トロピカル〜ジュ!プリキュア PICARO   作:シロX

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今回語彙力は低くなっております

ではスタートです


第34話 我望む幸せの世界、始皇帝の歪んだ愛情

嬴政の顔を見て驚愕したのはコーラルだけじゃない

 

「嬴政の顔が帝と同じ?」

 

「ど言う事か説明しろ帝!」

 

フラミンゴが突っかかろうとする時、その間にオッカマーが割って入る

 

「おっと、それ以上のお触りが厳禁よ。政ちゃんいや────帝ちゃん、この子達は私が引き受けるわ」

 

帝は無言でコーラルの元へと歩き出した

 

「帝!!」

 

「待って!」

 

「貴女達の相手は私よ!」

 

 

 

 

 

「何で、帝君と同じ顔なの?」

 

「コーラル」

 

あまりの事に動けずにいると、帝が声を掛けた

 

「……はぁ」

 

帝は溜め息を吐くと、嬴政とハイタッチを交わした。

そして嬴政は、光りに変わって消えたのだ

 

「正直な話、最後までイケると思ったんだけどな。まさか、コーラルにしてやられるとは」

 

やられちゃった感を出してコーラルと向き合う

 

「嬴政という人物は存在しない。俺がステッキの力で分身したもう一人の俺。俺が皆んなと居る間の代わりと監視として置いていた」

 

帝が嬴政でもあり、嬴政が帝でもある。これまで、幾度となく目の前に現れたのは全て帝の分身。

そして時折り感じていた視線もまた

 

要は全て帝自身の

 

「自作自演。主演男優賞ものだったろ?」

 

「………してよ」

 

「ん?」

 

コーラルがボソリと呟き、帝はそれを耳を立てて聴く

 

「ちゃんと説明してよ!帝君はあとまわしの魔女なの?全然よく分からないよ!!」

 

目の前に起こる事について行けず、怒鳴り声に近い感じで帝に言い放った

 

「分かった。一個ずつ処理して行こうか────俺があとまわしの魔女達の仲間って言うのは本当だよ」

 

「ッ!?」

 

「そ、それって人間…わたし達の事を最初から騙していたの?一緒に戦ってくれる仲間じゃ──」

 

早々に目を覚ましたラメールが質問をする

 

「『仲間』?俺がいつお前達の仲間になったんだ?ラメール俺言ったよな。俺は一言も仲間になる(・・・・・)とは言っていない。協力する(・・・・)と言ったんだ」

 

「そんな屁理屈みたいな…」

 

「悍ましいウジ虫共と組むぐらいならゴミの海を泳いだ方がマシだ」

 

「あ……」

 

屋敷で助けてくれたのは全部帝。だがそれは全て、帝がより良い世界を創る為の行動

 

帝は最初から、まなつ達の事など駒としか見ていなかったのだ

 

そして思い出したかの様に更に付け加える

 

「そうだ、8年前の出来事をコーラル覚えているか?」

 

帝の言う8年前というのは、さんごがいつの日か皆んなに話した事のある内容。海で帝が行方不明になった事だ

 

「普通なら1週間も経てば死んでもおかしくない状況で、何故無傷で生きていたと思う?それはあの日、あとまわしの魔女達に拾われたからだ」

 

「拾、われた…?」

 

「細かく言えばオッカマーに拾われた。人間である俺を面倒を見てくれたのだ。その生活の中で実は誘われたんだよ。勿論その時の時点で、やる気パワーを奪うって事も知っている」

 

「じゃあそれで…」

 

「早まるな。そこはほら、保留って事で返事を後にしたんだよ。地上に戻って考えたさ。仲間になるべきか、そしてそれを決意する日が訪れた。それはいつだと思う?答えは小学2年生のあの時だ」

 

次に話に浮上したのが2年生の時の話。

この時は、さんごと遊んでいる時に一悶着あった時だ

 

「最初から、ローラと会う前からあとまわしの魔女達と一緒に居たの?」

 

「ああ」

 

「騙してたの?わたし達の事を…わたしの事をずっと騙しての!?」

 

「…お前がそう思うならそうなんじゃないのか?」

 

「…ふ、ふざけないでよ!!」

 

我慢の限界に達し、帝に歩み寄り頬を叩く

 

「──ふざける?馬鹿をいえ」

 

帝の雰囲気が一気に変わった

 

「目的は何なの?」

 

「…その前にひとつ、何故俺がお前に優しく、過保護になるか知っているか?」

 

「それが、どうしたの?」

 

「お前を幸せ(・・)にする為ださんご。お前がずっと幸せに笑ってる世界を創りたくてここまでやって来た」

 

コーラルにはその意味が分からない

 

「さっきの話の続きをしよう。小学生の時、お前は泣いてしまった。可愛いお前をこの世界が穢したのだ。それを阻止、起こらないようにする為だ」

 

「じゃああの日、わたしが泣いてしまったから帝君はあとまわしの魔女に?」

 

「そうだ」

 

「そんな事の為に…」

 

コーラルは呆れていた。まさか、自分が泣いたのが原因で敵になってしまったのを

 

「俺はお前の幸せを願ってる」

 

「わたしは幸せだよ!!」

 

「それはお前の主観だ」

 

「帝君には関係無い!」

 

「有る無いでは無い。俺が幸せでは無いと言ったら幸せではない。お前の主観で喋るな」

 

「わたしは!いつだって幸せだよ!!」

 

「じゃああの日何故泣いた?それだけじゃない。チューリップの時だってそうだ。お前は本当に幸せなのか?違うだろ。お前が生きるこの世界は狂ってる。それを俺が正す」

 

「ッ!!」

 

これ以上話しても平行線だとコーラルは察した。

帝を突き飛ばして覚悟を決める

 

「なるほどな…」

 

「帝!」

 

サマーが拳が帝へと降り掛かって来たが、それを片手で受け止める

 

「もうやめよ?帝を力強くで止めたく無い」

 

「やれよ、俺は一向に構わない」

 

帝は黒いディスクを一枚取り出してオーシャンステッキに嵌め込む

 

「何故俺が、わざわざお前達と一緒に行動してたと思う?それは、追い詰められれば力を増すと言う事だからだ!」

 

 

『フェスティバルディスク』

 

「ハッ!」

 

『PUPPET!』

 

 

それは新しい帝の力。嬴政が持っていた物だったが、それは帝の分身ということが明らかになり、所持してるのは必然的に帝という事になる

 

そして両手をサマーとラメールを向けて拳を握ると、自分の意思とは無関係に身体が勝手に動く

 

「な、何これ…?」

 

「どうする気よ」

 

「フフ!」

 

帝が手を合わせると、サマーとラメールはお互いに走り出して味方にも関わらず攻撃し始めた

 

「何…うっ!」

 

「体が勝手に…きゃっ!」

 

お互いにクリーンヒットし、変身が解けてしまった

 

「ルールその1、獲物を捕まえるにはまず囮が必要。ルールその2、獲物が罠に掛かったら囮は不要だ」

 

「まなつ!ローラ!」

 

「これで2人っきりになれた」

 

「ッ!」

 

『ぺけ!』

 

近付こうとする帝との間にシールドと壁を張る

 

 

『オーシャンディスク!』

 

『ATTACK!』

 

 

帝はシールドを掴み、そのまま握力だけで砕いた

 

『ぺけ!ぺけ!ぺけ!』

 

後退しながらもシールドを何度も張るが、虫でも払うかの様に簡単に打ち砕かれる

 

「俺が新しい世界を創ってやる。誰もお前に危害を加えない。喜と楽の世界を」

 

「そんなの要らない!!」

 

「黙れ!いいかさんご、お前は大人しく俺の側に居ればいいんだ。何故理解しない?」

 

「しないんじゃない、出来ないよ!帝君はわたしの事を全然分かってないよ!!」

 

「…お前は俺が邪魔なのか?」

 

帝はとうとうコーラルの胸ぐら掴んで、冷徹な目で言い放つ

 

「お前を蔑ろにした事あったか?子供の頃から思い返してみろ!!」

 

ここまでくるともはや狂気そのものだ。

話が通じてる通じてないの問題では無い

 

「俺の事が分からないなら、それを教えるまでだ」

 

帝は胸ぐらから手を離すと同時に、コーラルを殴り飛ばした

 

「この国…この世界の王共は碌な奴が居ない。この世に幸せの国など在りはしない」

 

容赦無く倒れるコーラルの腹を踏み潰す

 

「がはっ!」

 

「幸せな国を造るのが王だ。争いしか生まない国など全て滅んでしまえ!!」

 

足に更に力を入れ、更に地面に減り込み大きなクレーターが出来始める

 

足を退けたかと思えば、首を掴み上げ力強く締め付ける

 

「ぁ…ッ…!」

 

「そして創るんだ。さんごだけが幸せになる世界を。そしてその世界で俺は皇帝となる。あとまわしの魔女だろうが、プリキュアだろうが邪魔する者は容赦しない。俺が新世界の"始皇帝"となる!!」

 

コーラルの腹をサンドバックの様に殴り倒す。首を絞めていた手を離せば膝を突く。

突けば強引に立ち上がらせては、またも殴り倒す

 

その繰り返しが延々と続く

 

「ぐっ…ぅ…ゴホッ…!」

 

「さんご、俺はお前の事が本気で大切だと思ってる。これも全部お前の為なんだ。そろそろ理解しただろ?」

 

「がっ…!!」

 

「さんご…さんご、さんご!!」

 

言葉と行動が一致などしていない

 

そして、これがいつまで続くのか分からない

 

「いた…いよぉ……」

 

「さんご幸せだよな。お前は、昔から俺無しでは輪の中に中々溶け込めなかったもんな。俺がずっと側に居てやる」

 

「うぐ、ぁ……ぃゃ…た、助け…」

 

「このひとつひとつがお前を幸せにする。そんな哀しそうな顔をするな。ほら笑え」

 

ボロボロの顔を鷲掴みし、強引にコーラルに笑顔を作らせる

 

「いい笑顔だ。もっと笑え」

 

力を殆ど失ったコーラルも、力の限り抵抗し帝の手を振り払い這ってでも逃げようとする

 

「はぁ…あ…はぁ…」

(早く逃げないと…!)

 

「釣れないぞさんご」

 

逃げるコーラルの脚を掴んで、そのまま何度も何度も地面に叩き付け投げ捨てる

 

「がっ…ぅ゛…ッ!!」

 

「お前は俺が守ってやる、傷付けさせない。お前の事が大切で大事だから」

 

もう既にコーラルの意識がない状態までになってしまった。

それでも尚、帝は手を緩めない

 

これが帝がさんごに対する愛情

 

大切にするあまり、歪んでしまった醜い愛情

 

殴る帝はとても嬉しそうだった。

殴る度に帝は思っていた。これこそがコーラルの幸せに繋がると

 

だがどうだ

 

当の本人は虫の息

 

涙を流し、恐怖し、怯え、恐れ、助けを求めている

 

可愛く彩られていたプリキュアの衣服もズタボロだ

 

帝自身間違っていないと感じてる。何故なら、そう思う自分こそが正しいと思う性格だから

 

「さんご、さんご!俺の大切なさんご!お前なら今以上に幸せになれる!だから!!」

 

「ッ!……ッ!?────」」

 

「俺無しでは生きられない様にしてやる!いつでも側に居てやる!大切にしてやる!一生!一生!!」

 

コーラルを殴る腕が止まった。

というより止められたのだ。後方に居たアリスが帝の腕を掴んで辞めさせたのだ

 

「帝様、これ以上は無意味、かと」

 

アリスに言われ、一度冷静になってコーラルへ目を向けると

 

「ごめん、なさい……言う事聞くから…許して…ッください……お願いします……っ」

 

額を地面に擦り付け、両手を上げて土下座して、無様に許しを請いながら降参をしていた

 

「分かった。オッカマー、アリス行くぞ」

 

帝は拳を収めてその場を笑顔で立ち去った

 

「じゃあまた明日!」

 

その場に残ったのは、未だに土下座をするコーラル

 

「「「「コーラル!」」」」

 

まなつ達が駆け寄って声を掛けるも、コーラルは気付かない

 

真っ黒な感情に支配され、コーラル──さんごにとって拭い切れないトラウマに苦しむのだった

 

さんごにとって帝はもう────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぅ…ッ…ごめんなさい、ごめんなさい………ぃ」




ええ正直に言いますと……さんごボッコボコにして楽しかった!!
あ、別に嫌いとかそういう意味ではありません。逆に好きなキャラです

今回で主人公に対する好感度は全員ダダ下がりです。特にさんごは底辺超えてマイナスです

ちょっと言いますと、「嬴政」って名前、中国の偉人の始皇帝の本名なんですよね。色々あって本名を一部の人間以外に知られない様にする為に公では始皇帝と名乗ってたらしいです。
そこで主人公、フルネームで「皇帝」と読むじゃないですか。まぁそういうことですよ

今回の話まで隠し続けるの本当に大変でした。中には気付いた人もいるかな?

そんな訳で次回です。あ、下記に主人公の新しい能力置いてあります


フェスティバルディスク

PUPPET:操り人形の様に味方の体を動かせれる

COPY:能力発動時から相手の動き、技を模倣する

SPACE-TIME:時間と空間を操る

ACTIVITY:味方限定で身体能力を活性化させる
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