トロピカル〜ジュ!プリキュア PICARO   作:シロX

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一応目標だった50件に到達しました〜!
次は最終目標である70件を目指します!
これで減ったらお笑いもんですよ…

ではスタート!


第43話 一之瀬少女の事件簿

「悪い遅れた〜!いや〜友達と話し込んでしまって……何?」

 

全員揃ってるトロピカる部へ足を踏み入れると、何やら大事な会議でもしてるかの空気を醸し出していた

 

「それにみのりん先輩、何で変な眼鏡を掛けているんですか?」

 

一人立つみのりだけはいつもの眼鏡では無く、星型の眼鏡を掛けてボードの前に立っていた

 

「丁度良い、新しい容疑者が増えた」

 

「え、容疑者って何?」

 

「実はね──」

 

 

 

事はまなつのトロピカルメロンパンについてのこと。

放課後、購買で超レアな限定商品の「プレミアムトロピカルメロンパン」を買ったまなつだったが、少し席を外してた隙に無くなっていたらしいのだ

 

それで犯人を捜すべく探偵ごっこをしてるらしい

 

「それで見つかったのか?」

 

「いいえ、くるるんが白だと言うことがさっき明らかになっただけ」

 

「くるるんまで疑ってたのか…」

 

くるるんは今お昼寝している。勝手に容疑者扱いされたが白と断定された

 

「さて、次はローラ君。因みに君は何処に居たのかね?」

 

「アクアポットの中よ。今日は体育があってひと休みしていたの」

 

至って普通に答えたのだが、全員ローラを怪しんで見つめていた

 

「わ、わたしじゃないわよ!」

 

「ピカっときた!」

 

ローラの証言からみのりはある仮説の推理をする

 

「アクアポットに潜むローラが、まなつが居なくなった隙にパクり!犯人は君だローラ!」

 

「え〜!ローラの食いしん坊!」

 

「違うって言ってるでしょう!わたしは女王候補。女王の名にかけて宣言するわ。わたしはまなつのメロンパンを食べていない!!」

 

そう自分で無実を弁護して主張する

 

「そこまで言うなら…」

 

「待て、言い張るところが怪しいぞ」

 

「ピカっとした証拠も無い」

 

「こういうのって、本人の証言程信用出来ないものは無い」

 

「何よ酷いじゃない!」

 

このままでは自分が犯人として扱われてしまう。

そう思ったローラは帝に

 

「ねぇ帝〜」

 

「何ロー…ラッ!?」

 

ローラはスカートの裾を少し託し上げていた

 

「帝だけでも味方になってくれたら見せてあげるんだけど〜」

 

一人でも味方に付けようと帝を誘惑して誘いを掛ける

 

「ほらほら〜見たいでしょ〜?」

 

「ローラお前なぁ…」

 

「あら?見たくないなら──」

 

「皆んなローラを疑うなんて酷いぞ!!」

 

ローラに味方する様になり、全員から冷ややかな目で見られる

 

「それよりも貴女達はどうなのよ!?」

 

「え?えっとわたしはみのりと一緒に部室に来て、忘れ物があったから一度教室に戻ったな」

 

「本当に教室に行ったのかな?」

 

「え?」

 

あすかも特に怪しい様子は無い証言だったが、みのりは不信感を拭きれなかった

 

「あすか君、君は運動神経が抜群だ。教室へ行ったと見せ掛けて、3階のベランダから屋上へと上がり、吾輩が居なくなった隙にメロンパンをパクり!」

 

「あすか先輩凄い!」

 

「アハハハッ!みのりん先輩、それ猿じゃないですか!もしくはゴリラ…プフっ!」

 

「み、帝君あまり笑うと…ひぃ!!」

 

転げ笑う帝を止めようとさんごだったが、帝の背後にあすかが黒いオーラを放ちながら

 

「これで良し」

 

帝の頭を踏み潰し床に減り込んだ

 

「だから言ったのに…」

 

「ちょっと待てよ!みのりはどうなんだよ?わたしが居なくなった後、ひとりで此処に居たよな?」

 

「いや吾輩は図書室へ行った。何冊か本を借りたからね。図書委員に聞けば証明出来る。アリバイはピカっと完璧だよ」

 

「いや、みのりは頭が良いからな」

 

この完璧なアリバイに、今度は仕返しと言わんばかりにあすかが推理する

 

「一人になった隙にメロンパンを食べて、わざわざ図書室に行ってアリバイを作ったのかも」

 

「まさか、ピカリン探偵さんが犯人!?」

 

「一番犯人じゃ無さそうな人が犯人ってパターンね。この前帝の家にお邪魔した時読んだ漫画、『蝶々さんこんにちは!』の第三部でも正に同じ状況だったわ。まさか、主人公が犯人だったなんてね」

 

「吾輩は探偵!断じてそんな事は無い!」

 

「皆んな辞めようよ友達を疑うなんて!」

 

堪らずさんごは3人の仲裁に入ったがそれが間違いだった

 

「さんごは何してたのよ?」

 

「わたしは掃除当番でずっと階段の掃除を…」

 

「階段…部室に近いわね」

 

「今度こそピカっと閃いた!」

 

仲裁に入ったさんごまでも火の粉が飛んで来る

 

「皆んなが居なくなった隙を見計らってメロンパンをパクり!」

 

「わたしそんな事しないよ!!」

 

誰が何と言おうと疑い始める

 

全員が疑心暗鬼に陥ってしまった

 

「あ、あの〜、皆んなが食べてないって言うなら信じるよ…」

 

空気が重く、居た堪れなくなったまなつはこの話を打ち切ろうとしたが

 

「全然良くないぞまなつ君。メロンパン事件は迷宮入りとなってしまうではないか」

 

「誰が食べたかハッキリさせないと」

 

「気になってトロピカれないよ」

 

「そんな〜!」

 

「お前らいい加減にしろよ。まなつ困ってるだろ?」

 

先程まで床に減り込んでいた帝も仲裁に入る

 

「そういえば」

 

「まだ帝君が」

 

「残っていたわね」

 

「え、何?」

 

「ピカっと閃いた!」

 

「閃いてたまるか。言っただろう、友達と話し込んで遅れたって。しかも部室に来るまで何が起きてたか知らなかったんだぞ」

 

帝も証言をするが、この程度での証言で疑心暗鬼になる皆んなを納得出来る訳が無い

 

「帝君、君はステッキの力を悪用してメロンパンをパクり!」

 

「分身や擦り抜け、透明になったり」

 

「時間を止めたりワープも出来るしな」

 

「なんなら体を強化して飛び移る事も可能よ」

 

普段までとはいかないが、これまで日常の中でステッキを使った事を考え疑われる

 

「おいおい、俺がメロンパンを食べるだけにステッキの力を悪用すると思うか?そんなんするぐらいなら、今皆んなが履いてるパンツをこんな風に盗む方がよっぽど………あ」

 

無実である証明をと説明するのだが、その途中でさんご、みのり、あすか、ローラのパンツを目の前に出してしまったのが運の尽き

 

当然奪い返されると同時にリンチに合うオチだった

 

「通りでスカートの中が違和感を感じた」

 

「現行犯逮捕」

 

「帝君、この癖直した方がいいよ」

 

「一度死ななきゃ無理よ」

 

仕方ないと言えば仕方ない

 

「ところでまなつ、プレミアムトロピカルメロンパンってどんなのよ?」

 

「美味しそうな匂いをしてて、カラフルで、デカくて、あと袋に『めしあがれ』って書いてあったよ!」

 

その時地響きがなり、何事かと窓の外を見るとヤラネーダが街で暴れていた

 

「ナイスタイミング。推理は一時中断って事で」

 

 

 

 

 

////////

 

「パン…」

 

今回のゼンゼンヤラネーダは、パン屋の看板だった。

偶然にしても少々苦い相手だ

 

「み、皆んな、取り敢えず一旦メロンパンの事は置いといて今一番やらなきゃいけないことをやろう!」

 

 

 

「「「「「プリキュア!トロピカルチェンジ!」」」」」

 

「「「「「レッツメイク!キャッチ!」」」」」

 

 

「ときめく常夏!キュアサマー!」

 

「きらめく宝石!キュアコーラル!」

 

「ひらめく果実!キュアパパイア!」

 

「はためく翼!キュアフラミンゴ!」

 

「ゆらめく大海原!キュアラメール!」

 

 

「5人揃って!」

 

「「「「「トロピカル〜ジュ!プリキュア !」」」」」

 

 

「フェスティバルスタート!」

 

『ACTIVITY!』

 

 

 

「やぁぁ!!」

 

「ヤラネーダ!」

 

「うわっ!」

 

「サマー!」

 

先に飛び出したのはサマーだが、簡単に跳ね返される。

帝は跳ね飛ばされて転がるサマーを受け止める

 

「だぁぁぁ!!」

 

「ヤラネダ!」

 

今度はフラミンゴが上から攻撃を仕掛けたが、攻撃途中捕まって投げ飛ばされた

 

「「ハァァ…きゃあ!!」」

 

コーラルとラメールでさえも何も出来ずダメージを食らってしまう

 

「これでどう!?」

 

パパイアがビームを放つもガードされてしまった

 

「えぇ!?」

 

「な〜んか今日やり難いな」

 

「皆んな!同時にアタックだよ!」

 

「「「「分かった!」」」」

 

「あ、待て!ACTIVITYの能力がまだ──」

 

言うが速いかサマー達は一斉に飛び出して攻撃するが、同時と言うにはバラバラな連携で逆に返り討ちにあってしまう

 

「何だ〜?今日はやけにバラバラじゃねぇか。喧嘩でもしたのか?」

 

「く…あっと……え?」

 

ラメールの袖からアクアポットが落ちそうになったがキャッチする。

しかし、偶々アクアポットの中が見えてラメールは驚きの物を目にした

 

「まさかコレって……!!」

 

 

『──あと袋に『めしあがれ』って書いてあったよ!』

 

 

 

アクアポットに中にあったのは、メロンパンが入ってあったと思われる袋が泳いでいた

 

「ああぁぁーーーッッ!!!」

 

突然の叫びに帝達は勿論、チョンギーレとヤラネーダも驚く

 

ラメールはあまりのショックに耐え切れず膝を突く

 

「どうしたのラメール!?」

 

「…わたしだった」

 

「え?」

 

「まなつのプレミアムトロピカルメロンパン食べたのわたしだったのー!!」

 

「「「「「えぇ!?」」」」」

 

「だってだって仕方なかったもん!お腹空いててアクアポットの冷蔵庫を漁って、わたしの知ってる形と違うからてっきり……」

 

ラメールは立ち上がって涙目になりながらも頭を深く下げて謝る

 

「サマー、皆んな……本当にごめんなさい!!」

 

あんな大口叩いて置いて結局は自分が食べていた。更に関係の無い皆んなまで疑ったのだ

 

知らなかったとはいえ到底許してもらえないと思った

 

「ラメールありがとう」

 

「え?」

 

「このままメロンパン事件が解決しなかったら、気不味いのがずっと続くかと思ってハラハラしちゃった。ピカっと解決だね!良かった〜!」

 

「怒らないの?メロンパン食べたかったんでしょう?」

 

「いいの。だってメロンパンより、ラメールや皆んなの方がもっと大事だから」

 

たったひとつのメロンパンで嫌な感じになるのが嫌だったサマー。

メロンパンよりも、友達である皆んなの方が大切と言った事に他の皆んなもそれぞれ反省する

 

「皆んな、疑ってごめんなさい!」

 

「謝るのはわたしの方だ。嫌な事言ってごめん!」

 

「わたしこそごめんなさい!」

 

「俺も悪かった。少し自分の為に皆んなの事疑ってた」

 

全員がちゃんと謝ったのを確認してサマーはひと安心した

 

「さあ仲直り!」

 

仲直りの印として全員が手を合わせて心を一つにするのであった

 

「俺は許せねぇな!おやつの方が大事だ!ヤラネーダ!」

 

「ヤラネーダ!」

 

『ぺけ!』

 

「ヤラ!?」

 

「あれ?」

 

ヤラネーダの拳をコーラルが弾いたのだが、少し違和感を感じた。

いつもよりシールドのパワーが上がっているのだ

 

「いつもより力が!」

 

「ACTIVITYの能力だ。皆んなを活性化させてパワーアップさせてる。いつも以上に力を発揮出来る筈だ」

 

「ありがとう帝!今だよ!」

 

サマーとフラミンゴがジャンプする

 

そしてパパイアは合わせて再度ビームを放つ。

対抗してヤラネーダもライトからビームを放つが、力負けして目を潰された

 

「「タァァァ!!」」

 

サマーとフラミンゴのダブルキックがヒットし、ヤラネーダは倒れピクリとも動かない

 

「ラメール!」

 

「オーライ!」

 

 

「マーメイドアクアポット!サーチ!」

 

「黄緑!」

 

「やる気パワーカムバック!」

 

 

 

「プリキュア!くるくるラメールストリーム!」

 

 

「ビクトリー!」

 

 

 

 

 

////////

 

何故メロンパンがアクアポットの冷蔵庫の中に入っていたのかは

 

「くるるん、くるるん。くるくる、くるるん、るんるん」

 

「『まなつのメロンパン、置きっ放し。心配、だからアクアポットの中の、冷蔵庫の中にしまった』」

 

「くるるん」

 

「よく分かるわね…」

 

ジェスチャーでくるるんが全て教えてくれた。みのりの通訳だとそう言っているそうだ

 

「くるるん…」

 

「『ごめんなさい』だって」

 

「くるるんのせいじゃないわ!わたしがちゃんと確認しないで食べちゃったから!」

 

「皆んな悪気があった訳じゃないし。寧ろ善意でやった事だから何も気にしないでいいんじゃないか?」

 

「そうそう!仲良くが一番だよ!」

 

こうして、プレミアムトロピカルメロンパン事件は幕を閉じるのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、でも帝の件については許してないからな」

 

「掘り返すの辞めて貰えません?」




○○○の事件簿は初期放送である97年の放送、特に第104話の「殺意のレストラン」が一番好きな回です。

ここまでの拝読ありがとうございました

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