってくれるのはコーラルだけだよ」
「よしよし」
「甘えてんじゃないわよ」
そんなローラの辛口を無視してコーラルに癒される帝だった
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次の日
「ゲッ!風紀委員…」
トロピカる部の面々で登校している時、しつこくも正美率いる風紀委員達が待ち構えていた
「昨日人魚を目撃しました。そして校則違反の制服を着た女子生徒が突然消えました。貴方達が関係しているのでは?」
「突然?」
「帝君何したの?」
「あ〜、オーシャンステッキで逃げたんだよ…」
「それじゃあ余計に怪しまれるよ…」
みのり、さんご、帝が昨日の事についてヒソヒソと説明していた
「その人魚とか、女子生徒だとか、わたし達が関係してるって証拠はあるの?」
しかしここは、変に誤魔化すよりも逆にあすかは強気に出る
「ありません…しかし、昨日預かった水色の瓶が無くなっていました。貴方達の仕業ですね?」
「ああ、確かに返して貰った」
多少なりと誤魔化すのかと思いきや、あすかは堂々と取り返したと発言した
「堂々と言ってくれましたね。校則十九により風紀委員が没収します」
「冗談じゃない。アレはわたし達の大切な物なんだ」
「ですから校則違反だと言っているでしょう!」
「校則は問題無い筈。校則三十三『部活動で使用する物は、顧問の許可を得て校内に持ち込んでも良い』」
「残念だったな。あの後先生に頼んで許可を取ってくれたんだ。いや〜、みのりん先輩がこの事に気付いて助かった」
取り返したとしても、また没収されるのがオチ。しかしそうさせない為、みのりが生徒手帳を何度も読み直して見つけてくれた穴
記述通りアクアポットが問題無く学校へと持ち込める事に
「だ、だけど!」
「委員長、このところ委員会を頑張り過ぎてたから疲れていたかも知れませんね」
「「うんうん」」
「行きましょう。風紀委員が遅刻なんて許されませんし」
他の風紀委員の人達に疲れてるのだのと言われて、そのまま渋々校内へと戻って行った
「これで一件落着!わたしにはあの制服もあるから、いつでも外を歩き回れるわ!」
「あの制服なら返したぞ」
「は?」
例の制服で自由に外へ出れるかと思いきや、帝が既に返したと言う
「いや流石に持って行ったら不味いだろ」
「で、でも!人間だってわたしの制服姿を見たいんじゃ…」
「アクアポットの中とはいえ、学校に来るなら問題の芽は摘み取らないとな」
「「「「帝(君)がまともな事を言ってる…!」」」」
「おいコラ」
「そんな〜!」
嘆かわしい声が朝から響くのであった
正気を疑うレベルの確率。どうしたものか…
ここまての拝読ありがとうございました