5月28日、あとがきの学籍番号を変更しました。
5月1日。朝ごはんを食べながら携帯を確認する。
新たに入金された額は5万1千ポイント。
10万ポイントの半分と思うと少ないように感じるが、普通の高校1年生に月5万円渡すと考えると少し高いように感じる。
……賭け試合をしてポイントを荒稼ぎしたから客観的に見られるけど、普通ならやっぱりショックなんじゃないかな。
それもあってかは分からないが、携帯には結構な量の通知が来ていた。
種類として1つ目はクラス全体のグループ。こっちはポイントが減った事に関して議論しているようだった。
履歴を確認していったが、参加していないのは俺、澪、龍園、椎名くらいだった。それ以外は誰かしら発言している。
特に参加する必要も感じないので、それ以上の確認をする事はしない。
2つ目に他クラスの友人たち。もちろん、櫛田や白波からも来ている。
要件としては全員同じで、ポイントがいくらくらい入ったのかという確認だった。
嘘をつく必要もないので素直に返信しておく。
3つ目は武田先輩から。「パソコンが完成したから取りに来い」との事。
その際、使い方についてある程度説明が必要だから時間を空けておいて欲しいそうだ。
やる事もないので「今日伺います。何時ごろ向かえばいいですか」と送っておいた。
最後に鬼龍院先輩から。「今日時間はあるか?」という誘い。
少し前に誘われた時と変わりがないので、1年生のポイント騒動に関して驚いてないと見抜かれている。
ついさっき予定を入れてしまったし、「今日は無理です、明日以降はどうでしょう?」と返信。
他にも確認し、意外な人物から連絡が来ていたが……後でどうせ話すだろうしいいか。
学校の準備を終わらせ、下で待ってるだろう澪と一緒に学校へ向かうのだった。
学校へ着いたのは8時15分。教室ではあちこちでポイントが減ったことについて話しているようだった。
議論を横目に席へ着くと高橋から声をかけられた。
「おう、おはよう。なぁ、ポイントが減ったのは知ってるよな?」
「あぁ。5万くらいだったな」
「なぁ、もしかしてだけどさ……なんか基準があって減らされた、とかか?」
「さぁ……。けど、先生がなんか説明すると思うよ」
そうか、といって高橋は他のグループに突っ込んでいった。
高橋だけでなくクラスの大半がそうだったが、ポイントが減って大騒ぎするのではなくどうしてポイントが減ったのかを議論している者が殆どだった。
……もちろん、全員がそういうわけではないんだけど。
それから少ししてチャイムが鳴り、紙の筒を持った坂上先生が入ってきた。
真剣な表情をしているのは、この事態について説明するためだろう。
「これからホームルームを始める……が、その前に質問のある人がいるだろうから、質問のある人は挙手をしなさい」
質問があることを前提とした発言。
それを聞いて1人の女子が手を挙げた。……名前は確か、
「ねぇ、なんでポイントが減らされてるんですかー?先生毎月10万ポイントを振り込むって言ってましたよね?おかしくないですか?」
「私は『毎月1日にポイントが振り込まれる』とは言ったが、『毎月10万ポイント振り込む』とは言っていない。それが答えだ」
「クク、つまり基準があって評価が下がった。それが俺らに振り込まれるポイントとして表れたってことだろ」
龍園がすかさず言うと、坂上先生は頷いて黒板に何かを書き始める。
Aクラス 940cp
Bクラス 660cp
Cクラス 510cp
Dクラス 0cp
各クラスと何かの数値が書かれている。
Cクラスが510ということはおそらく、この数値×100が毎月1日に振り込まれるポイントなのだろう。
「では説明するが、このcpというのはクラスポイント……すなわちクラスの評価だ。リアルタイムで生徒の実力を測り変化していく」
10万ポイントは最初の基準だったということか。
均等に1000cpだったのは、この学校に合格したからだと思われる。
「入学当初では各クラス等しく1000ポイント支給されていた。そこから君たちの生活態度を評価して、問題行動を確認したら1000cpから引いていくという方式で採点した。その結果君たちは510cpという評価を受け、プライベートポイントとして5万1千ポイント支給されたということになる」
今まで君たちが使ってきたポイントはプライベートポイントの方だ、とも補足される。
これに基づいてDクラスは支給されてない……いや、0プライベートポイント支給されたということか。
ここでまた龍園が質問を繰り返す。
「ならどうしてポイントが減ったのか詳細を教えてくれよ。何をやったら引かれんだ?」
「残念ながらそれはできない。詳しい査定内容は学校の規則で教えられないということになっている。ヒントとして、一部の生徒が当たり前の事を当たり前に出来ていなかったからだと言っておく」
「はっ、なるほどな。つまり真鍋や西野が授業中に携帯を弄ったり、小宮や近藤が授業中寝てたり、ふざけた態度だった奴らのせいで引かれたってことか」
「……学校側は特に君たちの行動は否定することはない。ただそれが後になって返ってくるということだ。現に今年のDクラスは遅刻欠席が98回、授業中の私語や携帯を弄った回数は391回を記録し、歴代最低の0ポイントという結果を叩き出した」
……殆どの人間は気づかないだろうけど、龍園の指摘も一種のパフォーマンスだろうな。
名指しされた生徒は特にクラス内でも立場は弱くなるし、龍園は気付いていたという印象をつけられるし。
「だが俺や椎名、伊吹兄妹なんかは真面目に授業を受けてたぜ?それに関してはどう説明するんだ?」
「残念ながら連帯責任というしかないな。この学校ではそれがルールだ」
「不真面目な奴らのせいで被害を喰らったってことか」
実際龍園は真面目に授業を受けてたしな。
顔は見れないが、おそらく辺りを見回して不敵に笑っていることだろう。
「このポイントの差を見てもらえればわかるが、優秀な生徒から順にクラスへ分けられている。つまり君たちは真ん中よりやや下くらいの評価ということだ。とは言ってもそう悲観しないでほしい。仮に君たちが661ポイント以上であればBクラスへ昇格していたことになる」
要は下剋上制度がありますよ、ということ。
ここまではほぼ全てが推測と一致している。であれば───
「今から君たちに伝えなければならないが、理想の進学先や就職先に行けるのは卒業時にAクラスだった人間のみ。つまり進学・就職を叶えたい人間はAクラスへと上がらなければならない」
坂上先生がそう言い切ると、クラスがざわめきだす。
報酬か何かあるはずだと思っていたが、進学先や就職先の権利だとは思っていなかった。
(あれ?じゃあ───)
「ポイント及びこの学校のシステムについての説明は以上だ。次に、これを見てもらおう」
気になることが生まれたが、次の話題に進むと言われたため一旦考えるのをやめ、すぐに頭を切り替える。
その間に先生は持ってきた紙を広げ黒板に貼った。
……つい先日クラスで行われた小テスト。その結果らしい。
抜き打ちで行われたそれは各科目の問題が混ざったものだったが、最後の3問を除き中学生レベルのものだった。
しかし最後の3問だけ難易度が段違いで、高校3年生レベルの問題が並べられている、というものだった。
……正直そこまで苦でもなかったけど。
1位 伊吹湊 100点
2位 椎名ひより 95点
3位
4位…………………………
椎名と金田はラスト3問のどれかを正解している。そうなるとこのクラスの参謀が務まるのは俺、椎名、金田の3択。
俺自身興味ないから除外するとして、椎名の性格上争い事には不向きだろう。
そうなると参謀役は金田になると思われる。話したことないが、クラスでの様子からすれば心配はない。
ちなみに澪と高橋と宮崎は85点、富岡は75点、龍園は65点だった。
「平均点は73.4点。赤点は37点未満になるから……このままだと35点の石崎くんは赤点だ。今回は特にペナルティはないが、定期テストでは赤点を取ってしまうと即退学となるから気をつけるように」
そう告げられると、クラスが再びざわめきだす。
主に小テストで50点以下の人間たちだが、赤点を取ったら即退学というルールは楽観視出来るものではないからな。
「これについては脅しではないから、それぞれ頑張ってほしい。赤点を取らずに済む方法があると確信している。ではこれでホームルームを終了する」
坂上先生はそう言い残して出て行く。
いくつか考えることもできたし、これからどうするかも考えなければいけないな。
高度育成高等学校学生データベース(入学時点)
名前:伊吹 湊(イブキ ミナト)
クラス:1-C
学籍番号:S01T004659
部活動:無所属
誕生日:7月27日
ー評価ー
学力:B+
知性:A+
判断力:B
身体能力:C+
協調性:A−
《面接官からのコメント》
学力が高く、協調性もあるため面接時における評価も高い。身体能力も平均以上であり欠点らしい欠点もない。当初Aクラスへの配属が妥当と思われたが、妹を基準に判断する節があることと、添付の中学の内申書の評価も考慮し、Cクラスへの配属とする。
《中学校からの内申書》
学力・身体能力共に平均以上。協調性もありクラスでも浮いた様子がない。授業中・放課後の様子や小学校からの成績を考察した結果、経緯は不明だが全てにおいて手を抜いている可能性が高い。故に、貴校で全力で取り組むよう指導することを強く望む。(担任印)
ここからちゃんとした(?)あとがきです。しばらくこの形になりますが何卒。
5月に入り、朝のホームルームでした。ぶっちゃけここは弄る要素がないですね。
次回は龍園の王様宣言含め放課後の話です。
新たに評価をつけてくださった方ありがとうございます!
ではまた次回に。