因みにまだそこまで進んで無いので、今なら最初から読んでも追い付きます。
追い付きます
「魔法つかいプリキュア! 〜奇跡と魔法と幸福の翼〜」
第14話、第15話より
https://syosetu.org/novel/271514/
「クソッ!!」
捕らえられてしまった帝は、牢の中でかなり荒れていた。
まなつやみのりが先程から宥めるも、中々収まってはくれなかった
「こんな事あるか?ふざけるな!!」
「帝君、あまり動くと傷が開いちゃうよ…」
「ここ最近いっつもこれだ!グランオーシャンからそうだ。人魚の記憶と来て今度はローラを奪われた!もう、うんざりだ!!」
「トロピカルパクトも取られた。オーシャンステッキも無い」
帝は血相を変えて、同じ牢に閉じ込められている王様のに掴みかかった
「これはどう言うことだ説明しろ!!何で守るべき民主を牢に捕らえる?」
「そう申されても…」
「私達も何でグレンがあの様な行為に至ったかの動機が分かりません…」
「…もういい!」
掴んだ手を離したと思いきや、帝は鉄格子に向かって体当たりをした。
勿論人間の力でどうこう出来る問題では無い
体当たりした衝撃が返って、逆に帝を吹き飛ばした
「帝何やってんの!?」
「見りゃ分かるだろ。壊す!」
「鉄だよ。いくら何でも無理よ」
「自分の体痛め付けるだけだ」
「だからって此処で大人しく待っていられるか!お前らはローラが心配じゃないのか!?」
ローラが居ないことに苛立ちが高まり、まなつ達に八つ当たりをし始めた
ローラの事が好きで、心配な帝にしてもここまで異常になるのは明らかに変としか言いようが無い
まるでローラに依存してるかの様だ
「俺は何度だってやる!此処から出てローラを助けれるのなら何度でも──」
「帝君少しは皆んなの話を聞いて!!」
さんごの大声に帝は口を止めた
「帝君がローラを心配する気持ちは分かる。けれど、わたし達は今の帝君の方が心配なの!何でもかんでも走って行っちゃってるから!周りが見えてない!!」
「だけど、でも…ローラが」
「ローラを言い訳にしないで!帝君がまずしっかりしないと!」
「無理だ!ローラが居ないと俺は何も出来ない!ローラ無しでは生きていけない!!」
「ローラローラって……帝君──」
「帝様!!」
さんごと歪み合っている最中牢屋の外から聴き覚えの声がした。
それによって二人の会話が一時中断される
「帝様、ようやく見つけました!」
「「ローラ!?」」
「何で此処にローラが?」
「逃げれたのか?」
「いや違う。コイツはローラじゃない」
帝は分かっていた。見た目はローラと瓜二つだが、全く持って違う人物。今まで度々帝の前に現れた謎の少女
「じゃあ誰なの?」
「もしやホムラなのか?」
そう告げたのは王様だった
「……」
無言を貫く。しかしそれは肯定の意味と捉える
「仕方ありません。全てお話しましょう」
少女は、観念した様子だった。何がどう仕方ないのかは謎だが、手掛かりを握っているのは確かなこと
「わたしの名前は『ホムラ』と申し上げます。そしてこの国の巫女であり、王女。以後お見知り置きを」
「ホムラと言ったらグレン王子が言っていた人?」
「はい、まなつ様の言う様に恐らくわたしの事です」
「この状況、それにグレンの様子。全部お前は知っているんだな?」
「…はい。それを話す為に此処へ来ました」
ホムラは浮かない表情をしながらもその口を開いてくれた
「先ずわたしは、二年前に事故でこの世を去りました」
////////
「此処、は…?」
いつの間にか気絶させられていたローラが目を覚ました
「此処はあらゆる儀式に使う広間"太陽の間"だよローラ」
「わたしをどうするつもり?」
「式を挙げる。二人だけで。誰にも邪魔されずにね」
「こんなのおかしいわ!」
「いいや、おかしくなどない」
グレンの体から黒い炎が燃え上がり、何者かの顔へと形を変えローラの瞳に映す。
得体の知れない何かに、ローラは只々恐怖するしかなかった
「い、嫌…やめて!」
「大丈夫。目を閉じてる間に全てが終わる」
逃げるローラを、グレンは強引に手を掴んで逃げられない様にした
(誰か…誰か、まなつ!さんご!みのり!あすか!お願い、誰でもいいから助けて──────帝!!)
////////
「え、じゃあ──ゆ、幽霊!?」
幽霊が大の苦手なまなつは、あすかの背中に隠れて震え上がっていた
「確かに幽霊…みたいなものですね。実際、魂だけがこの世を彷徨っていましたし」
「幽霊って普通触れないのじゃないか?俺バルコニーでお前に触れれたが?」
「巫女というのは少し特殊な力を宿してるものなんです。恐らくその影響で、死後も実態を保てるかと推測します。あまり人前に出るのは難しいと思いましたので、代わりの御姿をしてこの国、皆さんを見守っていたんです」
ホムラの体が淡い赤い光りに包まれると、人間としての姿から鳥の姿、ホムラ鳥へと変身を遂げた
「あ、その子って帝君に引っ付いていたホムラ鳥!」
ホムラは元の姿に戻ると一息ついていた
「お前の正体は分かった。次の話に移るが、グレンについて何か知っているのか?」
「はい。彼は今、邪悪な者に操られているのです」
「それについて教え下さい。わたし達で何とかします!」
あすかの協力的な意見にまなつ達は賛成するが、帝はまだ渋っていた
「なぁ、操られるって事は心に何か弱い所があったんじゃないのか?そこを突け入られた」
「それに関しましては皆さんもうお分かりの筈です。特に帝様なら」
「…俺か」
グレンの弱い心。それはホムラを失った悲しみから、邪悪な者に目を付けられた
「その邪悪なる存在の名は『イフリート』。グレン王子の悲しんだ心を利用しているのです……図々しい願いですが、グレン王子を助けて頂きたいのです。お願いします!」
頭を深く下げてお願いする姿。しかし、その様なお願いをする前に帝の心はもう既に決まっていた
「…言いたい事は山程ある。けれど、こう二回もお願いされたらな…」
「え、二回?」
「覚えてないのか?バルコニーでの事」
「覚えてくれていたのですね」
「え〜と、なんだかよく分からないけど帝もやるって事だよね?」
「ああ」
「よし早速──」
「待って」
まなつが景気づけに気合を入れて一致団結しようとしたが、みのりに水を刺された
「先ず此処から出ないと」
「それにコンパクトやステッキだって無いんだぞ?」
「あ〜そうだった!!」
「まなつ、忘れてたんだね…」
「それなら警備の奴らをどうにかするかだが……待てよ」
抜け出す為に策を練ろうと考え始めた帝だが、そこである違和感に気付いた
「おいホムラ、一体どうやって此処に来た?牢の外には警備が居た筈だが?」
「それなら眠らせました」
ホムラがこちらに手の平を向けると、淡く光っているのを確認した
ホムラは牢の鍵を開けて捕らえられていた人達を解放させた
「皆さんのお持ち物でしたら必要かと思いまして、こちらに用意してあります」
牢屋から出してくれるだけでは留まらず、トロピカルパクトにオーシャンステッキ、そして私服も持ち出してくれた
「用意がいいな」
「急いで着替えるか」
「では帝様は此方へ」
「え、待て」
ホムラは帝を手を引いて別の場所へと移動させる
「帝様、女性が着替えるのですよ?」
「知ってる。だからこの目に焼き付けておく」
「あのですね、路地裏の時から思っていましたが帝様は……どうかなさいましたか?わたしの顔を見て?」
何か文句のひとつでも言おうとしたが、帝の視線が妙に気になって尋ねる
「…いや、本当にローラに似てるなって思ってな。それに…」
ホムラの顔を思わずローラと重ねて見てしまった
バルコニーで「帝とグレンはよく似ている」と言われた事の意味がようやく分かった。
お互いに、大切な人に懸ける想いが強いところ
ローラがいない事で焦り、ムキになり、心配する様に、グレンも同じ心境だったのだろう
「帝準備出来たよ」
「よし、じゃあ行くか。ローラを助けに」
着替えを終えたまなつ達と共に、帝はローラの元へと急ぐのであった
////////
牢屋に居た人達は全員避難させ、帝達は太陽の間に急ぐ為走っていた
しかし太陽の間は本城にあって、牢屋はその離れの地下
一度外へ出て城の内部へと侵入しなければならない。
更には、イフリートによって洗脳されている兵士達にも気を付けなければならない
「中々近付けそうにないな」
「此処は焦らずチャンスを待とう」
あすかがソワソワするも、確実に前に進む為には慎重な行動も大事とする為、みのりは通ろうとする道から、兵士達が背を向けるその時まで待機する様に抑える
緊迫するムードで、帝はさんごに話し掛けた
「なぁさんご、ちょっといいか?」
「え?うん大丈夫だよ」
許可を得て、まなつ達から離れ過ぎずの距離で二人だけとなった
「牢屋でのやり取り、ローラの事を気にし過ぎて頭に血が上っていた。ごめんな」
「ううん。わたしも、ホムラさんが来なかったらあの後何を言ってたか分からなかった…」
「「…フフ」」
お互いに目が合い思わず笑った。そこへ丁度良くみのりが入って来た
「二人共来て。今なら行ける」
みのりの後に着いて行き、兵士の目を盗んで何とか城内へと潜り込めた
そして太陽の間までの道のりだが
「わたし達が入りましたのが裏口です。太陽の間は、大広間を通ってその奥にある部屋がそうです」
「大広間って確か、正面入り口の階段を登らないと行けなかったな」
「てか、そもそも普通大広間って一階じゃないのか?何で二階なんだよ。城の設計おかしくねぇか?」
「あ、そうですね!慣れって恐ろしいものですね」
喋りながらも長い廊下を突き進む。この廊下の突き当たりを曲がれば正面玄関までもうすぐ
パッと見れば問題は何も無いが、油断していると
「あ、皆んなしゃがんで!」
さんごに言われて全員その場に伏せる
廊下の隣は外との境目。しかも窓が大量にある為、外からも中からも覗けばお互いの様子が丸分かりなのだ
その場に伏せて身を隠さないとすぐにバレてしまう
巡回する兵士達にも気を配らなければならないのだ
息を潜めて通り過ぎて行くのをジッと待って耐え忍ぶ
「やっと行ったね。ありがとうさんご!」
「し〜っ!」
「んん!」
声も抑えてないと外に漏れる可能性もある。そこも考慮しないといけない
「先へ急ぎ──」
その瞬間、廊下の壁を破壊して外部から誰かが侵入した
「え、何!?」
「クッ、何だ!?」
咄嗟の事で避けるにしても二手に分断された
帝、まなつ、みのり、ホムラ。さんご、あすか
その両者の間に居るのは、拳を主体として戦う兵士ソル
「皆んな行くよ!」
「「「「プリキュア!トロピカルチェンジ!」」」」
「「「「レッツメイク!」」」」
「ときめく常夏!キュアサマー!」
「きらめく宝石!キュアコーラル!」
「ひらめく果実!キュアパパイア!」
「はためく翼!キュアフラミンゴ!」
「先へは行かせん!!」
帝、ホムラへとソルが襲い掛かって来る
『ぺけ!』
離れた場所だが、コーラルがシールドを展開してソルを弾いた
「此処はわたしに任せて帝君達は行って!」
「ハァッ!!」
コーラルのシールドで弾かれた後、間髪入れずフラミンゴが足を払いソルの体勢を崩した
「行くんだ帝!」
「…分かった!」
帝はサマー達を引き連れて先へ進み、コーラルとフラミンゴにソルを任した
「…チームを変えて挑もうと無駄だ」
「無駄なんかじゃない!友達の為に戦う事は──無駄なんかじゃない!!」
コーラルは足の裏に全体重を乗せて一気に飛び出した。
その勢いで、床が抉れしまったが初速は想像以上のものとなった
『ぺけ!』
「ダァッ!」
そしてシールドを張りつつそのまま突進を仕掛け、対してソルもそれに正面から立ち向かい拳をぶつけた
「クゥゥ──ッ!!」
「──ッ!!」
ぶつかったエネルギーが大きく、お互いに大きく後方へ吹き飛んだ
「まだ…行ける!」
「この…ッ!?」
今度はソルから仕掛けようとした時、ソルを包む影が上から大きくなって来る
「食らえ!!」
コーラルとソルが吹き飛んだのと同時に、フラミンゴは天井に移動し、そこから足場にして威力を増した踵落としを繰り出した
「あグゥ!!?」
脳天を直撃し、そのまま力任せに床へと叩き付けた
「此処から先へは行かせない!何があっても!絶対に!!」
「よし、正面玄関に近付い……そうだよな!」
ようやく正面玄関に辿り着いたのだが、此処へ来る事が分かっていたのかもう一人の槍の兵士バーナーが待ち伏せていた
「帝」
サマーが此方へと視線を向けた。言葉にしなくとも、その目を見れば大体の予想はつく
帝はそれに頷き、ホムラの手を引いて走り出した
「行かさん!」
槍で貫こうとするとも、サマーとパパイアが蹴り飛ばしてそれを防いだ
「行かすよ!」
「二人は先へ進んで!」
サマーとパパイアが二人を見送り、バーナーと改めて対峙する
お互いに出方を伺いすり足で動く
そして
「やっ!」
「ッ!」
突然パパイアがビームを出して動いた。けれどそれで食らうバーナーではなく、槍を正面で回して打ち消した
「おりゃ!」
防御に槍を使った為無防備となった今、サマーはチャンスと見て側面から拳を振るった
「甘い!」
回転させる槍を地面に突き立てジャンプし避けた
「フッ!」
そして着地と同時に蹴りを放ちサマーを吹っ飛ばした
「なんのこれしき!」
「ッ!」
吹き飛ぶ体を何とか立て直しからのすぐに飛び出し、パパイアもそれを見て走り出した
武器は槍の一本のみ。防げるのは片方のみ。両側から挟み込んでしまえば、どちらかの攻撃は通る
「考えたな。ならばこうするまでだ!」
バーナーはまた槍を大きく回し、その遠心力を利用して床へと思いっきり叩き付けた
床は割れ、その衝撃波によってサマーとパパイアを寄せ付けなかった
「くぅ〜!中々上手くいかない!」
「サマー、倒すのが目的じゃない!帝がローラを助け出すまでの時間稼ぎよ!」
「でも、倒しちゃっても良いよね?」
「えぇ!!」
そして二人は再度飛び掛かった
大広間まで戻って来た帝は、その奥にある扉へと走っていた
「帝様待って下さい!」
突然帝の手を引いて止めた。何事かと思ってると、二人を阻む様にして炎の柱は二つ立った
「この炎…城下町で見たのと同じだ」
「またしても邪魔をするのか?」
炎の中から現れたのはヒートだ
「昼の騒ぎはお前の仕業か?」
「左様」
「なるほどな。操られているから仕方ないけど……それはちょっと、許せないな」
「帝様…」
「分かっている。下がってろ」
帝はキングハンドを装備したオーシャンステッキ、プリキュアの王杖を両手に持つ
「だから───一撃で終わらせる!」
『NATURAE!』
『FANTOME!』
『ABSOLUTE!』
三体の分身を出現させ走らせる
バーナーは炎の柱を幾つも立たせ牽制するも、帝達はそれを華麗に避ける
「ならば!」
手で穴を作りそこに口を当てさせる。
そして肺にはち切れんばかりの空気を蓄え、それを炎として吹き出した
「ッ!?」
火炎放射による広範囲の攻撃を避ける事は出来なかった。
炎が帝四人を呑み込んだ
「これで……ッ!?」
けれどそれを掻い潜って帝が身を乗り出した。
多少の火傷は負ってはいるが、重症となるものは一つもない
直前、分身した帝三人が肉の壁となり本物の帝を守り抜いたのだ
帝は懐に忍び込みバーナーの額に手を添える
「【眠れ】」
その言霊を受けたバーナーは崩れ落ち、深い眠りについた
「はぁ…はぁ……これで良いんだろう?」
「はい」
帝はホムラと共に、ローラが待つ太陽の間の扉の前に立つ
「その前に帝様、お手当ての方を」
「そんな悠長にしてる暇は──」
帝を無視してホムラは体に手を添えた。そこから淡い光が体の中へと流れ込み、帝の火傷した箇所を癒していく
「お手当てが終わりました」
「巫女って不思議なもん……?」
手当を終えたホムラを視線を移すと、僅かながら体が透けていた
「あぁこれの事ですか?力を使ったせいですよ。もう長くはないでしょう」
今日この日までホムラは何とか生き長らえていたが、巫女としての力を使い続けた事により本当の死が近付いていた
「無理はするな」
「それよりもローラ様を」
無視された、というより話したくないのか。そういう感情が読み取れる
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太陽の間の扉を開けると、中は教会の様な物の配置をしていた
そしてその先には、白いベールに包まれたローラがグレンと共に居た
「ローラ!!」
「部外者か…」
「ローラ帰ろう!皆んなが待ってる!」
帝が手を伸ばしながら呼び掛けるが、ローラは何も答えない。
それどころか、太陽の間に入ってから一度も此方を見ていない
「ほらローラ呼んでいる。挨拶はしないと」
「…」
帝の呼び掛けには反応もしなかったが、グレンの言葉には何故か従い此方へとゆっくり歩いて来る
そしてようやく口を開いてくれた
しかしそれは、帝にとって良くないものだった
「帰らないわ」
「な、何言ってるんだ!?」
「わたしは此処でグレンと共に生きる。そう決めたの」
「ローラ…」
ローラは確かに帝を見ているが、その瞳には映ってはいない
それはまるで
「あの瞳、グレン王子や他の兵士の皆様と同じです」
「操られているのか!?」
ローラはベールを脱ぎ捨て、マーメイドアクアパクトを取り出した
「おいまさか!」
「プリキュア、トロピカルチェンジ」
「ゆらめく大海原、キュアラメール」
プリキュア へと変身したラメールは、そのまま容赦無く帝達へと襲い掛かって来た
「消えなさい」
最近トロピカれないせいで、更新速度が遅くなっております。まぁ原因はこのオリストです。
思ってたより書く内容が多過ぎてシンドイです…