ではスタート!
「サンシャニティーに招待されたって!?」
今まで以上の大声で部室内を響かせた
「ビックリした〜!ローラいきなり大声出さないでよ!」
「何言ってるのよまなつ!あのサンシャニティーよ!驚くと言うか、大声を出すと言うか……あ゛〜と、とにかく凄い事なのよ!!」
語彙力が著しく低下する程サンシャニティーという所の招待は大変光栄らしい事みたいだ
「でも、アリスがその招待状をくれたのよね?怪しくない?」
「そこは大丈夫よまなつ!この招待状の下を見てみなさい。このサインは王、女王、王子、王女のものしか書いてはならないものなの」
「アリスの事だ。巧みに作った偽物かも知れないぞ」
「…いや、今回は信じてみようかと思ってる」
あすかの疑問に帝が水を差す
「アリスは言ってたんだ。大地のリング、海のリングに続く三つ目のリングがそこにあると」
「え、そうなの!?」
「大地を見守り、海すらも包み込み、何者にもに囚われない包容のあるリング。それが『空のリング』。そう言っていた」
「空のリング…女王様もあとまわしの魔女の使い達もそんな事は一言も…」
「ですが、そのリングを手に入れたらわたし達今よりもっと強くなると思う」
みのりの言う事ももっともだが、さんごの言う事も間違ってはいない
行くべきか、行かざるべきか
「行ってみようよ!罠だったらそれで逃げればいいし、そうじゃなかったら強くなる機会を失っちゃう!」
「まなつ……本音は?」
「面白そうだから行ってみたい!!」
あすかの質問に素直に答え、項垂れてしまった
「とにかく行くべきよ!行かなかったら失礼よ!」
「うっ…ローラに正論言われるとか癪だな」
「はぁ!?何よそれ!!」
////////
招待当日
指定された浜辺へ行き、お迎えを待っているトロピカる部一同
「こんな浜辺で一体どうやって行くんだ?」
「待って下さい……うん、この場所で合ってますよ」
帝は招待状を何度も確認するが、この浜辺で迎えが来るとの事
「そう言えば帝、招待された理由がまだ聞いてないのだけど何書いてるの?」
「掻い摘んで言いますと……100年に一度行われる『太陽祭』って言う祭りに参加お願いしますとのこと」
「太陽祭?」
「そこから先はわたしが説明するわ!」
みのりに疑問にまさかのローラが答えてくれるという
「聞いた話によると、太陽祭はわたし達生き物の傲慢さを悔い改め、その上で『巫女』が太陽に祈りを捧げるのよ。補足すると巫女は王女ね」
「太陽に傲慢……なんだかギリシャ神話のイカロスみたいな話ね」
「みのりん先輩イカロスって?」
「蝋の翼を持ったイカロスと言う青年が、父親の忠告を聞かず天高く飛んでしまったせいで、太陽の熱に翼が溶けて落ちて死んでしまったと言う話。外国の神話よ」
「さっすがみのりん先輩!わたし達の知らない事を何でも知ってる〜!」
まなつもさんごも丁寧な説明に首を振り満足していた
そう話してると、空から大きな鳥が一匹やって来た
「ようやく来たようね」
「あの鳥可愛いけど…」
「何か少し大きくないか?」
「いや、アレはちょっとどころの騒ぎじゃないぞ!?」
帝達は大急ぎでその場から離れると、巨大な赤い鳥が舞い降りた
「トロピカってる〜!!」
「『ホムラ鳥』ね。雛や子供は手の平サイズよ」
「「大人でこのサイズ!?」」
冷静な一年生組とは違い、先輩組は予想外のサイズに困惑するばかり。
しかし戸惑ってばかりでは先に進まない
「早く乗るわよ!」
ホムラ鳥の背中からハシゴが降り、それを登って背中へと乗る
「フワフワしてる!可愛い!」
「羽毛布団みたい!」
「あんまり触るとホムラ鳥嫌がるんじゃないのか?」
「遠足に行くんじゃないんだぞ」
「確かにフワフワ…!」
「さぁホムラ鳥飛んで行きなさい!!」
////////
「超!超超超超トロピカってる〜〜〜!!」
ホムラ鳥は空高くまで飛び、雲を抜けた先から一時間程飛んで辿り着いた場所は空に浮かぶ島とも言える国
「あそこがサンシャニティー。別名太陽の国!」
「どうやって浮かんでるのか気になる…!」
「皆んな周りを見てみろ!」
自分達が乗るホムラ鳥以外にも、大量の大人のホムラ鳥が飛んでおり背中には招待客を乗せていた
「帝君見て見て!あれホムラ鳥の子供じゃない?」
「あ、本当だ!」
興奮が収まらぬままホムラ鳥はサンシャニティーへ着陸し、トロピカる部はようやく太陽の国に上陸した
「「「「「「あ、あっつぅ……」」」」」」
上陸して最初の一言目が全員一致の残念な言葉だった
「さ、流石太陽の国ね。平均温度が37℃なのだけあるわ…」
「それもう沖縄だろ…」
「でも国は活気づいていいな」
既に国中お祭り騒ぎで賑わっていた
「招待状によれば午前中は特に何も無いが、お昼に王子が街中でパレードするって書いてある。最後は夜にお城でパーティーで一泊して終わり、と」
「じゃあそれまでお祭り楽しも〜〜!!」
「まなつ待って!」
先に飛び出したまなつを、さんごとみのりが後を追い掛けて行った
「俺達も行こうか」
帝、あすか、ローラも動き始めて太陽祭りを堪能するのであった
////////
「どうしてこうなったァァァ!?」
道行く住人が、道の真ん中で叫ぶ帝に注目した。
しかしその周りにはまなつ達の姿は誰一人としていなかった
帝は今、俗に言う迷子となっていた
「迷子!俺迷子!ま〜い〜ご〜な〜の〜!!」
最初こそ、まなつ達とはしゃいではお祭りを楽しんでいたのだが、ふと気付くと一人となっていたのだ
「最悪だ〜。この広い国で迷子なんて洒落にならないぞ…はぁ……」
溜め息をついてどうやってまなつ達と合流するか考えてると、まだ子供のホムラ鳥が帝の頭の上に乗ったのだ
「ピィー!ピィー!」
「痛たたた!!」
ホムラ鳥は帝の髪の毛を引っ張って何処かへ案内しようとしていた
「もう何なんだよ…」
ホムラ鳥は建物の路地裏へと飛んで行った。何とか見失わず路地裏へ足を踏み入れると、ホムラ鳥の姿が何処にも無かった
代わりに、紅いドレスに身を包んだローラが待っていた
「見つけた……おん?何でドレス?」
「フフ、そう仰られましてもこれが正装なので」
「喋り方も少しおかしい様な……まぁいいか!」
考えるのが面倒となり、いつもの様にローラの胸を触ったのだが
「キャアァァァァァ!!!」
「ッ……あれ?」
胸を触って殴られ、叩かれ、投げ飛ばされる。というのがいつものパターンなのだが、今回はそういうものが無かった
ローラは只々胸元を手で隠して、涙目になっていた
「な、何をするのですか!?ふ、ふしだらです!こういう事は将来を誓い合った者同士でする事です///」
「全く予想外の反応で困惑するのだが…」
「え…?わたしの反応がおかしいのでしょうか?」
「うんまぁ…いつもと違うし。それにこれ俺の挨拶みたいなもんだし」
「そ、そうなのですね…最近の事情はあまり存じませんので。で、ではお恥ずかしですがどうぞ///」
ローラは頬を染めながらも胸元を軽く開いた
(…あれ?)
そこでようやく帝は違和感に気付いた。お互いの会話に絶妙に噛み合ってない事に
「あの、どうかなされたのですか?」
「絶妙に通じてない事にどうかなさってる」
「??」
「まぁいい。それよりもまなつ達は?」
「フフ、そうでしたね此方へ。皆さんが待っております」
ローラが先導する背中を見てやはり違和感を感じる
(ローラ…だよな?顔もまんまだし、違うとすればドレスに変わってる程度だし)
「この先を抜けて真っ直ぐ進めば皆さんと会えますよ」
路地裏からの出口。光が差す方へローラが飛び出して行った
「あ、おい!」
帝も後を追い掛け路地裏を飛び出した。
けれど出たタイミングが悪く、通行人とぶつかってしまった
「あ、悪い!」
「もう気を付け……帝?」
「え、あれローラ!?」
ぶつかった相手はローラだった。それだけなら何も問題は無かった
目の前に居るローラは先程見た紅いドレスなど身に付けておらず、いつもの私服姿だったのだ
「お前あのドレスは??」
「ドレス?わたしはずっとこの服よ。それよりも一体何処に居たのよ?」
「何処居たってさっきまで一緒だったろ?」
「はぁ?」
「帝見つけた!」
帝を探していたまなつ達も合流出来た。息を切らす彼女達を見て、かなり走り回ったのだろう
「帝君何処に行ってたの?」
「え、いや。ローラと一緒に」
「だ・か・ら!わたしは今!帝を見つけたばかりなのよ?」
「全く…」
「ねぇ帝、そのホムラ鳥は何?」
みのりが帝の頭を指差して初めて気付いた。いつの間にか、先程路地裏で姿をくらましたホムラ鳥が乗っかっていた
「ピィー!」
ホムラ鳥は帝の髪の毛を使って、何かを作っていた
「巣作りしてる」
「何!?」
帝は追い払うも、すぐに肩に乗り頬擦りする
「帝君に懐いてる!」
「いいなぁ〜!」
「俺は迷惑極まりないんだが…」
「ほら皆んな、パレードが始まるわよ。あと帝、迷子にならないでよ」
「ローラが手を繋いでくれたら迷子にならないよ?」
「……」
ローラは悩んだ末、ぶっきらぼうだが手を差し出した
「はい…」
「お、マジで!」
「仕方なくよ!仕方なく……手繋いであげる」
「ありがとな!」
「ッ///」
しかし手を繋いだ時、ローラは恥ずかしさのあまり帝を頬を叩いてしまった
////////
城へと続く大きく開けた道の真ん中。城下町で王族にも関わらず、歩いて国の人々に手を振って応えていた
「グレン様よ!」
「グレン王子!」
「王子!」
「グレン王子万歳!!」
「おぉ〜、凄い熱気!この国の王子って『グレン』って人なんだね〜」
「グレン王子はね、人望もあってどんな人にも平等に手を差し伸べてるのよ」
「と、帝を探してる最中に小耳を挟んだよね?」
ローラの説明はそこら辺の所から引っ張って来た情報らしい
それでも、人々を見ればそれは納得のもの。誰もがグレンに親しみを持っている
「ねぇ、もうちょっと前に行って見てみようよ!」
「この人混みの中をか!?」
「まなつやめた方が…」
「だって後ろの方だとよく見えないんだもん!」
まなつはローラの手を引いて強引に人混みの中へ消えて行った
「ちょ、まな…あいた!?」
人の腕や体がローラへ当たり、痛め付ける
そうして苦労して前へと出て来れた
「よしローラ…あれ?」
まなつは繋いだ手を確認すると、そこにはローラの姿は無かった
「ま、まなつぅ…」
何とか食らい付いて来たローラが強引に前へ出たのだが
「あ…!」
勢い余ってローラはグレンの前に躍り出てしまった
勿論護衛の人はそんな無礼を見逃す訳なかった
巨体な護衛が槍を突きつける
「貴様!王子の前に出るとは何事か!!」
「待て…この者、あのお方に似ている」
もう一人の武器を持たない護衛の人物。その者が槍を退かして、ローラの事を観察する
「二人共もういいよ。その辺で許してあげ…て……」
グレンが二人を宥めながらローラを庇うのだが、ローラの姿を見た途端動きを止めた
「い、いえ!こういう礼儀を知っていながらやってしまったのです。本当に失礼しま──」
「ホムラ!!」
グレンはローラの事を「ホムラ」と呼び、唐突に公衆の面前で抱きしめたのだ
「……へ?」
「生きていたのか…心配したぞホムラ!!」
「あ、あのグレン王子。誰かと勘違いしてるのでは…」
「ローラ大丈夫!?」
そこへまなつが割り込んで来たお陰で、それが助け舟となった
「ローラ?ホムラではないのか?いやしかし……」
グレンが食い入る様にローラの事を見つめてると、大きな地響きと共に炎の柱がまなつ達の目の前に立った
「え、何!?」
「二人共、あれも催し物なのか?」
「違います!これは!」
巨大な炎の柱から火の粉が飛び散り、街や市民へと攻撃をし始める
楽しい祭りから一変、周りは大パニックを起こってしまう。
護衛の人達も市民の安全を最優先するも、逃げ戸惑う人達のせいで上手く連携が取れなかった
「グレン王子下がって下さい!」
「ここは我々が!」
先程の巨体の護衛二人がグレンを守ろうと前へ出る
「待てホムラがまだ!!」
火の粉は不運にもグレンの方へと向かっていく
「ッ!!」
それを見たローラは、マーメイドアクアパクトを持って前に出た
ハートクルリングを挿してプリキュアへと変身した
キュアラメールへ変身してすぐさま火の粉を蹴り返した
「ハァ!!」
「ラメール!」
「まなつ、貴女も早くプリキュアに変身しなさい!」
「え、でも王子様が見てるよ?」
「緊急事態なのよ!そんな悠長な事は言ってられない!」
まなつもすぐさまプリキュアへ変身した
「サマー一気に叩くわよ!」
「オーライ!」
サマーとラメールが同時攻撃を仕掛けて炎の柱へと飛び込んだが
「「あっつぅ〜!!!」」
二人の攻撃をすり抜けると同時に、あまりの熱さに悶える始末
「わたし人魚なのよ!!」
炎の柱が言う事を聞くはずも無く火の粉を辺りに散らして、建物を破壊して行く
「今度はこっち狙って来たよ〜!!」
蹲るサマーの目の前に、ぺけ印のシールドがサマーの窮地を救った
「コーラル!?」
「わたしだけじゃないよ!」
周りを見れば帝、パパイア、フラミンゴが市民の避難誘導をしていた
「ありがとう皆んな!」
「皆んな行くわよ!」
「マリンハートクルリング!」
「「「「「おめかしアップ!」」」」」
「「「「「エクセレン・トロピカルスタイル!」」」」」
「「「「「5つの力!海に轟け!」」」」」
「「「「「プリキュア!マリンビート・ダイナミック!」」」」」
「「「「「ビクトリー!」」」」」
「お疲れ様皆んな」
帝に一人ずつハイタッチを交わしてから、変身を解いた
「グレン王子、お怪我はありませんでしたか?」
「ホムラ…なのか?」
「残念ながらわたくしはホムラという人物ではありません。わたくしの名前は、ローラ・アポロドロース・ヒュギーヌス・ラメールと申し上げます」
「そうか、ローラと言うのか……良い名前だ」
目に見えて落ち込んでいるのが分かる。余程期待していたのだろう
「良い大義であった。貴女方は招待客だろ?夜のパーティーに是非出席して欲しい。我ら国民までも守ってくれた。それを皆に伝えたい」
「勿論パーティーにも出席します。楽しみにしております」
「では」
グレンはローラを一目見た後、警備強化など対策を急ぐ為城へと帰って行った
「王子様、ローラの事をホムラって言ってたよね?何か知ってる?」
「全然」
「ホムラと言えばホムラ鳥」
みのりはふと、いつの間にか頭の上に乗り替えたホムラ鳥へ視線を移す
「追い払わないのか?」
「諦めた。懐いてるなら懐いてるで好きにさせる」
「あはは、帝君が折れるなんて珍しい」
そしてパーティーの時間まで、城下町で太陽祭を堪能する帝達であった
ちょっとオリキャラも出て来ましたが、このオリスト限定ですので。
あと地味に空のリングとかいう、明らかに強化入りそうなアイテムの話題が出て来ました
突発的な強化なんてよくある事です
ここまでの拝読ありがとうございました