「切島ァ!ここは任せて外へ向かえや!」
「待てよ爆豪、んなことしたらお前が1人に
なっちまうだろうが!?」
「瀬呂相手なら1人で十分だっつーの!!
それよか他の奴等の確認しろ!」
「…っ!!わかった!!」
走りだす切島
それを見送る爆豪
そして、瀬呂もそれを止めなかった
「ハッ!ずいぶんと余裕じゃねぇか…」
「まぁ冷静な瀬呂君としてはね
爆豪1人でも負けそうなのに切島までいたら
さすがに勝機がなくなっちゃうからね」
「俺1人なら勝てる気でいたのか?
ナメられたもんだなぁぁ!!」
激昂し手から連続で小爆発を出す爆豪
ニヤリと笑ったまま[テープ]の射出口を向ける瀬呂
まさに一触即発の雰囲気が2人の間に走る
「俺はよ、結構周りのこと見ていたんだぜ?」
「あ゛あ゛?」
「爆豪、お前はキレやすい性格だけど
戦闘に限っては頭の中は冷静なのも知っている」
「それがなんだってんだ!?」
「まぁまぁ、喧嘩腰になるなよ…
つまり、こうやって敵対していてもだ
相手の話を聞いて情報を得ようとしたり、
隙を探ったりする癖がお前にはあんだよな」
「だから、それがなん…だ」
最初に感じたのは冷たさ
次に焼けるような熱と痛み
爆豪の視界に入ったのは己の胸から突き出た切っ先
「…てめ」
「瀬呂くん遅いと思ったら何を遊んでるんですか~」
「いやいやトガさん、俺1人じゃ勝てないってば」
もう1人いた
何故、気付かなかったのか
気配も足音もしなかったハズなのに
「もう終わりですけどね」
「じゃあな…爆豪」
おもむろに引き抜かれた凶刃
驚くほど遠くまで噴き出す鮮血
何かを言おうと、いや行動しようとしたが
爆豪はもう、それを思い出せず動けなかった
緩やかに暗転していく視界は床しか映らない
「やっぱクラスメイトが死ぬとこは
何度見ても慣れねぇな…」
「そうですか?可愛いくなったと思いません?
あと、“マスタード”のカツラとコスチュームです」
「はぁ、すぐに着替えますって…
爆豪、聞こえてないだろうけど
全部終わったら蘇生されるだろうから
それまでは死んでてくれよな」
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走る
切島は走る
走って走って建物の外にでると山が燃えていた
ただの山火事ではない
“青い炎”だ
[個性]が使われていることは明らかで
相手が複数犯だと推測された
「轟!障子!上鳴!無事だったか!!」
「切島!状況はわかるか!?」
「わかんねぇけど…爆豪が瀬呂と戦ってる!!」
「どういうことだよ!?」
「瀬呂の出したコーヒーに薬が入ってたんだ!
だから飲んだ奴は皆眠っちまってる!!」
「なんで…瀬呂が…」
「それは瀬呂君…
いや、マスタード君は我々の仲間だからだよ」
轟、障子、上鳴と話している時に乱入者が加わる
その男は派手な衣装に身を包み奇妙な仮面をつけていた
「お初にお目にかかる!!我々は敵連合 開闢行動隊!」
「…っ!!新手か」
そして、乱入者は1人ではなかった
もう
異形型だとしてもあまりに異常な外見
肉体にチェーンソーやドリルが埋め込まれたソレは…
「ネコチャンッ」
「え?」
「なぁ…今」
「…嘘だろ」
ソレの原料となっていたのは…
「人使…人使なんだろ!?」
「…上鳴、今は」
「今もクソもねぇよ!!友達なんだよ…
俺の大事な友達なんだ!!」