ではスタート!
ラメールの拳を帝は打ち払う事しか出来なかった
下手に傷付ける訳にもいかず、帝は防御するしか選択肢はなかった
「ラメールやめろ!」
「ッ!」
帝はステッキをしまい、背中に回り込んでハンマーロックでラメールを拘束する
「ラメー…グッ!?」
ラメールは柔軟な体で拘束を抜け出し、帝に裏拳をかました
「ラメール正気に戻れ!頼むお願いだから!」
それでも帝の声が届く事はなかった
言葉で駄目なら少し力付くで止めるしか方法は無かった。
プリキュアの
「ラメール!止ま──ッ!?」
しかしそれを予期していたのか、瞬時に帝の口を手で塞ぎ腹部に拳を減り込ませた
「がッ!?」
只、目の前に居る邪魔者を倒す事を考えてるラメールの判断は早い。
そしてラメール相手に加減をしてる帝は、逆に判断を鈍らせる
それが差となりつつある
「グ…あ゛ッ!がぁ…っ!」
顔を充填的に殴られ、今や帝はサンドバッグ状態と化していた
ラメールの拳は血に染まっていき、床に鮮血が散ってゆく
「ッ!!」
顎に入った拳は口の中にまで影響を及ぼし、床に歯を転がす
もうこれ以上は死の危険性がある。転がる歯を見てようやく我に帰り、ホムラはラメールを止めようと近付こうとするも
「ぐ、来るなぁ!!」
「で、ですが!」
「ローラ居るんだろ?聞こえてる筈…ブハッ!」
「此処に居るわよ。グレンとわたしの邪魔をする人は容赦しない。骨を砕いてやるわ。じっくりといたぶって」
襟元を掴んで備え付けられてあった長椅子へと投げられ、強引に座らせてはそのまま殴り続ける
目は腫れ、鼻の骨は変形し、下顎も砕けている
それでも尚、帝はラメールに必死になっていた
「ろーら、ろーらぁ…おれは此処にいる…ここにいるから…ずっといっしょにいる、そばにいるからなぁ…」
「う、ゥゥァ…ッ!」
まだラメールの意識があるのか頭を抑えつつ苦しそうにするが、それを振り払う様に硬く拳を握り、帝の息の根を止めようとしに掛かる
大きく振りかぶり帝の顔へと
「ろ、…らぁ……」
ラメールの瞳が僅かに揺れ動き、拳が直前で止まった
そして力のない帝を優しく抱き寄せた
「帝、わたし…」
「あぁ……もどったんだ…」
「何故元に戻った?あり得ない…」
洗脳が解けるのは予想外といった表情をしていた
「帝様、今傷を治します」
ホムラが近寄り、額に手を添えて癒しの光を与える。
砕けた骨だけではなく、抜けた歯までも新しく生え変わった
けれどホムラの体は余計に弱まっていく
「ホムラもう無理はするな」
「いいんです。わたしにはこれしか出来ませんので…」
「そうか」
改めて三人はグレンの方へと向く。そこでは静かに怒っていた。けれど同時に余裕の笑みも浮かべている
「たかだか二人程度では止められない。もう一度ローラを手に入れれば──」
「とりゃあーー!!」
太陽の間の扉をサマー達が蹴破って乱入した
「サマー!皆んな!」
「ラメール元に戻ったんだね!」
「手こずって遅れたが、一応間に合いはしたな」
フラミンゴの言葉通り、サマー達の体はボロボロ。かなり激戦を繰り広げたに違いないが、それでも此処へ辿り着いた
ラメールを助ける為に
「…所詮は使い捨ての人間に過ぎない。しかしここまで追い詰めた。であれば、もう加減の必要性は何処にも無い!!」
グレンから莫大な炎のエネルギーが蓄積され始める。
嫌な予感を察した帝達は、急いでその場から退避しようと逃げるが
「もう遅い!」
その内包される炎を全て外へ放出した
自分達の足ではどうにも出来ないと瞬時に判断し、プリキュア の王杖で使い避難を試みる
「全員外へ──」
言葉を出す前に光が当たり一体を全て呑み、巨大な爆発を引き起こした
城はほぼ破壊されて無くなっていた。そんな瓦礫の山から、腕一本が這いずり出て来た
『ぺけ!』
同時にぺけ印のシールドが瓦礫の山を退かして、中から帝達が出て来た
「も、もうダメかと思った〜〜!!」
出て来たサマーの一言通り危機一髪だった
爆発の直前、ギリギリのところでプリキュア の王杖によって全員城外へ避難出来たが、崩れ落ちる建物に対しては考えていなかった
けれど、コーラルの咄嗟の判断で生き埋めにならずに済んだ
「コーラルありがとう」
「うん、でも…」
周りを見渡せば火が立ち込み、爆発が起きた中心にはヤラネーダより倍以上のある大きさで佇む炎の怪獣──イフリートが居た
「デカイ…」
「帝、ホムラちゃんを守ってて!」
「おいどうする気だよ!?」
「こうするんだよ!」
サマー達が高くジャンプして飛び出した
「ハートカルテットリング!」
「パフュームシャイニーリング!」
「「「「プリキュア !ミックストロピカル!」」」」
「プリキュア!オーシャンバブルシャワー!」
浄化技が届く前に全て気化してしまった
「嘘!?」
「それならアレをやるぞ!」
「ランドハートクルリング!」
「「「「「プリキュア!ランドビート・ダイナミック!」」」」」
ランドビート・ダイナミックで放たれたゾウの攻撃が直撃したがそれでもビクともしなかった。
イフリートはそのままゾウを両手で掴み上げ、握り潰して消滅させた
「コイツ……ッ!?」
イフリートが目を付けたのは帝達。イフリートから見れば石ころの様な存在にも容赦無く、膨大な炎のエネルギーを集約させ巨大な火球へと形作る
「コーラル皆んなを守れ!守るんだ!!」
『ぺけ!』
全員がコーラルの後ろへと避難するが、とてもじゃないがそれだけでは防げるとは思えない。
コーラルはあくまで保険
帝はシールドを飛び越えて、ステッキを構え始める。
メインとなる盾は帝で、それを防げるのはプリキュア の王杖だけと判断したのだ
「帝君無茶だよ!!」
「────ッ!!!」
コーラルが叫ぶのと同時にイフリートの火球は放たれた
両手を前に出して太陽ともいえるその火球を受け止めたのだ。
しかしその火力は凄まじく、帝の周辺はおろか、コーラルのシールドですら溶け始める
それを至近距離で受ける帝も異常だった
「──負けるか。俺は始皇帝で絶対なのだ!【爆ぜろ】!!」
火球を空高くまで打ち上げ、サンシャニティー全体に爆発による光と音が満ちた
「何とか防いだ…ッ!?」
一安心も束の間、イフリートは休む間も無く次の攻撃準備へ移行していた
(プリキュアの王杖でやっと返せれたというのに間髪入れず次……厄介だ)
「そうだ帝!何も受け止めなくてもいいんだよ!避けちゃえば──」
「それはダメ。今の破壊力を見る限り、地面にでも直撃したらこの国は地上に落とされる」
「パパイアの言う通りだ。わたし達が全部受け止めないと何もかも終わりだ」
「だけど、帝君ですらもう限界ですよ!」
「ねぇ帝、何か案は無いの?」
次の攻撃にもう時間が無い。切羽詰まる中で、頼られる帝だが打開する方法が思いつかない
「帝様、一つだけ打開する方法があります。わたしが差し上げた、太陽の指輪を出して貰えませんか?」
何か作戦を思い付いたのか、それを頼りに言われた通り指輪を出した
「この指輪に、わたしの残る全ての力を捧げます。それが出来れば必ず勝機はあります」
「それナイスアイディア!帝、早く頼んじゃいなよ!」
「…嫌だ」
これが唯一の策しか無いと踏み込むも、帝はそれを拒否した
「それってつまり───『わたしの命を使わないと勝機は無い』。そうだろ?」
ホムラの顔が一瞬強張った。それは図星のサイン
「…はい。それに、このまま何も出来ず終わるくらいなら、せめて何かと考え付きました」
「それが、この命を懸けた選択か?」
「そもそも最初からわたしには時間無いのです」
「待ちなさいよ。もっと他に方法が──」
「ありません。皆さんの力はとても素晴らしいものですが、あと一歩足りないと感じてる筈です」
ランドビート・ダイナミックでも通用しないとなると、残る手段は一つしか残されてない。
しかしそれすらも怪しい
ホムラは太陽の指輪に手を添えて残りの力を送り始めた
「わたしが今日まで彷徨い続けた意味。それはこの瞬間の為とわたしは思っております」
形を保っていた体から温かな赤い粒子へ還っていく。
それが何の意味かはもう全員察していた
「願わくは、皆さんに太陽の御加護が宿りますように」
残りある全ての力を太陽の指輪へと変換したホムラは、そのしがらみから解放された
すると太陽の指輪にも変化があった
羽の模様があり、白く、どこまでも透き通る様な指輪。
これが帝達が追い求め探していた空のリング「スカイハートクルリング」
帝の手の中に収まりそれを大事に握る
「ホムラ……指輪は俺のステッキでは使えない。だから力を貸してくれラメール」
「えぇ!」
ラメールがリングを受け取ると同時にイフリートも再度火球を撃ち放った
だがそれよりも早く、ラメールはマーメイドアクアパクトにスカイハートクルリングをセットした
「「スカイハートクルリング!」」
帝とラメールはパクトとプリキュア の王杖を高く投げ、その二つのアイテムが融合させる
マーメイドアクアパクトを思わせる形のしたステッキが、帝とラメール一本ずつ手にする
これが二人専用のステッキ
「「マーメイドアクアステッキ!」」
マーメイドアクアステッキを手にしたラメールの姿は、エクセレン・トロピカルスタイルに変身していた
二人はマーメイドアクアステッキを地面に突き立て、自分達を守る水の繭を作り出す
激しくぶつかり合う水と火。普通なら火を消化する水が勝つのだが、それ以上に火球の火力が強過ぎて逆に水の繭が蒸発され追い詰められる
「クッ、折角の空のリングでも無理なのか…」
「──そんな訳ないだろフラミンゴ。ホムラが俺達に託した想いがこの程度で」
「負ける筈ないわ!本番はここからよ!」
マーメイドアクアステッキの上部には、ルーレットの代わりにマーメイドアクアパクトが融合されている。
勿論それには、元のパクトの機能が依然として備わっている
ステッキの出力を上げる為、二人はステッキ上部の中央のパレットを回転させる
それによって水の繭は蒸発されないどころか、火球に負けず消化していく
「皆んな、わたし達の合図があるまで待ってくれる?」
「二人だけで大丈夫?」
パパイアが心配するがラメールは笑っていた
「わたしと帝とのコンビよ!大丈夫以外あり得ないわよ」
「帝君信じてるよ!」
「ああ。行くぞラメール!」
帝はラメールの手を絡めて握り、脚に力を込める
「いっけぇぇ!帝!ラメール!」
サマーは二人の背中を押し、一気に繭から飛び出した。
消化され小さくなりつつあった火球も、打ち破った
地面に足がついた途端、足元に水が溢れ出した。
二人はそれを利用し、波の上を滑る様にして地上で波乗りをする
『小癪な!』
イフリートは巨大な両手で叩き潰そうと落としてくる
二人はそれを見てジャンプして腕に着地して、駆け上り頭へと接近する
『近付けさせるものか!』
腕から炎の柱を出して攻撃をするも、緩急をつけて二人は華麗に避ける
そしてとうとう顔まで到達した
再度パレットを回転させ、今度はステッキに水を纏わせコーティングさせる
「「食らえ!!」」
両側からステッキを振り翳して、顔面を凹ませた
イフリートの体勢が崩れた。けれどそのせいで空中へと放り出された帝とラメール
ステッキに纏っていた水が、今度は二人の体へと移り身に纏わせる。
それによって二人は空中に浮かんでいた
『──ッ!』
イフリートは二人へ顔を向け、口から高密度のビームを放った
「やらせるか」
帝の周りに二つの水の球が現れ、それが形を変えてイルカの姿となる。
水のイルカ達はビームに自ら飛び込み相殺した
相殺した事で両者の間には煙りが巻き起こる
「ラメール!」
「プリキュア!くるくるラメールストリーム!」
ラメールの放った技が煙りの中から現れ、イフリートの腹部に直撃して内側が露わになった
その中の中心部をよく見ると、核となっているグレンを発見した
「「ッ!」」
すかさず帝とラメールはグレンの元へ駆け抜ける
『取られてなるものかァァァ!!』
核となるグレンを取られまいと、体中から小さな火球を無造作に放つも、水のコーティングをしてる二人には全く効かなかった
何者にも囚われず、空や大地を自由に駆け回るその姿は海を泳ぐ人魚
これがスカイハートクルリングの力
二人は更に飛行するスピードを上げ、イフリートの体内へ侵入し、グレンを救出してそのまま貫通して地に足をつく
『グォォォ!!?』
グレンを失ったイフリートは形を保てず苦しみ始める。
それでも尚イフリートは足掻き続ける
取り返そうと拳を握り仕掛けようと抵抗する
「「皆んな!!」」
その合図を聞いて、帝とラメールの前に二つの影が飛び出した
「プリキュア!おてんとサマーストライク!」
「プリキュア!ぶっとびフラミンゴスマッシュ!」
サマーとフラミンゴの技がイフリートの拳を弾いた
「タイミングバッチリね!」
「皆んな、これで最後だ。終わらせるぞ!」
「「「「「オーライ!」」」」」
「「「スカイハートクルリング!」」」
帝、サマー、ラメールの掛け声でトロピカルハートドレッサーにスカイハートクルリングをセットする
「「「「「おめかしアップ!」」」」」
「「マーメイドアクアステッキ!」」
「「「「エクセレン・トロピカルスタイル!」」」」
帝とラメールはマーメイドアクアステッキ、サマー達はエクセレン・トロピカルスタイルへと変身した
「「「「「「6つの力!空に羽ばたけ!」」」」」」
サマーがドレッサーの鏡を持ち、その両側から帝とラメールがマーメイドアクアステッキを重ね合わせ鏡に手を翳す
するとハートの光が放たれ、白いワシが召喚される。
そこから回転ジャンプをして、大きく両手両足を広げて叫ぶ
「「「「「「プリキュア!スカイビート・ダイナミック!」」」」」」
ワシは、対象を捉えて上空から一気に急降下で体当たりをして食らわした
そして時計回りにサマー、帝、パパイア、コーラル、フラミンゴ、ラメールで円を作り勝利の掛け声を一斉に叫んだ
「「「「「「ビクトリー!」」」」」」
「「はぁ…はぁ…ッ!」」
帝とラメールは肩で息をしながら、両者無言でハイタッチを交わして勝利に喜んだ
「ぅ…ん……」
今まで洗脳されて操られていたグレンが目を覚ました。
そして他の兵士達も続々と目を覚まし始める
これで、当初の目的である空のリングの入手、サンシャニティーでの事件も全てが終わったのだった
////////
「本当に行かれるのですね。此方が色々と御迷惑を掛けたのもありますが、謝罪と感謝を込めてもう少し此処で留まる事は出来ませんか?」
「俺達にもやらなきゃいけない事が山程あるから遠慮しとく」
まだまだ疲れ切った体だが、あの戦闘から数時間しか経っていない。しかしそろそろ帰らなければならない
「あのローラ……」
「謝らなくていいわよ。無事でなによりよ」
ローラもグレンがした事は全く気にしていなかった
「それよりも、グレンはホムラに謝らないとね!」
「そうだな」
「ローラ!早く行くぞ〜!」
「分かってるわよ!」
帝に呼ばれてローラは手を振ってそそくさと走る
帝達がホムラ鳥に乗る姿を微笑ましく見ていた
「貴方方に、太陽の御加護が宿りますように」
ホムラ鳥に乗って帰る途中、先程グレンの話を遮った事について話していた
「もう少し話しても良かったじゃないのか?」
「あ〜それなんですけど…」
あすかの言葉にさんごとみのりと横目で帝を見る
「ローラ!これからは俺以外の男とは喋るなよ!絶対に!!」
「そんなのわたしの勝手でしょ?」
「うわぁぁんん!!まなつ〜ローラが浮気するよ〜!!」
「ローラダメだよ」
「わたしが悪いの!?」
「ローラと離れていたせいで重症。今は放置していた方が帝の為になると思う」
「ローラに人権を…」
「んふふ!」
様々な障害があったものの、空のリングを手にしたトロピカる部御一行
彼女達にまた新しい力を得たのだった
空のリングについては今後も出します。オリスト限定じゃないっすよ
何気に主人公とプリキュア 達の合体技って今回が初めて
下にいつも通りの詳細で〜す
スカイハートクルリング
帝とラメールがパワーアップする為のアイテム。マーメイドアクアパクトにセットする事でプリキュア の王杖と融合して「マーメイドアクアステッキ」になる。
トロピカルハートドレッサーでは、6人揃っての浄化技「プリキュア!スカイビート・ダイナミック!」を放つ事が出来る
マーメイドアクアステッキ
スカイハートクルリングをマーメイドアクアパクトにセットする事で、プリキュアの王杖と融合し、帝とラメールの手に一本ずつ分け与えられる。
ラメールに関してはエクセレン・トロピカルスタイルに変身する
水を自由自在に操る事で、人魚の如く空、地上を高速で動ける事が可能。
更にステッキとパクトとしての機能も健全な為、その力も行使出来る
プリキュア!スカイビート・ダイナミック
トロピカルハートドレッサーとスカイハートクルリングを使用する事で、本当の意味での全員で放つ事が出来る浄化技。
使用する際、帝とラメールはマーメイドアクアステッキ、サマー達はエクセレン・トロピカルスタイルへと変身する。
サマーがドレッサーの鏡を持ち、その両側から帝とラメールがマーメイドアクアステッキを重ね合わせ鏡に手を翳す事で、ハートの光が放たれ、白いワシが召喚される。
そこから回転ジャンプをして、大きく両手両足を広げて「プリキュア!スカイビート・ダイナミック!」と叫ぶ事で、召喚されたワシが急降下しながら対象へと攻撃して浄化する。
「ビクトリー!」の掛け声は、時計回りにサマー、帝、パパイア、コーラル、フラミンゴ、ラメールの順に円となって一斉に行う