トロピカル〜ジュ!プリキュア PICARO   作:シロX

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さんご回!

ではスタート!


第78話 わたしの本当の"好き"は此処に!

「わたし、モデルオーディションに出るわ!」

 

学校の休み時間の時、ローラが雑誌の中身を見せながら帝とさんごに宣言した

 

「書類審査に通ったら、次は動画を送って最後は面接だって」

 

「ほら、楽勝ね」

 

「じゃあ帰りに神社にでも寄って、落ちます様にと願掛けておくか」

 

「何でよ!?」

 

「だって、ローラは俺のものだし。アイドルローラを世界中の人々が、こぞって取り合って戦争でもしたらどうする?それくらいなら俺は死ぬ」

 

「ローラも応募するんだ…」

 

いつものやり取りの中で、さんごだけは曇った表情をしてたのを帝は見逃さなかった

 

 

 

 

 

その日の夜

 

「お邪魔しま〜す」

 

「本当、いつもさんごは真面目だな。部屋に入る事なんてしょっちゅうだろ?」

 

今日はさんごが皇家に泊まる日だった

 

いつも通りお風呂から上がり、パジャマ姿のさんごは帝の部屋に入って早々にベッドに腰を掛けた

 

「トロピカ卒業フェスティバル楽しみだね」

 

「そうだな……なぁさんご、今日元気無かったけどどうした?」

 

「…気付いていたんだね」

 

隠していたつもりだったが、やっぱりといった表情をした。

でも少しだけ、心の中では気付いて欲しいとも思っていた。

その気持ちが溢れていたに違いない

 

「…実はわたしもオーディション応募したって言ったら驚く?」

 

「別に?寧ろやらない方が驚きだよ。応募したって事は、それくらいやる気があるって事だろ?何か思う事があるの?」

 

「テニスが好きなあすか先輩、本と物語が好きなみのりん先輩、女王様を目指して頑張るローラ、何でも好きになったものに全力で一生懸命になれるまなつ、一途な想いで真っ直ぐな帝君。皆んなすっごくキラキラしてる。好きなもの、やりたい事を見つけて。それに夢中で」

 

しかしそれが、さんごにとって考えさせられるものとなっていた

 

「『でも自分は?』『わたしは何がしたいんだろう?』『本当に好きなのは何なんだろう?』そう考えたら少し怖くなっちゃって」

 

「そんな事はないよ。さんごだって自分の可愛いを言える様になったし、メイクにだって詳しいし得意じゃん」

 

「得意って本気で勉強した訳じゃないし……でもわたしも、皆んなの様にキラキラしたい。もっと心からトロピカりたい。だから、一度試してみようかと思ったんだ。わたしの好きが本物か……誰かに誘われるとかじゃなくて、わたしが頑張って、わたしの好きを信じたいの!」

 

「好きを信じたいか……なら俺は全力で応援する!さんごの幸せを掴むまで!」

 

さんごの手を取り、顔を近付けおでこ同士くっ付ける

 

「帝君のことも応援してるよ」

 

 

 

 

 

////////

 

それから暫く日が経ち、一次審査の発表のお知らせが届いた。

それをトロピカる部の皆んなで見届ける事となった

 

震える手で封筒の中身を見て

 

「あ!一次審査合格!」

 

「やったぁ!」

 

さんごは見事一次審査を突破した

 

ローラも封筒が返って来たのだが、表面を見てずっと固まっていた

 

「…なんか戻って来てるんだけど?」

 

送った筈の封筒がそのまま返って来ていた。

封筒には「あて所に尋ねあたりません」の半が押されていた

 

つまり要は

 

「残念だったな。郵便は宛て先の住所を書かないと届かないんだ」

 

「ドンマイ」

 

「良かった。これでローラの魅力を知る者はトロピカる部だけに収まった」

 

「ムキーー!こうなったら、絶対さんごを合格させるわよ!皆んな気合い入れなさい!!」

 

二次審査へ向けて動画作成。総出でさんごに協力してそれが完成した

 

そして後日、二時審査でも通過したという連絡が入り、さんごはとうとう三次審査面接まで進む事が出来た

 

 

 

 

 

////////

 

次となる三次審査は、あおぞら出版という場所での面接

 

この面接が通れば最終審査となる

 

近くで応援したいが、そこから先は参加者のみとなっており、帝達は玄関で見送った後外でさんごが通る事を祈っていた

 

「もう始まってる頃よね?」

 

「そういえばちょっと意外だった。ローラがこの前言ってたこと」

 

それは二次審査の通知が来てすぐの出来事だった

 

 

 

『──気が早いかも知れないけど、もしモデルの仕事であおぞら市を留守にしている時に、ヤラネーダが出たらどうしよって…』

 

『──確かに、さんごのバリアは強力だしな』

 

『──だよね〜!いざとなれば守ってくれるから安心して戦えるところあるしな〜』

 

『──今更何言ってるの?大丈夫よ、さんごが抜けたってわたし達で何とかするわ』

 

『──何とかなる?』

 

『──「なる」じゃなくて「するの」よ!そうでしょ?』

 

 

 

「わたしはグランオーシャンの女王になるだもん。その程度こと出来なくて当然よ」

 

さんごがプリキュア としての活動に支障を不安があったが、それを安心して見送れる様にローラが背中を押した時の話だった

 

「皆んな〜通りました〜!」

 

面接を終えたさんごが帰って来た

 

その表情や言葉を察するに上手くいったのだろう

 

「次はこのまま最終審査!」

 

「流石さんごだな!審査員も見る目がある……で思い出したが、ゆなちゃんも審査員だったよな。元気してたか?」

 

「はい、わたしは元気ですよ」

 

「え?」

 

振り返ると、休憩なのか外に出て居るゆなと出会った

 

「ゆなちゃん!相変わらず綺麗だね!」

 

「ありがとう。本当はゆっくり話したいのだけど時間が無くて。さんごさん、ちょっといいですか?」

 

ゆなに呼ばれ、さんごは二人っきりで話す為その場から離れて行った

 

「あ、保護者として俺も一緒に──」

 

「帝はこっちだ」

 

二人の邪魔をする事は間違いないので、何か起きる前にあすかが帝を引き摺った

 

 

 

 

 

それから暫くして、話を終えたさんごが帰って来た

 

「おかえりさんご!どんな話だったの?」

 

「うん、ちょっとね…」

 

「帝止まれ。そろそろ時間だ」

 

時計を確認すると最終審査まで残り時間は少ない。

移動しようと準備していると、離れた場所でヤラネーダが現れるのを見てしまった

 

「あれは!」

 

「さんごはオーディションに行って!」

 

「安心なさい!」

 

「あっちはわたし達が!」

 

「片付ける!」

 

「オーディション頑張れよ!」

 

 

 

 

 

ナマコのヤラネーダが現れた場所に到着したが、既にやる気を奪われた人達でいっぱいだった

 

 

 

「「「「プリキュア!トロピカルチェンジ!」」」」

 

「「「「レッツメイク!キャッチ!」」」」

 

 

「ときめく常夏!キュアサマー!」

 

「ひらめく果実!キュアパパイア!」

 

「はためく翼!キュアフラミンゴ!」

 

「ゆらめく大海原!キュアラメール!」

 

 

「フェスティバルスタート!」

 

『PUPPET!』

 

 

 

変身したサマー達を見て、その場に居たヌメリーは首を傾げていた

 

「あら、一人足りないわよ?」

 

「それが何?」

 

「例えコーラルがいなくたって」

 

「何とかしてみせる!」

 

「これ以上の邪魔はさせない」

 

「行くぞ!」

 

全員が一斉に攻撃をするも、いつも通りに上手くいかなかった

 

殴ればぬかるみで滑り、柔らかい体で衝撃が跳ね返りまともなダメージが入らない

 

「攻撃が効かない!」

 

「滑ってるせいだ!」

 

「ヤラネーダ!」

 

「取り敢えず避けるんだ!」

 

口から吐かれる触手を、PUPPETの能力でサマー達を操って回避させた

 

「帝!」

 

「え…うわっ!」

 

サマー達に気を取られ、自分にも攻撃が来てる事に油断して気付かず食らってしまい建物に押し付けられた

 

「よくも帝を!──プリキュア!おてんとサマーストライク!」

 

直情的になりはしたが、サマーの技がヤラネーダに直撃した

 

「お返しするわ」

 

けれど、それをヤラネーダは耐えるどころか跳ね返し来た。

跳ね返って来る事など想定外で、避ける事も出来ず帝達は、自分達の技を食らう羽目になった

 

「「「「「うわぁぁ!?」」」」」

 

「参った?」

 

思わぬ大ダメージを負ってしまうが、それを耐え忍んで持ち堪えた

 

「まだよ!」

 

「約束したんだ、全力で応援するって!この程度で諦めるか!」

 

「あっそう」

 

「ヤラネーダ」

 

最後のトドメをと近付いて攻撃する時だった

 

全力で走って、帝達の前に出て庇うさんごが現れたのが

 

「ダメェェェ!!」

 

 

 

「プリキュア!トロピカルチェンジ!」

 

「レッツメイク!」

 

「キャッチ!」

 

「リップ!」

 

「アイズ!」

 

「ヘアー!」

 

「チーク!」

 

「ドレス!」

 

 

「きらめく宝石!キュアコーラル!」

 

 

 

『ぺけ!』

 

ヤラネーダの攻撃を弾いて、何故此処に居るのか答えた

 

「オーディション、順番を後ろに回してくれたからわたしも戦える!大丈夫だよ!ヤラネーダの攻撃は全部防ぐから、皆んなは攻撃をお願い!」

 

「ヤラネーダ!!」

 

ヤラネーダは口から液体を飛ばすも、コーラルは正面から受け止め防ぐ。

そしてコーラルが引き受けている間に、帝達はとにかく連打の応酬でダメージを与え続ける

 

(戦闘でのわたしの役目は守ること。皆んなが元気に戦える様に、こうしてわたしが支えること)

 

コーラルは何とか堪えてるてが、更に追い討ちを掛けるようにヤラネーダが力を上げた

 

少しだけ押されつつあるが

 

(やっと分かった、わたしの本当の好きなもの。わたしの可愛いが皆んなに伝わってもっと可愛くなる。わたしの力が皆んなを助けて、もっと可愛く、もっと強くなる!そう───)

 

流石のヤラネーダも効かないとはいえ、攻撃して来る帝を鬱陶しく思い体のトゲをミサイルとして撃ち出して、帝達に襲い掛かる

 

数は全部で五つ。それを同時に

 

『ぺけ!』

 

コーラルはいつもの人差し指二本から、両の指を絡ませて全て同時に五つのシールドを展開して、帝達をミサイル攻撃から守り抜いた

 

「わたしの好きは此処にある!!」

 

その手を力強く握り、更にシールドを強固にしてヤラネーダの攻撃を跳ね返した

 

宣言通りコーラルは皆んなを守り抜き、そして自分に降り掛かる攻撃すら跳ね返してチャンスを作る

 

 

「プリキュア!もこもこコーラルディフュージョン!」

 

 

「マーメイドアクアポット!」

 

「やる気パワーカムバック!」

 

 

 

「マリンハートクルリング!」

 

「「「「「おめかしアップ!」」」」」

 

「「「「「エクセレン・トロピカルスタイル!」」」」」

 

「「「「「5つの力!海に轟け!」」」」」

 

「「「「「プリキュア!マリンビート・ダイナミック!」」」」」

 

 

「「「「「ビクトリー!」」」」」

 

 

 

 

 

////////

 

「勿体ない。辞退しなきゃ合格してたのに」

 

その後さんごは、最終審査で自ら辞退する事を言い出してオーディションが終わったのだ

 

しかしそれは、さんごの新しい道を進ませる力となった

 

「でも気付いちゃったんだ。自分が人前に出るより、誰かを可愛くしたり、可愛いものを皆んなに伝える方が嬉しいし楽しいって。だから、そういう道に進みたい」

 

「じゃあモデルはやらないの?」

 

「心が決まりましたから」

 

「さんごは強いな」

 

「でしょ!わたしは前からさんごが強いって知ってた!」

 

「なら俺はそれよりも前から、出会ったその瞬間からそう感じ取り思った!!」

 

皆んなにそう言われて多少の恥ずかしさが出て来る。

でもやはり、今のさんごは

 

「今は皆んなと、トロピカる部で色んな事をチャレンジして…あと、プリキュア で頑張るのがわたしの一番やりたいこと!」

 

「うん!じゃあ先ずは、トロピカ卒業フェスティバルでやる事決めよう!いっくよ〜!皆んなで──」

 

「皆んなでトロピカっちゃお〜!」

 

「「「「お〜!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本当の"好き"を見つけたさんご。それがどの様な形で将来彩るのか

 

それはまた




次回はみのり回!

ここまでの拝読ありがとうございました〜!
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