ではスタート!
ある日のこと
学校の屋上でまなつとローラは、昨夜見た事を話していた
「グランオーシャンに招待された?」
「そうなんだよ!昨夜いきなり、トロピカルハートドレッサーに女王様が出て来て呼び掛けたの!」
「わたしも最初夢かと思ったけど──」
けれどそれに不信と思いあすかが会話を遮った
「女王様から連絡ってそんな事出来たのか?」
くるるんがやって来た時、ローラがマーメイドアクアパクトを手にした時を除いて女王との関連が全くない。
しかもそれは全てローラ関係
まなつ達からしたら驚きもあるが、それと同時に不信がるのも致したかない
何故なら、今まで直接連絡をして来なかったからだ
場所が海の底のグランオーシャンとはいえ、こんな簡単に連絡出来るなら何らかの方法でその手段を用いた筈だ
音信不通の人が急に連絡したとなると罠の可能性が捨て切れない
「わたしもビックリしたんだけどね、グランオーシャンの皆んなのやる気が回復して来たから連絡出来る様になったんだって」
「そうか、それは良かったな」
「それでね!」
まなつとローラの話では、これまでの活躍を労う為に一度、プリキュア 達をグランオーシャンに招待して帰って来るようにとのこと
「凄いよね〜!わたし一度行ってみたかったんだローラの故郷!」
「どんな所何だろうねグランオーシャンって!」
「やっぱり昔話やお伽話とかで出て来る海の王国、もしくは海底に沈んだムー大陸やアトランティスのモデルとか。さもなくばニライカナイ」
中でもみのりが、未知なるグランオーシャンに一番興奮していた
「帝は一度わたしと訪れた事あるわよね。まだ嬴政って名乗っていた頃に」
「えぇ〜いいな〜帝!」
「いいな〜って、あの時あとまわしの魔女から逃げてる途中だったから、まともに見れてないぞ」
「それでもだよ!今度の週末は、グランオーシャンでトロピカっちゃおう〜!
////////
そして週末
ローラは人魚の姿、まなつ達はプリキュアの姿、帝はオーシャンステッキを持って海の中へとダイブした
進む先には大きな渦が発生していた。ローラが言うには、魔法の力で守ってるらしい
そしてそれを開けるには人魚か、海の妖精の力を借りなければならないというものだった
渦を通って抜けた先に待っていたのは、ローラの故郷のグランオーシャンだった
「めちゃくちゃトロピカってる〜〜!!」
「ん、何だアレは?」
グランオーシャンの中から、一隻の船がこちらへ向かって来た
「乗れってことか?」
「ほら行くわよ!」
船に乗るとそのままグランオーシャン内へと案内され、そこに住む人々に大歓迎された
「歓迎されてるね。少し恥ずかしい気もするけど…」
「わたし今、本物のおとぎの国に居る!」
「凄いねローラ!」
「わたしが地上に行った時は、まだ皆んなやる気を奪われて大変だったけどもうこんなにも復興してるのね」
いつまでもプリキュアの姿でいる訳にもいかず、一度変身を解いた。
溺れてしまう不安もあったがその心配は無かった
「リップを持っていれば、変身を解いても水中で息が出来るなんて」
「本当プリキュアのアイテムって便利だよな」
また、謎だったアイテムの仕組みをも知る事が出来た
そして廊下を進むこと少しすると、女王が居るという部屋に辿り着いた
「女王様ただいま!」
「おかえりなさいローラ。ようこそグランオーシャンへ。遥々ご苦労様でしたね」
「初めまして女王様!わたし夏海まなつ!女王様のお名前は?」
いつもの様に接しようとするまなつに対し、皆んな黙ってしまい呆れてしまった
「無礼…」
「え、そうかなぁ?」
「女王様は女王様だもの。そうでしょう?」
「フフ、改めまして。わたしがグランオーシャンの女王です。皆さんの活躍にはいつも感謝していますのよ。ありがとう」
勿体ない言葉に照れつつも、感謝しているのは女王だけではない。
女王がローラを人間界に送り出さなければ、プリキュアどころか今の皆んなとの出会いも無かった
「心ばかりですが、お礼の食事を用意しました。どうぞこちらへ」
その誘いも甘く受け止め、楽しみながらもより良い時間を過ごした
そしてお腹も膨れ、一度落ち着いた頃合いで女王から話があった
「実は皆さんを呼んだのには、お礼の他にもう一つ理由があります」
「理由?」
「えぇ、皆さんが見つけてくれた大地のリング。あのリングには対となる『海のリング』が存在するのです。そしてそのリングは、このグランオーシャンの何処かに隠されているのです」
「その海のリング気になるな。大地のリングもプリキュアの力になったし探す価値はありそうだけど?」
その海のリングも大地のリング同様にプリキュアの力になれば、今後のあとまわしの魔女達相手にも遅れを取ることなく戦える
探さない理由が無い
「でもどうやって探すの?」
「何か手掛かりがあれば…」
「伝承とか言い伝えしとか?」
「言い伝えによれば、海のリングは大地のリングに反応する様です」
場所の手掛かりは無かったが、大地のリングが探知機代わりになるということだけでも知れた
「なら丁度良いわ。海のリングを探しながら、皆んなでグランオーシャンを見て周りましょうよ。わたしが案内するから」
ローラの提案により、グランオーシャンを巡りつつ海のリングを見つけるのを同時にし始める
探す事時間が経ったが、それでもグランオーシャンをたっぷり堪能出来て満足感だった
そして今はとある花畑にやって来ていた
「此処はシャボンフラワーの花園。わたしのお気に入りの場所よ!」
「めっちゃトロピカってるよ!」
「この花の実はね、くるるんの大好物かいがらクッキーの原料なのよ」
「なら、集めてお土産に持って帰らない?」
「それはいいかもな……あれ、この匂いって確か」
翼はシャボンフラワーの匂いを嗅いである事を思い出した
「なぁローラ、この香りって南乃島でブレスレットを見つけた時の匂いじゃないか?」
「…本当そうね。あの時からのモヤモヤが今になってスッキリしたわ」
「それは良かったねローラ。あ、そうだ!ローラのお父さんとお母さんは?」
此処に来るまで人魚が沢山居たが、ローラの両親には一度も目にしてない
「ローラのご両親に挨拶しないとな。将来夫となる男だから。認めさせて貰えるチャンスだ!」
「残念帝!人魚は人間とは違って親からは生まれないの。大きな貝から生まれるのよ!」
「そうなの!?」
ローラ、というより人魚の意外な誕生に驚きを隠せなかった
「それってローラとの子供が作れないってことかなのか!?」
「あ〜可哀想な帝!生めれるなら生んだあげても良かったのにね〜!」
「でも人間の姿になれば解決だと思うけど」
何の事も無いみのりの発言に、ローラは冷や汗が止まらなかった
確かに人魚の姿では無理とは思うが、人間の姿になればその可能性もあるということ
「それってまだ望みは消えた訳じゃないって事だよな?そうだよな!!」
「ちょちょちょ落ち着きなさい……ギャアァァァ!!胸に顔を埋めないでよ!!」
「トロピカルパクトも貝の形をしてるし、何か縁が深いのかもな」
「……そうだ忘れてた。わたしまた夢を見たんだ!伝説のプリキュアの夢」
伝説のプリキュアの夢。それは前にも同じ様な事があった
あの時夢を見てから大地のリングが現れた。今回もきっと何か意味があるに違いない
「で、どんな夢を見たんだ?」
まなつの話によれば、何者かと戦ってる夢との事。そして何故か伝説のプリキュアが泣いていた
「海のリングに繋がる手掛かりは無いようだが…」
「とにかく一応女王様にも聞いてみましょう!」
////////
「リングは見つかりましたか?」
「まだです。ところで女王様くるるんは?」
「さぁ?」
「え、『さぁ?』」
素っ気ない態度にローラは思わず聞き返してしまった
「これを、くるるんにプレゼントしようと思って」
「何ですそれは?そんな汚い実もペットの話もどうでもいいのです」
くるるんもシャボンフラワーも怪訝な目でそう言い放った。
先程まで温厚としていた女王に違和感を感じ始めた
「それよりリングです。ちゃんと探したのですか?」
「えっと、一応そのつもりですけど…」
「仕方ありませんね。大地のリングとコンパクト、そしてステッキを渡して下さい。一時的にパワーアップして探しやすくします」
「えっと、分かりました…」
女王の威圧感に押され、まなつは素直に渡そうとするが帝とローラがそれを止めた
「──お前、本当に女王なのか?」
「女王はくるるんの事を凄く可愛がってた。どうでもいいなんて言わない!シャボンフラワーの実も汚い呼ばわりしない!トロピカルパクトやオーシャンステッキを渡せとかも変よ!薄情なさい!貴女は一体誰?」
ローラと女王が一触即発する時、扉からいなくなってたくるるんが飛び出して来た
「くるるん!くるるるん〜!」
「待ちやがれコイツ!」
くるるんの後に居る筈のないチョンギーレまでも入って来た
「もう言い逃れは出来ない。さぁ、お前の正体を表せ。さもなくば力づくで…」
帝がオーシャンステッキを手に掛けるのを見て諦めたのか、女王は溜め息をついて泡となって消えた
「バレたらしょうがないわね」
女王の下にはヌメリーが隠れていた。やはり、ローラの言う様に先程まで会っていた女王は偽物
「幻!?」
「そうよ。この街に居た住人は全部偽物。あとまわしの魔女様から授かった蜃気楼で出来た幻だったの」
「くるるん!くるるん!」
くるるんに呼ばれて急いでその場を退出した
くるるんの案内で、奥の奥へと進んだ先の部屋に入ってそこで衝撃の光景を目にした
「なっ!?女王様!?」
暗い部屋の中で本物の女王が捕まっており、他の住人も怪しげな装置を取り付けられていた
「あ〜あ、見つかっちゃった!」
「女王様や皆んなに何をしたの!?」
チョンギーレやヌメリーだけではなく、エルダまでもグランオーシャンに侵入を許していた
「その装置で妖精達の記憶を吸い出して、その記憶を基にグランオーシャンの住人の幻が作られたって訳」
「記憶を吸い出すなんてよくもこんな物を!!」
「その装置は
「
「とにかく女王や皆んなを助けるよ!行くよ皆んな!」
「「「「「プリキュア!トロピカルチェンジ!」」」」」
「「「「「レッツメイク!キャッチ!」」」」」
「ときめく常夏!キュアサマー!」
「きらめく宝石!キュアコーラル!」
「ひらめく果実!キュアパパイア!」
「はためく翼!キュアフラミンゴ!」
「ゆらめく大海原!キュアラメール!」
「今日も元気だ!」
「「「「「トロピカル〜ジュ!プリキュア !」」」」」
「ルーレットスタート!」
『ATTACK!』
あの場では狭く戦い難い為一度表へ出て戦闘する事となった
「もう逃げられないよ」
「まぁそんな慌てんな。お前らの相手はコイツだ」
チョンギーレは壺からタコを一匹だけ取り出した
「おいまさか…止めろ!!」
「出てらっしゃい!超ゼッタイヤラネーダ!」
帝の言う事など無視してヌメリーは、タコを使ってヤラネーダを生み出した
「生き物がヤラネーダに!?」
「こんなの初めてかも…!」
「初めても何も生き物をヤラネーダにする事は禁止されていた」
「何でよ?」
「余りにも強過ぎて危険なんだよ。俺があとまわしの魔女に居た時でさえも、オッカマーに注意されてそれだけは避けていたが…」
あのオッカマーでさえも使用を堅く禁じらていたやり方。
その強さはあまりにも未知数。何が起きても不思議ではない
「やぁぁぁ!!」
「「ハァッ!!」
「「「ハァァァ!!」」」
サマーの連続攻撃、帝とラメールの踵落とし、コーラル達揃っての攻撃を同時に繰り出したが、当のヤラネーダには全く効いてなどいなかった
「ッ!!」
容易く跳ね返されたが、パパイアは大勢を整え目眩しの為のビームを放つ
「ヤラネーダ!」
しかし、ヤラネーダは建物の破片を投げ捨て、ビームから守る盾と同時にパパイアへの攻撃へとした
「ッ!?」
ビームは弾かれたが、間一髪のところでパパイアは何とか避け切った
「このまま防戦一方はマズイわ!帝合わせて!」
「分かった──来い、プリキュアの王杖!」
『CORAL!』
すぐさまトロピカルディスクに変え、ローラはマーメイドアクアパクトをシャボンフォームとチェンジさせる
「プリキュア!オーシャンバブルシャワー!」
「もこもこコーラルディフュージョン!」
オーシャンバブルシャワーに、もこもこコーラルディフュージョンを纏わせた強力な一撃が直撃した
これで倒したと確信した
が
「ヤラネーダ!!」
「「ッ!?」」
ものともせず打ち払ってみせた
「俺とラメールの力が通用しないだと!?」
「クッ…一気に決めるわよ!!」
「ランドハートクルリング!」
「「「「「おめかしアップ!」」」」」
「「「「「エクセレン・トロピカルスタイル!」」」」」
「「「「「5つの力!大地を照らせ!」」」」」
「「「「「プリキュア!ランドビート・ダイナミック!」」」」」
「これなら…なっ!?」
「ヤラネーダ!!」
だが、ランドビート・ダイナミックでさえも容易く弾かせて失敗に終わらせた
「ヤラネーダ!」
「これ以上調子に乗るな!」
『ABSOLUTE!』
ヤラネーダの触手が襲い掛かって来るが、帝は冷静に多少する
「【動くな】!」
言葉を発すると同時にヤラネーダの動きが止まった
「後は煮るなり焼くなり…」
「ッ!帝君動いてる!効いてないよ!!」
僅かにヤラネーダの触手が動き始め
「ヤラネーダ!!」
そしてこれまで絶対的な力を誇っていたABSOLUTEの言霊が破られた
「何だと!?」
触手は帝達を拘束し強く締め上げる
「こんな奴らに負けたくない!」
「こんなに綺麗な国を…」
「優しい妖精達を…」
「これ以上好きにさせてたまるものか!」
「絶対諦めないわ。わたしは皆んなを守って、グランオーシャンの女王になるのよ!!」
すると近くにあった貝の石像から、青き光が輝き満ちり辺りを照らし出す
その拍子に、ヤラネーダは目を眩ませて拘束を解いた
そして光の中心には帝達が探し求めてた物、海のリングがあった
「わたし達の心に応えてくれたのよ。あの指輪が有ればきっと…」
だがそんな希望も一瞬で絶望に塗り替えられる
今まで身を潜めていたバトラーが現れ海のリンクを横取りしたのだ
「ご苦労様です。海と大地のリングは、プリキュアの強い心に反応して力を発揮します。ですから、グランオーシャンを乗っ取って貴方達を追い込んでみた訳ですが、見事に上手く行きましたね」
「海のリングが狙いだったのか!」
「さて、これで貴方達の役目は終わりです。やってしまいなさい」
「クッ…ッ!?」
全員ヤラネーダを向き直るのだが、ラメールはヤラネーダの背後に注目した
「マズい見て!」
グランオーシャンを覆っていた結界からヒビが入り、外の海水が流れ込んでいた
「グランオーシャンを、外から守っていた魔法の壁が壊れる!!」
「俺が修復する!元に戻──」
プリキュアの王杖の力で壁を修復しようと言葉を紡ごうとしたが、背後からの水鉄砲でステッキをはたき落とされてしまった
「そうはさせませんよ」
妨害したのは当然バトラーだった。杖から水鉄砲で出したのだ
「貴方の力は驚異的です。その力は無機物にも反応してしまいますからね」
帝の力はステッキを無しでは意味を成さない。そこの弱点を突かれた
「ッ!!」
ステッキを拾い上げるがもう遅い。壁が壊れた大量の海水がグランオーシャンへ流れ込み、帝達を呑み込んでしまった
激流は無情にも、グランオーシャンの下まで流して行った
今週中には投稿したいです
ここまでの拝読ありがとうございます!