トロピカル〜ジュ!プリキュア PICARO   作:シロX

66 / 95
色々とやばいっす

ではスタート!


第63話 ハプニング続出!?一年生組の調理実習!

「調理実習の班長誰にしようか?」

 

一年生の教室。そこでトロピカる部の一年生組は、まなつの机に集まって話合っていた

 

「まぁ、最初から決まってる様なもんだけど」

 

「うん、それじゃあ──」

 

「「はい!」」

 

まなつとさんごの会話を遮って、帝とローラが手を挙げる

 

「このグランオーシャン次期女王のわたしが、皆んなを率いて料理をしてあげるわ!」

 

「ローラってわたしより下手だよね?」

 

「失礼ね!!」

 

「もしかして帝君も…?」

 

ジトーッと帝を横目で見る。そして帝は笑顔で答えた

 

「ああ!」

 

「…じゃあ班長はわたしって事でいいかな?」

 

「いいよ!」

 

「「ちょっと!!」」

 

怒るのも無理は無いが、正直言ってこの二人に任せると被害者が続出する

 

最初からまなつとさんごは、さんごが班長する事前提で話していた

 

「俺は?俺は何でダメなんだ?」

 

「帝君は料理下手極端に言って下手なの!でも料理以前の問題だよ!この前だって、余り物でホットドッグ作ろとした時──」

 

 

 

『──さんご大変だ!!』

 

『──何帝く…キャアァァ!?』

 

『──IHが火を噴いてる!!』

 

『──何でIHで火が付くの!?』

 

 

 

「何でソーセージ焼くのに火が噴くの?あり得ないよぉ…」

 

「何が原因だったの?」

 

「分かんないよ。フライパンに火が付くならまだしも、IHのコンロにだよ?」

 

「色々不安だけど、明日は頑張ろう!」

 

 

 

 

 

////////

 

次の日

 

桜川の元、家庭科室で調理実習が行われる

 

「わたしとまなつで、お米研ぐのとお味噌汁に生姜焼きをするから、帝君とローラはお肉を包丁で切るのと野菜をお願いね」

 

帝達が作ろうとしてるメニューは「ご飯」「生姜焼き」「お味噌汁」「野菜サラダ」

 

各々役割り分担して作る事となった

 

「なぁさんご、肉を俺達でするなら焼くのも俺達がした方が──」

 

「駄目」

 

「え、でも──」

 

「この間のホットドッグ。誰のせいで大事になったと思う?」

 

「はい…」

 

頑なに火元に近付けさせたくないさんご。帝は渋々返事するしかなかった

 

「お願いね」

 

それだけ言って、さんごはまなつと一緒に作業に取り掛かった

 

「わたし達もやるわよ」

 

「そうだな。俺が肉を切るよ」

 

ローラは野菜を洗い、帝はソーセージと睨めっこしていた

 

「どうしたのよ帝?」

 

「いや、このソーセージ見てると思い出す。俺のソーセージをさんごが咥えてるのを」

 

「え、キモ…流石にそれは引くわ…」

 

「違うよ!ホットドッグの話だよね!?」

 

「あ〜この前習ったあれ?え〜と……交尾!」

 

「まなつは喋らないで」

 

ローラがソーセージを取り上げて、取り敢えず肉を帝の前に出す

 

「取り敢えず適当でいいから切りなさい。それなりの大きさで」

 

「オーライ」

 

帝は包丁を持って構えた

 

「へ?」

 

しかしその姿に色々とツッコまざる得なかった

 

包丁を持つ右手は只単に握り締め、猫の手の左手は何もせずぶら下げてる。

そして極め付けは、包丁を頭の高さまで上げていた

 

「ちょま──」

 

勢いよく振り下ろされる包丁は、大きな音を立てて肉を切る…というより叩き付けていた

 

「帝君!?」

 

ガンガン叩き付ける音が教室中に響き渡り、周りのクラスメイトは引いていた

 

「帝君!帝君ストップ!!」

 

さんごに呼び止められてやっと止まった帝だが、止まった勢いで包丁は教室の外へ投げ出してしまった

 

「「あ゛ーー!!」」

 

それを見たまなつとさんごは、女の子とは思えぬ声を出した

 

包丁を取りに廊下へ急ぐと

 

「あ、ぁ…ぁぁ……」

 

青ざめた顔色で座り込むあすかに、その隣で壁に突き刺さる包丁があった

 

どうやら包丁は、授業で移動中だったあすかの目の前を横切り壁に突き刺さっと考えられる

 

「「あすか先輩!?」」

 

「だ、誰だ包丁を投げた奴は!?」

 

「み、帝…」

 

「殺す気か!!」

 

 

 

 

 

「さてと、包丁も戻って来たし……また切るか!」

 

「帝君よく見て!!」

 

まな板の上は、見るも無惨に変わり果てたお肉だった

 

「お〜見事にミンチになっちゃったね」

 

「これ、食べれるのかしら?」

 

まなつは思わず感心を、ローラは食べれるか不安がっていた

 

「あの皇さん、包丁の持ち方が…」

 

「何ですか先生?」

 

「ひぃ!!」

 

アドバイスでやって来た桜川へ体を向けるが、包丁の先も一緒に向けてしまう

 

「と、取り敢えず包丁は置いて下さい!」

 

「え、はい」

 

そう言って帝は包丁をまな板に突き立てた

 

「〜〜〜ッ!!?!」

 

ローラが声にならない悲鳴を上げる

 

何故なら、包丁を突き立てた場所はローラの人差し指と中指の間だからだ

 

あと少し左右どちらかにズレてると指を刺していたところだった

 

「まなつまなつ!わたしの指ちゃんとあるわよね??」

 

「あ、あるから落ち着いて!」

 

「帝君、包丁持つの禁止!!」

 

「じゃあ俺は何をすればいいんだよ…」

 

帝は至って真面目にしてるのだが、問題は"真面目"にして既にこの状態ということ

 

事態の重さを知ったさんごが出した決断は

 

「…ゆで卵。それなら簡単だよ」

 

「任せろ!」

 

「わたしと帝君が代わるから…」

 

「あ、帝。卵は先生の所にあるから」

 

「は〜い」

 

帝が卵を取りに行ったのを見て、さんごは深い溜め息を吐く

 

「さんご大丈夫だよ!確かにコンロは使うけど、ゆで卵なら水に浸して6分〜12分くらいで出来るから。その間は基本何もしなくていいから」

 

「いくら帝でもゆで卵で失敗する訳ないわよ」

 

「ゆで卵の準備出来たぞ」

 

まなつとローラが話してる内に帝が帰って来た

 

「じゃあ卵を鍋の中に入れて。もう準備はしてるから……あれ、帝卵は?」

 

帝の両手を見るが卵は一つも持っていない

 

「だから準備したって」

 

「何処に?」

 

「あそこ」

 

帝が指さすのは電子レンジ

 

する時、電子レンジから大きな音が鳴り響いた

 

いくつもある中から音のした場所は、帝が指さしたたった一つの電子レンジからだった

 

そこでは、中身が飛び散ったであろう物がグチャグチャになっており、レンジの蓋は悲しく開かれてあった

 

明らかに見て爆発が起きたのだ

 

「「「……」」」

 

「え、卵って爆発するの??」

 

「何で卵を電子レンジで温めちゃうの!!?」

 

予想通りさんごの雷が落ちた

 

「ゆで卵だから器に水入れて、その中に卵入れてレンジでチンって…」

 

「普通ゆで卵は鍋でやるものなの!!」

 

「そうなのか!?」

 

「そうなの!!」

 

 

 

 

 

家庭室では不安と恐怖が支配していた

 

次はどんな事件が巻き起こるのか、自分達は生きて調理実習を終えれるかどうか

 

そんな中でも、帝達の班は殺気立っていた。特にさんごが

 

「あ、あのさんごさん、何か手伝いを──」

 

「しなくていい」

 

「あ、はい…」

 

不機嫌極まるさんごは、ぶっきらぼうに返事をして帝に何もさせない様に指示する

 

「さんご怒ってるね」

 

「当たり前よ。それに命が幾つあっても足りないわ」

 

さんごは静かに作業をする。帝を無視して

 

流石にそれはマズイと思い、まなつが助け舟を出す

 

「ねぇさんご、確かに帝にやらせるのは危ないけど、このままだと帝の成績にも影響しちゃうよ」

 

「……」

 

「意地張ってないで」

 

「…もう」

 

さんごは包丁を置き、帝にお玉と小皿を渡した

 

「お味噌汁のアクなら取れるでしょう?」

 

「あ、ありがとうさんご!期待を裏切らない様に頑張る!!」

 

喜ぶ帝を見て、やっぱりさんごも頬を緩める

 

「まなつ、ローラ後少しで終わるよ。わたし達も頑張ろうか!」

 

 

 

 

 

////////

 

「で、あるからして〜──」

 

帝達が大暴れの中、みのりは静かに授業に集中していた

 

だがその時だった

 

学校中の火災報知器が鳴り響いた

 

「え、火事?」

 

それに伴い、緊急放送もされる

 

『火事発生!火事発生!至急生徒はグランドに避難して下さい!』

 

みのりは火事でも落ち着いて、ハンカチを取り出し口に当てて避難した

 

 

 

 

 

数分で生徒教職員含め全員避難された

 

消防車が慌てて駆け付け、火元の消火と調査を行う

 

それが十数分以上掛かり、事態は鎮静された

 

そして全体へ校長が話す

 

「え〜、今回の火事の原因は家庭科室の引火によるものです。皆さん、くれぐれも火の扱いには気を付けて下さい」

 

みのりはふと思い出す。さっきの時間帯は、帝達一年生が家庭科室で調理実習をしていた

 

(まさか……考え過ぎかな?)

 

余計な事は考えるのはやめて、校長の長い話をウトウトしながら、みのりは聞くのであった

 

一方で騒動を起こした犯人はというと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アクを取るだけで何で火事になるの!?わたしが知りたいよ!!」

 

「そんな事言われても、何か勝手に火が燃え上がったんだもん」

 

「ローラ危なかったね。後ちょっとで焼き魚になるところだったよ」

 

「いつも思うけど、その狂気的な発想やめてくれる?」




本来ここまで主人公が家庭科苦手にするつもりはなかった

そろそろローラとの距離感を縮ませたいので、その話を考えてます。主人公に意識させますよ〜

ここまでの拝読ありがとうございました!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。