「ねえ楠木、これからどこへ行くつもりなの?」
あれから取り敢えず行くところを決めた僕は、他の皆を引き連れて「上野」から地下鉄に乗って目的地へと移動している。途中で秋葉原で降りたそうにしている人間が二人ほど(あえて誰とは言わないけど)いたが、今日寄ったら絶対に荷物がかさばって邪魔になること間違いないと思ったので最終日に行くと約束させて今回は見送った。
そして今現在その列車の車内の中だ。最初は電車の中を興味津々に見回していたけど、10分ほどで飽きたのか今は座席に座って足をブラブラとしながら僕に問いかけてきた。
「ああ、そう言えば言ってませんでしたね。でも、もう着きますし、着いてからのお楽しみ、と言うことで」
「変な所じゃ無いだろうな・・・」
「安心しろ鍵、お前がご所望の秋葉原のメイド喫茶だったらちゃんと最終日に行けるから」
「俺がいつそんな要求を出した!?」
「え、行くんじゃないのか?」
「勿論行きますとも!」
「何変態宣言を公の場でしてんだよこの阿呆!」
鍵が深夏さんに思いっきり殴られていた。自業自得である。いやまあ、発端は僕たけど。というか、電車の中なんだから静かにしていて欲しいのだけど。
そう思っていたら、目的地の「神谷町」にそろそろ着くようだ。
「着きましたね。降りますよ」
僕が声をかけると、皆席から立ち上がる。
駅に着き電車から降りる。そして数分駅の中を移動して地上に出て、ある方向を見て、一言。
「お、見えてきましたよ。あれです」
僕はそっちの方向を指差す。
「あれって・・・」
会長も他の皆もそれが何か分かったようだ。
そう、それはこの街を半世紀に渡って支えてきた東京の赤いシンボル。
「取り敢えず最初はここにしようと思って。」
僕はそちらへ向かって歩き出す。
最初に来たこの場所。それは・・・
「行きましょうか。東京タワーへ」
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「うわぁ・・・!」
長いエレベーターを降りた先に見えた景色に、会長の目が思いっきり輝き出す。その様子はそのへんの小学生とかとさして変わらないが、まあ仕方ないかもしれない。僕も最初に来た時はこうだったと思うし。
「知弦!見て見て!すごい!」
「もう、そんなに慌てなくても大丈夫よ、アカちゃん」
会長が紅葉先輩の手を連れて窓の方へ走り出す。紅葉先輩もその様子を微笑ましそうにしながら後に着いていく。さりげなく携帯のカメラモードで会長の写真を撮ってたりしてるが、それについてはスルーしておこう。
「はー・・・しっかし、ホントに景色いいな、ここ」
早々に行ってしまった会長達を見ながら、深夏さんが辺りを見回しながら呟く。
「まあそうだろうね。つい最近までは日本で一番高い建物だったんだから。今は二番目になっちゃったけど」
「確かそっちの方はこれよりももっと高いところから見下ろせるんだったけか?スゲーな・・・」
「ま、あっちは入るのに予約必要だし・・・それに僕もよく知らないしね」
僕達は会話しながら窓の方へ移動して、そこから景色を見下ろす。
「わぁ・・・」
東京の街並みを見下ろすこの光景に、真冬ちゃんも声を漏らしていた。
「夜とかだともっと綺麗だったりするんだけどね」
僕は真冬ちゃんの側に寄りながら話しかけた後、そこから同じ景色を見下ろす。二年ぶりに見るその光景は、全く変わってない様に見えた。勿論実際はそんな事は無いだろうが。
「そうなんですか?」
「うん。まあ、僕は昼間の景色の方が好きだけどね」
・・・僕は、どうなんだろうか?ここから見るこの光景の様に、『変わってない様に見えて変わっている』と思えるほど、変われたのだろうか。それとも・・・
「先輩?」
「え?」
「どうしたんですか?なんだか怖い顔をしてましたけれど・・・」
「え・・・そうだった?」
僕の言葉に「はい」と真冬ちゃんが答えた。
相変わらず僕は顔に考えている事が出やすい様である。・・・きっと治んないんだろうなぁ、これ。
そう思いながら僕と真冬ちゃんは二人で直ぐ目の前の光景を眺め続ける。いつの間にか鍵と深夏さんは違う方に回ってるようだった。会長と紅葉先輩は奥の方であの『ルックダウンウィンドウ』、要するに真下を覗ける窓の所で何だかやっているようだった。・・・会長、子供じゃないんですから。
「・・・あの、楠木先輩」
「ん?」
そんな風に辺りを眺めていると、唐突に真冬ちゃんが何か決心した様な表情で僕に話しかけてきた。
「・・・」
しかし、僕が真冬ちゃんの方を見ると、少し決心が鈍ったのか、少しだけ俯いてしまう。
・・・何を聞こうとしているのかは大体分かっている。きっと、「あの事」に関することだろう。いつかは言わなければならないって事は分かっていた。それがそう遠くない日の事だろうって事も。だけど、意外に思うのはそれを聞こうとしているのが真冬ちゃんだって事だった。
・・・やがて真冬ちゃんが覚悟を決めたのか、また顔をあげて僕の方を見た。
「・・・先輩は・・・」
真冬ちゃんが口を開いた次の瞬間。
「おい・・・お前、柊か!?」
「え?」
僕はその声に思わずそちらを見てしまう。真冬ちゃんも驚いたのか、言おうとしていた事を中断してその声がした方を見た。
そこには、二年経って少し背が伸びたりして見た目も変わっていたけれど、本質的なところは何一つ変わっていなかった僕の・・・
「・・・雅人?」
僕の悪友が、そこにいた。
秋葉原って要望がありましたけど、それについては本文中にも書いたとおり最後の方で行くことになるかと思います。行かないって事は無いと思います。
今後の目標について。
取り敢えず、今書いてるオリジナル編については早ければ今年中、遅くても来年の一月中旬に書き終わらせます。
で、その後の話については、『生徒会の四散』、『生徒会の五彩』と続けて、多分来年の3月頃に『五彩』を書き終わらせて完、という方向で行きたいと思います。一応そこから先も考えてはいるのですが・・・gdgdになる予感しかしないので。
もしかしたら番外編、って感じで卒業式編(生徒会シリーズの最終編を番外編扱いって・・・)やるかもしれないレベルです。
こんな駄小説を読んでいる方々、更新頻度大幅に落ちてしまっていて申し訳ありません。もう少ししたら更新頻度上がると思うので、もう少しお待ち下さい。
以上、高坂でした。