魔法戦記リリカルなのは New Generation   作:日月 咲

2 / 4
高町家にて

 遡ること一週間前。

 高町なのはと娘のヴィヴィオ、そして、長期休暇中のフェイト・T・ハラオウンは揃って夕食を摂っていた。

「お母さん、何か良いことあった?」

 ヴィヴィオが、テーブルの向かいに座るなのはに問い掛ける。

 成長に伴って、中等部に入学する頃から『ママ』から『お母さん』へ自然と変わっていった。

 声を掛けられたなのはは、いつも以上に笑顔だった。

「ん、ちょっとね」

「仕事の関係?」

「そう、だから詳しく話せないんだけど、来週から担当する新人の中に面白そうな子がいるの」

「お母さん、悪い顔になってる」

 ヴィヴィオの指摘通り、新しいおもちゃを見つけた子どものような顔をする。

「私と同じ地球出身なんだけど、二人ともすごく変わってるの」

「なのはよりも?」

 食器の片付けを終えたフェイトが、楽しそうに横から口を挟む。

「んー、同じくらいかなぁ。あ、でも何か大きい事件に巻き込まれたとか、そんなんじゃなくて」

 ここで言葉を止めると、食器を持って立ち上がる。それにならってヴィヴィオも食器を持つ。

「地球出身なのに、実技も筆記も試験結果が優秀なの」

「不屈のエースオブエース様が言っても、説得力が全然ないよ」

 フェイトの言葉に、からかわないでとなのは。

 なのはの言葉はあながち間違いではなく、実技は実戦で鍛えられたものの、筆記は一から。

 得意科目が数学であったために魔法学はなんとかなったものの、ミッドチルダの歴史や法律関係は苦手で、一般試験は苦労していた。

「フェイトママも昔は試験勉強大変だったんでしょ?」

「ヴィヴィオ、思い出させないで……」

 ヴィヴィオの言う試験勉強とは、執務官試験のことを指している。二回も落ちればトラウマにもなろう。

 かなり高度な試験であることには間違いないのだが、優秀過ぎる義兄が感覚を歪めている。

 ちなみにフェイトが未だに『ママ』なのは、子離れ出来ていないフェイトの所為である。

 他の二人の、精神的な成熟が早かった反動なのかもしれないが。

「ヴィヴィオは学校の勉強、どうなの?」

「中等部に上がってから難しくなったけど、しっかり勉強してる」

 ヴィヴィオは初等部の頃から成績優秀。無類の本好きで無限書庫の司書資格を持っている。性格も好奇心旺盛なため、未知のものはヴィヴィオにとって宝物だ。

「さ、二人は明日も早いから、ちゃんと寝ること」

 フェイトに促されて、はーいと部屋に向かっていく。

 血のつながりは全くないのに、後ろ姿は瓜二つなのが可笑しく、フェイトは少し笑った。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。