関西を朝に出発した僕たちは、姨捨駅にやってきた。
「ここで降りよう」
「あ!ここって!」
「そう、あの日、忘れることのないことが起きたところ!今度は僕が連れて行こうって思って」
実は去年の僕の誕生日にも姨捨駅には足を運んでいた。
その時、美晴さんが僕に告白してきた。
あの日は夕日に照らされて、2人だけのホームで景色を眺めていた(詳しくは前回投稿した小説・あの日の思い出をご覧ください)
「綺麗……!」
姨捨駅からの景色は絶景だった。
あの日は夕方、そして今回は夜。
違った時間帯であっても、見える景色は、全く違う。
その時々に映る景色は目を張るものがある。
それを大切にしたいし、ずっと記憶に残したい。
ホームにはあの日と同じく、僕と美晴さんだけ。
ゆっくりと時間が流れていく。
ずっとこの景色を見ていたい。そんなふうに思った。
そんな時……
「きゃっ!」
強い風が吹いて時が動き出す。
「少し、寒いね……」
「そうですね、少し薄着しすぎちゃいました……」
確かに美晴さんは少し寒そうだった。
でも、この景色はずっと見ていたい……
そんな時、美晴さんに予備のパーカーを着せて、手を握った。
「こうすれば、少しは暖かくなれるかな?」
美晴さんが頷いたのがわかった。
それと同時に顔が赤くなっていた。
「マネージャーさんは……いつもわたしに手を差し伸べてくれる……優しい人ですね……」
美晴さんがぽつりと呟いた。
「そう……かな?あまり自分ではそう思ってないけど……」
「はい……」
「美晴さんも、僕と同じくらい優しいよ……」
「あ、ありがとうございます……/////」
美晴さんの顔が赤くなっていたけど、夜だからあまり気づかなかった。
多分僕の顔も赤くなってるのかな……
でも、こうしていられる時間が一番楽しいし、落ち着く。
そんなことを考えていたら、隣にいたはずの美晴さんはいつしか、後ろにいて、そっと僕のことを抱きしめた。
それは、あの日、美晴さんが告白した時と同じような感じがあった。
時間は違えど、あの時と同じような仕草をしている。
「マネージャーさん」
あの時と同じ、優しく、甘い声が後ろからする。
それは、あの日と、変わらないような気がした。
「……大好きです」
美晴さんが後ろからそうつぶやいた。
その声に反応する。
「うん、僕も美晴さんのこと、好きだよ……」
あの日と変わらない場所で、あの日と変わらない仕草。
そして、あの時と同じ、2人だけで見る景色。
すべてが特別だった。
そんな特別な景色を、僕の好きな人と見れたことと、この時間を過ごせたことが何より嬉しかった。
一つの思い出がアップデートされた。
皆さん、こんにちは。おみです。
この度は「あの日、幸せの花が咲く Op.1」を読んでくださりありがとうございます。
前回あげたシリーズ・あの日の思い出の再来となりましたが、実は偶然で、予定ではこうなることはなかったのです(笑)
だから、実際に日本三大車窓を見ることができた嬉しさと、小説で書いた場所が同じようになったのは本当に奇跡だって思っています(笑)
こういったものを、大事にしていきたいですね
さてここから少しだけ、自分のみでの移動となり、連載小説は少し期間が空いてしまいます。
楽しみにしてくださっている方、ごめんなさい。
その期間のどこかで、もう一つ今回の連載小説に出てくる上で抑えてほしい小説を投稿します。
是非そちらも読んで頂ければと思います。
それでは次話もお楽しみに!!