今回は怪談の調査でしたが、かなり内容は激変しております。調査は変わらずですけど
ではスタート
「え〜、ローラが正式に入部し、帝とのわだかまりもようやく落ち着いた。それと同時に新生トロピカる部としてこれからやって行くにあたって、今日は改めて皆んなが今やりたい事を聞いてみたいと思う」
帝とローラが本格的にトロピカる部に参戦してやれる範囲が幅広くなった。新生トロピカる部で人数も多くなった為、もう一度やりたい事を聞こうとあすかが提案する
「何かあすか先輩部長みたい!」
「いや部長だから!」
そんな事を言うさんごだが、それを決めたのは自分達だ。どうやらその事さえも忘れていた本人達
「え、あすか先輩部長だったのですか!?」
「お前もその場に居ただろ…て、帝はまぁしょうがないとして。てか、お前らわたしの事を今まで何だと思ってたんだ?」
「「「……部長!」」」
「わたしが言ったから言えた事だよな?」
「下僕」
「喧嘩なら買うが?」
「セフレみたいな関係だと思ってた」
帝に対しては当たりが強く、回し蹴りで窓をぶち破って蹴り飛ばされた
「待って、後輩達がわたしに対する扱い方が雑過ぎて泣いてくるんだが…」
「まあそんな事より!」
「『そんな事』って…」
「言い出しっぺがわたしばかりだから少し気にしてたんだ。だから皆んなのやりたい事を聞くのに賛成です!皆んなやりたい事を聞かせて!」
涙を見せるあすかをまなつは捨て置き、提案通り皆に意見を求める
「わたしは、やりたい事沢山あるけどまだ絞れてないって感じね」
「「う〜ん…」」
ローラは決めかねていて、さんごとあすかはすぐには思い付かなく考えている
「み、みのりん先輩、"アレ"とかはどうですか?」
あすかによるダメージもあり、部室の扉から這いずりながらも帝はそう言った
「そうだね、いい機会かも」
そう言ってみのりはとある新聞記事を机に広げる
「学校新聞のキャンペーン」
あおぞら中での七不思議調査によるレポートキャンペーンとの事
つまりは怪談
それを聞いたまなつは表情を固くして大人しくなった
「でも何でまた怪談の調査なんか?そんな噂一度も耳にした事など…」
「帝」
みのりがローラに向けて視線を送る
「あ〜そんな事もあったな」
その発端を作ったのはローラが原因のを察した
「決まりだなまなつ………まなつ?」
あすかが返事をしても全く返ってこない
動かないまなつを見て、みのりの眼鏡が光る
「まなつ、貴女の後ろに!」
「────ギャアァァァ!!!!」
////////
「う〜〜…」
「まなつ離れろ。歩き難くてしょうがない」
お化けなどの類いが苦手と判明したまなつだが、自分一人の為だけに調査を中断する訳もいかず怯えながらも付いて行く事になった
「だって怖いんだもん!それに何で夜に…」
『──それなら今日の夕方にでも調べるか』
『──あすか先輩、調べるなら夜でしょう』
『──夜は流石に危険だろ』
『──だからこそだ。夜の方が調査はしやすいもんだ』
この様に帝に言いくるめられて、7時を過ぎた時間帯での調査をする事になったのだ
「俺が言い出した事だから引っ付いても文句は言わないが、こんなに引っ付いても困るだけなんだが?」
「意外ね。てっきり帝の事だから『もっと引っ付いても良いんだぜ』。みたいな事言うと思った」
「俺もそう思ったけどな、本人がここまで怖がってたらそうもいかないだろ?」
実際のところ、ローラも待ち合わせ場所に着くまではベッタリと引っ付いてやって来たのだ。そのせいもあり、10分近くの遅刻となってしまったのだ
「それよりもう少しだな」
帝達が向かってる場所は学校の裏山に潜む古い屋敷
そこで怪異現象が起きてる事についての調査、情報を基にレポートする事が今回の部活動
そして目的地である屋敷へと辿り着いた
想像以上に古ぼけていて、来週には取り壊しの予定も入ってるのだ。時間は限られている
「覚悟はいいか…の前に帝、お前家から色んな物持って来たって言ってたよな?」
集合場所に着いた時、帝は片手にトランクを持って現れていたのだ
「そうだな。屋敷に入る前に準備しようか」
地面でトランクを広げると様々な道具が揃えられていた
「何だコレ?ウォークマンか?」
あすかが手に取ったのは中央にメーター、上部には赤いランプ、コイルで巻かれて固定されてるアンテナが物
見たまんまに、お手製感があり配線が剥き出しとなっているウォークマン
「EMF探知機。コレで霊の痕跡を電磁場に変化して探知するんだ」
「帝君、このペンダントは?」
「魔除けのペンダントだ。丁度良いし、まなつに掛けてあげて」
さんごはペンダントをまなつの首にぶら下げる
「何この木の杭は?」
「ローラ目の付け所がいいな。それは子羊の血で洗ったやつだ」
「ひぃ!!」
ローラは思わず手に持った木の杭を落とすが、地面に落ちる前に帝がキャッチした
「塩は必須として、後は水銀と聖なるオイルに──」
「帝ひとつ聞いても良い?」
「何みのりん先輩?」
「何でそんな物持ってるの?」
さんご、あすか、ローラもそれに頷く
「俺と言うより両親の物なんだ。なんでも若い頃にある一家と出会って、仲良くなった証として貰ったらしいんだ」
「ある一家?」
「え〜と何だったけな…アメリカに住んでる…う、うぇん?うわん?」
「もしかしてこの家族?」
みのりがトランクの中央のプレートに指を指す。
そのプレートに彫られてるのを見て思い出した
「Winchester…そう"ウィンチェスター"!なんでもウィンチェスター一家は、悪霊退治などを生業としてるらしい。詳しくは知らないが……知ってるとしたら娘が一人いるって聞いたくらいかな?」
帝は必要な物だけ取り出して準備する
「取り敢えず入るか」
「そうだな。ではトロピカる部活動開始だ!」
効率も考え、それぞれ屋敷内を分かれて調査する事となった
しかし帝はまなつと行動を共にしていた
「EMFには反応無しか…」
「みかど〜…」
「分かってるって俺から離れるなよ」
屋敷を隅々まで調査するべく裏庭が見える廊下側まで歩く
そんな時だった
EMF探知機から物凄い音が発し、ランプは点滅し、メーターは振り切って反応した
「裏庭から反応が──」
「ギャアァァァァァ!!!」
「あ、おいまなつ!?」
EMFの突然の音で驚いて、まなつは一人で何処かへと走り去って行ってしまった
「仕方ない、まなつを先に追い掛けるか。それにしてもホント──」
「「壊れたウォークマンだ」」
「──え?」
聞き慣れない声が帝と被った
「誰だ?」
持っていた懐中電灯で周りを照らす。正直言っておかしなもんだ。
今この場に居るのは自分のみなのに、他の人の声がするのは不思議
一緒に居たまなつでさえ、先程走り去って行ってしまったのだ
そして懐中電灯は声のした人物を照らしたのだ
スラっとした体型、少し長い白髪の髪。顔も映したいところだが、相手を眩しくしてしまう為明かりを向けれない
手には帝と同じEMF探知機を持っている
「お前は?」
////////
「みかど〜!!」
完全に逸れてしまったまなつは、心寂しく帝を探していた
「ど〜〜〜こ〜〜〜!!?」
重たい足取りで歩いてると、廊下の少し先で手招きする帝の姿を発見した
「あ、帝!!」
まるで長年会えなかった主人との再会の如く、まなつは興奮しながら帝の元へと駆け出した
「も、もう帝ったら!」
震えながら帝の手を繋ごうと手を伸ばしたが、ヒラリと避けられた
帝は無言で廊下の奥へと移動し始めた
「ま、待ってよ帝!」
まなつを待たずにひとり先々進んで行く
そして帝に付いて行くと、いつの間にか屋敷の裏庭へと出ていた
「ねぇ帝、皆んなは?」
帝に付いて行けば皆んなと会えると思っていたのだが、帝以外誰一人としていなかった
それどころか帝は裏庭の奥、森へと足を踏み入れ手招きしている
流石にまなつは、これはおかしいと気付き始める
「み、帝。さっきから大丈夫?何か変だよ。それに────何でさっきから一言も喋らないの?」
帝の手招きする手が止まる
「み、かど?」
「呼んだ?」
「うわっ!?」
突然真後ろから帝の声がした
「み、帝!?え、何で?いつの間に!?」
「何言ってんだ?それにいつの間にって俺今来たばかりだ」
「え、じゃあ…」
まなつは自分を此処まで連れて来た帝?に視線を向ける。
それに連れられて帝も視線を向ける
「どういうことだ?」
帝ももう一人の存在に不審に感じた
「マジか…」
EMFを使ってみると、メーターを振り切り音が鳴り響く
「EMFがこんなに反応してるとなると…」
「EMFって確かお化けを捜す物だよね?それが反応してるとなると…」
帝とまなつはお互いに顔を見合わせる
「「まさか…」」
帝?はノイズが走ってるみたく、体がボケ始め、一瞬で姿が消えたかと思いきや2人の目の前に現れる
「「──ッ!?」」
そして2人の腕をがっりしと掴んだ
まなつは最後の確認をする
それは定番とも言える確認。幽霊には足がないという事
「あ、あ、足が…足が────無い!無いよおぉぉぉ!!」
「クッ!まなつ、変身するんだ!!」
「うわぁぁん!!こ゛わ゛い゛よ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛お!!」
「しばくぞ!!」
「ひっぐ…ひっぐ…とぉ、────トロピカルチェンジ!!!」
「ルーレットスタート!」
『ATTACK!』
「ときめく常夏!キュアサ…マァァァァアアア!!!?」
「もう何だよ!!」
「無理無理無理無理!やっぱ無理だよぉ〜!!」
「ああ、サマーの胸が俺の顔に、うへへぇ〜……ってじゃなくて!」
今はそんな浮かれてる状況ではない。謎の敵に掴まれては襲われてるのだ
「てかコイツ…なんて力だ!!」
プリキュア に変身したサマー、ATTACKで強化された帝ですから力負けしており引き摺られる
「こんな時の為のコレだ!」
帝は懐から紙切れ一枚を取り出して、その内容に書かれてる文字を読み始める
「Exorcizamus te, omnis immundus
spiritus…」
「hanc animam redintegra…」
「lustratus!」
「lustratus!」
「……あれ?」
「帝、何も起きないよ!」
「だけど、ここに書いてある通り読んだんだけど…」
紙切れと睨めっこしてる間にも森の中へと引き摺り込もうとする
「うわあぁぁんん!!もうお終いだぁぁ!!」
その直後
「──Hey!」
声がした
森の奥、ひとりの人物が掘り起こされた墓の前でマッチの火を付けて呼んでいた
「Good bye」
掘り起こした墓の中にマッチを投げ入れると、一気に燃え始める
それに連動してか、帝の姿をした幽霊も全身燃え始めて絶叫しながら消滅した
「一体何がどうなったんだ?」
「幽霊消えた…?」
帝は火を付けた人物へと歩み寄る。サマーも帝に引っ付きながら共に歩く
「アナタ、可笑しな呪文を言ったね」
声から察するに女の子。しかもその女の子は、さっき屋敷内で帝と会った人と同一人物
「さっきのは悪魔祓い。悪霊相手には意味無い。素人にしたって"ハンター"なら基本を学んでから"狩り"をするんだね」
「ハンター?狩り?わたし達はプリキュア だよ」
「Precure?」
(やけにこの女英語の発音がいいな。外国人か?しかも見た目だけなら俺達と歳は変わらない…)
「まあ何にしろ、悪霊相手ならせめて塩か錬鉄を使う事。牽制程度にはなるから。それと悪霊を浄化するには、墓を荒らして遺体に塩をまいて再び焼くか、悪霊の思念が乗り移った道具を焼く必要があるの」
「分かった!」
サマーは勢い良く手を挙げて理解したと主張する
「墓の処理はワタシ一人でやる。アナタ達は帰ったら?てか帰って」
「そんな〜、折角会ったんだし名前教えて〜!」
「No」
指先で軽くサマーのおでこに触れると、一瞬で眠り崩れ落ちた
「まなつ!?」
「アナタも」
「ちょ待て…おぅ…」
帝の言葉など無視して眠らせた
「困った人も居るのね。屋敷前に置いておけば誰か見つけてくれるよね?」
少女は指パッチンで音を鳴らすと、帝とまなつはその場から一瞬で消えた
「Precure、他にも居たんだ……さて、帰ろうか」
少女が瞬きをすると瞳が金色となり、風と共に何処かへと消えて行った
////////
「まなつ、帝君大丈夫?」
「「──え…?」」
屋敷前で2人は、さんごに揺さぶられて目を覚ました
「あれ?わたし達確か裏庭の…」
「そうそう幽霊と遭遇して…」
「「そうだ幽霊!!」」
2人は先程起きた事を皆んなに説明したが、苦笑いしたりとまともに信じてくれはしなかった
後日、一応二人で言った事をレポートとして提出したら学校新聞に載ることになった
はい、まさかの来年の○○○が登場しました。普通に考えて早過ぎです
そのせいもあって、割と世界感がガラリと変わっていました
だが私は謝らない
ここまでの拝読ありがとうございました