伊吹澪のお兄さん。   作:凪姫

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第6話

龍園と接触してから1週間程が経った。

Cクラス全体としては特にトラブルがあるわけでもなく、至って平穏に過ごしている。

とはいえ何人か怪我してる人がいるから、完全に平和だとは言えないんだけど。十中八九龍園の仕業だろうな。

他に変わったことと言えば、数日前に行われたプールの授業だろうか。

体育の教師が授業中に気になる発言をしていた。

「この夏までに泳げるようになれば必ず役に立つ」という発言。そして「1位の生徒には5000ポイントの支給をする」という発言だ。

後者に関しては(俺の中では)驚いたものではなかったから無視するとして、問題は前者だろう。

「この夏までに泳げるようになれば必ず役に立つ」と断言している部分。

であれば今年の夏には水泳の試験、あるいは水泳を必要とする状況が出てくるということ。

ちなみにこれについては龍園も気付いており、その日のうちにこちらに確認を取ってきている。

……やってる事が参謀と同じ気がすると思ったし、必要以上の連絡は取らないように言ったけど……どうせ言っても聞かないだろうな。

 

 

 

 

 

また、俺の学校生活も変化が起きた。

その1つが───

 

「この前借りた本読んだよ~」

「あら、もっとかかると思っていたのですが……。そうだ、今日の放課後なんですけど、一緒に図書室に行きませんか?」

「いいね、そうしよ!」

 

目の前にいる椎名(しいな)ひよりだろうか。

宮崎と同じく茶道部に所属しており、Cクラスの中でトップクラスに可愛いと言われている女子だ。

茶道部で宮崎と仲良くなり、その関係でクラスでも宮崎とよく話している俺と澪、高橋、富岡ともよく一緒にいるようになったのだ。

……余談だが、俺の中では澪が1番可愛いと思います(シスコン)。

 

「伊吹くんたちも一緒にどうですか?」

 

考え事をしているうち、椎名から誘いを受ける。

 

「おー、いいぜ。富岡と伊吹は?」

「部活がある。すまない」

 

高橋は行くことを決めたが、富岡は部活があるので断るようだった。

……観察してて思うが、高橋は基本的に誘われれば基本乗る人物であるようだ。クラスメイトからの誘いも断っているところを見たことがないしな。

対照的に、剣道部に所属している富岡は殆ど遊びに行くことはない。唯一の例外は俺たちと遊びに行った時くらいか。

 

「ん~……ごめん、俺も用事があるから無理かな。澪は?」

「行く。映画の原作が気になるし」

 

澪も行くことにしたらしい。

この学校に入学してから、俺以外にも宮崎や椎名ともよく話すようになったと思う。

……中学時代は1人でいるか俺と2人で遊びに行くかのどちらかだったので安心しているのは内緒。

 

「そうですか……。それじゃあ3人で行きますね。では宮崎さん、伊吹さん、行きましょう!」

「ちょ、早いよ!待って〜!」

「じゃ、行ってくるから」

「ん、夕飯作って待ってるよ。いってらっしゃい」

 

澪たちも行ったようだし、俺もそろそろ行くとしますか。

 

 

 

 

 

もう1つの学校生活の変化とは、放課後の過ごし方だろうか。

中学までは遊びに行くこともあったが、機会としては少なかったと思う。

どちらかというと勉強……あらゆる知識の詰め込みの方に時間を割いていた、というのが大きいかもしれない。

この学校に入る前の時点である程度習得し終えたと判断し、その分時間を他に充てられるようになったからだろう。

この一週間ほどの間にも、高橋たちCクラスのメンツや白波とも遊びに行く機会が作れた。

ちなみに澪を除いてこの学校で交流しているのは白波だったりする。週に2〜3回ほど会っているのはどういうことなのだろうか。

それ以外にも一度だけ鬼龍院先輩から呼ばれたこともある。

……少なくとも来月くらいまで呼ばれないだろうとか思っていたけど、そんなことはありませんでした。でも奢ってもらったのはありがたかったです。

という風に友達と呼べるメンバーは一定数いるわけだが、今日の用事はそのどれでもない。

 

「失礼します。ここって将棋部で合ってますよね?」

「あぁ、そうだけど。見たところ一年生のようだが、体験入部だな?」

 

今日来たのは各部活動。今日は将棋部に来ているが、他の部活にも行ってみるつもりだ。

もちろん、体験入部で来たつもりはない。

 

「そうではなく───今日はポイントを賭けて勝負してもらうために来ました」

『……!』

 

そう言った瞬間、部室にいた全員の目の色が変わった。

目の前にいる先輩は一瞬動揺したものの、すぐに表情を取り繕って話しかけてきた。

 

「おいおい、担任の先生から月に10万ポイント支給されるって言ってたろ?なら───」

「いえ、先生はそんなこと言っていませんでした。俺のクラスが来月絶対にポイント支給される保証もありません。なのでポイントを増やしておこうと」

 

目の前の先輩が否定しようとするが、間髪入れずに反論させてもらう。

こちらも確証を持って来ているから問答をしても意味がないからな。

それが分かったのか、奥にいた女子の先輩ーーー説明会の時に壇上に立っていた部長が決断する。

 

「……これ以上は誤魔化せなさそうだね。いいよ、やろっか」

「部長!?本当にやるんですか!?」

「これ以上は時間の無駄でしかないでしょ。最初は……森田くん、相手してあげて」

 

そう言って、彼女の近くにあった机に案内される。

最初に相手をしてくれるのはどうやら最初に対応してくれた先輩のようだ。

お互いに席に着いたところで向こうから声をかけられる。

 

「じゃ、始めるけど……君の手持ちはどれくらい残ってるんだ?」

「えっと……6万ちょいくらいです」

「そうか……なら、俺は敬意を表して6万ポイント賭けさせてもらおう。君はその半分の3万ポイントでいい」

「いいんですか?公平じゃないですけど」

「あぁ、そのくらいは問題ないさ。それじゃ始めよう。先攻は君に譲るよ」

 

森田先輩はテキパキと駒を準備しながら、賭け金について提示してくれた。

少ない額とはいえ、自分の2倍賭けてくれるのは大きい。

改めて気を引き締めて、先手として駒を動かした。

 

 

 

「参りました。見てて思ったけど、やっぱり強いね〜!」

「ありがとうございました。そう言って頂けると嬉しいです」

 

それから何戦も試合をし、今しがた部長との勝負が終わった。

なんとか全勝できてポイントを増やせたが、ギリギリの勝負が多くて少しでも間違えれば一文なしになっていただろう。

対戦した先輩方全員と連絡先を交換出来たので、文句なしの成果と言えるだろう。

 

「そういえば、伊吹くんはこのポイントで何か買ったりしないの?」

「そうですね……。今後のことを考えたらパソコンとかタブレット端末とか……そういうのを買うと思いますけど、それ以外は特に浪費しようとかは考えてないですね」

「ま、そうだよね。知ってると思うけどポイントは大切に取っておいた方がいいよ?この学校で買えないものはないからねっ」

 

改めてそう念押しされる。

……『この学校で買えないものはない』か。それについてもどの程度まで、それこそ本当に何もかも買えてしまうのか……。

そこら辺は龍園が調べそうだし、必要な時に調べればいいか。

そんなことを考えていると、部長の先輩が思い出したようにこちらに向き直る。

 

「そうだ、ちょっと待ってもらっていいかな?」

「え?はい、構いませんけど……」

「ちょっとごめんね。……もしもし?私だけど今いいかな?───」

 

そう言って先輩はどこかに電話をかけ始める。

少し会話した後、改めてこちらに話しかけてきた。

 

「パソコンでよかったら私のクラスメイトが力になってくれるって。どうする?」

「いいんですか?ぜひお願いします!」

「おっけ~。……うん、そういうことだから───」

 

どうやらパソコンについて相談できるか聞いてくれたようだった。

こちらとしてはありがたい申し出なので、了承を伝えてもらう。

 

「今だと体験入部で忙しいみたいだから、1週間後とかになるみたいだけどいいかな?」

「全然大丈夫です。こちらこそわざわざありがとうございます」

「いいっていいって。それじゃ、あっちの都合がついたら連絡するね」

「今日はありがとうございました。またよろしくお願いします」

 

最後に挨拶をして部室を出る。

最終的に他の先輩にもコンタクトを取れるようになったのはとても大きいだろう。

改めて部長さんに感謝しながら、俺は寮に向かうのだった。




今更ながらスマブラにハマって投稿を忘れてました(殴)

ひよりさん参戦です。宮崎さんの茶道部入部はここの伏線です。実際ひよりさんが茶道部なのか覚えてないのですが(
澪ちゃんは兄の影響もあって原作よりも(色んな部分で)強化されてます。主に交友関係や考え方の部分ですね。
投稿を忘れないようにしないと……。
ではまた次回に。
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