ではスタート!
「へぇ、それでお昼の校内放送の見学をか」
「そうなの!」
お手洗いから帰る途中、廊下で出会したまなつが校内放送の見学をすると説明してくれた
「いつからだ?」
「今日から早速!」
「放送委員も中々だな…」
「帝もどう?」
「…いつも思うが俺はトロピカる部じゃないぞ。あくまで手伝い、ボランティア、派遣社員としてやってるだけだ」
「え〜!」
残念そうにまなつは言葉を漏らす
////////
そしてお昼休み
帝は珍しくも購買でパンを買ってお昼を済ますつもり。
そして放送する時間を確認する
(そろそろ時間だな)
『こんにちは、小森いずみです。皆さんは駅前にある「ジャンボカフェ」は知っていますか?』
帝が気にしてたタイミングで放送が流れ始めた
『今日は、わたしの…オススメの曲を……』
話が進んで音楽を掛けようとした時、司会者の様子がおかしくなっていた
最終的には
「あれ?何も言わなくなった」
バックの音楽は聴こえるものの、いずみの声が全く聴こえなくなった
「何かあったのか?」
帝が心配してると冒頭部分が終わり音楽も止まった。
本来ならここから、本コーナーへと進むのだが、一体どうするつもりか教室のスピーカーをジッと観ながらパンを食べてると
『み゛な゛さ゛〜゛ん゛!!こ゛〜゛ん゛に゛ち゛わ゛ぁ゛ぁ゛〜゛〜゛!!』
「ブッ!!?」
激しい音割れとハウリングが効いた声が学校中に鳴り響いた
当然、突然の不意打ちで驚かない人はいない。
帝も口にしていた飲み物を、前の人に向けて吹いてしまった
「ゲホッ!ゲホッ!わ、悪い!それよりも何でまなつ何だ!?」
『ああ、そうなんだ!これくらい?おっは〜〜!』
何やらマイクテストしてるらしいが、マイクは全て声を拾ってる為ダダ漏れもいいところだ
最早不安しか無い放送に帝が肩を震わせている
『OK!え〜っと、次の曲は……ねぇコレ何て読むの?』
『ひまわり』
『へぇ〜そうなんだ!』
『漢字ちゃんと勉強した方が良いぞ』
まなつ以外にも、さんごとあすかの声も聴こえる。
どうやら、マイクと向かって喋ってるのはこの3人だ
しかし頭から放送事故だ
『この今日は…入る…じゃなくて何とか雲……』
(入るに何とか雲……入道雲の事か?)
教室で聴く帝は台本など無いが、まなつが詰まってるであろう漢字を言い当てている
もう放送事故と言うには生易しい域を超えてる
漢字が読めなくて止まってると、唐突にまなつは話題を切り替えて喋り出す
『ごめん!台本が難しいので……喋りま〜す!』
『『えぇ!?』』
『わたし、一年五組の夏海まなつ!トロピカる部で、いつもトロピカってる事やってま〜す!』
台本を無視してのやりたい放題
まなつがそのまま話し出しても止まる事は無い。
どうやらそのまま続行するみたいだ
『じゃあメンバー紹介しま〜す!先ずは〜さんご!』
『は、はい!え〜と、涼村さんごです。コスメが大好きで…ん?』
「ん?」
急に会話が途切れた事に帝は首を傾げてると
『ひぃ!む、虫ぃ!!』
何か虫でも見つけたのか、裏返る声を出してさんごは怯えていた
「あ」
帝は、さんごが物凄い虫嫌いなのを知っている為、この後の展開も読めた
「はぁ…」
帝は食べ掛けのパンと未開封の分を持って、教室から出て行った
廊下で歩いてる間にも放送に耳を傾けていた
『そこ!黒いのぉ〜!』
『うわぁ、何でこんな所に?』
『何処どこ?』
『あっち!シャカシャカしてる!!』
内容から察するに、黒くてテカテカしてすばしっこい奴みたいだ
『まなつ後ろ!』
『見つけた!うりゃあーー!!』
『あ!さんごの顔に張り付いた!!』
『ピギャぁぁぁぁああ!!!』
『酷い…』
『おのれ〜よくもさんごを!ほりゃ!とりゃ!』
みのりも加わり放送室では大混乱
騒動が収まると今度はローラの声がした
『貴女達の放送を聴かせて貰ったわ。ハッキリ言って全然駄目。騒がしいだけじゃない』
ローラが喋り始めた辺りで、帝は放送室前に辿り着いた
「お邪魔します」
「あ、帝」
「どんな状況で、みのりん先輩?」
「もうすぐお悩み相談のコーナー。でも、少し時間があるの」
帝とみのりが話してると、スタジオ内のまなつが帝の存在に気付いた
『あ、帝!来てくれたんだ!こっちにおいで〜!』
「今のも流れてる」
「だろうな」
『ねぇ帝も手伝ってよ〜!』
手伝いたくは無いが、このまま騒がれても嫌な気分。
帝は素直に中に入る事にした
「お前ら、完全にバカ丸出しだぞ?」
「そんな事はないよ〜……多分」
「まだお悩み相談まで時間あるだろ?早く食い潰しておけよ」
「それが何話そうか相談してて」
「…仕方ない」
帝はローラの隣へ座りヘッドホンを付けてマイクを入れる
「俺が面白いトークするから」
「帝の面白ろトークか…興味ありだな」
あすかも帝に任せる事にした
「え〜っとそうだな……さんごが玩具の虫を見て漏らした事を話そうか」
「何でそうなるの!?」
「いや、さっき虫が出現したみたいだから」
「だからってわたしの変な話しないでよ!!」
髪の毛を逆立ちさせながら猛反対されたので、別の話題を探す事にする
「それならローラがこの前寝言で『帝好き』って言ってた事でも話そうか…」
「またそんな下らない事言って…ちょっと待って!わたしそんな事言っての!?嘘でしょ!?」
結局帝も参戦した結果、先程までよりも悪化しただけだった
少し休憩を挟んで最後のトークの準備をする
「トロピカる放送だったね!」
「凄いポジティブだな…」
「あんな感じて大丈夫?」
確認の為、もう1人の放送委員の「林田ゆきえ」に聞く
「台本とは違ったけど面白かったです!」
「当然よ」
「…皆んな」
みのりが窓の外を見てヤラネーダの存在に気付いた
「こんな時に」
「あの、どうかなされたんですか?」
全員が窓の外を見ている事に、ゆきえは不思議に思った
しかし答える訳にもいかない
「後はエンディングのフリートークだけです。どなたかお願い出来ますか?」
「それなら、エンディングトークはローラ!」
「良いわよ!任せなさい」
ローラは小さく頷き、まなつ達にヤラネーダの事を任せる様頼んだ
「林田さん、ローラを宜しく!」
まなつ達はバタバタしながら放送室を後にした
「俺も行くか」
「人間はわたしといるのよ」
「え、また!?」
「あの、何処に?」
ゆきえが心配するが、ローラはそれを引き止めてエンディングトークをしようと促した
スタジオには帝とローラは入り、ローラが最後の進行役を務める
「皆んな、破茶滅茶な放送だと思ってるでしょう?でも、終わり良ければ全て良しと言うじゃない。だから最後はわたしの歌を聴かせてあげるわ」
ローラはスタンドマイクの前に移動して歌い始める
その歌はとても綺麗で、聴いてる人を夢中にさせるそんな魅力に溢れていた歌だった
「なかよしのうた〜」
最後のフレーズを歌い切り放送は終了する
「では皆さんご機嫌様」
放送が終わり、帝とローラがスタジオから出て来た
「時間大丈夫だった?」
「はい、歌素晴らしいかったです!」
「良かった!それじゃあ人間行くわよ!」
ローラは帝の手を引いて、ぴょんぴょん飛び跳ねながら放送室を出て行った
「窓から飛び降りるぞ」
帝は窓を開けてローラを抱えてそのまま飛び降りた。
そして片手にはオーシャンステッキを持って能力を発動させて、まなつ達の元へと駆け付ける
////////
「しつこいぞ!良い加減失せろ!」
「嫌だもんね!ローラと帝は来る。それまで頑張る!」
サマーとチョンギーレが言い争いをしてる最中、それに割って入る様に帝とローラが降って来た
「悪い遅くなった」
「お待たせ!」
「マーメイドアクアポット!サーチ!」
「やる気パワーカムバック!」
「ったく片付けろヤラネーダ!」
「やらせるかよ」
『FANTOME!』
分身した帝2人が、拡声器型のヤラネーダが音を出す前に蹴り飛ばして阻止する
「奇声音しか出せないヤラネーダが調子に乗るな」
「おお〜、久し振りにその帝を見た気がする」
「今だ」
「ハートカルテットリング!」
「とびだせ!元気なハート!」
「やさしいハート!」
「かしこいハート!」
「燃え立つハート!」
「ハートドキドキ」
「「「ドッキング!」」」
「「「「プリキュア !ミックストロピカル!」」」」
「「「「ビクトリー!」」」」
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後日、放送委員の2人がトロピカる部に訪れた
「見て下さい。ローラさんの歌をもう一度聴きたいって投書いっぱい!」
「是非もう一度ローラさんに出演して欲しいの!」
「ローラさん何処に居るんですか?」
「えぇと…」
「それはだな…」
ローラの事を誤魔化すのに一苦労する、トロピカる部の面々だった
ヒープリ組みそろそろ出そうかなと考えております
ここまでの拝読ありがとうございました!