トロピカル〜ジュ!プリキュア PICARO   作:シロX

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サブタイで会話をし始める始末

今回で決着です

ではスタート!


第85話 わたし達にも譲れない想いがあるの。ねぇ帝、全部終わったら話したいことがあるの。貴方に対するわたしの大切な想い、絶対聞かせるからね。その為に"今、一番大事なこと"をやるわ。

水中で青い閃光と紫の閃光が激しくぶつかり合い、その度に衝撃波と轟音が鳴り響く

 

最初こそは互角に衝突し合ってるように見えるが、次第に青い閃光が押され始める

 

「ウラァ!!」

 

「ッ!」

 

帝の攻撃を両腕でクロスして防御するも、踏ん張りが効かず後方へ飛ばされ、腕は痺れが残る

 

「この!」

 

尚も追撃する帝に反撃をするも避けられた挙句懐に侵入を許し、顎に向けて飛び膝蹴りが襲った

 

「あぐっ!!」

 

帝を見失わない様に顔を下げるが、既に目の前から消えていた

 

「何処に…グッ!!」

 

背中から激しい痛みが走る。背後から攻撃されたと思い振り返るも、帝の姿は居ない

 

「きゃっ!?」

 

今度は右横腹に打撃が加わった。

それから上下左右至る所から攻撃の嵐がラメールに襲い掛かる

 

帝はラメールに視認出来ない程の速さで攻撃している。

何も抵抗出来ず、苦痛の表情を浮かべて只々その身に受けるしかない

 

それだというのにラメールは何処か余裕があった

 

(本当に嫌になるわ。帝と会ってから散々振り回されて痛い目ばかり遭う。なのに一緒に居るととても安心する。嗚呼、やっぱりわたし帝の事が────)

 

ガードをした腕が打ち上げられ正面がガラ空きとなる。

ノーガードで今の帝の攻撃を食らうとひとたまりもない

 

けれどラメールは知っている。これは囮。正面から来ると思わせる為の布石

 

本命は

 

「ッ!」

 

「何ッ!?」

 

背後を振り返ると帝が拳を振り上げている途中だった。

攻撃を予測したラメールは帝の拳をようやく受け止めた

 

そしてラメールは、苦痛の表情からいつの間にか笑っていた

 

(帝の事が────大好きなのね)

 

「何笑ってる!?」

 

帝は受け止めたラメールの手を更に上から掴み逃げられない様にし、腹に膝蹴りを食らわす

 

更に蹴り飛ばして、紫のエネルギー弾を無数に放った

 

膝蹴りがまともに直撃したラメールは、その場から逃げる事が出来なかった

 

(あ───)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ぺけ!!!!』

 

ラメールの周りにぺけ印のシールドが無数に展開し、帝の攻撃を全て防ぎ切った

 

「大丈夫ラメール?」

 

「ごめん!結構遅れちゃった!」

 

「わたし達がフォローする!」

 

「帝を頼むぞ!」

 

「皆んな…!」

 

ヤラネーダを全て浄化し終えたサマー達は、ラメールとようやく合流出来た

 

「お前達の相手は後だ。消えろ」

 

突然現れた分身の帝三人がサマー達に襲い掛かる

 

サマーとコーラル、パパイア、フラミンゴの三組に散らばりそれぞれ戦闘を繰り広げる

 

そしてラメールは一直線に帝へ接近する

 

「帝!!!」

 

彼の名を叫びながら拳を振り抜き、蹴り回すも全て軽やかに避けられる。

シャイニーパフュームリングをセットしながらシャボンフォームに切り替え、そのまま至近距離で連発するが、細かく体を揺さぶられる全部かわされた

 

反撃に出る帝は腹を蹴り上げ、肋に拳を減り込ませ、顎を跳ね上げる

 

堪らずアクアパクトを持つ手が降り、帝はそれを弾き飛ばして海の底へと落とした

 

パクトを手放したラメールは一度距離を取り、スノーハートクルリングを使ってもう一度変身しようとするが、あっという間に帝が距離を詰めて来た

 

「──ッ!」

 

小細工などさせぬ様に帝は手を出す。

ラメールは避けならがも、トロピカルハートドレッサーにセットしようと抵抗するが虚しくも手を取られ、スノーハートクルリングを奪われてしまう

 

指輪を握ったままラメールの頬を右から左へと殴り飛ばし、両手で両肩に打撃を浴びせサマーソルトをかます

 

高く飛ばされたラメールを見て、スノーハートクルリングを適当に投げ捨てる

 

ラメールは体勢を整え、体を捻り真上から踵落としを繰り出すが避けられた挙句、カウンターで溝に拳を打ち込まれ、怯んだ隙にラメールの首に足を掛けられ上体を固定され、両手で右脚を掴んで捕らえた

 

「こんの〜〜ッ!!」

 

「このまま脚をへし折ってやる!!!」

 

ラメールは必死に逃げようと抵抗するも、上体を固定されてまともに動けない。

どうにかして抜け出す策を考えていると、帝の背後から何者かが此方へ向かっているのを見た

 

それを見てラメールは強硬策に出た

 

「クッ──ああぁぁぁぁああッッ!!」

 

変身を解いて人魚の姿まで戻った。脚が尾鰭に変わった事で、運良く鱗が帝の手の平を滑らせてそのまま強引に抜け出した

 

「ッ!?」

 

抜け出した勢いに背後に回り込み、遅れて振り返る帝に尾鰭を使って目元に蹴りを入れた

 

「何ッ!?」

 

だが変身を解いた事で今のローラは完全に裸同然。すぐさま反撃しようと拳を引いて打ち出そうとする

 

『ぺけ!』

 

その途中、ぺけ印のシールドに阻まれて弾かれた

 

背後から迫っていた者はコーラルだった。ローラが押されてる事を危惧して飛び出したのだ

 

そしてコーラルの手には、先程叩かれ落とされたマーメイドアクアパクトを握り締めていた

 

「ローラ!!」

 

コーラルからパクトを受け取りプリキュアに変身する

 

「ゆらめく大海原!キュアラメール!───ハァッ!!」

 

名乗りを上げながら踵で肩を蹴り下ろし、更にそこにコーラルも加わる

 

反撃しようものならコーラルが防御しては受け流して、帝の攻撃を全て自分が引き受ける

 

ラメールは、コーラルが防御する度に動きが止まる隙を突いて休みなく攻撃する。

手刀で喉を打ち付けては踵で後頭部を蹴り倒し、腹を膝で蹴り上げて強制的に上体を起こしては回し蹴りで首に叩き込んだ

 

「ガッ!?」

 

そして初めて帝は後ろへ引いたのだが、逃してしまえば勝機が断たれる。

ラメールとコーラルは間髪入れず、パクトとハートルージュロッドを構える

 

 

「プリキュア!くるくるラメールストリーム!」

「プリキュア!もこもこコーラルディフュージョン!」

 

 

「クソッ!!」

 

『DEFENCE!』

 

咄嗟に盾三枚を展開するが、二人の技が直撃すると一枚は容易く砕け、二枚目は少しばかり耐えたがそれでも破れてあっという間に三枚目の盾まで突破されようとする

 

 

 

 

 

「「「ハアァァァ!!」」」

 

 

「プリキュア!おてんとサマーストライク!」

「プリキュア!ぱんぱかパパイアショット!」

「プリキュア!ぶっとびフラミンゴスマッシュ!」

 

 

ラメールとコーラルが二枚目の盾を破壊すると同時に、サマー達もまた分身の帝を薙ぎ倒した所だった

 

「早くラメールの所へ──」

 

 

「皆さん!」

 

 

突然呼び出されて振り返ると、そこにはグランオーシャンが国ごと移動して目の前に現れた

 

「グランオーシャン!?」

 

「国ごと移動出来たのか…」

 

「お待たせしました。コレをローラに」

 

サマーは女王から修理されたアクアポットを受け取った

 

「よし行こう!」

 

 

 

 

 

「「行っけえぇぇぇ!!」」

 

盾にひびが入り、とうとう三枚目の盾も打ち砕かれ、二人の技をその身に受ける

 

「ラメール!」

 

そこへサマー達も合流してアクアポットを受け取った

 

「行くわよ帝!」

 

 

「マーメイドアクアポット!サーチ!」

 

「やる気パワー!ウルトラスーパーアメイジングカムバック!!」

 

 

愚者の棺から取り込んだやる気パワーが、帝の体内から全て放出されてアクアポットの中へ吸い込まれて行った

 

「やる気パワーが…!?」

 

「帝受け取りなさい!これがわたし達皆んなのトロピカったやる気を!!」

 

 

 

「マリンハートクルリング!」

 

「「「「「おめかしアップ!」」」」」

 

「「「「「エクセレン・トロピカルスタイル!」」」」」

 

「「「「「5つの力!海に轟け!」」」」」

 

「「「「「プリキュア!マリンビート・ダイナミック!」」」」」

 

 

 

「だから何だと言うんだ!!」

 

『ABSOLUTE!』

 

「【跳ね返す】!」

 

両者の技と言霊が激しくぶつかり合い、大きなエネルギーが辺りに撒き散らす

 

しかし次第に帝の方が少しずつだが押され始めていた

 

「グゥッ!こんな筈じゃ…オオォォォ!!」

 

そして巨大なパワーのぶつかり合いの果ては、お互いに耐え切れず弾けて爆発し吹き飛ばされてしまう

 

「「「「きゃあぁぁ!!」」」」

 

「耐えた…ッ!?」

 

耐え切ったと、これで本当に勝利を確信して追撃を仕掛けようとしたタイミングで、ラメールが目の前まで迫って来ていた

 

ラメールは拳を構えて顔目掛けて突き出した。

しかし拳は目の前まで来ると殴る代わりに開いて、帝の頭に手を回して抱き寄せてはそのまま顔を近付けて────唇を重ねた

 

「ッ!?」

 

突き放そうと抵抗するが、すればする程技逆にラメールも強く抱きしめ、舌を入れて絡みついてくる

 

観念したのか、段々と抵抗する気も失くしてそのまま帝は受け入れ始めた。

ラメールもそれを察すると、ようやく長いキスを止めて離れてた

 

唇は離したものの未だに密着状態という事は変わらなかった

 

落ち着きを取り戻した帝は小言を言い始めた

 

「幸せにしたかった……」

 

「帝…」

 

「俺はただ、皆んなを幸せにしたかった。世界が一つになり、やる気と幸せが絶えない日々の姿を。大人になっても、トロピカる部の皆んなで部活をしたかった……」

 

「…貴方の考えは間違っては無い。わたしも帝と同じ気持ちよ。でもね、やり方が間違っていた」

 

ラメールは帝の手を引いてサマー達の所まで誘導して、笑顔でこう言ってくれた

 

「でも戻って来てくれた。ありがとう」

 

 

 

 

 

////////

 

グランオーシャンに乗り、地上へ出るとそこには晴れ渡れた空が広がっていた

 

「後はコレね。それ!」

 

ラメールは回収した全てのやる気パワーをあるべき所へ戻した

 

グランオーシャンに住む妖精、あおぞら市に居る街中の人々にやる気パワーが戻って行った

 

 

 

 

 

全てを終えたサマー達は女王と対峙して、感謝の言葉を貰っていた

 

「貴女達のお陰です。ありがとうプリキュア の皆さん」

 

「これで一安心だね!」

 

「ちょっと待った!!」

 

サマーが締めくくろうとしたのだが、チョンギーレ達が待ったを掛けた

 

「やる気パワーが戻ったのはいいのだけど…」

 

「バトラーは何処に行ったか知らない?」

 

ヌメリーとエルダの言葉に全員がハッとする。

そして何処かへとやった張本人である帝へと視線が集まる

 

「あはは……ごめん、俺も何処へ飛ばしたか分からない…」

 

「「「「「えぇ!?」」」」」

 

「海の何処かとは思うけど…あの巨体だしいつか見つかるとは思うけど……」

 

最後の最後までやらかした気不味さに耐え切れず縮こまるばかりであった

 

「かったりぃが探すか」

 

「そうね」

 

「な〜んで尻拭いしなきゃならないのかなぁ?」

 

グサグサと刺さる帝を、コーラルは優しく宥めていた

 

「まぁいいんじゃねぇのか?それより色々と世話になったな。それに迷惑も掛けて済まなかったな」

 

「ごめんね〜」

 

「バイバ〜イ!」

 

三人は別れの挨拶を言うと、海へ飛び込んで何処かへと旅立って行った

 

「終わったな。これで一件落着」

 

「まだ終わってないわよ」

 

「そうだよ!早く戻って準備しよ!」

 

「スケジュールが遅れちゃったから」

 

「取り戻そう!」

 

「ああ!気合い入れていくぞ!」

 

「「「「「トロピカ卒業フェスティバル!」」」」」

 

サマー達が元気に声に出す中で、帝だけは独り帰ろうとしていた

 

「何処へ行くのよ?」

 

そんな帝を引き止めたのがラメールだった

 

「あんな事しでかしといて、気不味くなったからって帰る気?」

 

「…」

 

「全く、本当にもう…」

 

両手を腰に当てて溜め息を吐くも、やれやれといった様子で帝の手を取り、サマー達の元へ駆け出した

 

「帝には一番働いて貰うわよ!」

 

「ラメール…ローラには敵わないな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

笑顔で出迎え、次なる準備へとトロピカ部は急ぐのであった




最後はヒロインとサブヒロインの連携でした。折角二人もいるんだから使わなきゃそんそん!

前回言うの忘れてましたが、作者は映画フォームを意地でも出す人です

ここまでの拝読ありがとうございました!
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