主人公が分身出来る数は3体までです!これ前回言うの忘れてました。何故今まで2体しか出さなかったと言うと、あとまわしの方に1対と分けていたからです。
その伏線は、前作のヒープリ小説のバトンタッチ回を見てくだされば分かります。別に見なくてもいいですけどね!
ではスタート!
「「キャアッ!!」」
「パパイア!フラミンゴ!」
「4人でこの程度か?」
帝を止める為にサマー達は今も尚必死になっていた。
ヤラネーダは浄化したものの、帝本人を誰も止められない
「拍子抜けもいいところだ」
「くっ……あ!」
「ほう…来るんだ───コーラル」
街中を悠然と歩く姿を帝とサマーが見つけた
「帝君…」
「やっと来た。遅かったなコーラル。丁度今終わったところ。まさかお前から来るなんて思っても──」
コーラルに近付き手を差し出したが、コーラルはそれを叩き払った
「本当は帝君とこうやって話すのも、会うのだって嫌だったよ」
「ならどうして此処へ?」
「帝君は間違ってるから」
「そう」
帝はコーラルの肩に片手を笑顔で置くと、瞬時に左頬を殴り飛ばした
「──ッ!」
「防いだか」
「はぁ…はぁ…」
帝が顔面へと攻撃して来るのは分かっていた。
だが分かっていても避けるまでは叶わず、左腕で防御するしかなかった。
そしてその上からでもダメージは通っており、腕は痺れ、左側頭部から血が流れていた
「何度言っても聞かない奴には仕方ないな。コーラル、俺はお前の為にお前を倒す。その前に最後の忠告だ、受け入れるか否か」
コーラルはそんな話を無視して走り出す
「それが答えか」
『NATURAE!』
『ぺけ!』
地面が浮き上がり石つぶてがコーラルへ容赦無く襲い掛かるが、臆する事無くシールドを張りながら正面突破する
「だったら!」
オーシャンステッキを地面に打ち付けると、コーラルを取り囲む様に地面が盛り上がり逃げ場を無くす
「潰れろ」
帝が拳を握る時、壁と化した地面がコーラルを押し潰した
「コーラル!!」
「騒ぐな。加減はして──」
押し潰された壁の中から、コーラルがシールドを使って強引に外へ這い出た
サマーの心配は無用となる
「あ…ぐ…」
「流石コーラルと言ったところか。でも」
「分かってるよ。守ってばかりじゃ帝君を止めれない。だから!!」
珍しくもコーラルが前に出た
「来るか。ならば!」
『オーシャンディスク!』
『ATTACK!』
「わたしは負けない!──ハートルージュロッド!」
オーシャンステッキとハートルージュロッドがぶつかり合う
コーラルは、最初から帝と真正面から戦う気でいた
鍔迫り合う隙にコーラルが手を出し、それを片手で帝が受け流す
受け流されれば、ロッドを逆手に持ち替え突き上げる。
ステッキを持っていた手は打ち上げられ、もう片手もコーラルの手を弾いた時に使ってしまいガードが出来ない
無防備となった腹に叩き込もうと手を構えるも、それを帝は足で蹴り上げてそれを防ぐ
お互いに隙が出来れば一旦距離を取り次の動作に
「帝君はいつも側に居てくれた。わたしが言わなくてもずっと」
移ろうとしたところ、コーラルが独り言の様に帝に話し掛ける
「そうだ。だから俺と一緒に幸せに──」
「だけど嘘をついた。まだ何も知らない小さい頃のわたしに。わたしの隣に居る、守ってあげるって」
コーラルはゆっくりと歩き始める
「酷過ぎるよね、あんな事されて辛かったよ。いっぱい傷付いて、泣いて、悩んで…もう会いたくないし顔も見たくもない……帝君なんて嫌い、大っ嫌いだよ…」
とうとうコーラルは帝の目の前まで歩き、涙目になりながらも優しく抱きついた
自分の素直な気持ちも乗せながら
「でも好きなの、大好きなの。心から愛してる。だから今までの事も全部許してあげる。だって愛してるから」
「俺は…お前の幸せを手に入れる為に──」
「帝君が欲しいものは手に入らないよ」
「お前は幸せが欲しくないのか?」
「違うよ、幸せは手に入れるものじゃない。感じるもの、
コーラルは感謝と愛を込めてその言葉を告げる
「今日まで帝君と過ごした時間は長かったね。その時間の中でわたし達は色んな事を知ったよ。全部が全部良いって訳じゃないけど、楽しくて仕方なかった。帝君に出逢ってわたしは変われたよ。初めて会った頃のわたしは本当に輪に入れない恥ずかしがり屋。でも今はこうして、トロピカる部の皆んなとも出逢えて、素直な気持ちも出せれる様になったの。長い時間だと思うけど、わたしにとっては早い時間だった……そしてとても幸せな時間」
その言葉ひとつひとつ、真の幸せの意味を知ったコーラルが出した言葉
「これがわたしの今の幸せ。伝わった?」
「それが、お前の幸せか?」
「うん。だけどこれからも言葉にしたい。その幸せをいつまでも感じていたいから」
「俺は只、コーラル…さんごが幸せになってくれればそれだけで良かった。俺は間違っていたのか?」
「間違ってなんかないよ。只わたしは、他の人を傷付けてまで幸せは欲しく無い。だから帰ろう、ね?」
コーラルはゆっくりと帝から離れ、手を差し伸べる
「皆んなとの間に溝が出来ちゃったけど、きっと許してくれる」
和かに笑う彼女の顔は、今の帝からすれば眩し過ぎた
コーラルは自分から帝の手を繋ぎ、皆んなの待つ所まで連れて行く
今までは、隣に居ながらも手を繋いで連れて行ってたのは帝
しかし今回はその逆
いつの間にか道に迷っていた彼の手を引いて、光が射す方へと連れて行く
「帝君、おかえりなさい!」
////////
「帝君居る?」
その日の夜、さんごは帝の部屋にお邪魔した
ベッドで座っていた帝はさんごへと向く
「こんな時間にどうしたんだ?」
「コレ」
さんごが渡したのは、昨日学校に行く途中怪我をした時に使ったハンカチ
「あ、ありがとう」
「それじゃあ」
用事だけ済ませると、さんごは部屋に出ようとする。
しかし、部屋と廊下の境目でその足を止める
「さんご?」
「帝君はわたしの事どう思ってるの?」
「え?」
突然の質問で眉を顰める。
けれどその質問に対する答えは変わらない
「大切な人だよ」
「そうじゃなくて!」
さんごは帝に飛び掛かりベッドに押し倒す
「わたしは伝えたよ。わたし、帝君が大好き!!愛してるの///」
胸の中で赤面しながらも上目遣いで聞く
そこで質問の意味をようやく理解する
「さんご───
ごめん」
誰よりもさんごの事を大切にしていた帝とは思えない返事だった
「さんごの事は俺も好きだよ。でも、そういう意味じゃない」
「…うん、何となく分かっていた。だって帝君、一度も『好き』だなんて言ってないもんね」
「ごめん…」
「帝君が謝る必要なんか無いよ」
さんごはフラれる事前提で告白したのだ。OKを出してくれればそれは良し。だけどやっぱり、予想してた通りの返事が返ってきた
「帝君のことだから他に好きな人がいたり?」
「ま、まぁ…」
「『あの子』だよね?帝君が好きな人は」
さんごは帝の気持ちを尊重して、それ以上の追求はしなかった
さんごはベッドから起き上がる
「帝君──」
「────」
起き上がると思わせて、不意を突いて唇を重ねた
「それでも、わたしは好きでいてもいいかな?」
「いいよ」
その会話を最後にさんごは笑顔で部屋を出て行った
そして家を出て星が煌めく空を見上げる
「ちょっと嫉妬しちゃうなぁ…」
さんごの頬に小さな雫が流れ落ちる
「何で泣いてるんだろう…ちゃんと…っ…帝君と仲直り出来て、素直になれたのに……ッ────」
垂れる雫が多くなり、嗚咽を漏らしながらも彼の幸せを願うのであった
(───ずっと大好きだよ)
いや、前回までの話との温度差よ
さんごがサブヒロインってのは最初から決まっていました。
IFストーリー書こうか迷ってます。書く方に傾いてはいますが
オリストは残り2話の予定です