でもまだ、そんなに崩壊してないし…
ではスタート!
「う〜ん!」
思いっきり机に頭をぶつけてまなつは悩んでいた
「どうしたのまなつちゃん?」
「2人共帰…何悩んでる?」
そろそろ帰ろうという時に、そんなまなつを見て心配していた
「決められない…島に居る時から部活楽しみにしてたのにぃ〜…決められな〜い!!」
「そんなに悩むか?」
「だって全部やりたいんだもん!!」
「欲張りか」
「さんごは何にする?」
少しでも参考意見が聞きたく、さんごにも求めるが、帝が割って入る
「因みに俺は帰宅部」
「帰宅部…ってそれ部活じゃ無いじゃん!」
放課後、結局最後まで部活は決まらず、まなつとさんごの2人はクラスメイトの友達と日曜にお出掛けの予定だけ立てた
そしてその通学路で、帝とさんごは話していた
「さんご、無理して決める必要は無いと思う」
「え、何の事?」
「俺は知っているからな。幼稚園の時の事」
「……」
「…何かあれば俺に言ったらいい。ちゃんと助けてあげるから」
「うん、いつもありがとう帝君…」
////////
「今日はクラスの友達とショッピングモールに行くの!」
「ふぅ〜ん…」
「大人しくしとけるなら、連れてってあげるけど?」
ちょっと感に触る言い方にローラは意地を張る
「いい、行かない」
「え、本当に?」
「偶には体を休めないと」
「そうなんだ。じゃあ念の為、帝にローラを預けようかな?」
それを聞いたローラは、椅子から転げ落ちた
「ななな何で人間にわたしを預けるのよ!!?」
「だっていつも2人仲良いじゃん」
「何処をどう見たらそう思うのよ!?とにかく嫌よ!」
「そう言われても…」
まなつはローラの後ろへと指を指す。
恐る恐るローラが振り返ると
「ローラ!!」
「ギャァァ!!」
いつの間にか背後に居た帝に捕まり、いつもの様に胸を触られる
「さっきリビングの窓から見えたから。今日はさんごも一緒に出掛けるから、帝は暇かなと思って預ける事にしたの」
「やっぱ行く!まなつわたしも──」
「もうこんな時間!遅れちゃうから行ってくるね!帝後は宜しく!」
「お願いまなつ!人間と2人っきりは絶対嫌!!一生のお願いだから〜〜!!」
しかし、そんなローラの声も儚くも届かなかった。
時間に追われるまなつは、ローラの事は全て帝に任せて出掛けて行った
「怖い怖い怖い!今この状況が物凄く怖い!!」
「そんな事無いって〜。ほら、のんびりと2人だけで過ごそう?」
「まなつカムバァァーーック!!」
「太陽の日差しが気持ち良いな」
「…そうね」
「え何?もしかして期待してたの?」
「うるさい!!」
帝が連れ出した場所は、まなつの母が働いてる水族館の屋上に来ていた
予め、まなつから此処の場所を聞かされて訪れたのだ。
この場所なら人に見つかる心配は無いと
「ところで人間、あのオーシャンステッキはどうしてるの?」
「それなら…ほら」
手の平にコロンと、リップサイズまで小さくなったオーシャンステッキがあった
「携帯用に小さく出来たから」
「なるほどね」
「安心しろ。ちゃんとローラ達に協力する」
「当たり前よ。そうしてくれないと意味無いもの」
いつになく、ちゃんとした会話をしてると誰かの視線を感じた
「「あっ…」」
「人魚?それに帝君?」
何故かまなつと一緒に出掛けてる筈の、さんごと出会してしまった
「可愛い…」
「あら何急に?」
「ご、ごめんなさい!あんまり可愛いかったからつい」
「良いのよ〜!可愛いのは当然なんだから!それに久し振りに純粋な可愛いを聞けて嬉しいわ!」
多少の自覚はあるのか、帝は苦笑いを浮かべる
「ところで作り物ですか?」
「失礼ね本物よ」
「本…物〜!?」
ちゃんとローラが本物の人魚って事を分かってもらう為、ローラは水面から一度上がる事にして尾鰭を触らせる
「凄い本物の人魚!」
「だから言ってるでしょう」
「こんなに可愛いって言ってくれるんだし、トロピカルパクト持たせてみたら?」
「ナイスね人間!貴女プリキュアやってみない?」
「プリキュア?」
物は試しにトロピカルパクトを持たせてみる
「変化ないね」
「やっぱ駄目か〜」
何も反応が無い事を確認したら、トロピカルパクトを返してもらった
「さんご〜!」
その時、遠くからまなつの声がした
「マズい…」
ローラは帝の襟元を掴んだ
「皆んな!ねぇ、貴女の事を……あれ?」
ローラの事を紹介しようと思ったが、少し目を離した隙にその姿を消していた
「帝君もいない」
さんごは諦めてまなつ達と合流した
そして行った事を確認して、帝とローラは水面から顔を上げる
「あっぶな…」
「ぷはっ!はぁ…はぁ…人間は水中じゃ息出来ないんだ!!」
「知ってるわよ。それに、わたしを見られた事をまなつが知ったら怒るわよ?」
「うわっ、まなつをダシにして脅迫して来る」
////////
次の日のお昼休み
屋上で1人、帝がお弁当を広げてると見覚えのある2人がやって来た
「帝も居たんだ!一緒に食〜べよ!」
「いいよ」
そんな訳で3人並んで食べる事に。ローラもポットの中で昼食を用意していた
「まなつちゃんが羨ましい…」
「え、何が?」
「いつも、自分が一番好きな事を迷わずに出来るでしょう?」
「さんごは違うの?」
「うん、実はね…」
「え、さんご話してもいいの?」
何か話そうとしていた事を帝が止めに入った
「大丈夫だよ」
和かに笑い掛けるも、それとは裏腹に沈んだ表情のまま話を続けた
「幼稚園の時にね、皆んなとチューリップの球根を植えた事あって好きな色を選べたの」
さんごが話してくれたのは、一番可愛いと思った紫を選んだのだが、花が咲いてみると実は自分意外の子達は皆んなピンクを選んだのをその時初めて知ったのだ
「皆んなは気にしてなかったけど、わたしもピンクにすれば良かったって凄く後悔した…」
「でも、俺も紫を選んだよな?」
「だってあの時帝君は!!」
不意に出した大声に、帝とまなつはビックリした
「ごめんね…」
空気が重たくなり始めた時、まなつのポケットからポットが勢い良く飛び出した
「く〜っだらない!」
「「ローラ!?」」
「ローラ?」
「自分の可愛いが信じられなくてどうするのよ?」
屋上とはいえ公の場。ローラの声に周りに居た人達が振り返る
「貴女は…!」
「まなつ!」
「ほい来た!」
まなつはポットを、帝はさんごを抱えて人気の無い場所へと移動した
そこで色々と込み入った話をした。勿論、さんごがローラと会った事についても話した
「まさか2人が会ってたとはね。てゆうか、帝と一緒に居たのに何でさんごと会うの?」
「ローラって言うんだ。小ちゃくても可愛い!」
「そうそう!自分の可愛いを信じなくちゃ!」
「自分の可愛いを信じる…」
「ねぇローラ、さんごってプリキュアに向いてると思わない?」
「あの…プリキュアって?」
まださんごにはプリキュアについて詳しくは説明してはいなかった
「プリキュアはね、あとまわしの魔女から世界を救う伝説の戦士なんだよ!ローラは、プリキュアを探しに人魚の国からやって来たんだよ」
「帝君も?」
「俺はプリキュアでは無いよ。でも、プリキュアと同じ力をこの前手に入れたからね。協力しようって事になってる」
(世界を救う伝説の戦士。わたしにそんな事が──)
さんごに心境の変化が訪れようとしたのだが
「でもこの前、トロピカルパクトを渡したけど無反応だった。だから正直無理だと思う」
「そうかなぁ〜?」
「わたしにはそんな勇気も自信も無いから」
「そんな時はコレ!」
まなつはリップを取り出した
「メイクで気合いを入れるの!そしたら──」
「『トロピカルぞ〜って気分が上がるから』って言いたいのか?」
「ちょ、それわたしの台詞!」
////////
放課後、下校中でヤラネーダが出現した事に気付いた
帝とまなつはお互いに目を合わせて行動に移す
「わたし急用思い出した!」
「俺はまなつのパンツを追い掛ける!」
「「「まなつ!」」」
「でも、何で帝はパンツ?」
「さぁ?」
「やはりヤラネーダだったか」
「まなつ!帝!」
「任せて!」
「よし」
「プリキュア!トロピカルチェンジ!」
「レッツメイク!」
「ときめく常夏!キュアサマー!」
「ルーレットスタート!」
『DEFENCE!』
変身を終えて、速攻でサマーが飛び出した
「ちょっと待った!」
「え、何?」
「サマーのパンツをまだ堪能してない。スカート捲ってからどうぞ」
「そんな事言ってないで行くよ!」
今度こそ仕切り直してサマーが攻撃を仕掛ける
「てや!」
先ずは一発度キツイヤツをお見舞いして牽制する
「取られたやる気返して貰うわよ!」
「させねぇぜ!先ずは人魚をやっちまえ!」
「ヤラネーダ!」
ゴミ箱を媒体としたヤラネーダは、腕から空き缶の弾を連続発射する
「やらせるか!」
帝はローラの前に立ち、手を翳すと青い盾が現れて全て防御した
「可愛くてカッコいい。これがプリキュア」
2人の後を追って来たのか、さんごも近くてその勇士を見ていた
(そんな勇気も自信もわたしには…)
『──さんごってプリキュアに向いてると思わない?』
『── トロピカルぞ〜って気分が上がるから』
「わたしにも…あっ!」
攻撃を直撃したサマーは吹き飛ばされ、近くに居たローラまで下敷きになってしまった
「やばい!」
「まなつ!ローラ!」
「え、何でこんな所にさんごが?」
「何やってんの!早く逃げなさい!」
「待って!」
逃げろと促すローラだが、帝が待ったを掛ける
「わたしは逃げない!」
その時、さんごの左指から紫の光が放った。そしてトロピカルパクトも反応する
これはサマーの時と同じ現象
「見つけたわ!2人目のプリキュア!」
トロピカルパクトはさんごの手の中へと収まった
「わたしが…プリキュア!」
「さんご!そのリングをパクトの穴に挿れてクルッと!クルッとね!」
「リングをパクトの穴に挿れてクルッと…分かった!」
「プリキュア!トロピカルチェンジ!」
「レッツメイク!」
「キャッチ!」
「リップ!」
「アイズ!」
「ヘアー!」
「チーク!」
「ドレス!」
「きらめく宝石!キュアコーラル!」
「やった!貴女はプリキュアになったのよ!」
「プリキュア?これがわたし?」
3人は新たなプリキュアのコーラルを歓迎するが、逆にチョンギーレは歓迎しなかった
「また邪魔者が増えたのかよ」
「「キュアコーラル可愛い!」」
「ありがとう…あっ!」
「ヤラネーダ!」
「危ない!」
『ぺけ!』
ヤラネーダに背中を見せてしまったサマーと帝は反応出来なかったが、コーラルが2人の前に立った
ヤラネーダを攻撃なのだが、コーラルが指先でペケ印を作り、そのペケ印のシールドで攻撃を完璧に防いだ
「これはまた凄い」
「帝援護して!」
『TECHNIC!』
「…面白い。少々遊んでやろう」
ルーレットをし直して新たな能力にチェンジする。そして軽く髪をかきあげて集中モードで性格を変えた
「「ハァァァ!!」」
「ヤラネーダ!」
またも連続発射するが、2人の前に分身した3人の帝が現れた
「『『滑稽な悪足掻きだ』』」
オーシャンステッキで全て受け流して、2人の道を切り開いた
「「ヤッ!」」
ヤラネーダの背中へと飛び回った2人は、足で軽く蹴り飛ばして倒した
「ローラ!」
「オーライ!」
「マーメイドアクアポット!サーチ!」
「黄色!」
「やる気パワーカムバック!」
やる気パワーを取り戻したが、すぐに取り返そうとヤラネーダが仕掛ける
『ぺけ!』
だがコーラルの完全な防御でこれも防いだ
「わたしはもう逃げない!」
更に、さんごの想いに応えて、サマーのハートルージュロッドが色違いの物に分裂した
「ヤラネーダ!」
負けじとヤラネーダが突撃して来た
だがそれを上から3人に帝が叩き付けるかの如く、抑え込んだ
『この俺が』
『絶対だ』
「這い蹲ってろ」
「今だよコーラル!」
「わたしはわたしを信じる。だって、これがわたしの可愛いだから!」
「ハートルージュロッド!」
「プリキュア!もこもこコーラルディフュージョン!」
「ビクトリー!」
「チッ!」
「これでプリキュアが2人目。予想通りの結果ですが、少々追加されるのが早過ぎでは?」
「アリス!お前今まで何処に!」
「陰ながら白旗降って全力で応援していました〜」
「やったねコーラル!」
「ありがとうサマー。帝君も」
「感謝の言葉は要らないよ。だってもう既に良いもの見せて貰ったから!」
「何を?」
その時、分身した帝2人がサマーとコーラルのスカートを背後から大きく捲り上げたのだ
「あっ!?」
「えっ!?」
一瞬理解出来なかったが、スカートが下がる頃になって自分達が何をされたかのを知り赤面する
「帝〜!!」
「帝君!!」
「さぁ、どれが本物か当ててぶべば!?」
サマーとコーラルのグーパンチが、見事本物の帝に命中した。
それと同時に分身も消えた
「?」
「どうしたのコーラル?」
「何か誰かに見られてた様な?」
コーラルは誰かの視線を感じたのだが、見渡しても人影など存在しない
「気のせいじゃない?」
「そう…かもね」
それ以上コーラルは気にはしなかったが、それは間違って無かった
「…」
確かに誰かが帝達を見ている
////////
夜の7時が回った頃、皇家のインターホンが鳴った
「は〜い」
出てみるとさんごが立っていた
「ごめんね帝君。今大丈夫かな?」
「いいよ、部屋に上がって」
差し出された手を取り、手を繋いで帝の部屋へと移動した
「どうした?プリキュアの事で訊きたい事でも?それとも何か不満があった?」
「ううん、違うの。あの、その……ごめんね!」
急に頭を下げて謝り出して帝は困惑した
「急にどうしたの?そんな謝る事された覚えが…」
「チューリップの事、謝りたくて」
「謝るも何も気にしてないって」
「でも帝君、本当は紫じゃなくて黄色を選んでいたんだよね?」
実は、帝はさんごだけが紫のチューリップを選んだ事を最初から知っていたのだ
それに気を遣ってわざと紫に変更したのだ
さんごもそれに気付いたのは、花が咲いて少し経った時だった
『──ひっぐ…ひっぐ……』
『──さんごどうしたの?』
『──みんなピンク選んでたの。わたしもやっぱりピンクがよかった。わたし変なのかな?』
『──そんな事ないよ。ほら、俺も紫だよ。おそろい』
持って来た植木鉢をさんごに見せてあげた
『──さんご泣かないで。さんごのかわいいは、俺もかわいいと思ってるから』
『──ほんとう?』
『──うん!』
「あの時すっごく嬉しかったの。帝君だけがわたしの事に気付いてくれたの」
「前に言ったろ?『ちゃんと助けてあげるから』って。いつだって、さんごの味方だから」
「いつもありがとう帝君」
2人目のプリキュア、涼村さんごがキュアコーラルとして覚醒した
新たな日常が訪れる
何かローラとの絡みめっちゃ多いね!
ここまでの拝読ありがとうございます!