戦姫絶唱シンフォギアSFS〜Sing For Sister〜 作:NTK
不定期となりますがよろしくお願いします。
サブタイ変更しました。
とある山中、湖の側に建っている大きな洋館、その内部の食堂にて三人の男女が集っていた。三人とも見た目からハーフ、または外国人なのだろうが特に強烈な印象を持ってるのは金髪の女性だった。
なにせ、起伏に富んだその身体を包むものは無く、身に付けているのはアームカバーとブーツのみであり全裸と言ってもいい格好をしているのだから。
しかし、そんな彼女と向かいあってる二人の男女─特に異性である男の方─は慣れているのか、はたまた興味がないのか、意に介してない様子であった。
男女、と言ったが正確には青年と少女であり、少女の方は赤い服を着ており長い白に近い銀髪を二つに結び、年齢の割に幼い顔つきとこれまた年齢の割に大きな胸が特徴的な鋭い目つきの少女であった。
青年の方は黒いジャケットを着ており、少女のそれよりも濃く暗い色の銀髪を短く切り揃え、その目つきは少女と同じく鋭いものの、明らかに彼女より鋭く、冷たいものであった。見た目の類似点からわかる通り、二人は兄妹である。
金髪の女性─フィーネは少女と青年…雪音クリスとその兄、雪音
「さて、今回あなた達に与える仕事は彼女…『立花響』の確保よ。つまり、本格的に二課と関わることになるわね」
「了解した。だが、クリスは『ネフシュタン』で出るとして、俺は『アレ』で出て向こうでのあんたの立場的に問題はないのか…って、聞くまでも無いか」
「その通りよ。それくらいのこと、あなたが心配しなくてもきちんと考えてあるわ。今夜行動を起こしてちょうだい…何か質問は?」
「なら一つ。そいつの確保にあたり風鳴翼が邪魔となるが彼女はどうする?」
「殺さなければ何しても良いわ」
その答えに春人は疑問を抱いたがすぐに彼女から説明が入る。仮に殺してしまった場合、二課におけるノイズへの対抗戦力が無くなることとなり、二課が解体される可能性がある。そうなると理由ははぐらかされたがフィーネとしては都合が悪くなるそうなので殺しはナシと言うことであった。
「じゃ、頼んだわよ。特に春人、貴方は私の提唱した理論における
フィーネは部屋から出ていき、その場には春人とクリスのみが残っていた。
「クリス、今までと違って本格的に戦うことになるが、大丈夫か?」
心配そうに聞く春人にクリスは先程より柔和な表情で答えた。
「大丈夫…それより、やっとこれで今までよりも多く力を持った奴らを倒せるんだ…!そうすれば、もう
「…そうか」
そう呟きながら春人はクリスの頭を撫でる。本人としてはもうすぐ16歳でありこれは恥ずかしいのだが、嫌ではないため目を細めて受け入れていた。
─しかし、彼女を撫でる春人の目は、どこか悲しげだった。
その日の夜、行動を開始した二人のうち、万が一素顔を一般人に見られてそこから身元がバレないようサングラスをかけた春人は公園内で待機していた。そろそろクリスが『ソロモンの杖』で放ったノイズがここにやって来る頃だろう。増殖型で逃走第一に指示するように伝えてあるので余程のことがなければ撃破されないだろうと思っていたところで地面が爆発し、そこからノイズが飛び出した。
(という事はそろそろ奴を追いかけて立花響が来ると思うが…ん?)
ふと空を見ると一際輝く何かが近づいてくるのが見え、目を凝らすとそれは二課の奏者、風鳴翼であった。彼女はそのまま斬撃を飛ばしノイズを撃破していった。そろそろ仕掛けるかと思った時であった。
「私だって、守りたいものがあるんです‼︎」
「っ‼︎」
響の放ったその言葉に春人は足を止め、思わず拳を握りしめた。
(守りたいものがある、ね…だからどうするんだ?それは俺も同じだよ…‼︎)
「だから?んでどうすんだよ?」
その思いを代弁するかの様にクリスが予定通りに現れ言葉を発すると二人はその方を向き、彼女が纏う『ネフシュタン』を見て翼が動揺するのが見てとれた。当然だ、アレは二年前にかつての相棒である奏の命と共に失われた完全聖遺物。行方知らずだったそれを目の前の
クリスと翼、両者が幾つか言葉を交わし戦闘態勢に入るとそれを止める様に響が声をかけた。
「待ってください!相手は人です、同じ人間です!」
「「戦場で何を馬鹿な事を‼︎」」
(フッ!まさか意見が被るとはな…)
二人の言葉が被さった事に春人は失笑するが彼女の言うことは理解できる。なんせ彼女は最近まで普通の高校生だったのだ。そんな事を言うのも仕方ないだろう。
「(さて、そろそろ出るとしますか)この状況で人と戦いたくないとは随分お人好しだなぁ‼︎」
「っ誰だ⁉︎」
「なに、そこのネフシュタンの連れさ。それより、そこのアンタ」
「わ、私?」
「そう。守りたいものがある、それは結構。だが、世の中には守るためにどうしてもやらなくてはいけない事だってあるんだ。人同士の戦いもその一つだ。それを避けたら守れなくなる事もある事を忘れるなよ?」
「…ッで、でもやっぱり戦うのは…」
言い淀む響に対し翼はクリスを警戒しつつ春人に剣先を向ける。
「その意見には同意するけど、貴方はこの少女と同じくこちらの敵。大人しくしてれば無傷で拘束するわ」
「よく言うよ、不意打ちを警戒してる癖に」
そう翼が告げるのはこちらがこれといった武器を持っていないからだろう。仮に持っていてもシンフォギアの前では無力だ。しかし何かしらの聖遺物を持っている可能性もあるため、投降を進めるわりには警戒を解いていないのは流石というべきだろう。
「まぁその予想は正しいさ。アンタらに対抗できる力を俺は持っている…この通りな」
「…なッ⁉︎何故
春人が服の中から出した物をみて翼は驚愕する。何故なら─
彼が掲げているのは
その詩を歌うように言い放つと彼の身体は赤黒い光に包まれていった。
「その歌は…‼︎」
一方、ネフシュタンの反応を受けて現場に急行している二課司令の風鳴弦十郎とシンフォギアの生みの親である櫻井了子はその異変の報告を聞き取った。
「アウフヴァッヘン波形ですって⁉︎波形パターンの照合は?」
『それが…ERRORですッ‼︎こちらのデータベースにない波形です‼︎』
「何だと⁉︎イチイバルじゃないのか…!了子くん、心当たりは?」
初めはかつて失ったとされるイチイバルと思っていた弦十郎だったが、その予想が外れ、了子にその未知のシンフォギアについて知っているか聞くが彼女は首を横に振った。
「全くないわねぇ。向こうに私と同じくらいの天才がいて、そいつが偶然同じ理論を見つけたか、こっちの知らないうちに櫻井理論のデータを盗んだか…どちらにせよ急いだほうがよさそうね」
「奪われたネフシュタンに未知のシンフォギアの同時襲撃…二人とも、持ち堪えてくれ…!」
光が収まり、ギアを纏った春人の姿を見て翼と響の二人は言葉を失っていた。
ほぼ全身を覆った、まるで波打つ炎のような造形の鎧は返り血が固まったかのように赤黒く、所々にある赤い筋や白い線が血管や骨のように見えて不気味であり、両手にはこれまた波打つ炎のような二振りの赤黒い剣─フランベルジュを握っていた。顔はグレーのバイザーで見えないが、二人の反応を見て面白がっているのが口元でわかった。
「驚いたか?ギアを使えるのがお前たちだけだと思うなよ?」
「な、何故…シンフォギアを…⁉︎」
「何故シンフォギアを纏えないはずの男の俺が纏っているか?まぁアレだ、物事には例外ってのが存在する。つまりはそう言う事だ。さて、これで数は同等だ。さっさと始めよう」
そういい春人は胸に宿る歌を口ずさんで翼に斬りかかっていく。
殺してはいけないがすぐに復帰されないよう、瀕死ないし重傷は負わすつもりである。だが妹とそこまで歳の離れていない彼女をそんな目に遭わすことに何も感じないかといえば嘘になる。だがすでにそういった行いは
(そうだ…!全部、クリスの未来のためだ…‼︎)
(今日ここで、春兄ぃが
過去の兄を見て、その兄のために覚悟を決めた
滲み出る共依存感よ…
他の子にも言えることだけど、クリスちゃんってお兄さんとかいると依存しそう…しそうじゃない?
また、基本的に無印は春人サイドがメインなので原作のいくつかのイベントはカットする予定です。
さて、軽くキャラ紹介です。
雪音春人(22)
・現在公開できる情報
例外的にシンフォギア《ダインスレイフ》を纏える青年。クリスの事が大事。
八年前に彼女と同じくバルベルデにいた。詳しくは伏せるが彼のおかげでクリスは原作のような痣や傷跡を持っていない。
ダインスレイフ
メインカラー:血が乾いて固まったような赤黒い色
アームドギア:剣(主にフランベルジュ)の二刀流
フィーネ(一体何子さんだ…)が隠れて製作したシンフォギア。
出力が高いそうだが、生き血を吸う魔剣の名にふさわしい厄介なギア特性があるそうで…?
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