ではスタート!
「生徒会長も引退か〜」
「あすか先輩も引退しちゃうんですよね〜」
「まぁな。まだ先だけど」
先程行われた学校集会で、本日をもって生徒会の座から降りた百合子。
それの感傷に相まって、あすかの引退もそろそろだと思いふける
「ねぇ、部活動も生徒会みたいに引退式とかするの?」
「どうなんだろう?」
「聞いた事ないな…」
「だったらやろうよ!トロピカルってる楽しいイベントを六人でさ!」
「でも何するんだ?」
部活動の引退式などやった事ない為、どんな風に行えばいいのか困る
「アイディア浮かばないなら」
みのりの提案で、市内にある図書館へ足を運ぶ事にした
「これだけ本があれば何かヒントがあるでしょう?」
「さてさて、何処から手をつけようか……さんご?」
「やっぱり可愛いな〜。フェニックス学院の制服!」
これから本を漁って引退式のアイディアを探そうとしたが、さんごの独り言で全員が偶々図書館に居たフェニックス学院の生徒に注目する
「フェニックス学院?」
「進学校でありながら、部活も強くて有名な高校」
「そういえば、この近くにあるんだよね?」
「ねぇ、中学と高校って何が違うの?」
「え?中学は中学で、高校は高校だよ!」
「…要するに何も知らないのね」
「じゃあ見に行こうよ高校!」
知らなければ知ってみる。行動あるのみのまなつにさんごとローラも賛成する
しかし唐突な事に帝、みのり、あすかは動揺する。
これでは、何の為に図書館へ来たか分からなくなった
「イベントは?」
「お願いします!!」
結局、まなつに押し切られてフェニックス学院まで来てしまう羽目になった
放課後である為、校内は既に部活動をする生徒達で溢れかえっていた
「おぉ〜!流石高校の部活は違うなぁ〜!」
「あれ見て!テニス部ね」
練習でも白熱してる部員を見てると、途中見知った人がコートに入った
「あれ?あすか先輩、あの人って」
「あ…」
まだ中学生の百合子がコートで練習を受けていた
「何で此処に…」
「なら本人に聞いてみましょう!生徒会長〜!!」
まなつの呼び声に百合子が気付いた。コーチの許可を得て此方へと移動してくれた
「もう生徒会長ではないわ」
「何で此処に居るの?」
「推薦入学の候補だから。今体験入学してるのよ。貴女達こそ何をしてるの?」
「まなつ達が学校を見たいって言うから」
百合子の質問に答えたのはあすか。しかし、答えたもののぶっきらぼうな言い方
「貴女もでしょう、フェニックス学院は。貴女の夢だから」
意外な事に、あすかもフェニックス学院の入学を決めていたのだ。
けれど、あすかの歯切れの悪さから察するにまだ迷いがあった
「この前、壁打ちしてるのを見たわ」
「ッ!」
「コートの此方側に来たいのなら、只見ているだけじゃ無理よ。まだテニスに未練があるのでしょう?本当は自分が此処に居た筈だって思っているのでしょう?」
「そんな事…思ってない……」
そうは言ってるが、顔には出ている事に百合子は気付いてる。
そこで百合子はある提案をした
「コーチ、彼女と試合させてくれませんか?」
「何故だね?」
「晴れて推薦を頂く為です。彼女に勝たなければ自分で納得出来ません」
「勝手に話を進めるな!」
「良いじゃない。コーチに良い所を見せれば、貴女が推薦を得られるかも知れないわよ。それとも負けるのが怖い?逃げる気?」
「上等だ、やってやるよ」
あからさまな挑発だが、あすかはそれを受けて立った。
この勝負に意味があるのか、はたまた無いのか
試合は学校が休みの日に行われた
「あすか先輩頑張って下さ〜い!」
「あぁ!」
コート中央。ネットを挟んであすかと百合子の睨み合いになっていた
試合が始まる前から既にこの緊迫感
サーブは百合子から始まった
「ッ!」
最初の一級。様子見と思い悠長に構えていたのが痛手となった
ボールはサービスコートへ入れ、予想外の速さにあすかは一歩も動けずポイントを先制された
その後も百合子が有利に進み、呆気なく1ゲームを取られた
「流石元生徒会長」
「え、もう終わったの?」
「いいえ、1ゲーム取られただけ。今回は5ゲームマッチだから先に3ゲーム取ればいいの」
「つまり、三回勝てば良いんだね!」
「よ〜し、まだまだこれからだ!頑張れ〜あすか先輩!!」
コートチェンジの際、百合子は何かあすかに話しかけていた
「残念だわ。その程度だったなんてね」
「いいウォーミングアップになった」
コートチェンジを終え、あすかのサーブからゲームが再開される
「フッ!」
あすかのサーブを難なく返した後、切り返しても追い付けないコートの端にボールを返してポイントを先取した
「まぐれよ」
「本当はビビッてるんだろ?怖がりだから、なっ!」
「誰が怖がりよ!」
強烈なサーブをものともせず百合子は返した
「合宿の夜、トイレが怖いって泣きそうだっただろ?」
「は?」
「だからわたしが付いて行った!」
「そっちこそ、合宿で財布落として泣きべそかいてたでしょ!」
「泣くか!」
その後も激しいラリーと共に、あすかは順調にポイントを稼いではゲームを勝ち取っていた
そしてあすか有利が進み、いつの間にか2ゲームを取って逆転した。
ブランクがある事を想定していたが、ここまで出来るとは百合子自身思わなかった
「相当鍛えてる様ね。テニスを辞めたんじゃなかったの?」
「辞めた!」
会話を続けながらも二人のラリーはまたも続く
「なら何でまた?」
「まなつ達だ!トロピカる部が教えてくれた。仲間も捨てたもんじゃないって!またテニスが出来るんじゃないかって!そう思ったんだ!」
「わたしだって思ってた!貴女とずっとテニスしたかった!!」
「ッ!!」
その言葉で足を止めてしまいポイントを取られてしまった
しかし、百合子から出た言葉は嘘偽りの無い本音だった
「あの時は、貴女を守る為。あの試合さえ棄権すれば、ずっとダブルスを組んでいられたのに…」
「だったら棄権じゃなくて一緒に戦って欲しかった」
少し試合が中断してしまった時、ここでタイミング悪く少し離れた場所でヤラネーダが現れた
「アイツらか」
「あすか先輩、わたし達に任せて!」
「試合頑張って!」
帝達はすぐさまヤラネーダの元へと向かって行った
「アレと似た空を見たわ修学旅行の時に。そして彼女が現れたのも。夢じゃなかったのね。あの子、貴女何でしょ?」
百合子にプリキュアだとバレてしまった。
あすかはその事に関しては何も追求はしなかった
そしてラケットを置き、試合を放棄しようとしていた
勿論それを百合子は止めると分かっていた
「待って、試合を続けなさい!そうすれば、貴女が推薦候補にだって!」
「推薦?そしたら百合子はどうする気だ?」
「わたしの学力ならフェニックス学院に入れるわ」
「大した自身だな」
「また、一緒にテニスが出来るわ」
「悪い。でも今はこの試合より仲間が大切だから」
あすかは結局その試合を投げ出して、仲間の為にコートを後にした
////////
「あ、蟹だ」
ヤラネーダが現れたのは浜辺。しかも今回も蟹である生き物を使っての超ゼッタイヤラネーダときた
「皆んな行くよ!」
「あぁ!」
気を引き締めて行こうとしたのだが、いる筈の無いあすかの声がした
「何で!?」
「試合は?」
「今一番大事なのはこっちだから。行くぞ皆んな!」
「「「「「プリキュア!トロピカルチェンジ!」」」」」
「「「「「レッツメイク!キャッチ!」」」」」
「ときめく常夏!キュアサマー!」
「きらめく宝石!キュアコーラル!」
「ひらめく果実!キュアパパイア!」
「はためく翼!キュアフラミンゴ!」
「ゆらめく大海原!キュアラメール!」
「燃えるど根性!」
「「「「「トロピカル〜ジュ!プリキュア !」」」」」
「フェスティバルスタート!」
『ACTIVITY!』
「ヤラネーダ!」
目から発した攻撃で足元が爆発したが、全員難なくジャンプで回避した。
それでも攻撃の手は緩めず、ハサミだけを分離させ飛ばして来た
「コーラル肩貸してこのまま!」
「うん!」
『ぺけ!』
帝はコーラルの肩を持ってACTIVITYの能力で強化させ、強化されたシールドでヤラネーダの攻撃を見事に弾いた
「ハァッ…え?」
着地と同時にパパイアがビームを放ったが、蟹とは思えない程の超高速の動きで攻撃を避けたのだ
「ハァ…うわっ!?」
動きが止まった瞬間をラメールが狙うも失敗に終わる
「帝タッチ!」
「頼んだ!」
サマーが帝とハイタッチした事で、ACTIVITYの能力を受け力を増した。
踏みしめる脚で一気に捕まえようとしたが
「やぁっ…速!?うわっ!?」
飛びついたが、ACTIVITYの能力を受けたサマーを上回り避けられた挙句、カウンターを貰った
「速過ぎる。蟹じゃないだろ…」
「任せろ!」
フラミンゴはヤラネーダの動きを観察し、狙いを定める
「行くぞ!」
「ハートルージュロッド!」
「プリキュア!ぶっとびフラミンゴスマッシュ!」
「ヤラネーダ…」
技が見事に直撃しヤラネーダの動きが止まった
「今だ!」
「マリンハートクルリング!」
「「「「「おめかしアップ!」」」」」
「「「「「エクセレン・トロピカルスタイル!」」」」」
「「「「「5つの力!海に轟け!」」」」」
「「「「「プリキュア!マリンビート・ダイナミック!」」」」」
「「「「「ビクトリー!」」」」」
////////
「みのりん先輩ここは?」
「そこはさっきの応用の式を使えば解ける」
「…帝解らないのだけど」
「あぁそれは……まなつ?」
今日のトロピカる部は部室で勉強会という形になっていた。何故かと言うと、今日はあすかは参考書買うのに部活を休んだのだ
それに倣って帝達も勉強会を開いているのだ
「頭がパンク…帝ヘルプミ〜…」
「何処が解らないんだ?」
帝がまなつとローラを相手にしてる横で、少し余裕のあるさんごはみのりと話していた
「あすか先輩フェニックス学院を第一志望にしたらしいですね!」
「うん。だから暫くは会うのは難しいかもね」
「えぇ〜!あすか先輩が居ないとトロピカれないよ〜!」
「でも応援したいのよね?」
「なら俺達も黙って勉強だな」
「それとこれとはちょっと違うと思うけど…」
百合子との仲を少しずつ取り戻し、今は共にテニスをする為勉強に励むあすかだった
次回はさんご回!
ではここまでの拝読ありがとうございました!