ではスタート!
トロフェスの準備を進める為、あおぞら中の生徒達は休みである土曜日でも学校に足を運んでいた
勿論主催であるトロピカる部の同様だった
部室では、台本を目の前に頭を抱えて唸るみのり。
それを心配する帝達だった
台本自体は完成しているのだが、ラストが何やら気に入らないらしく書き直しを図っている
みのりらしいと言えばそうなのだが、誰もそのラストについては言及はしてはいない。それくらい今のままでも良いという証拠
そこでローラが徐に台本を手に取り音読し始めた
「『小さな港町に遠い国からやって来た女の子・ロザリア。そこで彼女が出会ったのが、トロピカった少女・ナッチーとその仲間達。実はロザリアは、とある国のプリンセスだった』良いじゃない!」
「そしてラストシーンは、大冒険の末に辿り着いた伝説の塔台で永遠の誓いをたてて終わるんだけど…」
「もうひとアイディアが欲しいんだってさ。俺達も考えてはいるけど……何か無い?」
「…そうだ!いつかローラが校内放送で歌った、グランオーシャンの歌を披露するの!」
「うん、ローラの歌を入れるのは良いと思う。でも、もっと別の何かが欲しい」
「何か原稿間近の先生みたいだな」
まなつの案も取り入れてもう一度構成を練る為、邪魔にならない様各々のは部室から出て行ってトロフェスの準備を進めるのであった
一度学校から帰宅して、私服に着替えてきつもの水族館で演技の練習に勤しむのであった
「あ〜美味しい!このお饅頭はどうしてこんなに美味しの?」
「ロザリオ王国にはお饅頭は無いの?」
「メロンパンならあるわ!」
「じゃあ栗羊羹は?」
「な〜にそれ?」
「モンブランものみたいだな」
「今度皆んなで食べに行きたいな」
「それならこの町の美味しいもの全部食べに行こう」
「わたし、この町に来て皆んなに会えて良かった!お饅頭よりも、栗羊羹よりも、皆んなに出会えた事がわたしの一番のしあわちぇ……あー!間違えた〜!」
ローラの台詞で最後噛んでしまった事に嘆く。けれどそれを皆んなは笑っていた
「意外に台詞の量が多いからな。まぁそれでも何とかなるだろ」
「でも、緊張でわたしも噛んじゃいそう」
「もし本番で失敗してもそのまま演技を続ければいいと思う」
「そっか!それなら安心だね」
「だからって油断するなよ。ちゃんと台詞は覚えること」
練習も一度休憩に入り、夏海家の庭でお饅頭を食べる事となっていた。
そのお饅頭を見てみのりは劇と同じ共通点を見つけた
「劇の台本と同じ」
「そういえば劇の中でも饅頭食べてたな」
「本番でも本当にお饅頭食べるの?」
「そもそも食べていいのか?」
「食べよう!本当に食べた〜い!」
「まなつはお饅頭食べたいだけでしょ?」
皆んなの笑う顔を見て、ローラは思った事をそのまま言葉にした
「わたし、この街に来て皆んなに出会えて良かった」
「今の台詞」
「その感じだよローラ!」
「え、その感じって?」
「さっき失敗した台詞、今の感じて良いんだよ!」
「そうそう」
「とっても自然だった」
「そ、そうね!」
褒められている筈なのだが、受け答えするローラの表情は何処か寂しげに見えた
帝はその表情が少し気掛かりだった
その帰り道で、ローラの表情についてさんごと話していた
「え?ローラそんな顔だったの?」
「あぁ…人間界に来てローラの心境が変わって、本当は帰りたくないのかなって思って」
「帰っちゃうと記憶消されちゃうもんね…」
「俺はそんな悲劇は嫌だ!ローラには此処に残って欲しい。じゃなきゃ俺は…」
さんごは足を止めて、帝の代わりその言葉の続きを口にする
「ローラがグランオーシャンに帰るなら、帝君もその後について行くの?」
「そう、考えてる」
「そうなんだ……もしそうなら、帝君とも中々会えなくなるね…」
「今の俺はローラの事で頭がいっぱいなんだ。ローラ無しじゃ俺は本当に生きていけない…」
帝の背中を見てさんごは不安に駆られる。その想いが、いつの日かの様に爆発して暴走しまわない事を祈るばかりだった
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準備は日曜日に渡って行われた
「みのりん先生頑張って下さい!俺達がついてます!」
「おい帝、みのりの邪魔になるだろ」
「あと少し、あと少しで何か閃きそうな気がする…」
「皆んな〜!そろそろお芝居の発声練習するわよ〜!」
部室の外から桜川の声がした
まなつとローラは挨拶しようと外へ出ると、桜川が何故かその場にへたり込んでいた
「え、先生?」
「…まさかこんな時に!?」
その様子を見てやる気パワーを奪われた事を察したローラ
何処よと探してると、空に一体のヤラネーダがやる気パワーを奪っていた
「今度はサメのヤラネーダか?」
「「「「「プリキュア!トロピカルチェンジ!」」」」」
「「「「「レッツメイク!キャッチ!」」」」」
「ときめく常夏!キュアサマー!」
「きらめく宝石!キュアコーラル!」
「ひらめく果実!キュアパパイア!」
「はためく翼!キュアフラミンゴ!」
「ゆらめく大海原!キュアラメール!」
サマー達は一斉に空へと飛び出しヤラネーダへ一直線。五連続の鋭い攻撃が身体中に突き刺さりヤラネーダの動きが止まる
「思った通り、サメと言っても小判鮫はそれ程凶暴じゃない!」
「ラメールお願い!」
「オーライ!」
「マーメイドアクアポット!」
「やる気パワーカムバック!」
「帝行くわよ!」
「待ってました!」
「「「スカイハートクルリング!」」」
「「「「「おめかしアップ!」」」」」
「「マーメイドアクアステッキ!」」
「「「「エクセレン・トロピカルスタイル!」」」」
「「「「「「6つの力!空に羽ばたけ!」」」」」」
「「「「「「プリキュア!スカイビート・ダイナミック!」」」」」」
「「「「「「ビクトリー!」」」」」」
「やったね〜!トロフェスの準備再開だ〜!」
これで終わりかと思いきやそうでもなかった。浄化すればやる気パワーが元に戻り、皆いつもの調子に戻る筈が、それは一部の人のみという奇妙な事が起きていた
「どういう事だ?」
「元に戻らない人がいるよ」
そんな疑問を浮かび上がらせていると、帝達…というより学校全体を埋め尽くす程の大きな影が出来た。
何事かと思い上を見上げると巨大な生物が空を泳いでいた
「まさか…」
「これは、シロナガスクジラのヤラネーダ!?」
「小判鮫は、クジラのお腹に付いて来たオマケです。この海で最も強い生物はクジラなのですよ!」
「バトラー!」
ラメールはすくさまマーメイドアクアステッキを振り翳し、水球をヤラネーダに打ち付けるもその巨体故かあまりダメージが入っていなかった
「そんな…クッ!」
「だったら!───トロピカルディスク!」
帝はマーメイドアクアステッキを解いて、プリキュアの
『PAPAYA!』
「ぱんぱかパパイアショット!」
無数の緑の粒がヤラネーダの腹を痛み付けるも、それでも尚ヤラネーダが怯む事はなかった
「大き過ぎてこっちの攻撃が効いてない!」
「このままじゃ街全体のやる気パワーが奪われちゃうよ!」
「皆んな行こう!」
街中へ進軍するバトラーとヤラネーダを追い掛け、帝達も学校から飛び出して行った
「遥か昔、魔女様が滅ぼそうとした世界もこんな感じでしたでしょうか。あの時は、伝説のプリキュアに邪魔をされてしまう。魔女様の望みは叶いませんでしたが」
「どういう事?」
ようやく追い付いた帝達が、バトラーの独り言を耳にした
「あとまわしの魔女は、大昔にも街をこんな風にしようとしたの?」
「その通りです。最もその頃は、"破壊の魔女"と呼ばれていましたが」
「破壊の魔女…」
「馬鹿馬鹿しい。ラメール、早くやる気パワーを回収するんだ!」
「えぇ!マーメイドアクアポット───」
「そうはさせません!」
やる気パワーをサーチをしようと操作途中、バトラーが妨害してラメールの手から弾かれてしまった
「大丈夫か!?」
「えぇそれよりも──やる気パワーカムバック!」
自分の身よりも早くアクアポットを拾い上げて、天井ボタンを押すのだがやる気パワーが吸い取れなかった
「えっ!?」
「動かないよ?」
「まさか壊れたのか!?」
アクアポットが頼みの綱なのだが、それが先程の妨害で故障してしまっていた
このままだと無防備にやる気パワーを奪われ続けてしまう。
それを悟ったサマーは一人単身で行動を起こした
「絶対許せない!皆んなのやる気パワー返せぇぇぇ!!」
サマーはジャンプして手を伸ばそうとしたが、ヤラネーダは口を大きく開けて息を吸い込み始め、そのままサマーを体内へと飲み込んでしまった
「サマー!」
「食べられちゃった!」
「助けに行くぞ!」
「帝は外から吐き出せて!」
「それって皆んなも!?」
帝が驚く暇してる間に、フラミンゴが先行してコーラル達もヤラネーダの体内へと侵入したのだった
「外からと言われても…」
『ABSOLUTE!』
トロピカルディスクを外し、ABSOLUTEで強引に吐き出させようとして言葉を発する時
「ッ!」
帝の足元に水鉄砲が放たれて中断される
「──邪魔するかバトラー」
「別にそういうつもりではありません」
そう言いつつも連続で水鉄砲を放ち、帝が言葉を発する隙を与えさせなかった
帝も攻撃してくるバトラーに気を取られて、避けるので精一杯だった
「ちゃんと返して差し上げますよ」
クジラのヤラネーダが潮吹きすると、中からコーラル達が吐き出された
「【ゆっくり降りて来い】!」
宙に放り出されたコーラル達を気遣い、言霊でゆっくりと帝の近くへと降ろした
「さて、ヤラネーダも満腹になった様ですしそろそろ引き上げますか」
「待て…ラメール、サマーは?」
「ぅ…え?」
帝に言われて辺りを見渡すが、そこにはサマーの姿は居なかった
「まさか…そんな!」
「ではご機嫌用」
去って行くバトラー達を眺めるラメールの様子を見て察する。サマーだけ取り残されて、今も尚ヤラネーダの体内に居るのだと
遂にあとまわしの魔女との決戦が唐突に行われるのであった
今週中には出したいところです。今月からまた暫く忙しくなりそうですからそれなりに頑張りたいです
ここまでの拝読ありがとうございました