この日、久慈に泊まって、次の日は……
「今日は三陸鉄道に乗るよ」
「三陸鉄道って!」
「そう!あまちゃんの舞台にもなった場所だね」
今日は三陸鉄道を使って一日下ることに。
「まずは、ここ!」
「ここは?」
「堀内(ほりない)駅。この堀内駅はあまちゃんでは、袖が浜駅として出てきていたんだ」
実はその証拠品が今でも堀内駅に残されていて……
「あ!これですか?」
「多分そうなんじゃないかな?」
実は2人であまちゃんは見ていたからすごく親近感が湧いていた。
「ここから少し歩いたところに絶景スポットがあるから、そこに行こう!」
「はい!」
実はその場所は撮影地にもなっている大沢橋梁。
この絶景を美晴さんにも見てもらいたくて、この場所を選んだんだ。
その場所は堀内駅から徒歩15分程度で着く。
「ここが、大沢橋梁だよ」
「わぁ……」
「け、結構……高いね……」
「あ、マネージャーさん、大丈夫ですか?」
「うん……下を見なければ……大丈夫かな……心配してくれてありがとう……」
実は僕は高所恐怖症。
それは美晴さんも知っているけどさりげない気遣いが嬉しいよね……
すると、僕の左手が少し暖かくなるような感じがして……
「み、美晴さん……////」
「この前のお返し。うふふ」
「もう、美晴さんだって優しいじゃん……」
「そ、そうですか?」
他の人からはよく言われても、自分では意識してないことって、沢山ある。
僕もそうで、実際のところ、「優しい」とは思ったことはあんまりない。
だから、美晴さんも一緒なのかなって思った。
そして……
「あ!」
「うん、列車が来たね」
三陸鉄道の列車がやってきた。
スピード、景色、天気、全てが最高だった。
撮影が終わると……
「マネージャーさん……寒いです……」
美晴さんは寒そうだった。
そりゃ春になる前の朝だからね。
美晴さんに申し訳ない気持ちになる。
「よし、駅に戻ろうか」
「はーい!」
そう元気に答えて、美晴さんと僕は2人で駅に戻る。
「じゃあ、今度は、三陸鉄道に乗っている時に見える大沢橋梁を楽しもうか」
「どんな景色なんでしょう……楽しみ……」
「裏切らないと思うから期待していて!」
そして堀内駅に戻り、列車に乗り込む。
堀内駅を発車後、トンネルがあり、そのトンネルを抜けると……
「わぁ……!」
大沢橋梁へ。
「す、すごい……」
「綺麗ですよ!マネージャーさん!」
その景色は絶景だった。
初めてみる景色だからどのような風景か想像がつかなかったけど、裏切らなくてよかったとすこし安堵した……。
その後も三陸鉄道では、トンネルの合間に見える海の絶景を見ながら、宮古、を超えて鵜住居駅へ。
「ここで、少し観光しよう」
「はい」
美晴さんと少しだけ観光をする。
そこは、僕らに大切なものを教えてくれた。
そこには東日本大震災で亡くなった慰霊碑と、津波が来た時の高さを示したもの、また、記念館でさ当時の被害の様子がテレビに映されていた。
「これが東日本大震災……」
「うん。多分美晴さんが思っているよりも、すごい被害が出ていると思う。でも、こうして生の映像を見ることで、当時の被害が甚大なものであることを、少しでもわかってほしいから……ちょっと申し訳ないけど……」
少し美晴さんには申し訳ない気持ちがあった。
震災を経験していないにも関わらず、あの日の様子を見せていることを。
それでも、美晴さんは見入っている、
そして、答えを出したかのように、僕に呟いた。
「マネージャーさん、私たちにできることって、『今を生きる』ということですか?」
僕もそう思っていた。
亡くなった人の分まで生きること、今を大切にすること。それが今できることだって感じていた。
だから、美晴さんは本当にすごいなって改めて感心しちゃう。
「うん。だから、美晴さんと今この時間を大切にしようと思ってるよ」
「それは、私もです……」
また一つ思いが通じる。
美晴さんのことをまた一つ『好き』になる。
こうして、『好き』って気持ちが募っていくのかな……
そして、釜石を超えて最後にやってきたのが……
「ここが、今日最後の場所」
「ここは?」
「恋し浜駅だよ。ここは恋愛のパワースポットとして有名だから、少し降りて見たかったんだよね〜」
「そんなパワースポットだったんですか……」
実はここ、恋し浜駅には幸せの鐘があったり、ホタテの貝に願い事を書いて飾ることもできる。
「この鐘、鳴らしても大丈夫ですか……?」
「もちろんだよ。そうでなかったら、ここに飾ってないと思うよ」
「そ、そうですよね……」
「じゃあ、2人で鳴らす?」
美晴さんの顔が赤くなる。
「は、はい……」
美晴さんは少し優しく答える。
2人で鳴らすタイミングなどを話し合って……
『せーの!』
2人で幸せの鐘を鳴らした。
その鐘の音色が駅の周辺に響き渡る。
その音は、とても澄み渡っていた。
「綺麗な音ですね、うふふ」
「周りに何もないから、よく響くね」
2人で鐘の音をしばらく聞き入っていた。
そのあとは2人でホタテの貝に願い事を書いた。
マジックは駅に置いてあるから予備で持ってきてはいたけど、使わなかった。
なぜなら、そこに置いてあるもので書いたら、その駅に行った!っていう実感が少しでも湧くから。
2人で願い事を書き合う。
すると……
「マネージャーさんは、何を願い事に書いたのですか?」
と美晴さんが言ってきたけど、それは恥ずかしいから……
「えーっとね、秘密」
「えーっ、言ってくださいよ〜」
「そんな美晴さんは何を書いたの?」
「秘密」
「ほら〜、美晴さんも〜」
「だって〜」
2人で笑い合った。
何気ない会話から笑い合えるこの時間がすごく好きだし、それって本当に素敵なことだなって感じた。
ちなみに僕は願い事に
『美晴さんと、いつまでも、笑顔が絶えない、幸せな日々が続きますように』
ということを書いた。
これが、僕が一番望んでいること。
それが早速実現していて、なんだかおかしかったけど、嬉しかった。
こうして笑っていられる日々が、一番幸せを感じる。
「マネージャーさん、少し歩きませんか?」
「うん、いいよ。近くに海岸があるから、そこに行こっか」
「はい」
2人で海岸を目指して歩き始める。
その途中……
「マネージャーさん、わたし、マネージャーさんにもっと笑ってほしいって思ってます……」
「……!」
美晴さんが僕に本音を言ってきた。
自分ではあまり意識もしてなかった。
でも、美晴さんがそういうなら……。
「うん、わかった。僕も美晴さんとずっと笑っていたい。それは変わりない」
「うふふ、それが一番です」
2人の思いが一致していた。今まではあまり意識してなかったけど、少し意識してみようかな……
2人で歩いて、海岸にやってきた。
「おお!」
「綺麗……!」
波の音がよく聞こえる。
周りには民家がぽつんとあるくらい。
波音を聞いていると……
「マネージャーさん」
横から甘い声が聞こえた。
その声の方向に目を向けたその時……
「んん……」
美晴さんが僕の唇を奪った。
その瞬間、動いていた時間が止まった。
触れた唇は柔らかい。
その唇が離れて、止まっていた時間がゆっくりと動きだした。
2人は恋し浜駅近くの海岸で夕焼けに照らされていた。
誰もいない夕焼けの海岸。
光も少ない。
空が夜になろうとしていたその時……
「マネージャーさん!星!」
「うん、すごく綺麗だね」
2人で見上げた夜空には無数の星が瞬いていた。
その星々は、僕たちの願い事を乗せて、いつまでも輝き続ける。
皆さんこんにちは。おみです。
旅の疲れが顕著に現れてきました……
今日はゆっくりやすみます……
さて、今日は三陸鉄道を訪問しました。
みなさんにも是非足を運んでもらいたいというふうに感じました。
あの日のこともそうですし、観光にも是非!
さて少しずつではありますが、今回のメインについて触れる機会が増えてきました!
明日はどこに向かうのでしょうか?
それでは次話もお楽しみに!