日本神話の神殺し   作:ホムヒカ

2 / 6
引っ越し

「ここが....」

「私達の新しい家....」

「へぇ、なかなか大きくて良い感じね」

 須佐男様達から村雨を頂いた次の日のお昼頃、私とホムラとヒカリは引っ越し先に

 ある自分達の家の前にいた。

 私達の目の前にある家は神社の横に併設されており、その大きさは普通の家の

 十倍程の大きさだった。

 

「いや、確かに大きくて良い感じだけど....」

「これは大き過ぎませんか....?」

 ヒカリは家の大きさを気に入っているようだが、私とホムラはあまりの大きさに

 困惑していた。

 

「小さいよりは良いでしょ。それにホムラ。アンタの場合、喘ぎ声大きいんだから。

 これだけ大きかったら外に聞こえなくて済むじゃない」

「ヒ、ヒカリちゃん!? こんな所で何言うの!」///

 ヒカリの何気ない一言に、ホムラは顔を真っ赤にしてそう叫んだ。

 

「本当の事じゃない。そうよね美夜」

「まぁ否定はしないけど....」

「み、美夜ちゃん!?」

「でも、そう言うヒカリも大概声は高いと思うけど....」

「私はあんなに高い声は出してないわよ!」

「それは嘘よ! ヒカリちゃんの方が高い声出してるわよ!」

「はぁ!?」

 すると、ヒカリとホムラはお互いに言い合いを始めようとした。

 

「ふ、二人ともストップ! せめて言い合いは家の中でやって!」

 それはマズイと思った私がそう言うと、二人は一度落ち着きを取り戻し渋々といった表情で

 言い合いをやめた。

 

「(はぁ....危なかった)」

「とりあえず二人とも。家の中に入って荷物の整理しようよ。三人でやれば夜には

 終わると思うからさ」

 私は背中に冷や汗をかきながら二人にそう言った。

 

 〜数時間後〜

 

「これで最後っと....」

 私は食器類を棚に直してそう呟いた。

 

「美夜、そっちは終わった?」

 すると、寝室の方の荷物整理をしてくれていたヒカリがそう聞いてきた。

 

「うん、今終わったよ」

「そ。こっちも終わったから後はホムラだけね」

 そう話していると、ホムラもリビングの方に戻ってきた。

 

「二人とも、もう終わっていたんですね」

「と言ってもほんの少し前だけどね」

「そうだね」

 そう言った瞬間、私のお腹が鳴った。

 

「....お腹空いたね」

「今日の晩ご飯どうするのよ」

「せっかくの引っ越しだから、引っ越しのお祝いにお寿司はどうですか?」

「お寿司か....良いね! じゃあどこに頼もっか?」

 そう話しながら、私達三人は出前寿司のサイトをパソコンで探し始めた。そして、

 どこに頼むかを決めると、ホムラが電話で注文をしてくれた。

 

「一時間ぐらいかかるそうですって」

「そっか。じゃあその間に先にお風呂にでも....」

 そう言って、二人をお風呂に誘おうとしたその時、風が吹いていないのに突然壁に

 飾っていた鈴が鳴った。

 

「....どうやらお風呂は後みたいね」

「だね....引っ越し当日から出るなんて」

 そう呟きながら、私は月詠様から頂いたネックレスをつけ、玄関の方に向かった。すると....

 

「待ちなさい美夜。私もついていくわよ」

 ヒカリはそう言うと、ネックレスをつけて私の後を追ってきた。

 

「わかったよ。ホムラはどうする?」

「今回は私は留守番しています。お寿司屋さんが来た時に家に誰もいないのはお寿司屋さんが

 困ってしまいますから」

「それもそうね....じゃあ美夜、とっととぶっ飛ばしに行くわよ」

「了解。ホムラ、すぐ帰ってくるからね」

 私はホムラにそう言って、ヒカリとともに鈴が鳴った原因がいる場所に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。