やったね!
ではスタート!
「そんな訳でお互いに色々あったけど、これから少しずつ仲良くして行こう!」
「ねぇまなつ」
「何さんご?」
「それ帝君が居る前で言った方が良かったんじゃない?」
Pretty Holicで皆んな集まる中、帝は不在だった
「あれから全然帝と会えてない気がするんだ〜」
「というより避けてる気もする」
「そうそう!」
みのりが正しく訂正して、まなつがそれに頷く
「そうだよね」
『──帝君!』
『──あ、さんご!おはよう…じゃあ!』
『──え、待って!』
「今朝も挨拶だけしたら何処かへ行っちゃった…うぅ…」
目に見えて落ち込むさんご
「てか待て。何『めでたしめでたし』で終わろとしてる。わたしはまだ帝を許してない」
「そうなんですか。てっきりもう水に流したかと。此処に来る途中、壁に向かって帝にどう話し掛けようかと練習していたので」
「待てみのり」
「しかも長時間──」
即座にみのりの口が塞がれる。そしてこれ以上は言うなと言わんばかりに圧を掛ける
「結局あすか先輩も帝と仲良くなりたかったじゃないですか〜!」
みのりから手を離すと、あすかはまなつとの追い掛けっこが始まった
さんごはそれを見て、クスクスと笑ってるとローラの様子が気になり声を掛けた
「どうしたのローラ。さっきから何も喋ってないけど?」
「皆んなお人好しね」
「え、ローラは怒ってるの?」
「当たり前よ。ていうか、もう人間の事は信用してないから」
どうやら、あすか以上に怒っていたのはローラだった。
それは只々怒りを露わにするのではなく、静かに冷酷にだった
「そんな大袈裟な──」
「大袈裟じゃないわよ!!」
まなつが短絡的な態度をとると、ローラは激怒して思わず立ち上がり机を大きく手で叩く
「冷静に考えてみなさい。最初から騙していたのよ。わたしは……わたしはそんな簡単に割り切れないわ!!」
ローラの言う通り、帝は最初から騙していたのは変わらない事実
あの騒動の後、帝は謝罪はしたがそれだけで気が収まる程ローラは優しくはなかった
一体何処からが本当で嘘なのか分からない
「今でも人間の考えてる事が分からなくて怖い…怖いの」
本当に反省しているのか、それとも未だに騙してるのか。その事は帝本人にしか分からない
そんな得体の知れない恐怖が煽って帝を拒絶しているのだ
「だけど、それだと前に進まないよ。時には受け入れる事も大事」
「受け入れてどうなの?人間の言葉を信じたその結果があのザマよ。もう無理なのよ…」
「「ローラ!」」
ローラはそのまま外へ出て行ってしまった
「え、あ、追い掛けます!」
「わたしも!」
「お前ら!?」
ローラを追い掛けに、まなつとさんごも出て行ってしまった。
残ったのはみのりとあすかだけ
「はぁ…仕方ないな」
「何処行くの?」
「帝の所だよ。みのりも来るか?」
「うん」
「ちょっと待ってよローラ!」
「はっ…はっ…はぁ…」
追い付いたまなつはローラの腕を掴み、息を切らしたさんごが遅れて来る
「ねぇローラ、帝とはもう一緒に戦わないの?」
「そうね、そうなるわね」
「ローラ、帝君がああなったのはわたしにも責任があるし、責められるならわたしにだって」
「それでもわたしは…」
『──悍ましいウジ虫共と組むぐらいならゴミの海を泳いだ方がマシだ』
「…」
思ってた以上にローラは傷付いていた。さんご程でも無いが、いつも振り回されていたローラにだって帝に信頼を置いていた
だがそれをあんな風に裏切ったのだ
許せる訳がない
「わたしはもう……人間を信用出来ない」
同時刻
パタンと部屋のドアが閉まる
「よ、帝。上がらせて貰ってるよ」
「お邪魔します」
帝は部屋に入ると、既に待機していたみのりのあすかと出会した
「ッ!」
「はいそこまでだ」
逃げようとする帝を、あすかは襟首を掴んで捕まえた
「帝、少しだけ話しようか?」
ベッドに腰掛ける帝、床で正座するみのり、椅子に座るあすかとそれぞれが座って話す
話す事は勿論、今現在皆んな帝をどう思ってるかについてだ
先程までの一連を全て帝に話した
すると帝はやっぱりと言った感じで言うのだ
「そうかローラがね。自業自得ってやつだ」
「帝はそれで良いの?」
それに対しての返しをみのりが質問をする
「…」
「…わたしは、お前とローラがくだらない事で言い争ったり、お前がちょっかい掛けてローラが怒る。そういうの好きだった」
「帝とローラは何処となく似てる気がするの。いつも一生懸命で、何かに目指して頑張ってる」
「そう…」
歯切れの悪い帝だが、あすかはそれでも一番聞きたい答えの質問をする
「帝、本当にこれで良いのか?」
「それは…」
「このままだと仲は悪くなる一方だ」
「帝、貴方はどこまで行っても帝なの。ありのままで話せばきっと分かってくれる筈」
「俺は……俺はちゃんとローラに謝りたい」
「ならやる事はひとつだ」
これで帝の話は着いた
帝はローラに謝りに行こうとした時、街中で大きな音と地響きがした
「ヤラネーダか!?」
「違う…それにしては何か少し」
ヤラネーダの出現にしては少し音の大きさが違った。
先程の音はこれまで以上なのだ
「取り敢えず外に出よう!」
////////
音と地響きの発生源の場所に着くと、まなつ達とも合流した
帝はふと横目でローラを見た。
ローラの表情はとても冷めた様子だった
「あらぁ〜待ってたわよ帝ちゃん!」
「オッカマー」
「私、貴方の事すっごくお気に入りだったの。でも裏切るなんてちょっと予想外。その意味がどういう事か分かるわよね?」
オッカマーが足を一歩出した瞬間、大きな地響きかが街中に響き渡る
恐らくさっきの音もこの足音が原因
「ついでに──出て来なさい!ゼンゼンヤラネーダ!」
ゼンゼンヤラネーダの素を投げると、ロッカーを媒体としたゼンゼンヤラネーダが現れた
予め、ヤラネーダを作って待機させていたのだろう
「皆んな行くよ!」
「「「「「プリキュア!トロピカルチェンジ!」」」」」
「「「「「レッツメイク!キャッチ!」」」」」
「ときめく常夏!キュアサマー!」
「きらめく宝石!キュアコーラル!」
「ひらめく果実!キュアパパイア!」
「はためく翼!キュアフラミンゴ!」
「フェイス!」
「ネイル!」
「ドレス!」
「ゆらめく大海原!キュアラメール!」
「ルーレットスタート!」
『ATTACK!』
「わたしがヤラネーダを相手にする!」
「ラメール待て!」
「帝!ラメール!」
ラメールが先行するのも帝は追い掛け、それを止めようとサマーが呼ぶも聞き入れなかった
「ラメールと帝を援護するぞ」
「「「はい!」」」
ならばと、2人が戦いやすい様に全員でフォローをする
「ヤラネーダ!」
ヤラネーダがロッカーの扉を開くと、中から鉄骨が飛んで来た
「やぁ!」
だがそれをもろともせず、飛び越え一心不乱にヤラネーダへ進み続ける
「うわっ!?」
『ぺけ!』
「危な!?」
後方のサマー達も流れ弾に当たらない様にして、互いに庇う様に避け、防御する
「ラメール待て!迂闊に近付くな!」
「…ッ!」
ヤラネーダの中から更に色んな物が飛び出す
何が出るか分からない為、帝が警戒を呼び掛けるも、ラメールは帝など微塵も信頼してない為無視し続ける
ヤラネーダの攻撃を掻い潜り懐に潜り込めた
「一気に浄化してやるわ!」
マーメイドアクアパクトとマーメイドアクアブラシを手に持った瞬間
「この時を待っていたわ!ゼンゼンヤラネーダ!」
ヤラネーダは攻撃を中断し、扉を大きく開いてラメールを呑み込もうと襲い掛かる
(しまった!)
「ラメール!!」
『DEFENCE!』
帝がラメールの前に立ち盾を召喚させるも、それすら構わず2人を呑み込んでしまった
「ラメール!!」
「帝君!!」
「厄介な2人が消えて清々したわ。さて、私も本気を出しましょうか」
オッカマーが体に力を入れると、筋肉が更に盛り上がりヤラネーダと同じ程の巨体と変化した
「さぁ、誰から犯してあげようか?」
////////
「一体何が…って変身が!?」
起きるとそこは何も無い暗闇の世界だった。そして自分の体を見ればプリキュアから元に戻っていた
「目を覚ましたか。どうやらヤラネーダの中みたいだ」
そこへ帝が歩み寄る。
座り込むローラに手を伸ばすが
「ローラ…」
その手を取らず自分で立ち上がり、適当に歩き始めた
「何の仕組みか分からないけど、この中ではオーシャンステッキの力も使えない。多分プリキュアにも変身は出来ないと思う」
「だから何?」
「一緒に行動しないと」
その時ローラが足を止めた
「……行き止まりね」
手を前に翳すと壁みたいな何かに触れた
「一緒に行動ね…どの口が言うのよ。皆んなを散々振り回しておいて」
「……」
「人間はどうしようもない人間だけど信じていたの。いざとなればわたし達を助けてくれた。魔女の屋敷の時だってそうよ。なのに!!」
ローラは大きく腕を振り帝の頬を力強く叩いた
「心の底から信じていた相手の気持ちを考えた事無いの!?」
今度は反対の頬を叩く
「裏切られて傷付いた気持ちは!?」
また叩く
「なんとか言いなさいよ!!」
乾いた音が何度も何度も暗闇の空間に響き渡る
「何でぇ…なんでぇ…」
叩く手がゆっくりとなり、力も少しずつ無くなっいく
完全に手が止まると、ローラは帝の胸に寄り掛かり顔を隠す
「何で言い返さないの…?もう、人間の考えが分からない。何が本当で何が嘘なのか……信じられないよぉ……っ」
「分かってる」
「何が!!?」
「分かってる。自分が一体何をしでかしたか充分理解してる。許して欲しいなんて言わない。それでローラが満足するなら受け止めるよ。でも、ローラはそんな事しないよね?」
「くっ…!!」
帝の襟首を掴み、持てる全ての力で叩こうと手を振り上げるが
「……」
当てる直前でその手を止めた
「最後…ズルいわよ。そんな事言われたら…っ…叩けないじゃない…」
「ローラ…」
「本当は自分が良く分かってた…。人間の事はもう許してる事なんて。だけど…心の何処かで信じられなくて、意地になって、それで…」
「別に間違ってない。ローラが正しい」
「信じたかった。わたしは人間を許す事が出来ない」
ローラは帝から離れて少し落ち着く
「だから、次からは何か迷ってたりしたら頼りなさい。わたしが力になるから約束よ」
「ああ」
帝はローラの手を取ると、ハートクルリングとマーメイドアクアパクトが光り輝く
「プリキュア!トロピカルチェンジ!」
「レッツメイク!キャッチ!」
「フェイス!」
「ネイル!」
「ドレス!」
「ゆらめく大海原!キュアラメール!」
「内側から浄化するわよ!」
「プリキュア!くるくるラメールストリーム!」
////////
「プリキュアの力はそんなものなの?帝ちゃんやローラちゃんがいないとここまでなんて…少しがっかりだわ」
地に伏せるサマー達へそう失望の声を掛ける
「ぅ…」
ヤラネーダの体内に帝とローラが居る以上浄化は出来ない。
残る選択肢はオッカマーを倒せば良いとなるが、想像以上に強く、サマー達だけでは太刀打ち出来ず敗北の味を噛み締める
「私はこれでも慈悲深いの。皆んな取り込んじゃえば仲良く暮らせる。さぁヤラネーダ!」
「ヤラネーダ!」
ヤラネーダが扉を開けようとした時
「ヤラ…ヤラネー…」
「どうしたのよ?」
プルプルと震え始めヤラネーダの動きが止まる
そして
「ヤラ──」
扉が内側から破壊されヤラネーダが浄化された
「「出て来た!!」」
破壊すると同時に帝とラメールが外へと出られた
「うわっ、ちょっと見ない間にすごい事になっている」
「馬鹿な事言ってる場合じゃないでしょう。皆んな大丈夫?」
「なんとかな…」
「でも少しキツイかも…」
「でも2人共出られて良かったよ」
「心配したよ!」
帝とラメールがいない間にサマー達が踏ん張っていたが、既に満身創痍だった
「馬鹿なプリキュア達。さっさとヤラネーダを浄化すればそこまで酷くならなくて済んだのに。どちらにしろ、私に負けるけど」
「皆んな下がってて。此処はわたしと人間に任せて」
「今更何をするつもり?しかもたった2人だけで私に勝とうなどと浅はかね」
「──少し図体がデカくなって調子に乗っているようだな。浅はかなのはどっちだ?」
サマー達を下がらせ、ラメールの隣へと立つ彼は自身に満ち溢れた表情をしていた
「見下すな。お前が相対してる相手は始皇帝と女王だ。身の程を弁えろ。絶対は──」
「『俺』でしょ?」
「…いや、絶対は
「ッ!」
ラメールが台詞を取って意地悪をしたつもりが、思わぬ返事が返って逆にラメールが驚く羽目になった
(何よ、ちょっとは変わろうとしてるのね。全く貴方って人は)
「行くぞ」
「それはこっちの台詞よ────
そして始皇帝と女王は地面を踏みしめ掛け出した
内容がかなりトントン拍子になってしまいましたが、予定通り進んでおり満足です
ようやくローラが主人公を名前呼びしましたね。本来なら小説の第3話でしたが、こちらのミスで今の今までズルズル引き摺っていました。そこから名前呼びさせるタイミングが無かったので…
タグも整理しましたので確認した方が宜しいかと。ヒロインで揃いましたから
次回でオリストは終わります
ここまでの拝読ありがとうございました