ではスタート!
「次期女王として決めるのは貴女次第です」
その会話を聞いてしまった帝とまなつ。二人は静かに、そして急いで部室へと戻って狸寝入りする
すると同時にローラも戻り、その夜は静かに眠った
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次の日になるとローラもだが、話を聞いてしまった帝とまなつは元気が無かった
「どうしたローラ?」
「あ、お腹空いた」
「どうしたの?さっきから変だよ?」
「まなつと帝も」
ローラは慌てて心配させない様な態度を取るがが、帝とまなつに関してはローラから視線を外した
「い、いや〜何て言いますかね!まなつ!」
「ほ、ほら!大事な事を決められない時って結構悩むよね〜なんて……」
「…まなつ、帝!」
「何の話しだ?」
「「……」」
二人の会話でローラは察した。夜、女王との会話を聴かれてしまったのだろうと
これはもう隠す事は無理と判断してローラは
「わたしから話すわ」
ローラは部室で全て話した。帰って女王となるか、人間界に残って一緒に暮らすかの選択を
「急過ぎるだろ!」
「それでどうする?」
「女王になるのはまだ先なんでしょ?なら別に今決めなくても!」
「それじゃあ、あとまわしの魔女と一緒になっちゃう。あとまわしにしちゃ駄目なの」
「だけど女王様も言ってた。ローラが帰ったらわたし達の事を忘れてしまう。もしかしたらわたし達もローラの事を…」
さんごとあすかは良くは思ってなかった。みのりも、これまでの記憶が無くなる事を恐れていた。
例えローラの記憶が消えても、自分達だけでも覚えていたらと思うがそれも怪しい
「「それでも忘れない!」」
帝とまなつは立ち上がってそう告げた
「もし記憶を消されても忘れないよ」
「このまま一緒に俺達と暮らすか、グランオーシャンに帰って女王になるか」
「うん。わたしは、ローラが今、一番大事だって思う方をやって欲しい!」
「まなつ、帝……わたしの今、一番大事なこと…」
究極の選択を迫られる中で、考え込むローラに水を刺す出来事が起こった
「うわ何!?」
トロフェスがもう始まろうとする時に、大きな振動を感じた
振動の中心地であるグラウンドだった
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「ヤラネーダ!!」
「おいおい、どっから来たんだよ!?」
帝達の目の前に、何処か消えたバトラーヤラネーダが現れたのだ
「少々遠い場所へ飛ばされましたが、何も問題はありません。貴方方プリキュアを倒し、魔女様の代わりに私がこの世界を破壊しましょう!!」
バトラーヤラネーダの周りには、やる気パワーを奪い取られた人達で溢れかえっていた
「忠誠心もここまで来ると逆に褒めたくもなるな」
「帝も大概でしょ?」
「馬鹿な事言ってないで」
「早く倒しましょう!」
「そして皆んなでトロフェスをやろう!」
「皆んな変身するよ!!」
「「「「「プリキュア!トロピカルチェンジ!」」」」」
「「「「「レッツメイク!キャッチ!」」」」」
「ときめく常夏!キュアサマー!」
「きらめく宝石!キュアコーラル!」
「ひらめく果実!キュアパパイア!」
「はためく翼!キュアフラミンゴ!」
「ゆらめく大海原!キュアラメール!」
「あっという間に!」
「「「「「トロピカル〜ジュ!プリキュア !」」」」」
「プリキュアの
『ABSOLUTE!』
「「ハァッ!!」」
サマーとフラミンゴが腹目掛けて拳を食らわすのだが、全くもって効いていなかった
「たあぁぁ!!」
上空からラメールの膝蹴りを繰り出すも、両腕で防がれてしまった
「「「効いてない!?」」」
「わたしが惹きつけるから帝──」
「やらせませんよ!!」
サマー達を振り払い、囮として走り出したパパイアへ火球を吐き出した
『ぺけ!』
コーラルが素早くパパイアの前に出て、シールドで防御するも既にヒビが入り今にも砕けそうだった
「ぐぅぅ…ッ!!」
「無駄ですよ」
瞬間、火球が爆発して炎に燃えながらコーラルとパパイアは吹き飛ばされた
「【這い蹲れ】!」
間髪入れず今度はプリキュアの王杖の能力で、バトラーヤラネーダを地面に手をつかせた
「寝てろ。早いとこマリンビート・ダイナミックで……あ?」
地に伏せたバトラーヤラネーダの様子がおかしかった。
プリキュアの王杖で動けない筈が、じんわりと体を起こそうとしていた
「おいそんな嘘だろ…?」
そしてとうとう言霊の力を跳ね除けて起き上がった
「随分と呆気ないものですね」
バトラーヤラネーダは巨大な拳を帝へと振り下げる。
プリキュアの王杖でも通じないとなると自力で避けるしかない
なのだが、プライドの高い帝は再度プリキュアの王杖を使って対抗しようとしていた
「止ま──」
「帝!!」
横からラメールが飛び込んで、タックルに近い感じで帝を助け出して転がる
「何考えてるのよ!わたしを心配させないで!」
「悪い!」
起き上がる二人の周りに突然無数の敵が現れて取り囲む
「「「「コワスンダー!!」」」」
ヤラネーダとは別の存在が居た。それが「コワスンダー」
そしていつの間にか、サマー達の周りにもコワスンダーが配置されていた
未だにコワスンダーを増やし続けるバトラーヤラネーダ。
もう帝達六人だけでは手に負えない数となってしまう
「帝…」
「大丈夫。俺がついてるから心配するな」
帝はラメールの手を握り身を寄せ合う。そしてラメールは心の中で祈っていた
この危機的状況から抜け出す為に
(お願い誰か助けて!皆んなを…帝を助けて!!)
その時だった。無風だったのだが急な風が吹き、次第に強風となり、晴れた空に落雷が起き始めた
「何が…」
そして帝とラメールの目の前に雷が一つ落ち、辺り一体が光りに包まれ、激しい耳鳴りが起きて全員がその場に蹲る
「眩しい!!」
「それに何だこの音!?頭が割れそうだ!!」
眩い閃光が収まると、発した光のその中心地には一人の少女が立っていた
「貴女は?」
その少女の姿は白い衣装に身を包み込んでおり、白く長い髪を揺らして笑顔で此方に振り返る
「祈りを聴いて飛んで来たの。アナタですよね?」
見た目はサマーやラメール達とは少し違うが、プリキュアの衣装と遜色ない姿だった
「え?え、えぇまぁ…」
「OK」
少女は指パッチンをした。それに何の意味があるかと思ってると
「「「「コワスンダー!!??」」」」
コワスンダー達の目と口から眩い閃光を発しながら浄化されて消滅した
「
ガッツポーズを取り、浄化した事に喜んでいた
「
そう言って少女は一瞬で姿を消した
「遅くなりました」
「「「「うわっ!?」」」」
今度はサマー達の目の前に現れて驚かした
「コワスンダー!!」
「ッ!」
少女は手を翳すと同時に瞳が金色に輝き、手の平から金色のオーラを放出する
そのオーラを受けたコワスンダーは、限りなく止まってるみたくスローモーションとなって動きが鈍くなっていた
「ん」
そして手を軽く閉じて弾く様に開けると、勢いよく後方へと吹っ飛ばされた
少女は周りをぐるりと見渡してコワスンダーの姿を確認して、またも指を鳴らすと先程と同じく視界に捉えたコワスンダー全て浄化させた
「凄い!」
「あ、アナタって──」
「コワスンダー!」
背後から不意打ちを食らわそうとするコワスンダーだが、少女は振り返りもせず適当に手を振っては、触れずに簡単に吹き飛ばした
「はいはい、そういうのはお腹いっぱい。ごちそうさま」
少女はサマーへと視線を移し替えて急にハグをした
「おわっ!?」
「お久し振りです。プリキュアのサマー…で良かったのかな?」
「あれ?わたし貴女と何処かで会った?」
「え……
少女は頭を抱えて完全にやらかした状態となっていた
「え〜とそれならどうしよう……取り敢えず自己紹介は置いといて──」
少女は姿を消して、近くに居たコワスンダーの頭の上に瞬間移動していた
「こっちを片付けましょう」
少女はコワスンダーに手を軽く置いて、直接浄化させた。
足場にしてたコワスンダーが浄化されて少女はそのまま落下していく
完全に無防備となった少女だが、余裕の表情をしていた
「早く助けないと!」
「あ、お構いなく!」
コワスンダーが足で攻撃して来るが巧みに避けて、その足を辿って頭まで到達して地面に蹴り落とす
「これで終わりです!」
ようやく地面に着地したと思ったら、すぐさま天高くジャンプして太陽を背にする
「フッ」
そして学校中に響き渡る程の大きな音の指パッチンが鳴り響く
バトラーヤラネーダ以外、残りのコワスンダー全て浄化されるのであった
「あれだけの数のコワスンダーを……もしや貴女もプリキュアですか?」
「あ、はい。ワタシはプリキュア。『キュアフレーバー』と名乗らせてもらってます」
少女もとい、キュアフレーバーは満面の笑みでそう返した
「では貴方も消えて──」
「それ!」
また手を翳すと、先程とは違いバトラーヤラネーダはその場に蹲り苦しみの声を上げる
「あぎゃ!?」
今バトラーヤラネーダは、全身から激しい痛みで支配していた。
その痛みを起こしたのはフレーバー
「このまま浄化しますね」
ゆっくりと手を握り締めて、痛みをより強く起こさせる
「お、おい止めろ!」
けれどそれを帝は、腕を掴んで下げる様にして止めに入る
「やり過ぎだ!それに今浄化してしまったら、やる気パワーを奪われた皆んなが元に戻らなくなる!」
「それは、ごめんなさい」
フレーバーはすぐに両手を広げて解放させる
「ラメール!」
「オーライ!」
「マーメイドアクアポット!サーチ!」
「やる気パワーカムバック!」
「最後は六人全員で!!」
「「「スカイハートクルリング!」」」
「「「「「おめかしアップ!」」」」」
「「マーメイドアクアステッキ!」」
「「「「エクセレン・トロピカルスタイル!」」」」
「「「「「「6つの力!空に羽ばたけ!」」」」」」
「「「「「「プリキュア!スカイビート・ダイナミック!」」」」」」
「「「「「「ビクトリー!」」」」」」
やる気パワーは全て元に戻り戦いは終わりを告げた
「あれ?」
やる気パワーは全て戻ったのだが、アクアポットから飴玉くらいの大きさのやる気パワーの塊が出て来て地面に転がる
「コレは……あ」
サマーが手に取ると弾けて消えてしまった
「今のはバトラー様のやる気パワーの様ですね」
「へぇ〜……ッ!?」
声のする方向へ目を向けるとアリスが居た。あまりにも自然に会話に入って来るものだから気付かなかった
「どうやら、バトラー様のやる気パワーまでも吸い取っちゃいましたね」
バトラーへ目を向けると、確かにやる気パワーを失って寝転んで居た
「まぁ、アレはあれで放置しましょう。面倒ごとの種なので」
アリスはバトラーを担いでこう言った
「此処での用事は全て済みました。なので
最後に帝に手を振って、海へと向かって行った
バトラーを運ぶ途中で、帝達と共に居たフレーバーの事を考える
(次の場所は『おいしーなタウン』。そして『デリシャスパーティ♡プリキュア』。フレーバー様のお相手は少々嫌ですね)
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「ありがとうフレーバー!」
「フフ、どう致しまして。それに人助けするのは"ハンター"として当たり前」
サマーとの会話を済ませると、フレーバーは帝に近付いてハグをした
「ミカドもお久し振りです」
「え、あ、ちょ!」
フレーバーを引き剥がすと、ラメールが顔を近付けて問いただす
「帝、誰よその女?」
「俺も知らないよ!何処かで会ったか?」
「この姿で話すのは初めてでしたね。ほら、古い屋敷の裏庭で会ってるの覚えてますか?」
「「……あーーっ!!」」
フレーバーの言う古い屋敷というのは、夏に学校新聞キャンペーンで訪れた屋敷の事だ
ちょっとだけだったが、帝とサマーはその時お世話になったのを思い出した
「改めて自己紹介。ワタシはキュアフレーバー。宜しくね」
「先に言われた!わたしは夏海まなつ!」
「あ、そっちの名前ね。ワタシは"ジーク"。『ジーク・ウィンチェスター』。本名はジャンヌだけど気にしないで」
フレーバーはコーラル達にも握手で丁寧に挨拶してくれた
「また会えて嬉しかった。機会があれば次もね」
「待て」
立ち去ろうとするフレーバーを引き止めた。帝には、まだ聞きたい事が沢山あった
「プリキュアというのは分かったが、突然消えては現れたり、触れずに吹き飛ばしたり、ましてや浄化なんて。お前は一体」
「う〜ん…ハンターであり、プリキュア?」
「そのハンターっていうのも気になるがそれは置いておく。誤魔化さないで言うんだ。お前の正体は何だ?何者なんだ?」
「…」
「まさかお前も人魚とか言わないよな?」
「…まぁいっか」
「なら教えろ。お前誰なんだ?」
決心がついたのかフレーバーはこう口にした
「────
それだけ言うと、風の音と共に瞬く間に消えた
「人魚の次は神かよ!?」
「自分の事を始皇帝とか名乗る人も居るけどどうなのよ?」
そしていよいよ、この六人での最後の部活動が始まる
そんな訳で次回の新主人公は初心に帰ってプリキュアに変身します!男とは言え、処女作のスタプリ以来の主人公プリキュアです。
更に初の女の子主人公!
ではここまでの拝読ありがとうございました