あの日、幸せの花が咲く   作:おみのSS部屋

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Op.10 約束

仙台駅に到着し、ホテルに荷物を預けた。

 

「じゃあ……行こっか」

 

「はい。行きましょう」

 

そう言って二人は仙台市営地下鉄東西線を使って国際センターから歩き、仙台城址へ。

空はもう暗くて、夜景が綺麗だった。

 

「わぁ……綺麗……!」

 

「夜の仙台城址は初めてだからまさかこんなに綺麗だとは思わなかったよ……」

 

二人で仙台城址からの夜景を眺める。

 

「マネージャーさん……」

 

「ん?」

 

美晴さんのその目は、悲しい目をしていた。

 

「わたし……マネージャーさんと一緒にいる時間が少なくなっちゃうって思うと……つらくて……」

 

「美晴さん……」

 

美晴さんは目に涙を浮かべていた。

美晴さんのそばでもっと笑っていたいし、笑って欲しい。

それはずっと変わらないし、またそういう日々は帰ってくると信じてる。

でも、少しの間だけ、当たり前だったものが突如なくなることの難しさは僕もすごくわかるし、事実体験している。

だから、少しでも長く、そばに寄り添ってあげたい。

それが真実。

 

美晴さんが抱きしめてきた。

 

「マネージャーさん……マネージャーさん……」

 

美晴さんに辛い思いをさせてしまい、申し訳ない気持ちになる。

でも、僕も美晴さんの気持ちはすごくわかる。

美晴さんと一時離れることはすごく悲しい……。

でも、それを受け入れないといけない……。

 

「美晴さん、顔を上げて」

 

「はい……」

 

そして、美晴さんと一時離れるっていうことが決まってからずっと口にしたかったことを話す。

 

「美晴さん、僕も美晴さんと離れることは正直辛いし、どうなるのか分からない」

 

「それは、私もです……」

 

「離れている間、もしかしたら僕が美晴さんのことを忘れてしまうのかもしれない。でも、そんなことは来ないのが一番いいに決まってる」

 

「……」

 

美晴さんは黙ってる。

その目はいつしか乾いていた。

 

「美晴さんはいつも優しくて、みんなのことをすごくよく見ててすごいなって思うし、ずっと変わらないものを心の中にもってて……そんな美晴さんの全てが大好きです」

 

僕はポーチに入れていた一つの小さな箱を取り出す。

 

「美晴さん、僕と結婚してください……」

 

「……!」

 

僕の誕生日に、美晴さんが僕に「好き」って言ってくれた。

だから今度は僕が言わなきゃってずっと思ってた。

それを、今日、告白した。

 

「ただ、僕はまだ未成年。だから……5年後の今日、ここ仙台で……結婚式をしよう……」

 

美晴さんの前でそう約束した。

それは、あの日が決して悲しい日だけではないということの道しるべでもあった。

僕の手で、あの日に少しでも希望をもたらしたい……。

そう決断していた。

だから、5年後の今日にした。

『この日は、決して悲しい日でもないということと、いつまでも、あの日を忘れない』

この2つの意味を込めて。

 

 

美晴さんの目にあった涙はいつしか、嬉し涙に変わっていた。

 

「はい……よろこんで……」

 

美晴さんがプロポーズを受けてくれた……。

僕は嬉しさのあまり美晴さんを抱きしめる。

僕の目にも涙が零れ落ちていた。

 

「マネージャーさん……ありがとうございます……ずっと……大好きです」

 

「うん……僕も美晴さんのこと……大好き……」

 

僕は紫色の小さな箱を開ける。その箱の中にあったのは……

 

「これはペアリング。指輪はまた、5年後にね……」

 

「はい……嬉しいです……マネージャーさん……付けてくれますか?」

 

「うん、もちろん」

 

そういって美晴さんの指にペアリングをはめた。

 

「嬉しい……」

 

「ふふっ、ありがとう……」

 

「じゃあ……私も……マネージャーさんの指に……つけていいですか?」

 

「うん、いいよ」

 

今度は美晴さんが僕の指にペアリングをはめた。

 

「僕も……嬉しいな……」

 

「ありがとうございます……」

 

2人でペアリングを見つめる。

光り輝いていて、少し眩しいくらい。

そして、誰もいない仙台城址で唇を合わせた……

その時間は3秒くらいだったと思う。

それでも、その3秒はとてもかけがえのない時間で、ゆっくりと流れていた。

 

「美晴さん……これからもよろしくね……」

 

「はい……私の大好きな……マネージャーさん……」

 

仙台で交わした約束。

5年後、きっと幸せのベルがここ仙台に鳴り響く。

そう信じてる。

美晴さんへの『好き』っていう気持ちがよりいっそう強くなる。

このペアリングはこれから先、離れていても、ずっと、ずっと……忘れない証。

夜の仙台の街に照らされて、より一層輝きを増していた。




皆さん、こんばんは。おみです。
この度は「あの日、幸せの花が咲く Op.10」を読んでいただきありがとうございます。
今回の話が、今回のタイトルになっていることにお気づきでしょうか?
結構タイトル決めるのに悩んだんですよね(笑)
ただ、この話は、リアルでは全くできてません!本当にごめんなさい!!夏にリベンジするので許してください!(何でもするとは言っていない)

今日とあるTwitterのフォロワーさんがリアルでこの小説と同じようなことをしててびっくりしました(笑)
(マジでマグレです)
ちなみに、僕がもし仮に結婚するとなった時、結婚記念日は今日にしたいなって思ってます(まずは彼女作れる様に頑張ります!)

さて、本編はクライマックスを迎えましたが、あともう少しだけお付き合いください。よろしくお願いします。

それでは次話もお楽しみに!
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