感謝しかありません!この調子で頑張って行きます!
ではスタート!
「えぇ〜凄い!さんごファッションショーに出るの!?」
トロピカる部で集まった時、さんごが今朝起きた事を話してくれた
ファッションショーでデザイナーの「コニー」という人物から直々に、モデルとして出て欲しいと頼まれたのだ
「ファッションショーというと?」
「あおぞらプリティーコレクション。毎年、コスメショップの関係でお母さんが手伝ってるの」
「ランウェイを歩くって事か?」
「そうなんです〜」
「ねぇ、そのランウェイってなんなの?」
「モデルさんが歩く花道って事。お客さんに服をお披露目するの」
みのりからそう説明された。
目立つ事が好きなローラは、ランウェイを歩く自分の姿を想像してニヤニヤと笑みを浮かべる
「そのファッションショー、わたしが出てもいいわ!」
「今回はさんごが選ばれたんだ。それに、さんごはこのファッションショーが本当に好きなんだよ。だろ?」
「うん。あおぞらプリティーコレクションはね、オシャレなファッションブランドが幾つも出るし、全部がキラキラしてて可愛くて、見ているわたしまで幸せな気持ちになれるんだ!昔から大好きで憧れだったの!だから、すっごく嬉しくて!」
さんごの熱弁に思わず皆んな黙ってしまうが、それくらい夢中にさせるものだと思った
「俺の可愛いさんごがこんなにも積極的になるなんて…育てて良かった〜」
「いや、お前は育ててないだろ」
「何がともあれ、わたし達も応援するから頑張って!」
「うん!」
それからは、モデルとしての練習を積み重ねる日々が始まった
勿論、さんごは教わった事を練習するだけではなく、帝達にもそれを教えたりしていた
「先ず基本の立ち方ね。姿勢を良くして、顎を引いて、それで頭の天辺から真っ直ぐ下に。体の中心に一本の芯が入ってる事を意識するの。そうすればバランスも取れるんだって」
試しに頭の上に本を乗せてバランス調整をやってみる
「おっと!」
「意外と難しいね〜」
運動神経の良いまなつとあすかは苦戦していた
そんな二人を差し置いて意外な人物達が成功していた
「本は友達」
「立ってるだけなら簡単だけど、歩くとなるとどうだろうな」
みのりと帝はバランスを保っていた
「よっと……そういえばさんご、この服って何?」
隣にあるカゴの中に様々な服が入ってる事に帝は気付いた
「ファッションショーで使う衣装よ」
そこへタイミング良く、みゆきが出て来て説明してくれる
「折角だし皆んな来てみる?サンプルだから問題ないけど」
試しにまなつとさんごが試着してみた
「可愛い…あれ?」
さんごはフレアスカートの折り目となっている部分に、ハート柄のデザインが隠れてる事に気付いた
「このスカート、こうすると模様が見える。折角可愛い柄があるのに見えないと勿体ないね」
「その通りよ。ファッションショーはね、服の魅力を余す事なくお客さんに伝える事が大切なの」
「服の魅力?」
「どうすればその服が魅力的に見えるか、考えるのもモデルのお仕事よ」
モデルの仕事にはそういう事も含まれていた
服を只見せるだけではなく、如何にして魅力を伝えるかもモデル次第
「コニーさんも良く言ってる事なんだけど、モデルはお客さんに『可愛い』を届けるってこと」
「…可愛いを、届ける」
////////
ファッションショー当日
本番前に一度、リハーサルがある為その準備をしていた
「さんごまだかなぁ〜?」
「取り敢えず落ち着け帝」
さんごのモデルデビューに、帝は自分の事のように浮き足だっていた
「帝、わたしだって充分可愛いわよ?」
「ア〜ハイハイローラモカワイイカワイイ」
「ガガーン!あの帝がわたしに興味を示さないなんて……」
「しょうがないよ。今の帝はさんごにしか目が入ってないから!」
「そ、そうよね。わたしに掛かれば帝なんてイチコロよ!」
「お前、帝のこと嫌いじゃなかったのか?」
「え、ええそうよ!帝なんて全然好きじゃないわ!」
「じゃあ何であんな事を言ったのか?」という疑問がみのりとあすかの中で浮かぶ
そうしてる間にもリハーサルは進み、さんごの番となる
「あ、さんごだ!お〜い!」
少し遠くで見守る帝達の存在には気付かず、少し緊張した表情をしままランウェイを歩き出した
その緊張が達したのか、歩いてる最中さんごは足がもつれて倒れてしまった
再開しようとすぐさま立ち上がったのは良いが、その場から一歩も動こうとはしなかった
「あれ、どうしたのかな?」
「様子が変だな…」
その様子にも帝達が気付いて心配になり近付く
「さんご!」
結局そのまま動けずに、他のモデルの人に連れられて舞台裏へと帰ってしまった
帝達も後を追い掛けて裏へと回る
「さんご大丈夫?」
「皆んな……ちょっと滑っちゃった」
「気にすんな」
「練習通りすれば大丈夫」
「さんごは、皆んなに可愛いを届けるんでしょ?」
「う、うん…」
「さんご大丈夫かな?励ましたけれど全然元気が無かったよ」
「気にすんなとも言ったけど、やっぱり気にはするよな…」
「それでも俺は信じてる。必ずさんごは自分の力で……?」
ふとランウェイへ視線を移すと、誰かが歩いていた
「まだ時間じゃないよね?」
誰かと気にしていたが、すぐにその正体を知る事になる
軽い風が吹くと、ランウェイを歩く人の帽子が飛んで行き、その人──ヤラネーダの素顔が露になった
「ヤラネーダ!?」
「あらあらバレてしまったらしょうがないわ」
「ヌメリー!?」
「超ゼッタイヤラネーダ、残りのやる気パワーも奪ってしまいなさい」
「ヤラネーダ!!」
ヤラネーダが高く飛び上がると、人間サイズからいつもの巨大な姿へと変えた
「行くよ皆んな!」
「…悪い、此処は任せた!」
「え、待って帝!」
みのりの言葉は届いてる筈だが、それを無視して舞台裏の建物へと走って行った
「まさか帝、さんごを呼びに行ったんじゃあ…」
「な!?さんごは今ファッションショーに集中してるんだぞ!一体何を考えてるんだ?」
「大丈夫だよきっと」
「まなつ…」
「だって帝だよ?さんごの為に動く帝は、絶対何か理由があって動いてると思うの。心配は要らないよ」
まなつに言われて、改めてヤラネーダへと向き合う
「だから今は!」
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「確かこの辺だった様な……此処か」
さんごの元へ走った帝は、その居場所を見つけた
入り口でさんごを探してると、さんごも帝の存在に気付いて駆け寄る
「帝君どうしたの?」
「その事なんだけど……何かあったの?」
奥を覗くと、何やらモデルにスタッフの方々がコニーを中心に集まっていた
「実はファッションショーで使う風船が今届いたの。でも、今から準備するにも時間が掛かるから」
「そういう事か…参ったな」
「あ、帝君はどうしたの?何かあったの?」
「…ヤラネーダが現れた」
それを聞いてさんごは難しい表情をした
「…分かった。わたしも行くからちょっと待ってて──」
トロピカルパクトを持って来ようとするさんごだが、帝は腕を掴んで止めた
「駄目だ」
「え?」
「さんごは此処に残ってファッションショーの準備をやるんだ」
「でも、ヤラネーダが出たんでしょう?それなら皆んなのやる気を取り戻す事が大事なんじゃ…」
「確かに大事だ。けれど、今のさんごにはそれ以上に大事な事がある」
例えヤラネーダを浄化しても、肝心なファッションショーがダメになってしまえば意味が無い
「ショーを成功させる為にも、此処に残って準備するんだ」
「……」
「あの服を着て、その可愛いを届けれるのはさんごだけなんだ。そしてそれは、この会場に居る皆んながそう思ってる」
「皆んなが、そう思ってる…」
「皆んな可愛いが大好きだから。さんごも可愛いが大好きだから、このモデルの手伝いを引き受けたんでしょう?ヤラネーダの事は俺達に任せて」
帝は優しく抱きしめた後、すぐさま外へと向かって行った
「帝君……ありがとう」
「遅くなった!」
『ATTACK!』
会場に戻って来て早々、ヤラネーダに蹴りを入れて倒させる
「今だ!抑え込むんだ!」
サマー達は両手両足を力一杯抑え込んだが、それでもヤラネーダの力が僅かに強く、起き上がろうとしていた
「皆んな!!」
そこへ、準備を終えたさんごがやって来た
「さっき転んだのみ〜ちゃった」
「えっ?」
ヌメリーはそう挑発した。どうやらリハーサルの時のさんごを、ヌメリーも何処かで見ていたのだ
「仲間の所まで来られるかしら?そこのランウェイを通って。怖いなら無理しなくてもいいのよ。嫌々やったところで──」
「違う!わたしがやるのは好きだから──大好きだから!!」
「プリキュア!トロピカルチェンジ!」
「レッツメイク!」
「キャッチ!」
「リップ!」
「アイズ!」
「ヘアー!」
「チーク!」
「ドレス!」
「きらめく宝石!キュアコーラル!」
足を踏みしめ、そして勢い良くランウェイの上を走り出す
「わたしの大好きな、此処に居る皆んなの可愛いと大好きを絶対に壊させはしない!!」
ランウェイを走り切り、ヤラネーダの元へと大きく跳んだ
「許さないんだから!!」
「ハートルージュロッド!」
「プリキュア!もこもこコーラルディフュージョン!」
コーラルの技を受け、起き上がる最中だったヤラネーダは完全に地に伏せた
「ラメールお願い!」
「オーライ!」
「マーメイドアクアポット!サーチ!」
「青!」
「やる気パワーカムバック!」
「ランドハートクルリング!」
「「「「「おめかしアップ!」」」」」
「「「「「エクセレン・トロピカルスタイル!」」」」」
「「「「「5つの力!大地を照らせ!」」」」」
「「「「「プリキュア!ランドビート・ダイナミック!」」」」」
「「「「「ビクトリー!」」」」」
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ファッションショーは無事に開催された
そして可愛く仕上がったさんごは、生き生きした表情でランウェイを歩いていた
(わたし、可愛いでいっぱいのこの場所に居られてとっても幸せ!)
観客席の方に居る帝と目が合った
(帝君、いつもわたしの背中を押してくれてありがとう!)
そう、最大級の笑顔で微笑むのであった
次回10本立てか。書くの大変そう…
ここまでの拝読ありがとうございました!