ではスタート!
「ふわぁ〜……あれ?」
朝の4時過ぎ
ローラは少し早く目覚めて、擦る目で周りを見渡すと一つの布団に空きがある事に気付いた
窓から外の様子を伺うと一人浜辺へと歩く人影を見かけた
「…」
「こんな時間にどうしたのよ帝?」
窓から見かけた人影は帝だった
ローラは、浜辺で座る帝の隣に相席する
「少し風に当たりに、な。そういうローラは?」
「わ、わたし!?わたしはその…貴方が心配だからよ。まだ昨日の出来事だから」
「そうか…さて、帰るか。あ、そうだ一つ言い忘れてた」
帝は手招きしてローラを近付けさせる
「俺、もう少しで幸せがどんなものか分かる気がしてきた」
「そうなんだ。でも変な事しないでよね。またさんごが泣いちゃうわよ?」
「分かってる」
話を切り上げて家へと帰るのだった
////////
「今日は何する〜?」
「そうだなぁ…」
まなつとあすかは今日の合宿内容に頭を抱えていた
「ねぇ2人共。偶にはゆっくりお休みするのも大切だと思うんだけど。どうかな?」
さんごがそう答えてくれた。昨日の帝の事もあって身体の事を心配しているのだ
とは言っても当の本人はもう元気なのだが
「そうだね!休む事も大事ってよく言うしね!」
「なら山道を散歩しない?暑くても山の中なら涼しいと思う」
「なら案内は任せて!とびっきり涼しい所連れてくよ!」
みのりの案で全員準備して山の中へと歩き始めるのだった
////////
「いい空気だ」
「もう少ししたら滝が見えてくる筈だから、そこが一番涼しいよ!」
まなつの言う様に数分歩くと巨大な滝と川が流れていた
「どうどう帝?」
「綺麗…!」
「良かった!にひっ!」
「さんごもありがとうな」
「わたしは別に。帝君の為になれたならそれで満足だから!」
帝達は川へと近付き、靴を脱いでから軽く足に浸からせる
「「「「「冷んやり〜」」」」」
そんな中ローラだけは滝の方を眺めていた
「それにしても大きいわね…」
「ローラも遊ぼうぜ」
いつの間にか後ろに歩いていた帝。
そして少し離れた場所ではまなつ達が、水の掛け合いをして遊んでいた
「ま、まぁ帝がそう言うなら遊んであげなくもないけど!」
「何で上から目線何だ?まあいいけど、こっち来いよ」
帝は優しくローラに手を差し出した
その手を取ろうとしたその時、滝の方から大きな水柱が立ち、大きな音が鳴り響いた
「この時が来たわ…」
水柱の中から出て来たのはオッカマーだ
「随分としつこいわね!」
「この前と同じ様になると思ったら大間違いわよ!!」
オッカマーはいつもとは違う色のヤラネーダの素を取り出して行使する
「さあ──ゼッタイヤラネーダ!!」
帝が何かあった時の為に持って来たロープを媒体とされて、ゼッタイヤラネーダが誕生した
「ヤラネーダ!!」
「帝!ローラ!」
「まなつ、皆んな行くわよ!!」
「「「「「プリキュア!トロピカルチェンジ!」」」」」
「「「「「レッツメイク!キャッチ!」」」」」
「ときめく常夏!キュアサマー!」
「きらめく宝石!キュアコーラル!」
「ひらめく果実!キュアパパイア!」
「はためく翼!キュアフラミンゴ!」
「ゆらめく大海原!キュアラメール!」
「山の空気最高!」
「「「「「トロピカル〜ジュ!プリキュア !」」」」」
「フェスティバルスタート!」
『SPACE-TIME!』
「速攻で片付けるぞ!」
サマー達の目の前に空間の穴を開けて、その中へと全員飛び込みヤラネーダの目の前まで。
そして帝は、一時的に時間の流れを止めてオッカマーの背後へと移動した
「そう上手く行くかしら?」
背後からの攻撃をオッカマーは、振り返りもせず拳を受け止めた
そしてヤラネーダは、突如として現れたサマー達に対応して逆にカウンターを浴びせた
「くっ…もう対応して来たのか」
帝は一度オッカマーとの距離を取る
「ヤラネーダ!!」
『ぺけ!』
「くぅ……!!」
一方でサマー達は、ヤラネーダの猛攻にコーラルが踏ん張っているが防戦一方の状態だった
「早くしないと!」
帝もそれに気付いてサマー達のフォローをしようとするのだが
「余所見とは随分と余裕なのね!!」
「チッ!」
オッカマーに邪魔されてそれどころではない
「帝、こっちの事はいいからソイツを…きゃあ!?」
「ラメール…うっ!?」
「「「ああぁ!?」」」
帝に気を取られてたせいでラメールが捕まり、心配するサマー達も続々とヤラネーダに拘束され捕まってしまう
そして敵は空中で佇んでいる。手の出しようが無い
(くっ…だが、ACTIVITYで皆んなの力を底上げすれば──)
「落ちたものね…」
「…何だと?」
ディスクに手を掛けようとした時、そうオッカマーが挑発めいた事を言った
「だってそうじゃないの。プリキュア側に寝返ってからサポートばかり。前に出て行こうとしない」
「だからどうした?」
「んっふ〜。仲良しこよし、お手て繋いで戦えば罪滅ぼしになると思っているのかしら?」
オッカマーの言う様に、あの日を境に殆どサポート系のディスクであるフェスティバルディスクでしか使ってない
以前の様に前に出ていれば、この様な事態にもならなずに済む可能性もあった
「帝ちゃん取り引き、しない?」
「取り引き、だと?」
急にそう切り出された
「今の帝ちゃんがどれだけお仲間の事を大切にしてるか理解してるのよ。だからこれは慈悲。素直に倒されればちゃんとこの子達を解放してあげても、な〜んて?」
「なるほどな。つまりは──」
人質
サマー達の解放を条件に倒されろ、と持ち掛けられたのだ
「帝駄目だ!ヤラネーダの事はわたし達で何とかするから!お前はソイツを何とかしろ!」
「だそうだ。残念ながら取り引きは終了だ」
「……そうね残念だわ。ヤラネーダ」
オッカマーが指示を出すと、サマー達を更に締め上げて苦しめる
「あ…ぅ…」
「う…っ…」
「ぐぅ…っ…」
「あがぁ……」
「うぐぅ……」
「おい」
帝の言葉にヤラネーダは少し力を緩めるが、それでも拘束を解くにはまだまだ
「これで分かったわよね?最初から選択肢なんて無いのよ」
取り引きなんて言うが、実態は違う。そもそも人質を取られた時点で相手側が有利
最初から帝には拒否権など無いのだ
「…それで立っとけば良いのか?」
「帝君何言って…ふぐぅ…!」
「はいはい小娘は黙ってなさい。立つだけでもいいけど…ステッキとディスクを渡して貰おうかしら?」
「…」
帝は少し迷ったが
「ほらよ」
オッカマーの足元に投げ捨てられたステッキとディスク。
これで帝は只の中学一年
「さて、これで帝ちゃんはサンドバッグ同然ねっ!!」
脇腹に剛力の拳がめり込んだ
「がはっ…!!」
「まだ一発しか殴って無いわよ?」
「うぐぅ……まだまだ──」
容赦無く振るう拳は帝の頬を退け反らせる
「「「「「帝(君)!!」」」」」
「ほらほら、お姫様達が心配してるわよ!倒れた方が身の為だと思うけど」
「卑怯者!!」
「卑怯者呼ばわりされたくないわ。ちゃんと取り引きしたじゃない。帝ちゃんが倒れたら解放するって」
「帝!早く楽な方を選んで!!」
「ラメール…はぁ…それは無理だ…っ!」
倒れる事を拒否する。それにはとても馬鹿な理由だった
「帝ちゃんは絶対倒れないわ。だってプライドが許さないもの。皇だから」
「そうだ…俺は倒れる事は疎か、膝を突くのも許されない。例え如何なる理由があれどだ。それでもお前達を助ける」
「でもそれだと何も救えず死ぬだけ、よっ!!」
「ぐわっ!!」
「帝!!」
帝の言う様に、地面に手や膝が付きそうになるが踏ん張って耐えている
「更にもう一発!!」
強烈なアッパーが帝の顎を跳ね上げた。
それがクリーンヒットし、帝の意識を切り捨てようとする
「────帝君!!」
(ッ!!)
薄れる意識の中で、コーラルの声が耳に届き目を覚ました
倒れそうな身体を何とか踏ん張って立て直す
(負ける、このままだと確実に負ける…!そんな事有り得ない…有ってはならない!)
帝は少しながら恐怖していた。己が負ける事に
それと同時に、身体の内側から這い出る様な感覚も
(皇…始皇帝である俺が敗北など許される訳がない。どんな存在であろうと。歯向かうものは屈服させる。俺が世界で、世界が俺。即ち俺という存在こそが────)
「これで終わりよ!!」
「帝君!!!」
────世界の理そのものだからだ」
その瞬間、帝の周りに大きな風が巻き起こった
「な、何なのよ!?」
オッカマーは堪らず攻撃を中断すると同時に
「【失せろ】」
滝が流れる壁際まで吹き飛ばされていた
「ごはっ!?」
何かされた訳でもない。なのに何故この様な状態になっているのか理解が出来なかった
「分をわきまえろ下劣な生物が」
「この雰囲気、帝君…?」
空気が一気に変わった
「たかがその程度の力で…自惚れるな」
「ステッキを持っていないのにどういう事なのよ!?」
「何処に目を付けてる?」
帝は自分が手に持つソレを見せつける
ソレは、時折りだが帝に力を貸していた未完成のステッキ。
しかし今は完璧に具現化してその能力を最大限まで発揮させていた
「では始めようか──余興をな」
『ABSOLUTE!』
そう音声がステッキから鳴り響いた
「プリキュアの
「…いつまでそうしているつもりだ?」
未だ空に浮遊してサマー達を拘束してるヤラネーダへ向ける
「【離せ】」
「や、ヤラネー…ダ…!?」
キツく締められていた拘束が少しずつ緩まりサマー達を解放した
「何やってるのよヤラネーダ!!」
ヤラネーダも本意で拘束を解いたのではない。帝の言葉に何故が逆らえず身体が勝手に動いたのだ
「【落ちろ】」
「ヤラ──」
その言葉通りヤラネーダは勢いよく地面に叩き落とされた
「【潰れろ】【ひしゃげろ】【跪け】」
「ヤラネ、ダ…ァ……」
言葉の連続でヤラネーダが地面に押し潰されていき、身動きが取れなくなっていく
「お願いや命令では無い。これは自然な事で当たり前の事だ。森羅万象、未来永劫何事も俺が正しい。俺の言動、行動何もかも全てにおいて間違いなど存在しない」
帝はゆっくりとヤラネーダへと近付き、顔を足裏で踏み潰す
「誰もが不可能と言うのであれば、この俺が可能にさせる。そして逆らう者がいるなら、そいつの可能を不可能にするまでだ。例え神だろうが俺に服従しろ。絶対は俺だ。────【這い蹲れ】」
最後の言葉で、ヤラネーダを中心に大きなクレーターが出来る
とうとう耐え切れずヤラネーダは気絶して動かなくなった
「ラメール行けるか?」
「え、あうん」
「パフュームシャイニーリング!」
「シャボンフォーム!」
「アクアチャージ!」
「プリキュア!オーシャンバブルシャワー!」
「ビクトリー!」
ヤラネーダの浄化を終えると今度はオッカマーにターゲットにする
「ここまで歯向かったんだ。それ相応の対価を支払わなければならない。その命をもって償え」
「…調子に乗らないことね!!」
猛ダッシュで帝へと走り、拳を振り上げる
「ウォォォォ!!」
「無駄な事を…」
振り抜く拳は帝目掛けて来たが、打ち砕いたのは帝の足元の地面だった
「〜〜〜ッ!!!」
連続で繰り出すが全て当たらない
帝を避ける様に何故か攻撃しているのだ
「どうして!?」
「悪いが二度は言わん」
オッカマーの懐にいとも容易く潜り込み、先程のお返しと言わんばかりに空高く顎をかち上げた
そして距離があるにも関わらず帝は拳を構える
「お前が負ける事は確定事項だ。【消えろ】」
拳を振り抜く
目には見えない攻撃がオッカマーを襲った。
絶対に当たる事の無い攻撃が当たったのだ
オッカマーは海の方までふっ飛ばされ、言葉通り帝達の前から消えた
「最初はこんなものだろう」
「わぁ〜すっごい!」
呑気なサマーの声が後ろから聞こえた
「当たり前だ。俺は始皇帝──世界そのものなのだからな。それよりも──」
帝はコーラルへと駆け寄り強く抱きしめた
「帝君?」
「怪我はないか?痛くはないか?違和感はないか?」
「く、苦しいよ帝君!わたしは大丈夫だよ!」
「本当か?」
「うん、本当だよ」
コーラルの身を確認し安堵した
「そうだラメールコレなんだが…」
真剣な眼差しでプリキュアの王杖を見せる
「うおぉぉ!!何このステッキとディスク!?ねぇラメールこれは一体??」
急にいつもの調子に戻りラメールは嫌な顔をする
「…それはわたしが知りたいわ。いつの間に手に入れたのよ?」
「なんか知らんけど身体から力が漲って出て来た」
「はぁ?身体から出て来たって何それ?怖、キモ、帝ってホントに人間なの?嗚呼ごめんなさい。帝はどうしよもない変態で、存在してるだけで生き恥を晒してる訳が分からない人間だったわね」
久し振りの罵倒を聞いたサマーは頬を膨らませて可愛く怒った
「もうラメール、帝に助けてもらったんだからちゃんとありがとうって言わないと」
「感謝はしてるわよ……ありがと」
「「「フフフッ!」」」
「はいそこ3人!後で覚えてなさいよ」
「皆んな帰ろっか!」
「そうだな」
帝とサマーを先頭に一同は、もう一度散歩を再開し始めた
主人公の頭がイカれ始めてる
そんな訳でデタラメ能力です!
その能力は大まかに下記で書いてあります
プリキュア の
帝でしか扱えない特別なステッキ。
所有者の力をプリキュアと同等まで引き上げる。念じればどんな場所からでも手元に戻り、出現させる事が出来る
ABSOLUTE:プリキュアの王杖専用ディスク。
言霊の力で存在するもの全てを絶対的に支配する。
可能を不可能に、不可能を可能にするといった因果関係も常時操る事が出来る