ではスタート
「日曜日キタァァァァ!!」
あおぞら水族館で招待された帝達は、日曜早くに足を運んで居た
「イルカイルカ!トロピカイルカ!!」
イルカとのふれあいが出来るという事で、お呼ばれしたが、呼んだ本人であるまなつが一番はしゃいでいた
「わたしはクラゲ。クラゲが見たい」
意外にもみのりも、顔にはあまり出ては無いが本まで持ってクラゲ見たさに気分上がっていた
「みのりん先輩先ずはイルカ!イルカのふれあいコーナーだよ!」
「クラゲは?」
「クラゲは後!最初にイルカだよ!」
皆んなの背中を強引に押して行く途中、まなつはふと空を見上げた
「まなつ?イルカ早く見たいんじゃないのか?」
「あ、うん!待ってよ〜!」
早速イルカとふれあえるコーナーへ行ったのだが
「只今〜180分の待ち時間となります!!」
多くの人達がイルカと触れ合う為に、入り口前で混雑していた
「ひゃ、180分!?……ってどれくらい?」
驚いた割に180分が分からないまなつ。思わず帝達は肩を下げる
「180分は三時間だ」
「へぇ〜180分は三時間………なっ!?」
三時間と聞いてまなつはその場で泣き喚き駄々を捏ね始めた
「嫌だ嫌だ嫌だ〜!イルカ見たいよ〜!」
「ちょ、まなつ恥ずかしいからやめなさい!!」
「皆んな見てる」
「さんご、あすか先輩一旦退却しましょう」
「ラジャー!」
「まなつ諦めろ」
「イ゛ル゛カ゛〜〜!!!」
場所を変えてまなつをとにかく宥めてる事にした
そこへ、まなつの母親の碧もやって来た
「ごめんなさいね。予想以上にお客さん来ちゃって」
「ふれあいコーナー大人気ですね!」
「仕方ないよまなつ。ここはプランbで」
「プランbって何よ?」
「時間を潰す次いでに、みのりん先輩の希望であるクラゲでも見に行こう」
「そうしよう!」
みのりは帝の手を引っ張り、ズルズルとクラゲが居る所まで歩いて行った
「みのりん先輩そんなにクラゲ見たかったんだ…」
「ま、まぁ好みは人それぞれだからな」
「チクチク、ミズクラゲには少し毒がある。ピリピリ、アカクラゲにももっと毒がある。ヒリヒリ、ハナガサクラゲにはもっともっと毒がある。み〜んな毒がある。とっても毒がある」
「わ、分かった。気を付ける…」
みのりの変わったクラゲ好きに少し後ずさってしまう
ところ変わってジュゴンの水槽前
「ジュゴンはね、昔は人魚に間違われてたんだよ!」
「へぇ〜」
「な、何見てるのよ。全然似てないじゃない」
「ジュゴンの泳ぎ方は、ゆったりとしていてとても綺麗だから」
「いや、意外と似てるかも知れない」
ジュゴンと睨めっこするローラの表情が、正にジュゴンそっくりだった
「さて、観れる場所はある程度回ったし戻ってみるか?」
「賛成……?」
「どうしたのまなつ?」
元気良く手を挙げたまなつだったが、周りの様子を見て首を傾げた
「何か元気の無い人が多い様な気がして…」
そんな心配をしつつふれあいコーナー前まで戻ってみる
「只今の待ち時間は120分となっております!」
「しょ、しょんな〜〜!!」
「もう日を改めた方が良いんじゃないのか?」
「うぅ……ん?やっぱりおかしいよ!!」
ふれあいコーナーから出て来る人達の様子を見て、やはり奇妙に感じてまなつは怪しむ
「イルカと触れ合ったら絶対楽しくて、嬉しくて、トロピカった気持ちになるのに!」
まなつの言う通り、出て来る客の様子は少し疲れ気味
いくら人混みが多い場所で疲れると言ってもあまりにも不審が多過ぎる
「もしかしてこれってヤラネーダ?」
「待ってよ。ヤラネーダにやる気パワーを奪われたなら、こんなもんじゃ済まないわよ。そうだ、ヤラネーダが居るならアクアポットが反応して──」
ローラはアクアポットを出してみると、微かだが確かに反応を示していた
「反応してるな」
「そういえばあの時──」
まなつは水族館に入る前に、怪しい光を見たと今更言った
「そういう事は早く言いなさいよ!」
「つまり、この水族館の中にヤラネーダが隠れてるかも知れないって訳か」
「だがどうやって見つける?ヤラネーダが居るなら目立つ筈だが、それらしき影は見えなかった」
「待って、此処が水族館だって事忘れてない?木を隠すなら森の中、海のものが隠れるなら」
それで全員察した
恐らくヤラネーダは水槽の中だと推測する
「どうやらわたしの出番の様ね。わたしが人魚になれば、水槽の中だろうが何処に居ても簡単に探し出せるわ」
「待て、人が沢山居るんだぞ。人前で人魚に戻る訳にもいかないだろう」
あすかの言う通り、そんな事をすれば余計大騒ぎになってしまう
「大丈夫、アレなら行けるはず!」
みのりが指差す方向には、ナイトツアーのポスターが貼ってあった
「人数限定で少人数」
「決まりだな」
////////
そして夜の水族館
なんとかナイトツアーに参加出来た帝達は、それぞれ分かれてヤラネーダを探す事となった
ローラは勿論水槽の中。残りの人達で、まなつとあすか、さんごとみのり、帝の四組に分かれて昼間探せなかった場所を行ってみる事にした
「…よし、ここなら見つからないだろう」
帝は、オーシャンステッキとエモーショナルディスクを取り出した
『FANTOME!』
ステッキの力を使って透明化し、更に壁をすり抜けて一気に効率化を図ることにした
だがそれでもヤラネーダが見つかる事は無かった
結果全員が最後に行き着いた場所は、イルカのふれあいコーナーの場所だった
「皆んなヤラネーダは居たか?」
「「「うわっ!?」」」
「ビックリした」
突然目の前に帝が現れた事でまなつ達は声を上げる
「お前もステッキの力を人前で使うな!」
「痛て!?」
あすかに後頭部を軽く叩かれて注意されてしまった
「なぁ皆んな見てみろ」
あすかは他のお客の様子が既におかしい事に気付いた
そしてイルカは何故かビーチボールを怖がり、そのトレーナーまでその場に座り込んでいた
「これって…!」
「ようやく気付いた様ね」
天井から、ヌメリーが降りて来た
「もう逃げられないわよ!」
「お、ローラ!」
どうやら、ヌメリーの後を追い掛けたローラとも合流が出来た
「ゼッタイヤラネーダ出番よ!!」
水面に浮かぶビーチボールに異変が訪れる
みるみる内にボールは大きくなり、とうとうゼッタイヤラネーダへと姿を現した
「本当なら笑顔が溢れる場所なのに!そんな事させない!」
「「「「「プリキュア!トロピカルチェンジ!」」」」」
「「「「「レッツメイク!キャッチ!」」」」」
「ときめく常夏!キュアサマー!」
「きらめく宝石!キュアコーラル!」
「ひらめく果実!キュアパパイア!」
「はためく翼!キュアフラミンゴ!」
「ゆらめく大海原!キュアラメール!」
「今日も元気だ!」
「「「「「トロピカル〜ジュ!プリキュア !」」」」」
「トロピカルスタート!」
『PAPAYA!』
「ヤラネーダ!」
「フッ!」
ヤラネーダが突進して来たが、それを容易く避ける
しかしこれからが帝を苦しめる事になる
壁にぶつかったヤラネーダは、バウンドしてそのままふれあいコーナー内を縦横無尽に飛び跳ねる
「速い!」
そのせいで、ヤラネーダの動きがドンドン速度を上げて捉えなくなってくる
「あ、イルカさん!!」
壁をバウンドしたヤラネーダの先に、イルカ達の方へ向かう
「うぐっ!!」
サマーはそれを身を挺してイルカ達を守った
「くっ…とにかく動きを止めないと!」
「サマー!」
「プリキュア !おてんとサマーストライク!」
「ぱんぱかパパイアショット!」
二人が放った技はなんと、ヤラネーダが持っていた輪の中へと通り抜けた
「輪くぐりしちゃった!?」
「だが動きは止まった!」
「「「「ハァァ!」」」」
止まった隙を突いてコーラル達が仕掛ける
「ヤラネーダ!」
しかし、輪の中へと吸い込まれる様にコーラル達も輪くぐりしてしまう
落下したコーラル達はそのまま水槽の中へと落ちて行く
「どうしたら…あれ?」
水中に居た筈のサマーの背が急に伸びた
それは、イルカ達が上から押し上げていた
「貴方達も力を貸してくれるの?それならいい手がある!帝も来て!」
帝達はイルカの背に乗り、水面を走り抜ける
「皆んなの大切な場所を取り返してみせる!」
イルカ達は一度水中へと姿を消した
そして大きく旋回し、勢いをつけてヤラネーダの近くまで高くジャンプした
「ヤラネーダ!」
勿論イルカ達もヤラネーダの輪くぐりに乗せられてしまうが、サマーの狙いはそこだった
「「「「「「たぁ!」」」」」」
直前でイルカ達から離れて、油断したところに全員同時の蹴りをお見舞いした
直撃したヤラネーダに穴が開き、空気が抜けてそのまま落ちて行く
「今だよラメール!」
「マーメイドアクアポット!サーチ!」
「紫!」
「やる気パワーカムバック!」
「パフュームシャイニーリング!」
「シャボンフォーム!」
「アクアチャージ!」
「プリキュア!オーシャンバブルシャワー!」
「ビクトリー!」
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「イルカさん!イルカさん!」
翌日、改めて水族館へ行くとイルカを含め色々と懐かれていた
帝、まなつ、さんご、あすかはイルカ。みのりはクラゲ。ローラはジュゴン
動物達もちゃんとその事を認識していたのだった
まなつもイルカと触れ合うことが出来て満足な一日となった
悔いはない
ここまでの拝読ありがとうございました