生徒会の庶務   作:高坂遼

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存在し得ないエピローグ③

「何故、《企業》の最重要機密がこのようなところに収録されていると聞いている。」

 

会議室-職員室の隣にある表向きは(・・・・)職員会議用の部屋である-の中で、真儀瑠紗鳥は黒服の男達に囲まれていた。

真儀瑠紗鳥は普段の不敵な表情を消して、むしろ狼狽した表情で周りを見ていた。

真儀瑠紗鳥は質問してきた男に問いの答えを返す。

 

「・・・さあ」

「そんな回答は許されんな。キミの関与はこの際置いておいても、生徒会顧問という立場である以上、この問題の責任はキミにある」

「・・・」

 

真儀瑠先生(・・)は苦笑いしている。大方、第二巻が出るまで気付かなかったくせに、とか思っているのだろう。

そのまま無言を貫く真儀瑠。進行役の男は嘆息した。

 

「《企業》のやり方を知らない君では無いだろう。疑わしきは即座に罰す。キミがこれ以上反論しないのならば・・・分かっているね?」

 

その瞬間、約一名(・・・)を除くこの場にいる人間の視線が殺意を伴って真儀瑠紗鳥に突き刺さる。

彼女の同様は見ていられないほどになっていた。視線をこちらに向ける。

 

「・・・」

 

勿論、その人間は何も言わない。何か言ったところで何も変わらないと判断したからだ。

 

(・・・そろそろ、かな)

 

その人間-中年男性の多い中、一人だけ制服を着ている少年-はドアを見ながらある人物の来訪を待つ。

 

そして。

ドアの開く音。

続いて聞こえる親しい友人の声。

 

「どうも。今話題の生徒会です。」

 

周りではスーツ姿の男達、そして何より真儀瑠先生が呆然とした表情でその男・・・そう、杉崎鍵の事を見ていた。

真儀瑠先生は呆然とした表情のまま呟く。

 

「杉崎・・・お前、何で・・・」

 

その反応にニヤリと笑った杉崎鍵。

そして、入ってきた扉を閉め、鍵をかけた後、上座へと移った。

そして、こう宣言する。

 

「副会長の杉崎鍵です。こんにちは」

 

その言葉に自体の異常さに気づいた《スタッフ》のうちの一人が、演技に入る。

 

「こら、杉崎。今は大事な職員会議の最中だぞ。ダメじゃないか、入ってきたら」

「職員会議?それじゃあこのスーツの人たちは誰なんですか?」

「PTAの方々だよ」

 

・・・中々の茶番だが、真相を知っている人間が見ていると酷く滑稽なものにしか見えない。

鍵も作り笑いをしながらその男の方を見る。

 

「ああ、茶番は終わりにしましょうよ、《スタッフ》さん」

「・・・」

 

男は口をパクパクとさせた後、周りのスタッフ達に目配せをするが・・・

 

「おっと、下手な事はしないほうがいいですよ。俺は、勢いだけでここに闖入している訳じゃないです。この言葉の意味、分かりますよね?」

「く・・・」

 

・・・おそらくハッタリを言ってると思ったが、こういう場面でのハッタリは重要だ。場の流れを持っていくのに使えるしな。

・・・その光景を見ていた()は思わずこのタイミングで拍手を送った。

 

「・・・流石だよ、鍵。場を一瞬で掌握し、そして自分のペースへ持っていく。誰にでもできることじゃ無い。」

 

そう言い、鍵と視線を合わせながら鍵の方向へ歩く。

 

「でも、流石に無鉄砲じゃないかな。反撃を開始するにしてももっと準備を施さないと、痛い目にあうよ?」

 

そして、僕は机を挟んで鍵と向き合う。

 

「・・・やっぱり、お前はそっち側なのか?」

 

鍵も僕から逸らさずに聞いてくる。

 

「そうだよ。それじゃ、改めて自己紹介しとこうか」

 

そう言いながら僕は・・・

 

「僕は生徒会庶務の楠木柊。最近《スタッフ》の一員になったんだ。宜しく、杉崎鍵」

 

僕は・・・挨拶した。

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